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怪奇さえ通じない

この世には、何事にも動じずにただ物事をこなす機械のような人間がいる。
桐山和雄もその一人だ。その証拠に、先ほどの七原秋也のような動揺など欠片も見せていない。彼は事故で感情を失ったのだから。
桐山は一度死んだ。七原たちを襲撃して、油断が仇となり射殺されてしまったのだ。
もう一度彼は殺し合いに乗るのか。それによって、この儀式の結末は大きく変わる。

まさに運命の悪戯、支給品からは100円玉とコルトガバメントが出てきた。
指でそのコインを弾こうとした、その時。
参加者全員に配布されている通話可能(ただし三回のみしか掛けられない)PDAが着信を知らせたのだ。コインは海に落下した。ここはf-1。海沿いだ。

「……もしもし」
『私メリーさん。今、あなたの後ろに居るの』
「そうか。だが俺の後ろは崖だ」
『え?は、ちょ、ちょっと!こんなのってあり!?』

背後を振り返れば、そこには崖に必死で捕まっている12才くらいの金髪の少女が居た。
武器であったらしい短剣は海に真っ逆様だ。

「…助けてやろうか」
『余計なお世話よ』
「そうか。ではな」
『助けなさいよぉ!何で無言で立ち去ろうとするの!』

桐山は崖下に手を伸ばす。


メリーの手を確かに掴み、落ちないよう静かに引き上げる。

「……一応、ありがとう」
「…メリーさんとは、あの怪談のメリーさんで合っているのか」

こくり、と首を縦に振るメリー。
桐山も取り巻きたちが話しているのを聞いたことがある。「私メリーさん。今○○にいるの」という電話を何度も掛けてきて、最後には自分の後ろに居るという怪談。

「…で、お前は何の為に俺の後ろに立ったんだ」

ガバメントの銃口を無言で突きつける桐山。彼には怪奇さえ通じない。
メリーは幾ばくか慌てた後に、口を開く。

「仲間に、なりたかったのよ。私は何人ももう殺しているけど、あんな狐の言う事を聞くなんて真っ平御免よ。だから…その……銃向けないで……」
「成る程。じゃあ俺は殺し合いに乗らなければいいんだな」

桐山のスタンスはここで決定する。対主催として、こっくりを討つ。
彼はコイントスに失敗したため、最初に出会った者のスタンスに合わせることにしていた。最強クラスのマーダーが生まれるのは阻止されたのだ。

「……行くぞメリー」
「え、あ、うん!」

桐山の後を走ってついていくメリー。一人と一つの怪奇の異色ペアが生まれた。


【桐山和雄】
基本:殺し合いには乗らず、こっくりを討つ。
1:メリーを守りながら行動。
2:七原たちに信用されることは諦める。
※死亡後からの参加です

【メリーさん】
基本:殺し合いには乗らない。
1:和雄についていく。


【メリーさん】
有名な都市伝説で、話の中に出てきた通り…なのだが、今回は2chなどで創作された萌えキャラのメリーさんとしての参加。
能力はエリア内の相手に電話を掛け、その背後に移動できる能力。

狐の儀式 投下順 変わる未来
GAME START 桐山和雄 負の連鎖
GAME START メリーさん 負の連鎖

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最終更新:2011年08月06日 00:09
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