虐殺天使綯ちゃん

首無しライダーは疾走していた。
その暴走族風のジャケットの首から上には何も無い。その不気味なシルエットとは裏腹に、首無しライダーは殺し合いに乗ろうとはしなかった。
そもそも首無しライダーとは、特に何かに危害を加えるようなものではない。
ただ、走り続ける。生前最後にしていたことを繰り返すだけ。
この『儀式』において、それがただ悪戯に目立つだけの行動でしかなかったのだが。
首無しライダーは走り続け、そして崖の近くでカーブしようと旋回した。

その瞬間に、バイクに飛びかかった一人の幼女がライダーの胸を銀に光る包丁で刺し貫いていた。
壮絶にドリフトし、包丁が抜かれた直後に崖下に真っ逆様に転落していった。
生死などわざわざ確かめるまでもない。


凶悪殺人犯、小畑瞬は一人の少女を追い回していた。
彼の目的は彼女を殺すことではない。彼女を強姦し、その後に殺す。
小畑は変態だ。女の物ならそれが手鏡でも欲情する自信があるくらいだった。

「いや!来ないで!」
「ひゃははは、待てよぉ。ヤらせてくれたら命は助けてやるかもなぁ、ひゃはは」

追われる少女の名は長谷川多香子。17歳にしては小柄な外見だ。


それでも、その豊かな胸は男の性欲を刺激するには十分すぎた。
だが、小畑は忘れていた。かつて自分が同じことをしようとしたクラスの委員長にガラス片で顔に傷をつけられ、その怒りから初めての殺人を犯したことを。

パァン、という音がした。
それは多香子の手にあったワルサーPPKから放たれた弾丸の音だ。
直後に小畑の右肩に穴が開き、その動きを一瞬だけ止めた。
しかし、多香子は優しすぎた。傷を負った小畑に駆け寄り傷の手当をしようとした。

「こンの……クソアマぁぁあああああああああ!!ぶっ殺してやる!」
「かふっ!?」

多香子の首に手を掛け、物凄い力で圧迫する。
多香子は死を覚悟した。息が出来ない。目の前の男の荒い息が気持ち悪かった。

が、多香子は小畑に殺されることはなかった。
小畑の首が、乱暴に銀の刃によって切り裂かれたのだ。血が噴き出して多香子を濡らし、更に後ろを振り返った小畑の顔面には包丁が突き刺された。
小畑は情けない悲鳴をあげて痙攣し、やがて動かなくなる。

「……助けてくれたの?」

立っていたのは、小柄な多香子よりも更に小さな、小学生くらいの女の子だった。
女の子は笑顔で頷き、そして





多香子の右目を包丁で突き刺した。



「ぎゃああああああああああああああ!!痛い、痛いぃぃ」
「……お姉ちゃんを助けてあげたから、文句言っちゃやだよ☆」

女の子は絶叫する多香子の心臓に、再び包丁を突き立てて絶命させた。

復讐者ーーーーー天王寺綯は、血塗れの顔で笑顔を見せた。
次の獲物も近くに三人いる。

「たのしみだねー、あはっ♪」


「まさか9F氏と真っ先に会えるとはラッキーだったよ」
「俺もですよ、9Q氏」

◆9QScXZTVAcと◆9FxqcGTlOcは、再会に安堵していた。
まさか殺し合いを本当にすることになるとは思ってもいなかったため、知り合いである書き手と真っ先に会えたのはラッキーであったと言える。
ただ、それが『復讐者』の近くでなければの話であったが。

「逃げろ!」

少年の声がした。驚いて声の方を見ると、一人の少年が血塗れの片足を引きずって、9Qたちに近付いてきていた。

誰かに襲われたのかーーーーー!?

と9Fが認識した頃には、もう遅かった。
天王寺綯の投げたのは、一つの石。
小さな石に、9Qは一瞬だけ気を取られてしまった。それが、最大のミスだったのに。

「は?」


9Qの胸元に、深々と包丁が突き刺され、心臓まで到達した刃が9Qを絶命させた。
少年ーーーーー七原秋也はとっさに支給された破片手榴弾を綯に投げつける。
桐山和雄に前回の殺し合いで使われた武器であるが、人一人を確実に殺害する威力だと言うことを考えている暇はどこにもなかった。
そこが秋也のミスだったのだ。
かつて秋也自身は、桐山の手榴弾をどうやって回避したのだったか?

綯は笑いながら、手榴弾を秋也の後方まで蹴り飛ばした。
ドォン!という爆発音と同時に破片が秋也と9Fの全身に襲いかかる。
綯は足元の9Qの死体を盾にして破片の嵐を見事に防ぎきって、狂気の笑みを崩さないまま9Fに馬乗りになる。9Fの敵意のこもった視線を見て、綯はより楽しそうに笑顔を浮かべ、9Fの胸元に包丁を降り下ろした。
虫の息の9Fは最後にしっかりと綯を見て言葉を吐いた。

「待て……これ以上…罪を重ねるな…」

9Fが動かなくなったのを見て、満足気に綯は笑う。
最後の一人である七原を見ると、七原はもう手を下す必要もないくらいの傷だった。
七原はそれでも綯を睨みつけている。

「(典子……俺は、帰れそうに…ないな…)」

心の中で最愛の恋人に謝る。


七原秋也は、この殺し合いの大きな『希望』はここにその命を散らせた。

絶命を確認すると綯は今まで押し殺していた感情を爆発させた。

「あはは、あはははははははははははは!ざまあ見ろ岡部倫太郎!お前を殺しに行くために、みんなみんな殺してやる!待っててねお父さん、綯は必ずあいつを殺すからね!あはははははははははははははははははは!!」

【首無しライダー@都市伝説・2ch】
【小畑瞬@オリキャラ】
【長谷川多香子@オリキャラ】
【◆9QScXZTVAc@非リレー書き手】
【◆9FxqcGTlOc@非リレー書き手】
【七原秋也@バトル・ロワイアル】  死亡
【残り28/40人】

【黎明/e-2】
【天王寺綯】
基本:皆殺し。
1:主催者も殺す。
2:元の世界に帰ったら岡部倫太郎に復讐する。
※桐生萌郁を刺殺した後からの参加です。

疾走のオートマーダー 投下順 嵐を呼ぶ筋肉旋風
GAME START 首無しライダー GAME OVER
GAME START 小畑瞬 GAME OVER
GAME START 長谷川多香子 GAME OVER
GAME START ◆9QScXZTVAc GAME OVER
GAME START ◆9FxqcGTlOc GAME OVER
狐の儀式 七原秋也 GAME OVER
GAME START 天王寺綯 [[]]

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最終更新:2011年08月07日 21:10
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