わけの分からないところに集められた上げく首に何かつけられている。
「蝉」と言われるプロの殺し屋は、首輪を確認した。鉄製で少し首を曲げると苦しくなるほどきつい。
恐らく爆発物のようだが、不思議と嘘みたいだと頭の中で思った。
若い殺し屋は支給品の文化包丁を構えてやることもないのでただ歩く。
支給品が包丁で内心ほっとした。拳銃を使ったことはないし、爆弾の類ももちろんない。
下の道は舗装路で、足に伝わるコンクリートの感覚は悪路とは違いただ硬いだけだ。
都市部の一角のような高層ビル以外は、背の低い建物が集中する商店街で鍵が閉まっているものが大半。
(ただ歩くだけじゃ退屈だ。誰か来いよ!!)
人を殺せるから参加者と出会いたいものだがマップが広いので会うことはないだろう。
北側に橋があるが、それが上がったままならばこちらに来ることは出来ず、参加者とニアミスする確立は減る。
「ヒマすぎんなぁ~。誰かいねぇのかよ…。」
思わず声を上げた。うっかりとしてしまった。声に気づいたのか、日が差す商店街のシャッターに人の影が映った。
他の参加者。暇を潰してくれるいい相手だ。参加者が所持している武器に日光が当たり、光が反射している。
遅れて参加者と地面のコンクリートがぶつかり、足音となって聞こえてきた。
青いコスプレでもしたような服にちょび髭と眼帯のおっさんだ。持っているのは刀で奇妙な色をしている。
(リーチが長いけどおっさんは動きは遅いだろう。ちょろいもんだ・・・。優勝はもらった!!)
「すまないが、エドワードエルリックと言う少年は知らないかね?」
(ってかなんで人探ししているんだよ!!
殺し合いには乗ってねぇみたいだな・・・。)
「見たことねぇよ。」
「小柄で、金髪の三つ編みの片手が義手の少年だ。」
(くどいなぁ・・・。あんたにしか会わなくてこっちはひましていたんだ・・・。)
「いちいち、うぜぇんだよ・・・。」
殺す口述をどうでもよかった。ナイフを構えて腹部に狙い定めた。微動だにしない参加者に飛び込むように向かう。
(どっちにしろおっさんだ。動きは遅くて殺すのは楽だろう。暇つぶしにはいい相手だ・・・。)
ところが腹部に狙いを定めたナイフは大きく弾道を反れた。そして空振ったという感覚と共に体中に激痛が走っていた。
片手が吹き飛んだ。と言うよりも切り落とされた。とてつもない激痛とあまりの速さから驚けなかった。
暖かい鮮血が体から噴出す感覚はあった。叫ぶ余裕もなく、呻く余裕もない。
おっさんはいつの間にか背後にいて「蝉」の体中を切り裂いていたのだ。化け物のように早く目にとめることすら出来ない。
文化包丁を構えて、最期の力を振り絞って文庫包丁で参加者の胸を突きたてた。血が噴出すことはなかった。
文化包丁の刃の部分は、崩れ落ちて柄だけになっていた。一瞬のうちに全てをやり遂げていたのだ。
もう一つの手も斬り落ちた。胸部の罰マークに切り裂かれた傷から血が飛び出している。
「化けモン・・・じゃねぇ・・・か・・・・。」
蝉は消え行く意識の中で参加者の姿を確認した。
眼帯で隠していたほうの目は、不気味な色で人間とは思えないような怪物を睨みつけて息絶えた。
【蝉@グラスホッパー死亡】}
正直言うと男が反撃してきたことは驚いたが、それ以外は遅くて単純な攻撃だった。まっすぐで急所狙い。
素人ほどではないが、弱い。所詮はただの人間でしかない。
さっきの参加者より、支給品の刀のほうだ。何かとてつもない何かを隠し持っていそうだ。何か不気味な力が働いている。
この青年の支給品を拾って確認した。何やら薬のような液体と「
罪と罰」と言う文庫本が入っていた。
使えそうにないが、使う機会があるかもしれない。
エドワードエルリックとイズミカーティスは人柱の分際。どちらも殺すわけにはいかない。
ここまで練ってきた計画は全てパーになってしまう。皆既日食まであと少ししかない。
“お父様”もこれを逃したら長くは生きることが出来なくなる。
(一刻も早く保護しなければ・・・。子供と女性では狙われる的ではないか・・・。)
コンクリートの舗装路にたまった血の水溜りから、軍の大総統はゆっくりと離れていった。
【一日目・早朝/F-7】
【キング・ブラッドレイ@鋼の錬金術師】
[状態]:健康(疲労が極小)
[装備]:紅桜
[所持品]:支給品一式、薬のような液体、「罪と罰」の文庫本
[思考・行動]
基本:エドワード・エルリック、イズミ・カーティスの保護
恐らくマーダー?保護優先?
【紅桜@銀魂】
村田仁鉄が打った名刀。関わる者が次々と凶事に遭う妖刀でもある。
使用者に寄生することでその体をも操るばかりでなく、戦闘の経緯をデータ化し、学習を積むことでその能力を向上させていく。
さらに使い慣らせば一振りで戦艦十隻もの戦闘力に匹敵する。攘夷浪士の岡田が使用し・・・・
【罪と罰の本@グラスホッパー】
「鯨」と言う殺し屋の愛読書。日焼けしているただの文庫本。
【文化包丁@現実】
切れ味のいい包丁。結局壊れちゃったね。
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蝉 |
ゲームオーバー |
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キング・ブラッドレイ |
[[]] |
最終更新:2011年09月17日 22:32