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お伽噺のような冗談の中で

この藤林杏は晴れて――――どちらかというと曇り空の下、
岡崎朋也と付き合うこととなった。今やバカップルなんて言われていたり言われなかったり。
その辺りはお任せするとしよう。

一回は絶望に沈んだ彼女。

だからこそ、絶望には耐性がついた。
―――ついてしまった、とでも言うべきか。

「…………はぁ」

杏は深く、溜息を吐く。
さて、彼女は再び殺し合いの場に呼ばれてしまった。
普段ならば、これは経験として、プラスに働くだろう。


―――――――――しかし、彼女の場合はその様にはいかなかった。


「面倒くさいわね…………。さっさと終わらせましょうか…………」


参加させられた殺し合いの舞台が異常だった。
そこはゲームの世界。
思い通りに行かなくなったらリセットされて、
故障が起きたのであれば電源ボタンを切られる。

そんな世界。

だからなのだろうか。
殺意もなく、敵意もなく、害意もなく。
ただ、人を殺す。
ただ、廃人を殺す。
《マーダーキラー》は動き出そうとしていた。


「――――――――――――ねぇ? ユコ」


監獄に堕つ少女、ユコに問う。


「う~。 めんどくさいよ~」



その罪名は、《怠惰》



 ☆


「どうしたのよ、ユコ」
「うん~? 別にユコは普通だよ。ていうよりも杏さんこそ何言ってるの?」
「こりゃ重症ね………」
「それはユコのセリフだよ」

この二人は、いや、今の現状では一方的にだが、
二人の間にはそれなりに因縁がある。


救ったものと、救われたもの。


杏はユコに救われた。ユコは杏を救った。
実際杏はユコにしきれないほど感謝をしているし、ユコとしては自らやったことだ。
想定外の事象が起こったため、満足に終えれたわけでもないが、救ったことは良かれと思っている。


しかし。
今は互いに戸惑うばかりだ。


杏としては、できなかったお礼を言っただけなのに。
ユコとしては身に覚えのないことから人違いでは、と返しただけなのに。


互いに引かない。


おかしな話だった。


「…………あれかしら。あの変なエリアに行かなきゃ記憶は継げないのかしら………?
いや、でも陽平や智代は覚えがあったみたいだし……。―――――――――何でかしら」
「だから人違いじゃないんですか?」
「だから違うってば」


この不協和音は、止むことができるのか。



「―――――とりあえずこの話はやめようよぉ」
「…………。まぁ、そうね。そのうち思い出してくれるのを祈るわ」

杏は手を組みながら、うんうん、と頷きをする。
しかし顔は納得いっていない様子で、ジト目でユコを見つめる。
それでも、話が一向に進まないのは分かってしまったので、ここで一回この話は打ち切られた。

「さて、じゃあまずは当初の目的を纏めましょうか」
「うん、よろしく」
「………。まぁまずは探すべき人を探すってのが目的ね。
あたしの場合は、岡崎朋也に、春原陽平に、古河渚ちゃん……。まぁあとは《戯言遣い》ね。何か今回のことも知ってるかもしれないし」

最後の最後に、杏を《撃ち殺した》人物。
戯言遣い。
杏から見ても、この人があの殺し合いの鍵を握っていることは明らかだった。
だからこそ、今度もそうかもしれないわ、そんな考えが浮かんできた。

「うんうん」
「それで、ユコの場合はキサラギ、アリス、サコ、シンって子で良かったわね?」
「そうそう」
「さっきから二つ返事なのが気になるけど………。いいわ、次に行きましょうか」

ユコは先ほどから、気だるそうに杏と接する。
何も杏のことが嫌いなわけではない。
と、いうよりも会ったばかりの人間を嫌いになる程、人としては腐っていない。
人としては終わっているけど、腐ってまではいない。


結局はユコは面倒くさがりなのだ。


克服前。
炎の試練が終わって、
友情関係、信頼関係が積まれてきたとはいえ、
トラウマは誰も克服していない。
過去の虚像を打ち消すには至らない。


「さて、次は今回のスタンスを決めましょう」
「うん、ユコは面倒だから何もしなくていいよ。どうせサコが頑張ってくれるって……」
「そうね、サコは頑張ってくれると思うわ。でもあたしも何もしないというわけにはいかないから。
せめてこの殺し合いに乗っている人を殺すぐらいしましょうか」

さらりと、当然かの様に、違和感のかけらもなく、
そんな言葉が口から零れた。
しかし、ユコとしては当然不満、異論、というより疑問の声が上がる。

「殺す……?」
「そうよ、どうせ今回だってあのいーさんの仕業でしょ」
「………?」
「思い出せないならいいわ。ただ一つ言うとね、どうせ今回だって悪ふざけの戯言よ」
「―――まぁ杏さんがそこまでいうなら―――そうなのかな? というかユコとしては生き返れるのなら何だっていいの」
「そうね、さっさと帰りましょう」


さてはて、これは冗談なのか。
まだ分からないお話。


ただ、一つ言えることは、二人揃って、人を殺すことに疑問をもっていないことだ―――――――。



【一日目/深夜/E-Ⅶ 住宅街】
【藤林杏@超カオスリピーター】
[状態]健康
[装備]
[道具]KS×1、RS(1~3)
[思考]
基本:積極的な参加者は殺しておく
1:ユコと行動……でも…………?
2:朋也達と合流

【ユコ@クリミナルガールズ】
[状態]健康
[装備]
[道具]KS×1、RS(1~3)
[思考]
基本:めんどくさい……
1:杏と行動……でも…………?
2:皆と合流
[備考]
※炎の試練後からの参戦です


サイセイ~rebuild~ 投下順 表と裏が交り合い
GAME START 藤林杏
GAME START ユコ

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最終更新:2011年09月20日 21:20
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