闇。
真っ暗な世界。
この真っ暗な世界が終わればまた怠惰な日常が始まる。
春原をいじったり、渚や杏達と演劇部について話し合う。
夜になったら家に帰って他人行儀な親父を無視して寝る。
その繰り返し。それが続くと思っていた。
このふざけた催しに巻き込まれるまでは――――
◇ ◇ ◇
わけがわからない。
俺、岡崎朋也が最初に感じたことだ。
目覚めた場所は見慣れた自分の部屋ではなく薄暗いホール。
少なくとも体育館程度の大きさである。
……起きたばっかりなので思考があまり定まらない。
ふと周りを見てみると自分以外にも大勢の人。
軽く五十人以上はいるんじゃないだろうか?
そのどいつもが不安、困惑、焦燥、さまざまな表情を浮かべていた。
「いったいここはどこなんだ?この馬鹿でかいホールといい、周りにいる連中の多さといい
何かのイベントか?」
ここがどこなのか、なぜ自分がここにいるのか、いくら考えても理由がわからない。
それにこんなわけのわからないイベントに応募した覚えも無い。
第一、どうやって自分を家からここまで連れ出したんだ?
ちゃんと戸締りもチェックした。玄関の鍵も閉めたし、窓も開いてなかったはず。
まさか誘拐?身代金でも要求するのか?
否。それは無いだろう。自分の家はそんなに裕福ではない。
身代金を要求するならもう少し金持ちの家を狙うはずだ。
「あああああ、もう!なんなんだよ!…………ん?なんだこれ?」
首にかすかな違和感を感じ、そっと指先で触れてみると、
「ネックレス……じゃねーな……こんな首に圧迫感のあるネックレスがあってたまるかっての。
……ブローチでもない……ましてやチョーカーでもない……後は、首に着ける物……
まさか首輪か?おいおいこんなのつけてた覚えは…………春原ならともかく、
俺に首輪を着けて喜ぶ趣味はねーぞ」
俺は至ってノーマルだ。断じて首輪をつけて喜んだりするSM趣味は無い。
…………それは置いといて、このツルツルの表面。
金属だろう、この滑らかさは。
しかし、改めて思うがこれは何だ?何のために着いている?
このイベントに参加している証?
とりあえずこの件については保留だ。
と、その時。
「皆さん、お目覚めのようね」
少し年配の女性の声がホールに響いた。薄暗いホールが光に照らされる。
闇が消え、光が溢れる…………と言っても、天井の明かりが一気に点いただけなのだが。
前の壇上を見てみると、そこには一人の女性が立っていた。
喧騒が収まる。
「テメェは何だ?何の目的で俺達をここに連れてきやがった?」
柄の悪そうな金髪の青年が人ごみを抜け前に出て女性に問い詰める。
「確か……あなたは手塚……義光さんだったわね」
「へっ、よくご存知で。で、んなことはどうでもいいんだよ。
さっさと質問に答えな」
「まったくだな。せめてどうして俺達をここに連れてきたのかぐらいは教えてもいいはずだ」
手塚と呼ばれた青年の後ろにいた筋肉質の男も同じように女性に問い詰める。
「もう、せっかちね。あなた達にはあるゲームにしてもらうわ」
ゲーム?何だそりゃ?この人数だと鬼ごっこぐらいしか思いつかんが……
「バトルロワイヤルというゲームよ。要するに
殺し合いよ。おもしろいでしょ?」
「殺し合い?ふざけるな!?」
「冗談だろ?どうせドッキリか何かだって~」
「殺し合いね……」
喧騒がまた戻る。確かにいきなり殺し合いなんて言われて信じられるわけが無い。
「ふぅ、信じられない人が多くいるみたいね。なら、これならどうかしら?」
突如、ホールに響く破裂音。何が起こった?
「プリムラ!?」
「鈴!?」
「リムちゃん……ッ……!」
「うわああああああああああああああ!!!!」
爆発音と共に悲鳴がホールに響き渡る。
後ろを振り向くと、首が無くなった少女がゆっくりと地面に倒れてく様をありありと見てしまった。
「これで信じてくれたかしら?
さて自己紹介から始めましょうか。
私は郷田真弓。このゲームの責任者よ。ここには80……いや、二人脱落したから78人ね。
では改めて、ここに78人の参加者がいるわ。そう、あなた達のことよ。
基本ルールは最後の一人になるまで生き残ること。過程は問わないわ」
淡々と喋るこの郷田とかいう女性。目の前で人の首が吹っ飛んだってのに冷静すぎる。
さらにこのホールはさっきの女の子の血の匂いが充満して立っているだけで吐き気がしてくる。
「会場はとある島。制限時間は無制限。それと一日6時間おきに放送を流すわ。
この放送では禁止エリアと放送まで死んじゃった人を発表するの。
サービスとして食料や飲料水、島の全体的な地図と現在位置を示すデバイスなど必要最低限のもの、それと別に武器を支給するわ。
何が入ってるかは見てのお楽しみよ。どう?親切でしょ?」
どこがだ。なら、こんなのに巻き込むなよ。;
「次に首輪の説明ね。この首輪は特別製でね。無理に取り外したりしない方がいいわよ。
首輪には爆弾が付いているから。さっきのあれを見たでしょ?無理に外そうとするとああなるわ」
この言葉を聞いた参加者は一斉に首輪から手を離した。もちろん俺もだ。
「首輪の爆発条件は3つ。1つ目はさっき言った禁止エリアに侵入した場合。
2つ目この会場から逃げ出そうとした時。3つ目は24時間誰も死ななかった場合。
これで
ルール説明は終わりよ。頑張って殺しあってね」
その言葉と同時に参加者が一人ずつ消えていった。
始まるのは狂気の宴
宴の主役は78人の参加者
そして――――
【プリムラ@SHUFFLE! 死亡】
【棗鈴@リトルバスターズ! 死亡】
進行役 郷田真弓@キラークイーン
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最終更新:2010年02月07日 16:30