「どうなってんのコレwwwwww意味不明すぎワロタwwwwwww」
そこは薄暗い通路の中であった。
等間隔に電灯は設置されているものの、長い長い通路の全てを照らしきるには至らない。
長く幾多にも枝分かれしている通路の真ん中で、ガンダムエクストリームVSプレイヤー・セシールは笑っていた。
「極限の絶望をくれてやるwwwwwwwwwだっておwwwwwwwww
なwwwwwんwwwwwでwwwww具現化しちゃってんすかwwwwwww中二病はwwwwwwwゲームの中だけにしろwwwwww」
大爆笑という言葉がこれ以上似合う表情もないだろうという勢いでの笑顔。
それもその筈、自分が慣れ親しんだゲームのキャラにいきなり
殺し合いをしろと告げられたのだ。
夢にしても酷過ぎる。思わず笑えてしまう。
「あぁ……ワロタ……」
まぁ、そんな笑顔も実のところを言うとカラ元気満載の無理やりなものなのだが。
最初は冗談ですんだ出来事も、実際に眼前で人が一人死ねば話は違う。
セシールも流石に夢と現実くらいの分別は付く。
現状は異常だった。
いや、異常という言葉では片づけられない程の、まるで映画のなかのような出来事だ。
「相方ェ……どうなってんだよ、これ」
先のエクストリームガンダムがいた場にて、共に笑い合っていた相方。
その姿を思い出し、思わず助けを求めるように名を呼ぶ。
正直に訳の分からないことだらけであった。
いきなり始まった殺し合い。この時点で既に訳が分からないとか、そういう域を超越している。
何故、しがない一市民である自分をこんな殺し合いに参加させるのか。
何故、本名ではなくゲームのプレイネームで名前が登録されているのか。
そもそも先のエクストリームガンダムのコスプレ野郎は何だったのか。
てか、本当にさっきの人は死んでしまったのか。あれ、そういえば何だか本名思い出せなくない?
などと、もう本当に訳が分からないことだらけであった。
思わずその場にへこたれてしまうセシール。
余りに理不尽かつ理解不能な事態に、思わず口から長い長い溜息が吐かれる。
「あぁ、笑える……笑えるなぁ、兄弟」
と、暗い通路で一人ごちるセシールであったが、彼の身に起きているもう一つの『異常事態』に気づくのはもう少し先のことであった。
その『異常事態』に気付くよりも先に、彼は一つの出会いをなすこととなるのだから。
「……ガン、ダム……?」
「うおおっ!?」
そう、それは奇妙な出会いであった。
セシールにも何処か聞き覚えのある声が薄暗闇の中から飛んできたのだ。
いきなりの他参加者との接触に、セシールは驚愕し跳ね起きる。
兎にも角にも距離をとり、何をどう出来る訳でもないがファイティングポーズを取るように身構える。
そして、見た。
その声の主を正面から。
見て、セシールは呆然とした様子で言葉を零していた。
「は……? せ、刹那……刹那・F・セイエイ……!? えええ! マジでか!?」
そう、その人物は彼がゲームの中やTVの中で何度となく見てきたキャラクターの一人。
刹那・F・セイエイ。
機動戦士ガンダムOOの主人公にして、歴代有数のネタ的な側面を有したキャラその人であった。
「うおお、何だこれ!? 訳が分からねーぞ! ふんすに引き続き、何でせっさんまでも!? マジか、俺は何時の間にか二次元の壁をボソンジャンプしていたのか!!?」
驚愕はもう止めることができなかった。
興奮と驚きとがブレンドされ、セシールの口を動かす。
そんなセシールを見詰めながら、刹那は肩を震わせていた。
「違う……」
「……は……?」
わなわなとした揺れは、遂には身体全体を支配する。
震える体から紡がれた言葉には、怒気が含まれていた。
「違う!!」
「うお! いきなり怒鳴るな!」
「俺は刹那・F・セイエイなどではない!! ガンダム・刹那・FF・セイエイだ!!!」
「いや、何だよそれ」
目の前の刹那・F・セイエイはよくよく言えば、セシールの知る彼とは違っていた。
ガンダム馬鹿である刹那・F・セイエイ。
そんな、彼が知る刹那よりも数段上のガンダム馬鹿―――それが眼前の人物であった。
「そもそもお前は何だ!」
「何だって言われても……俺はセシールっていうんだけど」
「そういうことを聞いてるのではない! お前は……」
と、再度口を開いたところで刹那が押し黙る。
それまでの饒舌ぶりは何処へ行ったのか。
どうにも刹那はその質問を口にしたくない様子であった。
何のことだか分からないセシールは、刹那の言葉を待つ。
「お、お前はその……………………………………………………………………ガンダムなのか?」
「は? あー、いや違うと思うけど」
いやに溜められて放たれた問いに、セシールは僅かに答えあぐねる。
刹那・F・セイエイにとっての『ガンダム』がどういったものなのかは、知っている。
争いを止める存在―――それが『ガンダム』。
セシールだって争いを止めたいとは思う。だが、しがないゲームプレイヤーでしかない自分に何ができるのか。
力がある訳ではない。頭だって特別良いわけではない。
こんな自分が何をできるのか。いや、できる訳がない。
精々殺し合いにのった人々から逃げ惑うことくらいだろう。
「そうか、違うのか」
「いきなり冷静になるのな」
「ああ、外見がどうであろうと、お前がガンダムじゃないのなら興奮する必要もないからな。むしろ腹立たしさで一杯だ」
「はぁ、何でだよ?」
「ガンダムでもない貴様が、何故そのような姿形をしている。それはガンダムに対する侮辱でしかない」
「……はぁ? 外見がどうとか姿形がどうとか、どういう意味だよ」
「気付いてないのか? そこの角を曲がった所に洗面所がある。見てくると良い」
言葉に従い、セシールは角へ姿を消した。
そして数秒後、
「はああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」
「!?」
物凄く大きな叫び声が轟いた。
これまで上げた驚きの声の中でも、段違いで格別の絶叫。
さしもの刹那もビクリと身体を震わせ、洗面所へと向かう。
そこには鏡の前で自身の顔に両手を当て、驚愕に絶句しているセシールがいた。
「ど、どうした」
「な、何で、何で俺が……俺が、ガンダムに……!?」
そう、鏡に映ったセシールの姿は彼もよく知るものであった。
だが、いつも見慣れた自身の姿とはまるでかけ離れている。
言ってしまえば、まるで機械のような造形。
『ガンダム』。それが今の彼の姿であった。
「違う! お前はガンダムではない!! さっき自分でそう言った筈だ!!」
「い、いや、そうなんだけど、それで合ってるんだけど! で、でも、この見た目はどう見ても完全にガンダムじゃねーか!」
「ちがああああああああう!! お前はガンダムではない! 俺が、」
「な、何で……何で俺が、」
混乱極める洗面所にて、二人のガンダムの声が響きあう。
セシール……ガンダムエクストリームVSプレイヤーにして、今現在は姿がガンダムとなっている青年。
刹那・F・セイエイ……ソレスタルビーイングのガンダムマイスターにして、自身をガンダムと言い切る青年。
二人のガンダムが、バトルロワイアルの場にて交差する。
「―――ガンダムだ!!」「―――ガンダムに!?」
そう、お前が、お前達が―――ガンダムだ!
【一日目/深夜/A-1・プトレマイオス艦内】
【セシール@セシール&相方(EXVSプレイ動画)】
[状態]健康、ガンダム
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1~3
[思考]
基本:死にたくないけど、殺し合いになんか乗れない
0:何だ、こりゃあああああああああああああ!?
1:相方を探す
[備考]
※姿はガンダムでありますが、どの機体かはまだ不明です。
【刹那・F・セイエイ@武力介入できないCB】
[状態]健康、ガンダム
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1~3
[思考]
基本:俺が、ガンダムだ!
1:ガンダムとして行動する
2:セシールはガンダムではない!
セシール&相方(EXVSプレイ動画)
ガンダムEXVSやガンダムVSガンダム、ガンガンNextなどの(ネタ)プレイ動画。
援誤という造語を作り出す程の(ネタ)プレイや最大ダメージの検証などを主とする動画。
ネタ面もさることながら、普通にプレイヤーの腕も高い
最終更新:2012年04月06日 22:50