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crime(暗い無)

「ボクはこれまでの人生に置いて、「死ね」って言葉を何回も多用している。
別に格段使った相手は、憎い奴にも妬ましい奴にも使った覚えはさしてない。
使う相手は大抵は、親友というのが相場だ。それも怒った場面などではなく、普通の日常パートに置いてボクはその言葉を使う。
まあボクは怒ると大概なにを言ってるのか自分でも分からなくなるというのもあるが、ここでは関係無い。
ともあれ、ボクは「死ね」という単語を。「死ぬ」という動詞の命令形であるところの「死ね」を正しい形で使った覚えなど一回もない。
常にくだらない冗談をあしらう時、今では愛しい親友たちとのコミュニケーションの一環としてボクは普通に、当然に。
さながら空気を吸うかのように……なんていうと流石に言い過ぎなのかもしれないけれど。
けれど、そう冗談ながらにも言えるぐらいにはボクはその「死ね」という言葉を使ったのだろう。
「死ね」
「死ね」
「死ね」
言葉に書くと、どれも辛辣で凄惨な言葉には違いなく、どれも同じのように聞こえる。
けれど実際は違ったりしたんだ。いちいち説明するのもメンドってのも感じさせるが、どうもボクは成り行き上自己紹介をする場面らしいしさ。
しばしの間、ボクと共に辛抱して欲しい。耐え忍んでほしい。
どうしても無理だというなのであれば、引き返した方がいいはずだ。それだけこの物語には内容なんて詰まっていない。
さて、話がずれたがこの三つの言葉。僕は何が違うのか、と言われたらボクはこう返す。
声の抑揚、と。
確かに文字に表せばどれも等しく、違う場所などないのだが。やはり声の抑揚は違う。
仮に一番上を、Aとしてその下を、B、Cとおくとするか。
で、だ。僕はAの「死ね」は楽しげな口調に感じ取れた。
Bの「死ね」は辛そうに、妬んだ口調で。Cの口調はロボットにも似た機械的な口調だった。
想像してみれば分かると思うが、三つが三つ、全部違ってくる。
Aは冗談の類で使うものなのだろう。
Bは本気で死んでほしい時に言ったものなんだろうな。
Cは無感情者が言ったものなんだろうか、別の意味の怖さがまとわりついている。
兎に角、言葉一つとったところで、意味合いなんてだいぶ変わってくる。
無論のことボクは人の死なんて望んでいない。
故に、ボクが言うところの「死ね」はパターンでいうとAだ。
本気で親友に「死ね」なんて言ったことなんて一度たりともなかったはず。
まあ、その果てになにがあったのかはまたあとでの会話の種として。
さておき、人というものは文字だけではなにも伝えることが出来ない。
文字なんて所詮は記号の集合体だし。
たとえば「愛してる」と「アイシテル」なにが違うのかと問われてもボクにはどうとも答えられない。
口に出せば前者が真剣な口調で、後者がふざけたカタコトな感じなのは察しがつくだろうけれど。
それでも所詮は察したレベルだし、あの二つのワードが記号であることには変わりがない。
文字なんて記号だ。
文章なんて暗号だ。
本当の真実のなどどこにもないし、なにもかもが定まっていない。
つまりは贋作の虚実なのだろうか。

なんて言うと哲学的になってしまうのでここいらで中断させてもらう。
さすがにボクの紹介をさせてもらうとする。
ボクの名前は桂馬悠木だ。けいまゆうき。主だってあだ名はつけてもらったことはない。
故に好きなように呼んでもらっても構わないけど。
まあそんな事はおいておくとしてだ。
さて、次はなにを紹介してゆくのが一般的なんだろうね。あんまりここから先は経験が少ないから勝手が分からないからちぐはぐになっちゃうけど。
ボクの好きなものは音楽です。
特にクラシックとか、壮大で味がありなにより美しい。
数々の楽器より奏でられる音は思わず声を忘れてしまう。そんなクラシックがボクは好きだ。
声を発しなくとも、伝わるものがある、伝えれるものがある。
知った当初のボクの狂喜ぶり、言いかえるなら狂乱ぶりはそりゃあもう酷かった。
そんだけボクにとっては革新的な発見であり、革命が起こったとも表現してやる。
特にボクが好きなのは、有り触れているだろうけれどベートーヴェン。
よくもまあ、あんな音楽を創りだせるものだと感心、感動、感銘をうける。
難聴も患ってゆく中に、交響曲の第三番や第五番。第九番、それにミサ・ソレムニスなど辺りは一度は聞いたことはあると思う。
初めてボクが聞いた時、それはもう打ち震えたものだ。今となっては恥ずかしいぐらいに。
とはいっても、所詮過去の自分なんて忌わしくとも憎たらしくとも虚像であるに変わりは無いわけだしなんとも思わないけれどさ。
ともあれ。
ボクは徐々に音楽の道に走っていった。
それが小学校六年生の話。今現在、つまりは高校三年生のボクから見たら六年ほど前のこと。
だからというのも情けないが、鮮明になんて覚えていないし、もしくは覚えようともしなかったが、
それでも尚、ボクは心に衝撃を受けた。そんな事実を刻まれて残っている。
まあさすがにクラシックを初めて聞いたのが小六というわけではないのだろうけど、
初めて真剣に聞いたのが小六だったから、小六という記憶なのだろう。
そこからのボクの人生は単純なもので180°とはいかないにしろ90°ぐらいは折れまがった。
今まで何もしてこなかった一先ずバイオリンの習い事を、態々中学生からやり始めて、
周りが小学生が多いという気まずさと恥ずかしさに耐えながら(とはいえども一か月前まで小学生だったのだが)、
必至に努力をして、音楽の道へと入り浸って行った。まあ色々と途中途中に問題も入っていったが。
ちなみにボクは後天的な努力というよりかは先天的な才能だ、と講師には言われたが
なんか努力を穢された気がしたので、ボクは努力でここまで掴み遂げた。そう言っておこうと思う。

音楽は、人類の共通言語だ。
ボクは胸張ってそう言ってやろう。

で、だ。
ついつい夢中になり過ぎて音楽との馴れ初めまで話してしまった。
ごめんごめん。慣れないことをやるものではないな。すまないね謝るよ。
あーあと、ボクを語る上でどうしても云わなければならないことがある。
ボクはそれこそ先天的な病気………ではないんだけど小学五年生ぐらいから発症した性質があって。
それはね、心情と身体があわないんだよね。
たとえば喜んでいるときに「ありがとう」なんてほざいたら、それは憎たらしそうに舌打ちを打つかのように呟くんだろう、ていうか呟いた。
たとえば笑っているときに「笑える」とかいったら、怒ってる、はたは冷笑した嘲笑うかのようにボクは言う。
その所為で、親友といえる親友は消えていった。
いや所為というとまるでボクではない誰かの仕業と聞こえるから言い変えよう。
その為に、ボクは親友といえる親友をすべて遠ざけていった。
医師が言うには病気ではない。二重人格でも勿論ない。
誰の仕業でもなく、ボクの所業。
だから最近は出来る限りの零の値。無感情を振りまくように頑張ってるんだけどさ、
いやはやさっきの音楽の話のときはちょっと暴投気味だったかな、いやだから反省はしてるって。
うんうん、慣れないことは本当にするもんではないな。
やっぱりボクには音楽さえあれば十分。ていうかちょっと音楽成分が切れてきやがった。
なんか身体がいやにウズウズしちゃうなあ。………………っち、ピアノが全壊しちゃってるな。困った困った。
うーん。どうしっよかなー。――――ああ、これでも使うよ。
誰の者かは知らないけどまああるものは有効的に使わせてもらっちゃお。
環境問題云々言ってやがる昨今ではボクのこの志も中々大したものだろう?
あー、うん。なんか喉が渇いちゃったな、おおっと、こんなところに水があるや。
うーん……。まさか毒でも入っている訳じゃあるまいし。いいや飲んじゃえ。
…………不味いね、只管不味い。あー、もう飲まない方がいい。
しかし、良い音が鳴らないものだ。
このボクでもここまでならない楽器はそうは無いんじゃないか。
仕方ないな。あまりこういうのは好みじゃないんだが、自分の好きなように改造させてもらおうか。
ここをこうして、ああして、どうこうして……と。
不憫だな、全く殺し合いって何なんだろうね、不穏な。
ボクの手から音楽を引き離すなんて人がすることじゃないよね。ボクから楽器を離したらどうなることかわかるのか。
いまや、言うなれば「楽器中毒者」であるとこのボクは麻薬中毒者の起こす犯行よりもあくどいよ。
いやはやあの多分二人は分かってない。なにも分かってない。
ボクから楽器を手放したらどうなるかなんて分かってないんだよ。
きみならどう思うんだい?
まあ聞くだけ無駄なんだろうけどね。
ボクだって分かってないんだもん。何でこんなことになったんだろうね。



いやー。まさかボクが人を殺すだなんて、夢にも思わなかったよ」



ボクは、近くで、ボクの手により現在進行形でグチャグチャになっている死体に話しかける。
よし、この死体はいい具合に楽器になりそうだ。






思い返すまでもない十分ほど前。
過去足る故に描写は曖昧になてしまうがご勘弁して欲しい。

ボクは植物庭園っていうところにいた。
薔薇が神々しく新緑の景色を真紅で彩っている。
そんな場所に、一台だけポツン、とピアノが、誰かを待っているかのようにそこに置かれている。

そこだけは周りに比べて開けた場所であり、まあ演奏会にはもってこいの場所なのだろう。
ここを創った人の意図が読み取れる。
まあ、なんだ。
何ていうんだろうな、ボクは既にウズウズしていた。
そりゃあ、そうだろう。自称とはいえども音楽家の端くれたるボクの前にピアノが存在する。
これは立派なフラグだろう! その名も演奏フラグ!
故にボクは飛びついて行った。

ボクは即興音楽を弾いていた。
題名は「crime」。
今決めた、そうしよう。
これにボクは、この殺し合いの反対運動の心情を込めて弾いている。
ボクは殺し合いなんてしたくないし、殺されたくもない。
ていうか自分の楽器を返してほしかったのだ。
とはいえども、ボクは楽器を傍から離したらなにするか分からないし、この場を離れるのはしたくないのだけれども。

そんな事を、思って時だった。
一つの異変が起きた。


ガンッ! と歪な音がしたかと思って顔を上げたら。
そこには、なにもなかった。
ピアノが―――――吹き飛んでいた。


「おい、止めろよ! 変な奴が近づいてくんだろっ!?」


手には何も持っていない。
その男は、自分の安全を案じたのか。
はたは、ボクの命を想ってくれたのか。

「オレの名前は菊川誠時だ、実を言うと超能力者だったりする」



そんなことはどうだってよかった。



「うるさいなー」

だからボクは。
そうしてボクは。



「うっさいな♪」



嬉々とした声色で。つまりは怒気を隠さずに。
その見知らぬ人への死刑宣告をしたのだった。


軽々しく近づいてくる彼の心臓に。
隠し持っていた包丁を、揚々と突き刺した。


後にその死体は。
ボクの愛しい楽器になるはずだった。






最後に「死ね」といったのはいつのことだったか。
ボクは良く覚えていない。少なからず六年生未満の頃だった。
よく分からないが、もう言う人物なんていないはずだ。
親友は赤の他人に。
両親も疎遠の仲に。
反抗期すら碌に付き合ってくれなかった彼らのことの愚痴を言うのも吝かでもないけどまあ時と場合が違うと思う。

「死ね」。
その言葉の意味をボクは無論のこと理解している。
簡単に言うとあれだ、死んでくれって懇願しているのさ。
まあ先に言った通り、本来の意味通りで使った覚えはない。

だが、ボクの前ではそんなのは戯言に過ぎなかったらしい。

パターンAはパターンZに。
パターンBはパターンYに。
パターンCはパターンXに。


ボクの前では言葉なんてただの記号に過ぎない。暗号にしか過ぎない。
だからボクは嫌いなんだ。言葉というものは。
「死ね」「死ね」「死ね」
……まあ、なんでもいいや。どうでもいいや。
ボクには愛しき楽器がある。


言葉はいらない。
音楽さえあれば――――言葉さえいらないのさ。


楽器と人間が奏でるメロディー。
それはこの小さな披露会でも、行われていた。


よし、楽器は完成した。
じゃあ、ボクはその楽曲を極めよう。



「crime」を。
「犯罪」の音色を。「暗い無」の音色を。



今日は淋しい披露会だ。
――――――主催の二人を招きたい。
――――――そして、酷い音色で出迎えてあげよう。



今日は、ボクが楽しく盛り上げよう。




【菊川誠時@オリキャラ:OUT】
※肉体の原型は留めていません
※支給品は植物庭園に放置されています




【一日目/深夜/F-Ⅰ 植物庭園】
【桂馬悠木@オリキャラ】
[状態]健康、狂乱
[装備]包丁@ダンガンロンパ
[道具]KS×1、RS(0~2)
[思考]
基本:主催者を披露会に招待する、そしていろいろする
1:とりあえずはこの楽器で我慢する
2:けど楽器が欲しいな




【桂馬悠木】
[身体的特徴]171cm、落ち着いた青色の髪(地毛)、碧眼
[備考]
※通信制高校、未来峰高等学校3年所属。交友関係は現段階では不明
※感情と身体、行動が合わない。逆転にも似た態度を取る。
※「音楽中毒者」。楽器を持ってないと落ち着かない。
※「楽器」なら何でも弾けるまでに成長した。


【菊川誠時】
[身体的特徴]黒髪、ぼさぼさ
[備考]
※超能力者。詳細不明
※秘密結社「救われる闇(アンサーアンカー)」所属。




言葉の魂 投下順 無題――――NoTitle――――
安心と信頼のオープニング 菊川誠時 GAME OVER
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最終更新:2011年12月29日 19:00
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