彼はとある会社の御曹子、彼の名前は不動光良。
彼は勉強もできれば運動もできる、将来は成功を約束されたも当然だった。
しかし、バトルロワイアルではそんなことは通用しない。
それが主催者と関わりがある会社の社長の息子でも関係ない。
生き残らなければ彼に未来などない。
「ふざけんなよ!くっそ…なんで俺が…」
B-4に位置する森の中をさまよう不動は激怒していた。
自分がバトルロワイアルに選ばれたのだ、選ばれるハズがないと思っていたのに。
しかもそれはあの男が開催していた。
自分の会社の社員のあの野郎だ。
「あの野郎…生き残ったらクビを切ってやる!」
一通り言い終わった後で不動は深呼吸をした。
「まずは落ち着け…アイツのクビを切るには生き残らないとダメだ…」
そう言い、デイバッグを確認する。すると
「スナイパーライフルか…それと…ん?」
デイバッグの中にあったのはスナイパーライフルと札束だった。
恐らく金額は100万は優に超えるくらいの分厚さだった。
「…札束!これさえあれば一人くらいは仲間にできるな…」
不動は冷静ではなかった。むしろ焦っていた。
いきなりこんなところに放り込まれ、
殺し合いである、まず落ち着こうにも落ち着かない。
焦った先に不動が思いついたのは買収すること。
つまり、この札束を使って人を買収し、守ってもらえばいい。
危なければ逃げればいい、自分の思いどうりだ。
不動は追い込まれたら何でも金で解決しようとする男だった。
「よし、強そうな奴に声をかけよう…」
不動は待った。しかし待てども待てども人は来ない。
仕方なく不動は歩くことにした。
しばらくすると一人の男に会った。
(仕方ない…コイツにするか…弱そうだけど。しかしどこかで見たような?)
よく見ると球磨川に似てなくもない。気のせいだと思うが。
不動が呼ぶとその男は振り向いた。まっすぐこっちに歩いてくる。
不敵な笑みを浮かべながら。
「何か用か?俺は急いでいるんだが。」
「いや、大した用事じゃない。お前は殺し合いに乗ってるのか?」
そう聞く。もし乗っていたらスナイパーライフルで撃ち殺してやる。
心の中でそう思うができれば乗ってないでほしいと思っている。
男は答えた。
「乗ってねえよ。」
「そうか~よかった~」
ほっと胸を撫で下ろす。
ここからが本番だ。
「そうだ。金をやるから俺のボディーガードになってくれよ。」
「金?あんのかよ。」
「ほら。」
そう言うとデイバッグの中から札束を出す。
男は無表情のまま、その札束を見る。
男は手を出し
「分かった。なってやるよ。その代わり先に金をくれ。」
「わ、分かった。」
不動はまた胸を撫で下ろす。
これで俺は生き残れる、そう確信していた。
札束を受け取りデイバッグにしまうと男は不動を見て
「ああ、そうだ。名前を言ってなかったな。まずお前の名前は?」
「不動光良だ。よろしく頼む。」
「そうか。じゃあ俺の名前は…」
そう言いかけたところで男はデイバッグから刀を取り出し、不動の喉を斬る。
「あ…かは……」
不動は何か言いかけたが喉と声帯を斬られたためうまく喋れない。
やがて力尽き、地面に倒れた。
斬られた喉からは血がドクドクと噴出していた。
「多良見進だ…ってもう生きてないか…ざ~んねん!」
そう言い残し不動のデイバッグに入っていたスナイパーライフルを拾い、札束をデイバッグから取り出し、彼の死体の上に置く。
「君ってホント馬鹿だね。第一生き残っても本選があるし、持ってたって意味ないじゃないか!それに…」
多良見は振り返らずに言った。
「見ず知らずの人を頼るのが間違い。それ以前に偽札じゃあ意味無いよね。」
そう言うと多良見はそのままそこを去っていった。
多良見が言った通りこれは偽札である。
彼は焦りすぎていた。焦っていなければ見破っていたかもしれない。
なにより彼の性格、追い込まれたら金で解決しようとすることがそもそもの間違いだったのかもしれない。
なにはともあれ、不動光良は人生最大の失敗をし命を落としてしまった。
彼に未来はない。
【不動光良 死亡】
【B-4/森/一日目・日中】
【多良見 進】
[状態]いたって健康だよ。
[装備]日本刀が一つと、スナイパーライフルが一つかな。
[道具]支給品一式。それくらいだね。
[思考・行動]
基本?まだきまってないよ。
1?どうしよっかなー
【参加者特徴】
多良見 進
高校2年生。不敵な笑みを浮かべ、球磨川に似てる男。自身を闇と称する。死神とも呼ばれる。
面白いことが好きで、面白ければ何でもあり。
因みに球磨川の外見に似ているだけであって、球磨川そのもの似てるというわけではない。
不動 光良
高校2年生。とある会社の御曹司。かといって性格はいたって普通。
成績優秀、運動はできる、将来は成功されたも当然の男。
しかし、最終的には金を使う。焦ったときはあまり脳が働かない。
最終更新:2012年02月29日 21:48