37:eternal wish~届かぬ君へ~
学校にて、◆xR8DbSLW.w、玉堤英人、ムシャの三人は放送を聞いた。
「…8n氏とym氏が死んだだって…」
「……」
「娘様に嫁様、アレックス、ブライアン、ヘレン、ダーエロ、ハー妹…何てこった…」
それぞれ知人の名前が呼ばれていた。
特にムシャの知人は7人も呼ばれており、ムシャのショックは大きいようだった。
英人とxRが襲われたと言うアインリアの名も死亡者として放送された。
「絶対許さねぇぞ、ヒリュー…!」
「しかし、たった四時間で30人も死ぬなんて……正直、こんなに多いとは予想してなかったよ」
怒りに震えるムシャの横で、自身も知り合いが数人呼ばれた英人が冷静な様子で言った。
「…思っていた以上にペースが早ぇ、このまま行ったら次の放送の時には一桁になっちまうかもしれねぇぞ」
「首輪どうにかしなきゃいけないのにそんな事なったらもう手の打ちようがねぇ…」
「ああ…あんまりゆっくりはしてられないって事だな。もう少しこの学校の中を調べてみるか」
三人は荷物をまとめ、放送を聞くために中断してた学校内の探索を再開した。
(森屋、またお前に会えると思っていたけど…今度もお前は死んでしまったのか…。
フラウはまだ生きてるみたい、だけど……)
英人はまだどこかで生きていると思われる自分の親友、フラウの事を思い浮かべる。
以前の
殺し合いでは、危険に巻き込まないようにとケトル――こちらもさっきの放送で呼ばれたが――に預けた。
だが、知らぬ内にフラウもケトルも死んでしまった。何が起きたのかは分からない。
ケトルは死んでしまったがフラウはまだ生きているので話を聞く事は出来るかもしれないが、
正直言って今はそれどころでは無い。
「ん……? 誰かいるぞ」
ムシャが人影を発見する。
英人とxRが視線を向ける。英人が反応を示す。
「フラウ…?」
それは黄色い毛皮の狐の少女、英人は彼女を良く知っていた。
「……! 英人……?」
そしてフラウの方も英人達に気付く。
「フラウ! ……また君に会えて良かった……!」
「……」
英人は嬉しそうにフラウに駆け寄るが、フラウ当人はと言うとどこか複雑な表情を浮かべていた。
英人もすぐにフラウの様子に気付き、心当たりのある事を話し始める。
「フラウ……あの時、置いて行った事、怒ってるかい……?」
「あ……いや、その事は……」
フラウが複雑な表情を浮かべているのには英人が思っているのとは別の理由があった。
彼女は英人のために今回の殺し合いに乗っていた。
英人を優勝させるために他の参加者を殺すと言う目的を持って。
それ故――――英人当人とは出来れば会いたくなかったのだ。
血に濡れた自分を見られたくなかったから。
――あの時置いていった理由も気にはなるのだが。
「フラウ、僕は」
ズブッ
嫌な音が響いた。
ムシャとxRの二人の目に入ったものは。
刃によって串刺しになった英人とフラウの姿だった。
刃が引き抜かれ、二人の身体が崩れ落ちる。床に赤い液体が広がっていく。
「え? な? ええ?」
何が起きたのか分からず目を白黒させるxR。
「……」
「――――!!」
そして突然目の前に、刀を構えた紅毛の狐獣人の少女が現れる。
その目は死んだ魚のように濁っていたが、明確な殺意が宿り、真っ直ぐxRを見据えていた。
「うっ、うわああぁあああああぁああ!!!?」
もはや反撃するには間合いが近過ぎた。
どうする事も出来ず、xRはただ紅狐獣人が自分に向け刀を振り下ろすのを見続けるしか出来なかった。
ガキィン!!
「………?」
しかし斬撃がxRに来る事は無かった。
鎧武者が、紅狐少女の刀を自分の刀で受け止めた。
「む、ムシャ!」
「…下がってろ、xR! こいつは俺が……やる!」
ムシャが紅狐少女――小神さくらを弾き返し距離を取る。
「英人…!」
ムシャが紅狐少女を相手にしている間に、xRが倒れた二人の元へ駆け寄る。
「おい、英人! それに…えと、あんた! しっかりしろ! …………英人」
英人から返事は無かった。
「…………と」
「お、おい……」
「ひで、と………どうして……おいていったの………あのとき………」
フラウの方は辛うじて息はあったが、もはや目は虚ろで、長くはない事が様子からでも分かった。
既に事切れている英人の頬に手を添えうわ言のように問い掛けを続けるだけ。
口からも傷口からも血液が止め処なく流れ出る。
「さみしかったん、だよ……かなしかったんだよ……わたし……より…………………んのほうが……いいのかって……」
誰かの名前をフラウは口にしたが、余りにか細い声で聞き取る事は出来なかった。
「……と……ねぇ………な…とか……ってよ………ひ………で………と…………………」
最期に、想い人の名前を呟き、フラウもまた事切れた。
「くそっ……!」
目の前で二人の人命が失われ、辛そうな表情をxRは浮かべる。
「……そうだ、ムシャは……!?」
襲撃者と戦っているムシャの事を思い出すxR。
しかし近くにムシャと襲撃者の姿は無い。その代わり廊下の壁や床に剣撃の痕が残っている。
その痕は体育館の方向に続いているようだ。微かに体育館の方から金属音も聞こえる。
xRはムシャの後を追い、体育館に向かった。
「うらああああぁあああ!!!」
渾身の一撃が、小神さくらの胴体に当たった。
改造手術を施された肉体も、ムシャの度重なる強烈な斬撃により耐久限度を超えてしまった。
ビチャビチャと血液が体育館の床に流れ落ち、さくらは持っていた太刀型軍刀を落とす。
「…………。」
そして、両膝を突き、うつ伏せに倒れ、ついに沈黙した。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
ムシャもまた至る所に傷を負い、出血も決して少なくない。
体力も大半を消費してしまっていた。
ここで紅狐少女が倒れなければ、恐らく自分が負けていただろうとムシャは思う。
それだけ、紅狐少女のしぶとさは半端では無かった。
「ムシャ!」
「……おお、xRか……」
「大丈夫か!?」
「ああ、何とかな……奴も、ばっちり仕留めたぜ……英人と、あの狐の女の子は……」
ムシャが尋ねると、xRは静かに首を横に振った。
「…そうか…」
それ以上、ムシャは何も聞かなかった。
【玉堤英人@自作キャラでバトルロワイアル 死亡確認】
【フラウ@自作キャラでバトルロワイアル 死亡確認】
【小神さくら@オリキャラ 死亡確認】
【残り 22人】
【午前/D-4学校:体育館】
【◆xR8DbSLW.w@非リレーロワスレ書き手】
[状態]右上腕裂傷(処置済)、鼻先に軽い傷(治癒中)、悲しみ
[装備]マグナムリサーチBFR45-70(5/5)
[持物]基本支給品一式、.45-70ガバメント弾(10)
[思考・行動]
基本:殺し合いをする気は無い。とにかく生き残りたい。
1:英人……。
2:生き残りの書き手さん達は……。
[備考]
※他書き手と面識がある設定です、また、他書き手オリキャラの情報をある程度持っています。
※玉堤英人のクラスメイト、ムシャの知り合いの情報を得ました。
【ムシャ@VIPツクスレ・もしもシリーズ】
[状態]身体中に斬り傷(命に別条無し)、肉体疲労(大)
[装備]苗刀
[持物]基本支給品一式
[思考・行動]
基本:殺し合いを潰し脱出する。
1:これからどうするか……。
[備考]
※玉堤英人、◆xR8DbSLW.wの知り合いの情報を得ました。
※ムシャステルスが使えるようですが制限については不明です。
最終更新:2012年02月22日 23:02