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アミューズメントパーク動乱

10話:アミューズメントパーク動乱

潮風に晒され、廃墟の遊園地の遊具や建物は酷く傷んでいた。
ジェットコースターの枠組みはもはや半分が倒壊しており、観覧車も籠が部分的に落下してしまっている。
レスター・コリンソンは支給されたグルカナイフを装備し廃遊園地の敷地内を歩く。

「ヴィヴィアンとセシリーの奴捜すか……もう死んでんじゃないかあいつら。
全く殺し合いなんてふざけた催ししやがって……ん」

前方に誰かを発見するレスター。
狐獣人の少年である。

「おい」
「ひっ……こ、殺さないで」
「殺さねぇよ。俺はこのゲームに乗る気は無いから、安心しろって」
「本当ですか?」
「ああ、本当だ」
「……分かりました、信じます、僕は、御代田優太郎です」
「俺はレスター・コリンソンだ……乗っていないなら一緒に行かないか? 仲間は多い方が良いだろ」
「は、はい! 宜しくお願いしま」

優太郎の元気の良い挨拶は途中で中断された。
彼の細い首を矢が貫いたためだ。

「!」
「痛っ! ……何、もう……うわ、矢が刺さって……る」

自分の身体に何が起きたか理解した直後、優太郎はその場に崩れ落ち、息絶えた。

ヒュッ

「ちぃっ!」

舌打ちをしつつレスターは自分目掛けて放たれた矢を回避する。
建物の屋根の上に人狼の姿が。
手にはクロスボウらしき物が装備されている。
人狼は手早く次の矢を装填し、レスターに狙いを定める。
レスターはベルトに差していた投げナイフを一本引き抜き、人狼に向けて力一杯投げ付ける。

「グウッ!」

人狼が悲鳴を上げる。
腹から少量の血が噴き出し大きくよろめいた。

「今だな」

相手は建物の屋根の上におり、手近に屋根に上がれそうな場所は見当たらない。
出来れば屋根に上がって人狼を始末してやりたいが上がる場所を探す余裕は無さそうだ。
ここは一旦逃げた方が良いだろう。無様ではあるが。

「あばよ!」
「グウ、ま、待て……!」

レスターは全速力で駆け出した。




「痛てて……投げナイフを持っていたなんて、油断したな」

濃いグレーの毛皮を持った少しやせ形の人狼の雄、コーディは、
腹に刺さった投げナイフを引き抜きながら呟く。
ナイフ自体はまだ使えそうなのでその辺に落ちていた布切れで血を拭き取って自分のデイパックに押し込む。
建物から下りて、先程射殺した狐少年の元に歩み寄る。

「……うぐっ、げほっ」
「あら、まだ生きていたのか」

意外にも少年はまだ生きていた。
もっとも放っておけばすぐに完全に死に絶えるだろうが。

「痛い、よぉ……痛い……身体が、動かないよぉ……えぐっ、ぐすっ」
「……可哀想にな、俺が楽にしてやろう」

コーディは先程の投げナイフを取り出し、少年の心臓に突き刺した。
少年は短い悲鳴を上げた直後、今度こそ確実に生命活動を停止させた。
ナイフを引き抜き今度は少年の衣服で血を拭うコーディ。
そして少年の首に刺さっていた矢と地面に刺さった矢を引き抜き回収する。
支給されたクロスボウの矢には限りがあるので可能な限り再利用した方が良い。

少年のデイパックを漁ってみると、手榴弾が3個と粉末ジュースの袋が3袋入っていた。
それらも回収し自分のデイパックに押し込む。

「さてと、バイロンさんにアドレイドにクローイちゃんがいるけど、
そうだな、バイロンさんは取り敢えず放置だ強いから」

コーディは次の獲物を捜し始めた。




コーディから逃げたレスターだが今度は別の襲撃者に襲われていた。

「死んでよ! お願いだから!」

鶴嘴を振り回しレスターに迫るドーベルマン種犬獣人の女性。

「くそっ、またか! また殺し合いに乗ってる奴か!」

鶴嘴の攻撃を避けながら、レスターは悪態をつく。
相手は殺し合いに乗っているとは言え女性である。
正直言ってレスターは女性を殺したくはなかった。

「ううっ、上手く避けるんだから……」

中々相手に攻撃が当たらない事に苛立ちと焦りを募らせるドーベルマン女性。

「悪いが少し寝て貰うぜ!」

レスターは女性の腹目掛けて渾身の蹴りを放つ。
鶴嘴による攻撃は威力は高いが物の重量が多い分大振りになり易く隙が大きかった。
その隙を突かれ、女性は男性の重い蹴りを鳩尾の部分に食らい、唾液と空気を吐き出す。

「かっ……」

呼吸困難に陥り、一気に意識を失いその場に倒れ込んだ。

「ハァ、ハァ……ったく、どいつもこいつも、何だってこんな馬鹿なゲームに乗り気なんだっつの」

うんざりしたようにそう言うと、レスターは遊園地の出口を捜し始める。
女性の事が少し気になったが殺し合いに乗っている者をわざわざ助ける義理も無い。
もしかしたらまだやる気になっている者が他にも隠れている可能性もあった。
これ以上連戦は御免だ、レスターはそう思いさっさと遊園地から出る事を決めた。


【御代田優太郎  死亡】
【残り  37人】


【早朝/F-2廃遊園地】

【レスター・コリンソン】
[状態]健康
[装備]グルカナイフ
[持物]基本支給品一式、投げナイフ(2)
[思考・行動]
0:殺し合いには乗らない。首輪をどうにかしたい。
1:殺し合いに乗っている奴でも女性は出来る限り殺したくないが……。
2:ヴィヴィアンとセシリーを捜そう。
[備考]
※知人はヴィヴィアン・ルーク、セシリー・バーンズの二人です。

【コーディ】
[状態]腹部に浅い刺傷
[装備]クロスボウ(1/1)
[持物]基本支給品一式、クロスボウの矢(10)、投げナイフ(1)、ミルズ型手榴弾(3)、
粉末ジュースオレンジ味(3)
[思考・行動]
0:殺し合いに乗り優勝する。
1:バイロンさんは放置。アドレイド、クローイちゃんは敵いそうなので会ったら始末する。
[備考]
※知人はバイロン、アドレイド、クローイの三人です。

【沖元実沙】
[状態]腹部にダメージ、気絶中
[装備]鶴嘴
[持物]基本支給品一式、???
[思考・行動]
0:死にたくないので殺し合いに乗る。
1:(気絶中)
[備考]
※特に無し。


≪キャラ紹介≫
【レスター・コリンソン】
とある冒険者ギルド所属の戦士。26歳。無精髭で筋肉質の身体。
魔法は全く使えず余り難しい戦術を考えるのは苦手な脳筋もとい戦士系。
白兵戦に関してはかなりの強さで格闘術にも長ける。そしてタフガイ。

【御代田優太郎】 みよだ・ゆうたろう
名門私立学園の中等部に通う金持ち家の息子。13歳の狐獣人。
この年にしてエロ同人誌やエロゲの愛好家(両親の影響)で、更にそれだけでは物足りず、
発展場に通い快楽を享受するエロケモショタ。最近では肉便器プレイにハマっているらしい。

【コーディ】
とある塔のエンカウントモンスターの人狼。濃いグレーに白っぽい毛皮。
22歳。飄々としているように見え、人を殺し嬲る事には全く躊躇しない性格。
痩せ型で少し不健康そうな印象。そして、かなりの巨根。

【沖元実沙】 おきもと・みさ
ドーベルマン種犬獣人の女子大生。19歳。怖がりで泣き虫。
怖さが限界を超えると思考能力が麻痺し平常時には出来ないような大胆な行動を取るようになる。
一応彼氏がいるが最近何度も行為をせがまれ断れず疲労の色を滲ませている。


≪支給品紹介≫
【グルカナイフ】
レスター・コリンソンに支給。
「ククリナイフ」とも。ネパールのグルカ族をはじめとする諸種族、およびインドで使用される短刀。
農作業、家事、狩猟に使われるのが主だが戦闘行為に使用される場合もある。

【投げナイフ】
レスター・コリンソンに支給。3本セット。
投擲に適するよう工夫された形状を持つナイフ。素人でもある程度正確に投げれるようになっている。

【クロスボウ】
コーディに支給。予備矢10本とセット。
機械式の弓。競技や狩猟で使用される。銃声がしない分場合によっては銃より頼れる。

【ミルズ型手榴弾】
御代田優太郎に支給。3個セット。
1915年にイギリス軍制式採用となった最初期の手榴弾。
有効殺傷範囲は半径10メートル。

【粉末ジュースオレンジ味】
御代田優太郎に支給。3袋セット。
水に入れて使用するジュースの素。正直言って余り美味しく無い。

【鶴嘴】
沖元実沙に支給。
先端を尖らせて左右に長く張り出した頭部をハンドル部分に直角に連結した道具であり、
主に固い地面やアスファルトを砕くために使われる。



ゲーム開始 レスター・コリンソン 次:悪戯に美しさ安売りしてる
ゲーム開始 御代田優太郎 死亡
ゲーム開始 コーディ 次:賑わいを見せる錆塗れの遊戯場
ゲーム開始 沖元実沙 次:賑わいを見せる錆塗れの遊戯場

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最終更新:2012年04月30日 01:54
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