16話:「運も実力の内」とは誰が言い出したんだろう
傷んだアスファルトの道路、両脇はかなり背の高い雑草やら枯れ木やらがある荒れ地。
廃屋らしい物や放置車両等も見える。
荒れ地に挟まれた道路を歩くのはリカオンの少年小崎史哉。
「怖いよここ、やばいよ絶対襲われるって、早くこの地帯抜けなきゃ襲われるって」
かなりビクビクとしながら史哉は道路を歩いて行く。
草むらに息を潜める人物には彼は全く気付かなかった。
ガササッ!!
「うわああぁああ!!」
突然草むらから現れた、翼の生えた高い露出の格好の少女に史哉は死ぬ程驚く。
しかもその少女は右手に小型の拳銃らしき物を持っている。
銃口を向けたまま一気に距離を詰め少女は、銃の引き金を引いた。
ダンッ! ダンッ!
銃弾が二発、史哉の胴体に食い込み、衝撃で史哉は倒れ込み悶える。
「ごめんね、貴方に恨みは無いんだけどね」
少女は倒れた史哉の後頭部に向け、もう一発銃弾を放った。
後頭部辺りから血が噴き出した後、史哉は呻き声を上げて動かなくなった。
リカオン獣人の少年が死んだと判断した、サキュバスの少女――クローイは、
史哉の持っていたデイパックを漁る。
入っていた物は農作業用の鎌一つだった。
「いらないなぁ……」
所持している自動拳銃スタームルガーMk.Iの方が武器としては良いと、
クローイは史哉のデイパックからは何も取らなかった。
「次行こうか、バイロンさん、コーディ君、アドレイドちゃんに会えるかな?
会えたらなるべく苦しまないように殺してあげなきゃ」
無邪気な様子で物騒な事を言い、クローイは荒れた道路を北方向に進んで行った。
◆
「うう……い、痛い……」
クローイが立ち去り数分後、何と史哉は目を覚ました。
後頭部から撃ち込まれた銃弾は奇跡的に急所を逸れ、史哉の顎の下から突き抜けた。
衝撃で気絶こそしたが命に別条は無かったのだ。
「後頭部と顎の下が痛い……良く死ななかったな俺……。
それと……防弾チョッキ……着ておいて良かった」
史哉を救ったのは奇跡だけでは無い。
彼に支給された鎌以外のもう一つの支給品、防弾チョッキ。
衣服の下に防弾チョッキを着込んでいたお陰で、銃弾を受けても致命傷にはならなかった。
「ぐああっ! い、てぇ……! 畜生、どうしてこんな目に遭うんだ…俺が何したって……。
もう嫌だ……夢なら早く覚めたいよ……」
気弱に愚痴を零し続ける史哉。
そうでもしなければ気が紛れ無かった。
そうでもしなければやり切れなかった――――。
【早朝/E-6荒れ地】
【小崎史哉】
[状態]後頭部から下顎付近にかけ貫通銃創(命に別条無し)
[装備]防弾チョッキ(衣服の下に着込んでいる)
[持物]基本支給品一式、草刈鎌
[思考・行動]
0:死にたくない。
1:もう嫌だ……。
[備考]
※特に無し。
【クローイ】
[状態]健康
[装備]スタームルガーMk.I(7/10)
[持物]基本支給品一式、スタームルガーMk.Iの弾倉(2)
[思考・行動]
0:面白そうなので
殺し合いに乗る。
1:バイロンさん、コーディ君、アドレイドちゃんはどこにいるんだろう?
[備考]
※小崎史哉を殺害したと思っています。
≪キャラ紹介≫
【小崎史哉】 おざき・ふみや
リカオン獣人の少年で高校一年の16歳。臆病で愚痴が多くやや自己中心的。
ネットでチャットに興じる事が多くその時は多少は明るくなる。
基本的に運が強く、本来なら死亡するような事故や事件に巻き込まれても大怪我はすれど生還してきた。
【クローイ】
サキュバスの少女。外見年齢10代半ばぐらい。黒髪ロリ巨乳と言った風貌。
無邪気で残虐な性格で誘惑した男と交わっては惨い殺し方で殺す事が多い。
人間に化けて街へお菓子を買いに行ったりしている。
≪支給品紹介≫
【スタームルガーMk.I】
クローイに支給。予備弾倉2個とセット。
1949年にスポーツシューティング用に発売されたスタームルガー社初の自動拳銃。
使用する.22LR弾本来の威力の弱さに加え、スライド全体ではなくボルトだけが作動するため、
反動が小さく高い命中精度を誇る。特殊部隊向けとして銃身自体に消音装置を組み込んだ暗殺用モデルも開発された。
【草刈鎌】
小崎史哉に支給。
草を刈るのに使われる鎌。
【防弾チョッキ】
小崎史哉に支給。
銃弾から身を守るためのベスト状の身体防護服。
拳銃弾程度なら防げるが、小銃弾等強力な弾には効果が無い。
最終更新:2012年04月26日 13:44