狼と不要者、交わらず

「クソッ、参ったな」

住宅街で青年、トミー・ドーキンズは頭を抱えていた。
普段と何一つ変わらぬ一日を過ごし、自室で眠りに就いた筈が誘拐され、殺し合いを命じられている。
質の悪いドッキリか何かだと思いたいが、自分の冷静な部分がそれを否定する。
殺された二人の人間、首にある金属の感触、そして異様な雰囲気の会場。
それら全てを作り物や気のせいと断じる事は、トミーにはできなかった。

「今回ばっかりは流石にお手上げだよ……」

これが何時も遭遇している怪事件なら、ここまで悩むことはなかった。
マートンが得意のオカルト知識で情報を集め、自分とローリーが戦う。
実にシンプルで分かり易い解決方法。
しかし今回は違う。
人の悪意によって引き起こされた凶悪犯罪。
怪物退治の経験だけでは解決できない。

「あぁもう!とにかくマートンを探そう!」

頭をガシガシと掻き、半ばやけくそ気味に叫ぶ。
ここには親友のマートンも居る。
戦う力の無いオタクのマートンを一人にしておくのは危険だ。
それに彼ならば何か良い打開策が思いつく…かもしれない。

「よし。それじゃ…」

ふーっと息を吐く。
次の瞬間、トミーに異変が起こった。
整った髪が大きく逆立ち、眉毛ともみ上げは動物の毛のように変化。
獣のような鋭い爪に、黄色く光る両目。
半年前、キャンプ場で狼に噛まれ発現した能力。
街に現れる怪物や超能力者を倒してきたプレザントビルの狼男。
それこそがトミーのもう一つの顔である。

「無事でいてくれよ、マートン…!」

友の無事を願い、狼男は夜の街を駆け抜ける。




「…?」

走り去る狼男の姿を目撃した一人の少女。
可愛らしく小首を傾げる彼女の名は梔。
シメオン少女部隊の一員にしてミッシングリンク級のニードレスである。

「……」

梔は考える。
狼男はおそらくニードレスだろう。
シメオンの者では無いようだが、対峙しても余裕で屠る自身はある。
故に取り合えずどうでもいい。

次に考えたのは、自分はこの場でどう動くか。
まず優勝を目指すという選択肢はない。
参加している仲間は未央、セツナ、そして一時共闘しているクルスの三人。
しかし生き残れるのは二人。
自分ともう一人以外の二人を切り捨てる事になってしまう。
なら願いを叶える権利とやらで、切り捨てた二人を生き返らせるか?
これも有り得ない。
あんな胡散臭い奴の言葉を誰が馬鹿正直に信じるものか。
何らかの強力な力は持っているだろうが、それでも死者の復活など到底信じられない話だ。

では三人と合流し脱出を目指すという道。
優れた洞察力と推理力を持つクルスなら、何か良い手を考え付くかもしれない
だがこれも中々難しい。
ここにはアダム・ブレイド、照山最次、六道銀の忌々しいブレイド一行も居る。
後者二人はまだしも、ブレイドの戦闘力は桁違いだ。
そしてクルスは元々敵である自分達よりも、仲間であるブレイドたちとの合流を優先するだろう。
そうなれば益々こちらはマズい状況に追い込まれる。

「……」

うんうんと頭を捻り考えること数分。
悩んだ末に梔は決断する。
脱出するまでは(非常に不本意だが)ブレイドたちとも可能な限り協力することを。
そもそも今回はブレイド一行、少女部隊双方に取って予期せぬ異常事態だ。
敵の敵は味方という言葉があるように、どちらからしても今優先して倒すべき相手はロロである。
未央はもとより、セツナも多分賛同してくれるはず。
となるとクルスを優先して探し、ブレイドに会う前にこちらで確保しておく。
何だかんだであいつはお人好しだ、ブレイド達との仲介役として利用できるだろう。
それに少しだが…情もある。
戦闘力皆無のヘタレなのだから、さっさと見つけてやるかと思い歩き出す。

「……」

歩く梔の頭に浮かぶのは敬愛する上司、楼閣寺璃瑠。
シメオンビルでの失態以降は会えずに、日々寂しい思いをしていた。
今は殺し合いに拉致され、更に彼女とは離れてしまう有様。
梔は挫けず決意する。
必ず脱出し、もう一度璃瑠の下に戻ることを。
愛しい璃瑠の顔を思い浮かべる度に、体中に力が漲る。
湧き上がる気力に身を任せ、梔は歩く速度をを速めた。




三つ。
彼女が知らない事がある。

この場に居るセツナは梔以外の全員を殺す気であること。

無力だと思っているクルスは近い未来、梔達を超える聖痕保持のニードレスへ覚醒するということ。





そして、ブレイド一味も少女部隊も、彼女が愛する璃瑠やアークライトでさえ。
六道銀と左天に利用される捨て駒でしかないということを。


【トミー・ドーキンズ@ハイスクール・ウルフ】
[状態]:健康、狼男へ変身中
[装備]:なし
[道具]:共通支給品一式、不明支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いはしない。何とか脱出したい
1:マートンを探す
[備考]
※シーズン2、第26話「正体暴露」以降からの参戦

【梔@NEEDLESS】
[状態]:健康
[装備]:鉄火巻き@NEEDLESS
[道具]:共通支給品一式、スケッチブックと油性ペン@NEEDLESS
[思考]
基本:殺し合いから脱出する
1:仲間を探す。優先するのは山田(クルス)
2:ブレイド達を警戒。但し可能ならば休戦に持ち込む。
[備考]
※参戦時期は学園編、最初の殺人~事件解決の間のどこか

支給品紹介
【鉄火巻き@NEEDLESS】
梔に支給。
ファンとジェット機能が付いた梔専用のガントレット。
主にファンを通して香〈フレグランス〉の能力を発動する。
名前に特に意味は無い。

【スケッチブックと油性ペン@NEEDLESS】
梔に支給。
彼女は基本喋らないので、これに字を書いて会話する。
防水加工済み。



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最終更新:2016年04月07日 01:53
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