「クソッ、参ったな」
住宅街で青年、トミー・ドーキンズは頭を抱えていた。
普段と何一つ変わらぬ一日を過ごし、自室で眠りに就いた筈が誘拐され、
殺し合いを命じられている。
質の悪いドッキリか何かだと思いたいが、自分の冷静な部分がそれを否定する。
殺された二人の人間、首にある金属の感触、そして異様な雰囲気の会場。
それら全てを作り物や気のせいと断じる事は、トミーにはできなかった。
「今回ばっかりは流石にお手上げだよ……」
これが何時も遭遇している怪事件なら、ここまで悩むことはなかった。
マートンが得意のオカルト知識で情報を集め、自分とローリーが戦う。
実にシンプルで分かり易い解決方法。
しかし今回は違う。
人の悪意によって引き起こされた凶悪犯罪。
怪物退治の経験だけでは解決できない。
「あぁもう!とにかくマートンを探そう!」
頭をガシガシと掻き、半ばやけくそ気味に叫ぶ。
ここには親友のマートンも居る。
戦う力の無いオタクのマートンを一人にしておくのは危険だ。
それに彼ならば何か良い打開策が思いつく…かもしれない。
「よし。それじゃ…」
ふーっと息を吐く。
次の瞬間、トミーに異変が起こった。
整った髪が大きく逆立ち、眉毛ともみ上げは動物の毛のように変化。
獣のような鋭い爪に、黄色く光る両目。
半年前、キャンプ場で狼に噛まれ発現した能力。
街に現れる怪物や超能力者を倒してきたプレザントビルの狼男。
それこそがトミーのもう一つの顔である。
「無事でいてくれよ、マートン…!」
◇
「…?」
走り去る狼男の姿を目撃した一人の少女。
可愛らしく小首を傾げる彼女の名は梔。
シメオン少女部隊の一員にしてミッシングリンク級のニードレスである。
「……」
梔は考える。
狼男はおそらくニードレスだろう。
シメオンの者では無いようだが、対峙しても余裕で屠る自身はある。
故に取り合えずどうでもいい。
次に考えたのは、自分はこの場でどう動くか。
まず優勝を目指すという選択肢はない。
参加している仲間は未央、セツナ、そして一時共闘しているクルスの三人。
しかし生き残れるのは二人。
自分ともう一人以外の二人を切り捨てる事になってしまう。
なら願いを叶える権利とやらで、切り捨てた二人を生き返らせるか?
これも有り得ない。
あんな胡散臭い奴の言葉を誰が馬鹿正直に信じるものか。
何らかの強力な力は持っているだろうが、それでも死者の復活など到底信じられない話だ。
では三人と合流し脱出を目指すという道。
優れた洞察力と推理力を持つクルスなら、何か良い手を考え付くかもしれない
だがこれも中々難しい。
ここにはアダム・ブレイド、照山最次、六道銀の忌々しいブレイド一行も居る。
後者二人はまだしも、ブレイドの戦闘力は桁違いだ。
そしてクルスは元々敵である自分達よりも、仲間であるブレイドたちとの合流を優先するだろう。
そうなれば益々こちらはマズい状況に追い込まれる。
「……」
うんうんと頭を捻り考えること数分。
悩んだ末に梔は決断する。
脱出するまでは(非常に不本意だが)ブレイドたちとも可能な限り協力することを。
そもそも今回はブレイド一行、少女部隊双方に取って予期せぬ異常事態だ。
敵の敵は味方という言葉があるように、どちらからしても今優先して倒すべき相手はロロである。
未央はもとより、セツナも多分賛同してくれるはず。
となるとクルスを優先して探し、ブレイドに会う前にこちらで確保しておく。
何だかんだであいつはお人好しだ、ブレイド達との仲介役として利用できるだろう。
それに少しだが…情もある。
戦闘力皆無のヘタレなのだから、さっさと見つけてやるかと思い歩き出す。
「……」
歩く梔の頭に浮かぶのは敬愛する上司、楼閣寺璃瑠。
シメオンビルでの失態以降は会えずに、日々寂しい思いをしていた。
今は殺し合いに拉致され、更に彼女とは離れてしまう有様。
梔は挫けず決意する。
必ず脱出し、もう一度璃瑠の下に戻ることを。
愛しい璃瑠の顔を思い浮かべる度に、体中に力が漲る。
湧き上がる気力に身を任せ、梔は歩く速度をを速めた。
◆
三つ。
彼女が知らない事がある。
この場に居るセツナは梔以外の全員を殺す気であること。
無力だと思っているクルスは近い未来、梔達を超える聖痕保持のニードレスへ覚醒するということ。
そして、ブレイド一味も少女部隊も、彼女が愛する璃瑠やアークライトでさえ。
六道銀と左天に利用される捨て駒でしかないということを。
【トミー・ドーキンズ@ハイスクール・ウルフ】
[状態]:健康、狼男へ変身中
[装備]:なし
[道具]:共通支給品一式、不明支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いはしない。何とか脱出したい
1:マートンを探す
[備考]
※シーズン2、第26話「正体暴露」以降からの参戦
【梔@NEEDLESS】
[状態]:健康
[装備]:鉄火巻き@NEEDLESS
[道具]:共通支給品一式、スケッチブックと油性ペン@NEEDLESS
[思考]
基本:殺し合いから脱出する
1:仲間を探す。優先するのは山田(クルス)
2:ブレイド達を警戒。但し可能ならば休戦に持ち込む。
[備考]
※参戦時期は学園編、最初の殺人~事件解決の間のどこか
支給品紹介
【鉄火巻き@NEEDLESS】
梔に支給。
ファンとジェット機能が付いた梔専用のガントレット。
主にファンを通して香〈フレグランス〉の能力を発動する。
名前に特に意味は無い。
【スケッチブックと油性ペン@NEEDLESS】
梔に支給。
彼女は基本喋らないので、これに字を書いて会話する。
防水加工済み。
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最終更新:2016年04月07日 01:53