妖艶淫狐降臨ノ巻

19話「妖艶淫狐降臨ノ巻」

E-4市街地の路上にて、二人の参加者が対峙している。
一人は黒い学ランに身を包んだ眼鏡を掛けた少年、楢原喜三郎
もう一人は妖艶な雰囲気を漂わせた、極上の身体付きの二足歩行の雌狐、費覧。
喜三郎の手にはリボルバー拳銃、コルトM1917が、費覧の手には骨董品とも言える自動拳銃、ルガーP08が握られている。

「貴方も殺し合いに乗っているのですね、妖狐さん」
「その口振りからして、貴方もみたいね、眼鏡君」
「ええ。こんな面白そうなゲームは、恐らく人生の中で二度と無いでしょうから」
「そうだね……それは私も同じよ」

しばらく二人は数メートルの距離を保ったまま互いに睨み合って動かない。
夜風に喜三郎の髪が、費覧の艶やかな毛皮が揺れる。
そして、先に動いたのは費覧の方だった。
素早く横へ跳びながら、喜三郎に向けてルガーP08を撃ち放つ。
しかし、複数放たれた9㎜×19㎜弾は、喜三郎の髪を数本切り裂く程度に留まった。
費覧とは反対方向に横に跳んだ喜三郎は、費覧に向けてコルトM1917の引き金を引く。

「があっ!」

費覧が短い悲鳴を上げたのと同時に、彼女の豊満な乳房と、腹部にそれぞれ穴が空き、血が噴き出す。
そして費覧はそのままその場に蹲り、苦しげに息を荒げる。
傷口からポタポタと血液が滴り落ち、アスファルトの上に黒い染みを作った。
喜三郎は銃口を向けたまま費覧に近付き、傍まで来た所で立ち止まった。

「終わりです。何か言い残す事はありますか?」

喜三郎が費覧に尋ねる。
だが、苦しんでいたはずの費覧の口が、一気に嗤うように歪んだ。

「なんてね☆」
「っ!!」

次の瞬間、費覧が気のようなものを纏わせた拳で、喜三郎の胴に強烈な一撃を食らわせた。

「ぐああああああああっ!!」

それを受けた喜三郎は一気に道の反対側のビルの壁まで吹き飛ばされ、壁を大きく破壊し、その場にズルズルとずり落ちた。
まだ息はあるが、身体的ダメージは相当なものであると、外見から十分に判断出来た。
費覧が立ち上がり、落ちていた自分の拳銃、ルガーP08を拾い上げ、
ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべながら崩れた壁にもたれかかって動かない喜三郎に近付いていく。
フサフサの尻尾が艶めかしく動いていた。
そして喜三郎の所まで来ると、俯いていた喜三郎の顔を左手でぐいっと上げ、自分と視線を合わせる。

「妖狐の生命力、なめてもらっちゃ困るなぁ。普通の人間なんかより、何倍もタフなのよ?
心臓撃たれたり首切られたりしたぐらいじゃ、死なないんだから」
「ぐっ……」

喜三郎が屈辱に顔を歪ませる。

「さてえ。終わりです。何か言い残す事はありますか?」

先程喜三郎が自分に言った言葉をそっくり言い返しながら、牙が見える程口元を歪ませ、
喜三郎の額にルガーP08の銃口を突き付ける。

(くそっ、これまでか……)

喜三郎は観念し、最期の言葉を口にした。

「残念です……」

そして、次の瞬間、銃声が夜の市街地に響いた。



費覧は、喜三郎の持っていたコルトM1917と、デイパックの中に入っていた予備弾薬、
そして水と食糧を自分のデイパックの中に入れた。

「さて、他の参加者を探しに行くとしますか。ついでに章高も」

この殺し合いに呼ばれている唯一の知人の名前を呼び、雌の妖狐は軽やかな足取りで夜の街へ消えていった。


【楢原喜三郎@オリキャラ  死亡】
【残り  42人】


【一日目/深夜/E-4市街地表通り】

【費覧@オリキャラ】
[状態]:胸と腹に貫通銃創(命に別条無し)、返り血(中)
[装備]:ルガーP08(3/8)
[所持品]:基本支給品一式、ルガーP08の予備マガジン(5)、コルトM1917(1/6)、
45ACPリムド弾(30)
[思考・行動]:
0:皆殺し~♪ 最後には主催者も殺す。
1:知人である章高は、限界まで犯してから食い殺す。


※F-1市街地表通りに楢原喜三郎の死体とデイパックが放置されています。
デイパックの中身=水と食糧抜きの基本支給品一式
※F-1一帯に破壊音が響きました。


≪オリキャラ紹介≫
【名前】楢原喜三郎(ならはら・きさぶろう)
【年齢】17
【性別】男
【職業】高校生
【性格】礼儀正しく、計算高い
【身体的特徴】黒髪の中肉中背で、眼鏡を掛けている
【服装】黒い学ラン
【趣味】数学書を読む事、勉強
【特技】暗算
【経歴】それなりに裕福な家庭で育つ
【備考】殺人に対して興味を持っているとか

【名前】費覧(ひ・らん)
【年齢】不明(外見年齢精神年齢10代後半、推定200歳)
【性別】女
【職業】妖狐
【性格】明るい博愛主義者だが、淫乱
【身体的特徴】薄い黄色の獣足型狐獣人。巨乳で大人びた魅力
【服装】全裸(服を着るのが嫌い)
【趣味】淫らな事
【特技】妖術(幻術や気を纏わせての攻撃)
【経歴】中国風国家のとある辺境の森に住み付く妖狐。
旅人や地元市民を掻っ攫っては男女問わず犯しまくる危険人物として認知されている
【備考】最近は章高という人間男性に対しかなり屈折した愛情を抱いている


≪支給品紹介≫
【コルトM1917】
1917年に開発されたリボルバー拳銃。
自動拳銃用の45ACP弾を使用出来る拳銃をという米軍からの注文による。
日本においては第二次世界大戦直後に不要となったM1917が大量に日本に持ち込まれた。

【ルガーP08】
1908年にドイツ陸軍の制式となった名銃。
トグルロックという独特の機構を内蔵している。
最も普及した拳銃弾である9㎜×19㎜はこの銃のために開発された。





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GAME START 楢原喜三郎 GAME OVER
GAME START 費覧 NEXT:嬉しさ噛み締める

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最終更新:2010年01月22日 00:11
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