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廃展望台での遭遇

22話「廃展望台での遭遇」

F-7に存在する、朽ち果てた廃墟の展望台。
最上階、360度景色が見渡せるようになっている展望ルームに、
学生服を着た少年――森屋英太の姿があった。



あ、ありのまま起こった事を話すぜ!

殺し合いに参加させられ、死んだと思ったら、今度は別の殺し合いだった」

……嘘だと思うだろ? だけど本当なんだ。
俺、森屋英太は以前、別の殺し合いで死んだはずなんだ。
だけど目が覚めた時には今度は別の殺し合いと来た。
首にはお馴染み、爆破装置内蔵の絶対に外せない首輪もはめられている。
あの血みどろの殺し合いをまさか二回もする事になるなんて誰が予想つくよ!?

とにかく前と同じくデイパックの中身を確認しよう。
名簿に地図にランタンに、ん……何だこの小さな機械? デバイスだって?
へえ、現在位置と時刻と方角が分かるのか……こりゃ便利だな。
んでペットボトル入りの水にパン、そしてバタフライナイフと何だか不気味な顔をした何かの動物のぬいぐるみ。
まあとりあえずバタフライナイフは十分武器として使えそうだな。ちょっと頼り無いけど。
ぬいぐるみは説明書によると「マーフィー君」という名前らしい。お世辞にも可愛いとは言えない……。

「微妙な支給品だな……いいや。とりあえず名簿を見てみよう」

名簿の紙を開くと、自分を含め48人の名前が書かれていた。何人か見知った名前もある。

「シルヴィアだって?」

死亡者発表で名前が呼ばれたはずのシルヴィアの名前を発見した。
俺の頭に白髪に猫耳、猫の尻尾を持った、喧嘩っ早い猫族ハーフの少女の姿が浮かぶ。
あいつ、前回の殺し合いではゲームに乗っていたけど、今回はどうなんだろうな……。

「!!」

そして俺は「そいつ」の名前を発見した。
「太田太郎丸忠信」。俺の目の前で、遥に致命傷を負わせ、死に至らしめた張本人の名前が名簿に載っていた。

「太田……お前も、ここにいるのか」

こいつだけは、こいつだけは許す訳にはいかない。
あいつの事だ、きっとこの殺し合いでもロクな行動を取らないだろう。
もし出遭う事があったら、その時は絶対に殺してやる!

「おい」

不意に声が聞こえた。咄嗟に両手に鋏の刃を持って身構える。

「安心しろ。ワシは殺し合いをする気は無い」

窓から入ってくる月明かりで、声の主の容姿が見えた。
薄い茶色っぽい、猟師のような格好をしたじいさんだった。手には鎌らしき物を持っている。

「殺し合いはする気は無いって、本当ですか?」
「本当だ。もし殺し合いに乗っているなら、話し掛けずにさっさと殺しに掛かっている」
「……それも、そうですね」

どうやら信用しても良さそうだ。
じいさんは「志村晃」と名乗った。見た目通り猟師をしているらしい。
俺も自分の名前を自己紹介する。
互いの名前が分かった所で、元々警備室だったと思われる、
壊れたテレビモニターや椅子などが散乱した部屋に移動し、情報交換をする事にした。
部屋の電気はやはり点かないので、テーブルの上に俺のランタンを点灯した状態で置き明かりにする。
まず互いに支給品の確認。俺は今装備しているバタフライナイフと謎のぬいぐるみマーフィー君。
志村さんは装備している草刈り用の鎌と、デイパックから取り出したインスタントラーメンの代名詞「チキンラーメン」5袋入りパック。
あのセイファートとか言う狼族の女は本当に殺し合いをさせる気があるのか?
名簿を開き互いの知り合いの確認。
自分はクラスメイト8人と自分が分かる限りの特徴を伝えた。
志村さんは知り合いでは無いが、自分が住む村の村医である「宮田司郎」なる人物について話してくれた。
そして最後に俺は、自分が別の殺し合いで死んだ事、この殺し合いに呼ばれている他のクラスメイトも、
その殺し合いに参加させられ、命を落とした奴もいるという事も話した。

「むう……信じ難いが、ワシも何の前触れも無く突然この殺し合いに参加させられたからな。
有り得ん話では無い」

以外にも志村さんはあっさり信じてくれたようだ。

「ところで、森屋。話振りからしてお前は『太田太郎丸忠信』とやらに相当な憎悪を抱いておるようだな」
「! ……ええ。あいつは、あいつは……」

俺は志村さんに、前回の殺し合いでの出来事を包み隠さず話した。

「成程。そんな事があったのか……」
「……」
「しかしな森屋。お前の気持ちが分からん訳では無いが……憎しみからの復讐は何も生まんぞ」
「分かってます! 分かってはいるんです。でも、でも……」

憎悪や復讐は何も生まない。何かの漫画で似たような台詞を見た事があるような気がする。
それは分かってはいるさ。でも、理屈じゃないんだ。

「まあ、部外者であるワシがとやかく言う事でも無いが……無茶な事はせん事だ」
「……はい……すいません……」

志村さんに宥められ、俺は意気消沈してしまった。



サイレンが鳴り、地響きが起こったと思ったら、殺し合いとは。
全く訳が分からん。いや、訳が分からんのは、あの村、あの女も同じだがな。
ともかくこの殺し合いとやらでたった一人の優勝者が決まらなければ、元の世界に帰還する事は出来ないらしい。
首には爆薬が仕込まれた首輪もはめられている。脱出はほぼ不可能事に近いだろう。

この殺し合いには知り合いでは無いが、知っている人間が一人呼ばれている。
宮田司郎……村の村医であり村の暗部として大きな実権を握る「宮田医院」の若き院長。
確か前院長の実子では無かったと聞いたが……ワシもほとんど面識が無いので顔ぐらいしか分からん。
どんな人物なのかも不明瞭だ。この殺し合いでどういう行動に出るのだろうか。

しかしいつも使っている猟銃――二十二年式村田銃が手元に無いのは痛いな。
あれがあれば数倍楽に戦う事が出来るんだが。

殺し合いはする気は無いが、あの村に帰りたいとも思わない。
70まで生きて今更死が怖い訳でも無い。
しかしだ……目の前の学生服姿の少年、森屋英太は自分の憎むべき相手がこの殺し合いに呼ばれているらしく、
その相手を殺したいとさえ思っている。
なぜか彼の事が心配だった。思えば森屋は昔死んだワシの一人息子と同年代。
容姿も性格も似ても似つかないと言うのに、なぜか息子と森屋を重ねてしまう。



「下手に動くと危ない。しばらくここで様子で見よう」
「そうですね」

森屋英太、志村晃の二人はしばらく廃展望台に留まる事にした。


【一日目/深夜/F-7展望台最上階警備室】

【森屋英太@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:バタフライナイフ
[所持品]:基本支給品一式、マーフィー君@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和
[思考・行動]:
0:殺し合いはしない。生き残る。
1:志村さんと行動を共にする。しばらくこの展望台に留まる。
2:太田に今度会ったら絶対に殺す。
3:太田以外のクラスメイトと合流したい(但し太田の仲間らしい吉良は微妙)。
4:シルヴィアの事が少し心配。
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※「宮田司郎」のおおよその外見的特徴を把握しました。

【志村晃@SIREN】
[状態]:健康
[装備]:鎌
[所持品]:基本支給品一式、チキンラーメン(5)
[思考・行動]:
0:殺し合いをする気は無い。但し襲われたら戦う。
1:森屋と行動を共にする。しばらくこの展望台に留まる。
2:「宮田司郎」には用心しておく。
3:森屋が少し心配。
4:狙撃銃が欲しい。
[備考]:
※初日0:00にサイレンを聞き、意識を失った直後からの参戦です。
従って幻視能力は目覚めていません。
※森屋英太のクラスメイト(エルフィ、太田太郎丸忠信、北沢樹里、吉良邑子、
サーシャ、シルヴィア、ノーチラス、フラウ)のおおよその特徴を把握しました。


※F-7展望台最上階警備室は森屋英太のランタンの光によって室内が照らされています。
光が外に漏れている可能性もあります。


≪支給品紹介≫
【バタフライナイフ】
折り畳みナイフの一種で、溝の付いた二分割グリップで刃を上下から挟むように収納するのが特徴。
開閉操作には若干の慣れが必要。

【マーフィー君@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和】
松尾芭蕉が大切にしている謎のぬいぐるみ。中身は綿(芭蕉の弟子・曽良が確認)だが、
たまに呻き声を発し動く姿を目撃されている。芭蕉が曽良に叱られた時などに抱き締めていたりしているため、
芭蕉の涙の臭いが染み付いているとか。

【鎌】
草刈りに使う普通の鎌。フックのように使う事も出来ない事は無いが強度の面で不安が残る。

【チキンラーメン】
1958年に発売された、お湯を注ぐだけで調理出来るインスタントラーメンの祖。
登場から半世紀以上経った現在でも多くの消費者に愛されている。
そのままスナック感覚で食べる事も可能だがしょっぱいので注意。




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最終更新:2010年01月09日 16:42
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