73話「ひさみインフェルノ」
私――大村寿美は、エリアD-2のとある民家の中で放送を聞いたんだけど、
あんな薄気味悪いサイレンが放送の前後に鳴り響くなんて。
正直、心臓に良く無い。かなり驚いたもん。
リビングの椅子に座っていたんだけど、思いっ切り転げ落ちた。
その時床に頭をぶつけてたんこぶが出来た。痛い。
まあそれはそれとして、もう参加者の内20人が死んでいる。
残りは28人、いや、もしかしたらこうしている間にももっと減っているかも。
これなら優勝も夢じゃないわね。
一応、支給品のコッペパンと民家に残ってた食糧で食事も済ませたし、
そろそろ移動しよう。
私は自分の武器であるリボルバー拳銃、エンフィールドNo.2を携え、
デイパックを背負い、民家を後にした。
「――え?」
少し道なりに進んでいた時、すぐ前方にある古びた倉庫の中から、
マシンガンのような音が微かに聞こえたような気がした。
気のせいじゃ無い。確かに聞こえた。
私は咄嗟に右手側の塀に身体をぴったりくっつけるようにして、
倉庫の方の様子を窺った。
中に誰かいる……?
「あ……」
倉庫の扉が開く音がした。
そして、私の視界に、見覚えのある青っぽい毛皮を持った雌獣竜が姿を露わした。
(あれは確か…私が後をつけていた…)
そう、赤いノースリーブのジャージを着た男と一緒だった雌獣竜だ。
手にはテレビでやっていた国防軍の兵器特集で見たような機関銃が握られている。
さっきの銃声はあれのものかしら?
雌獣竜はこっちには気付いていない。これはチャンス。
私は雌獣竜にエンフィールドの銃口を向け、一気に連射した。
「ぐっ…」
当たった! けど、呻いてはいるけど余り効いているようには見えない。
リボルバーだからあっという間に弾切れを起こす。
私は上着のポッケの中に突っ込んである予備弾を装填しようとした。
だけど、雌獣竜の持っている得物を見た途端、私は硬直した。
さっきまでの機関銃は路上に置かれ、代わりに今持っているのは、
多分――あれは、ロケットランチャーとかいう奴。
一体どこから――ああ、何でも入るデイパックの中しか無いよね。
……いや、そうじゃなくて。
逃げろ!!
逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
「発射」
私は、最後に、ちょっとだけ振り向いてみた。
私に向かって真っすぐに、凄いスピードで飛んでくるミサイルが見えた。
「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!」
ミサイル着弾と同時に、大爆発が起こり、
私に銃弾を撃ち込んだ白い犬娘は跡型も無く消え去った。
爆発地点は大きく抉れ、周囲の建築物も爆風や破片で大きく損壊し、
黒煙を上げながら火災も発生している。
あの分だと、犬娘が持っていた武器も所持品も全部消えたわね。
やっぱりミサイルは凄い威力だなぁ。
「痛…」
犬娘が放った銃弾は私の左腕に二発、脇腹に二発、左足太腿に一発被弾した。
口径が小さいから大した事は無いけど、やっぱり痛いなぁ。
ちょっと手当しといた方が良いかな。なら……。
「病院、かな」
確か、エリアF-3に病院があったわね。
病院なら消毒液とか包帯とか、手術器具もあるはず。
私は翼を羽ばたかせ、空中へと舞い上がった。
地上から行くよりは、多少見付かる危険はあるけど空から行った方が早い。
「それじゃ、行こう」
私は病院を目指して、翼で空路を進み始めた。
え? 小野妹子? 誰だっけそれ?
【大村寿美@オリキャラ 死亡】
【残り 21人】
【一日目/朝方/市街地上空】
【
リュード@オリキャラ】
[状態]:左腕、脇腹、左足太腿に盲貫銃創、F-3病院へ飛行中
[装備]:FIM-92スティンガー@自作キャラでバトルロワイアル(0/1)、
[所持品]:基本支給品一式、70㎜ミサイル(4)、FNミニミ(100/200)、
5.56㎜×45㎜200発金属リンク(10)
[思考・行動]:
0:「
レオーネ」と思われる自分と瓜二つの雌獣竜を捜す。
1:他の人は…はっきり言ってどうでも良くなってきた。
2:病院へ行こう。
[備考]:
※自分と瓜二つの雌獣竜(レオーネ)の名前を直感的に探り当てました。
※D-2一帯に爆発音が響きました。
※大村寿美の死体及び所持品は消滅しました。
最終更新:2010年02月25日 02:26