66話「予測不能とはこの事」
僕、小野妹子と
リュードさんは、エリアD-2の一角にある倉庫の中に身を潜めていた。
周りには得体の知れない荷物が大量に積み上げられていて、
とても圧迫感があり息苦しさを感じる。
特に、僕の隣に座っている青い毛皮を持った長身の竜、リュードさんは、
僕よりもっと窮屈だろう。
デイパックの中に入っていたコッペパンを食べながら、
僕とリュードさんは
第一回放送の時を待っていた。
「はあ、美味しく無い。っていうか、もう無いんだけど」
四つ入っていたコッペパンを全て食べてしまったリュードさんは、
とても不満そうな表情を浮かべている。
確かにあの身体でコッペパン四つだけっていうのは足り無さそうだ。
「……」
「え? リュードさん?」
何故かリュードさんが涎を垂らしながら僕の方をじっと見詰めている。
ちょ、これはまずい状況なのでは!?
「…冗談だよ、冗談」
良かった、本気では無かったみたいだ、って言うかリュードさん冗談言えたのか…。
僕がホッと胸を撫で下ろした、その時だった。
どこからともなく凄い大音量のサイレンが鳴り響き、僕はその音の大きさに、
思わず耳を手で塞いでしまう。
「うわあっ、な、何だ、このサイレン!?」
「今朝の6時だから、放送前の予鈴みたいなものじゃないかな」
耳から手を離してサイレンを聞いていると、程無くして止み、
次に聞こえてきたのはこの
殺し合いを開催した張本人である、
セイファートの無駄に明るい声。
『はいはーい皆さんお久し振りでーす。私だよ。セイファートだよ。
頑張って殺し合ってるゥ? 張り切ってくれてる人も多いけど、
何だかなあ、まだ戦うの拒否ってるお馬鹿さんがいるんだよねー本当にしょうがないなあ』
戦うのを拒否? 当然じゃないか!
全員が全員、殺し合いをしたいなんて思わ無いだろう。
きっと僕と同じように殺し合いに乗らない意思を固めている人も大勢いるはず。
リュードさんは…決して、進んで戦う様子は無いけど、どうなんだろう?
再びサイレンが鳴り響き、放送が終わった。
禁止エリアと、死亡者の発表、そしてセイファートの他愛も無い与太話。
それが放送の内容。
禁止エリアはいずれも現在位置からは離れた場所で、特に注意する必要も無さそう。
ああ、D-1は今いるエリアのすぐ隣だから一応気を付けた方がいいかな。
それで死者の発表だけれど、私が捜している「
レオーネ」、そしてイモコの捜している「聖徳太子」、
どちらの名前も呼ばれなかった。
私としては「聖徳太子」が呼ばれても関係無いんだけどね。
ああ、そうだ…そろそろこのイモコ、捨ててこうかなあ。
いい加減邪魔になってきたし。
――あ、そうだ。
「イモコ、良かったね。聖徳太子の名前が呼ばれなくて」
「は、はい、でも、もう20人も死んでいるなんて……」
「ねえイモコ」
「何でしょうか?」
私は手に持った軽機関銃、ミニミの銃口を妹子に向けた。
そうそう、私、これの試し撃ち、してなかったんだよね。
だから、イモコには悪いけど――。
「じゃあね」
「え――――」
引き金を引いた瞬間、無数の弾丸の雨が妹子に降り注いだ。
「……子! 妹子!」
「え……ん、あ……た、太子?」
「全く、私が話しているというのに居眠りをするとは何事だ!」
目の前で、太子がいつものように頭から湯気を出しながら怒りを露わにしている。
辺りを見回すと、そこは僕が住む街の外れの原っぱ。
遠くでは旅人らしき人々も見える。
ああそうだ、今日はまた太子に呼び付けられて来たんだっけ。
全くこのアホ太子は人の迷惑なんて全く考慮しないんだから…。
「聞いているのか妹子! いい加減目を覚ませ!」
「はいはい聞いていますよ。それで、えーと何でしたっけ?」
「全くう~本当に妹子は……いいか、耳の穴をよくほじって、よく聞くんだぞ!
私はな……」
はあ。こんな人がこの倭国の最高権力者だなんて、信じられないな。
だけど、一応、この人がいる事でこの国は何とか成り立っている訳だし。
今日も、慌ただしくて、下らなくて、だけど賑やかな一日が始ま
そこで小野妹子の意識は途絶えた。
「やっぱり、凄い威力だねぇ」
肉片と化した妹子の死体を見下ろしながら、
リュードは残忍な笑みを浮かべていた。
積み荷や床に飛び散った肉片や鮮血の臭い、そして弾薬の硝煙の臭いが混ざった、
異質な激臭が倉庫内に漂い始めていた。
【小野妹子@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和 死亡】
【残り 26人】
【一日目/朝方/D-2市街地倉庫】
【リュード@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:FNミニミ(100/200)
[所持品]:基本支給品一式、5.56㎜×45㎜200発金属リンク(10)、
FIM-92スティンガー@自作キャラでバトルロワイアル(0/1)、70㎜ミサイル(5)
[思考・行動]:
0:「レオーネ」と思われる自分と瓜二つの雌獣竜を捜す。
1:殺し合いに乗っている者は殺す。
2:これからどこに行こうかな。
[備考]:
※自分と瓜二つの雌獣竜(レオーネ)の名前を直感的に探り当てました。
※D-2に銃声が響きました。
※D-2市街地倉庫内に小野妹子の死体と所持品が放置されています。
最終更新:2010年02月23日 01:33