74話「新たな仲間」
レイ・ブランチャードはD-2ホテルの正面玄関前に辿り着いた。
彼女の生きる世界には見られない建築方法、建材で建てられたその高層宿泊施設を見上げる。
これだけ大きく、地図にも載っている建物なら誰かいるかもしれない。
もっともそれが
殺し合いに抗う者か、従う者かは分からないが。
強化ガラス製の扉を開けフロントに侵入するレイ。
受付と思しきカウンターと、奥には恐らく部屋の鍵を入れるロッカー。
豪華なソファーとテーブル、観葉植物、見た事も無い形のテレビ。
――レイの世界にもテレビはあるが、手回しチャンネルのような、
非常に古い形のテレビである。デジタル薄型テレビなど知る由も無い。
「これは…このホテルの見取り図か」
ホテル各階の見取り図を発見した。
一階にレストラン、パソコンルーム、大浴場などがあり、
二階から上はずっと客室のようだ。
「まずは一階から調べてみるか…」
「あ、あの…」
「!!」
突然背後から声が聞こえ、レイは持っている自動拳銃、Cz75を声の主に向けた。
「うわっ! ま、待って下さい」
「……少年?」
両手を上げて戦意が無い事をアピールするのは、
緑色の半袖の上着にジーンズを穿いた少年、須田恭也だった。
恭也はとある民家から失敬したマウンテンバイクを飛ばし、
地図上に表記されていたこのホテルへやって来た。
右手に電動回転鋸、チップカットソーを持ち、警戒しながら中に入ると、
何やら案内板のような物を見ている、嫌に露出度の高い妙な格好をした女性の後ろ姿が見えた。
とりあえず声を掛けてみたら、いきなり銃を向けられたのだ。
恭也自身も、ある程度予想はしていたが、やはり実際に銃を向けられれば怯む。
と言うより普段、こんな戦いとはかけ離れた平和な日常に生きる、
ごく普通の高校生である恭也にとって、本物の銃を向けられる事自体、
有り得ない話だったのだが。
「…殺し合いに乗っているのか?」
「乗っていません」
きっぱりと言う恭也。
しばらくお互い無言のまま対峙していたが、やがてレイが銃を下ろす。
「両手を下げていい」
「……」
レイに促されるまま、恭也は上げていた両手を下ろした。
「すまんな。こういう状況だ、危険は出来る限り避けたいのでな。
私はレイ・ブランチャードだ。お前は?」
「須田恭也……あ、あの、レイ、さん……は、殺し合いに乗って無いんですか?」
「恭也か…ああ。乗っていない。それと、呼び捨て敬語無しで良いぞ」
「あ……わ、分かった、レイ」
ぎこちないながらも、お互いに殺し合いに乗っていない事を確認し、
自己紹介を交わす二人。
その時、エレベーターが一階に到着した事を知らせる鈴が鳴った。
レイと恭也が、エレベーターの方に向き、じっと扉を凝視する。
そして扉が左右に開くと同時に、中からバッ、と三人の人物が飛び出してきた。
「!!!」
そして三人――学生服を着た茶色の狼青年・ノーチラス、
パーカーを着た青い髪の童顔青年・
早野正昭、
水色と白の毛皮を持った獣足の雌人狼・
リーヴァイは、
ロビーに立つレイと恭也の姿を確認し、それぞれの装備武器を向け警戒する。
「待て待て、私達は殺し合いには乗っていない」
「お、俺もだ!」
即座にレイと恭也は戦意の無い事を訴える。
だがノーチラス達もそう簡単に信じる訳にはいかない。
「それなら二人共持ってる武器とデイパックを床に捨ててよ」
リーヴァイがコルトM1911を構えながら静かな声で命じる。
二人は大人しく従い、それぞれ装備していた武器とデイパックを床の上に投げる。
「これでどうだ?」
「…………」
しばらく無言のままノーチラス達は小声で何か話し合っていたが。
やがて構えていた武器を下ろした。
「悪かった」
「殺し合いには…乗ってないんだよな?」
「信用していいの~?」
「……私はレイ・ブランチャード。そしてこっちが……」
「須田恭也」
「そうか。俺はノーチラスだ」
「俺は早野正昭」
「私はリーヴァイ」
緊張も解けた所で全員が互いに自己紹介を始める。
そして立ち話も何だと言う事で、ノーチラス達が行こうとしていた一階パソコンルームで、
それぞれが知っている情報を提供し合う事になった。
ホテル一階にあるパソコンルームは十数台のデスクトップパソコンが設置され、
宿泊客が自由にインターネット等を楽しめるようになっていた。
「これは…あんたの銃か?」
ノーチラスが自分の支給武器である青い自動拳銃・コバルトアローをレイに見せる。
「おお、そうだ。どこかで見たと思ったらやはり私の……。
私が今持っている銃と交換してくれないか?」
「ああ、いいぜ」
レイの支給武器であるCz75とノーチラスが持っているコバルトアローが交換される。
久々に手元に戻って来た自分の愛銃の感触に、レイはどことなく安心感を覚える。
やはり自分の銃の方がしっくり来る。
(これでもう一つの方……カーマインエッジがあればな……)
レイは二丁拳銃使いで、たった今手元に戻ってきたコバルトアローともう一つ、
フレームが真っ赤に塗装されたカーマインエッジという名の対となる自作大型自動拳銃がある。
恐らくコバルトアロー同様、この殺し合いの参加者の誰かに支給された可能性が高い。
出来ればもう一丁の方も欲しいが今はどうしようも無い。
「なぁにあんた。私の事ジロジロ見てさっ」
「あ……いや……何でも無いけど……」
リーヴァイが椅子に座る恭也を間近で睨む。
彼女は知る由も無いが恭也は獣人など現実には存在しない世界の出身。
恭也からすれば、目の前にいるのは本来いるはずの無い、
二足歩行で、言葉を話す雌の狼。
意識しない内に気になってジロジロと見てしまうのも無理は無いのだが。
リーヴァイにとっては余り良い気分では無い。
「ふん、まあいいわよ」
やがて興味を失ったのか、リーヴァイは恭也から離れ、
レイから受け取った首輪の分解作業に当たっている正昭の方へ歩いていった。
その場に残された恭也はする事も無いので、
仕方無くノーチラスとレイの会話に耳を傾けている事にした。
【一日目/朝方/D-2ホテル一階パソコンルーム】
【レイ・ブランチャード@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:コバルトアロー@
オリジナル(14/14)、
[所持品]:基本支給品一式、コバルトアローの予備マガジン(5)、
フェイファー ツェリザカ(4/5)、 600NE弾(10)、コンバットナイフ、
牛山サキの水と食糧
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。ゲームの転覆を目指す。
1:ノーチラスと情報交換。
2:ノーチラス、早野正昭、リーヴァイ、須田恭也と行動を共にする。
3:首輪の内部構造が知りたい。
4:殺し合いに乗っている者には容赦し な い 。
[備考]:
※主催側による盗聴の可能性に気付きました。
【須田恭也@SIREN】
[状態]:肉体的疲労(中)、身体中にダメージ(大)、右上腕に切り傷(応急処置済)
[装備]:チップカットソー@自作キャラでバトルロワイアル(バッテリー残量:89%)
[所持品]:基本支給品一式(ランタン放棄、コッペパン1個消費)、
流血@浦安鉄筋家族(200粒入り)
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。脱出手段を探す。そのためにも仲間が欲しい。
1:一応、仲間が出来て良かった…かな?
[備考]:
※初日0:00にサイレンを聞き、駐在警官に撃たれ川に転落し、
意識を失った直後からの参戦です。 従って幻視能力は目覚めていません。
※ランタンを破損、放棄しました。
【ノーチラス@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:Cz75(10/15)
[所持品]:基本支給品一式、Cz75の予備マガジン(5)、
エネマグラ(粘液付着)、ミニローション(残り48ml)
[思考・行動]:
0:殺し合いを潰す。首輪を外す方法を探す。
1:早野正昭、リーヴァイ、レイ、須田恭也と行動を共にする。
2:レイと情報交換。
3:残りのクラスメイトの動向が知りたい(特にエルフィ)。
4:ちょい待ち、このレイって女……ゴクリ。
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※もうエネマグラは使わないと決めたようですが、未練があるようです。
【早野正昭@オリキャラ】
[状態]:健康、西川のり子の首輪解体中
[装備]:アイスピック、鍋の蓋
[所持品]:基本支給品一式、工具(調達品)
[思考・行動]:
0:殺し合いはしない。人も殺さない。首輪を外す。
1:首輪の内部構造を探る。
2:ノーチラス、リーヴァイ、レイ、須田恭也と行動を共にする
[備考]:
※西川のり子の首輪を解体しています。
【リーヴァイ@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:コルトM1911(7/7)
[所持品]:基本支給品一式、コルトM1911の予備マガジン(5)、M67破片手榴弾(3)
[思考・行動]:
0:殺し合いはする気は無い。お兄ちゃんを探す。
1:…お兄ちゃん…。
2:ノーチラス、早野正昭、レイ、須田恭也と行動を共にする?
最終更新:2010年02月26日 18:14