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新しい朝が来た、絶望の朝だ

61話「新しい朝が来た、絶望の朝だ」

青い髪の、露出度の高い装具を身に着けた女性、レイ・ブランチャードは、
エリアE-2の一角に存在するとある会社の事務所にいた。
そして、この殺し合いの犠牲者であるとある少女の首輪を、事務机の一つに座ってあちこち触っていた。
調べれば調べる程、首輪に使われている高度な技術に驚かされる。

「ふうむ……」

首輪には繋ぎ目らしきものは確認出来るが鍵穴など、何かを挿し込むような箇所は見当たらない。
どうやら信号を受信する事で解除される仕組みになっているようだ。
更に首輪の裏には頭文字がアルファベッド、後の表記がローマ字で、
「Noriko Nishikawa」と刻まれている。それだけでは無い。小さな細長い穴が何個か確認出来た。
この穴の用途について考えるが、冷却用の穴とも思ったがレイはある一つの可能性に辿り着いた。

(もしや…盗聴器か何かか?)

それはゲーム運営側による参加者の会話の傍受、つまり盗聴の可能性。
あのセイファートという狼女が本気でゲームの遂行を目指しているならば有り得ない話では無い。

(参加者の会話は全て運営側に筒抜けになっているとしたら…滅多な事は喋れんな。
気を付けなければならない…まあ詳しい事はこの首輪の内部を見でもしない限り分からないが)

まだ確証は持てない。全て自身の杞憂であるかもしれない。
何はともあれ、まず首輪の内部構造を知る必要があった。
そうすれば首輪の解除の手段も見付かる可能性がある。

「ん…そろそろ放送だな」

デバイスに表示された時刻を見て第一回目の定時放送の時間が近い事を知る。
時間が近付き小さな声で秒読みを開始する。

「5……4……3……2……1……」

そしてカウントが0になった瞬間、どこからとも無く大音量のサイレンが会場全域に鳴り響いた。
突然のサイレンにレイは一瞬驚くが、すぐに気を取り直して放送に耳を傾ける。

『はいはーい皆さんお久し振りでーす。私だよ。セイファートだよ。
頑張って殺し合ってるゥ? 張り切ってくれてる人も多いけど、
何だかなあ、まだ戦うの拒否ってるお馬鹿さんがいるんだよねー本当にしょうがないなあ』

この殺戮ゲームの主催者とは思えない程明るい声。
そして参加者の神経を逆撫でするような言い回しで放送が始まった。
まず禁止エリアが発表される。

「一時間後、午前7時にD-1、C-2、G-2、F-5、G-4……よし」

指定された時刻と場所をメモ帳に書き込んでいく。
そして禁止エリアの発表が終わり、いよいよ死者の発表が始まる。
知人であるリック・ゼラルスの名前が呼ばれない事を祈った。

朝倉清幸石川清隆、牛山サキ、太田太郎丸忠信、サーシャ、志村晃、
シルヴィア、曽良……』

「……」

『……竹内多聞、西川のり子、春巻龍、松尾芭蕉、宮中秀也最上佳奈
リック・ゼラルス――』

「!!」

レイの祈りも空しく、あっさりとその名前は呼ばれてしまった。

「くそっ、リックめ……何で死んだんだ……」

涙こそ流さないが、辛そうな表情を浮かべ知人の死を悼む。
そうこうしている内に再びサイレンが鳴り響き、放送は終わった。

「……悲しんでばかりもいられんな。行動しないと」

気力を奮い立たせ、荷物をまとめて移動の準備を始める。
ふと、窓の外を見ると、遠方に見えるホテルと思しき建物が目に入った。
位置的に、地図に書かれている「ホテル」はあれと見て間違い無さそうだ。

「あそこに行ってみる、か」

レイは次の目的地をホテルに定め、デイパックを背負い、右手に自動拳銃・Cz75を持って歩き出した。




D-2のホテル。三階の外が見渡せるホールでノーチラスと早野正昭は放送を聞いた。

「太田にサーシャ、シルヴィア…か」
「ノーチラス…」

放送で聞かされたクラスメイトの死にショックを受けるノーチラス。
特にサーシャは自分と同じく学校の生徒会に所属していたため、接する機会もそれなりにあった。
――前回の殺し合いにおいて、ある一人を除くクラスメイト全員が死亡した事を、
ノーチラスは知る由も無い。

「えーと……ごめん、気の利いた台詞も言えないんだけど」
「いや、いいんだ……」

ノーチラスは気丈に振舞うがやはりショックは大きいようだ。
知り合いが呼ばれていない正昭は掛けてやれる言葉も見付からず、
ただ横で黙って座っている事しか出来なかった。

(エルフィはまだ生きているか……それだけでも良かった)

開催式以来合っていない狼族のクラスメイト・エルフィは名前が呼ばれなかった。
と言う事は少なくとも現在までは生存しているという事である。それが分かっただけでも幸いであった。
しばらくしてノーチラスがテーブルの上に地図、メモ帳、デバイスを取り出し置いた。

「…禁止エリアは一時間後、午前7時からD-1、C-2、G-2、F-5、G-4の五つだったよな」
「ああ。間違い無い」

放送で言われ、メモ帳に取った禁止エリアの情報を地図にも書き込んでいく。
幸い、ホテルのあるエリアD-2は入っていない。
しかし二人が考えていたのは自分達はこのゲームが始まって以来、ずっとこのホテルから動いていない事。
そろそろ移動して仲間を捜した方が良いのではと感じ始めていた。

「しかし行くっていってもなあ…ノーチラス。行く宛てなんてあるか?」
「はっきり言って無いな。無いけどさ…やっぱそろそろ動かない事には……ん?」
「エレベーターが…?」

突然、エレベーターから目的の階へ到着した事を知らせるチャイムが鳴った。
エレベーターに乗ってこの三階に何者かがやってきたのである。
ノーチラスは青く塗られた自動拳銃、コバルトアローを、正昭はアイスピックと鍋の蓋を、
それぞれ装備し構えながら、その来訪者が出てくるのを待った。
緊張の一瞬である。

そしてエレベーターの扉が開いた。

「うわっ!」

出てきたのは水色と白の毛皮を持ったノーチラスと同じ狼獣人の少女。
ただ、ノーチラスと違うのは、衣服を何も見に着けておらず、足は獣のそれに近い。
どちらかと言えば野生の狼をそのまま二足歩行にしたような感じである。
水色の人狼の少女――リーヴァイは身構えている二人を見て慌てて戦意の無い事を訴える。

「ちょ、ちょっと待って、私、殺し合いには乗って無いよ」
「……」
「……」

しかしそう言われても簡単に信じる事は出来ないというのが実情。
やむを得ずリーヴァイは持っていた銃を床に捨て、デイパックも置き、両手を頭の後ろにやって伏せの体勢を取った。

「ね? これでいい? これだけやってるんだから信じてよ!」
「……どうする? ノーチラス」
「うん…まあ、信じても良さそうだな」

目の前の水色の雌人狼は、本当に戦意は無いと判断し、二人は警戒を解く。
リーヴァイは安心し、ゆっくりと立ち上がり、銃とデイパックを拾って二人に近付いた。

「私、リーヴァイ。あなた達は?」
「俺はノーチラスだ」
「俺は早野正昭。あー正昭で良いよ。よろしく、リーヴァイさん」
「ノーチラスに、正昭……ね。あ、呼び捨てで良いよ」

握手を交わしながら、三人は自己紹介をしていった。




数分前。リーヴァイはホテル二階のホール窓際で放送を聞いた。
自分と最愛の兄をこんな理不尽ゲームに参加させた張本人の声を再び聞いた時は、
腸煮えくり返る思いだったが冷静になって放送に耳を傾けた。
そして放送終了後、リーヴァイは自分の兄の名前が呼ばれなかった事にホッと胸を撫で下ろした。

「良かった……お兄ちゃんはまだ生きてるのね」

少なくとも現時点では兄は生きているという事が分かった。それだけで十分。
勿論、禁止エリアや他の死者の事もメモはしたが。
森で目撃した「牛山サキ」なる女性も死者として名前を呼ばれていたが、
兄が無事だと分かった今は、はっきり言ってどうでも良かった。
その後、ホテルの上の階を調べて見るためにエレベーターに乗り込み、三階にやって来たのだが。
そこで学生服を着た茶色い狼獣人の少年と、水色の髪の少年(?)と遭遇したのだ。
いきなり武器を構えられたので、攻撃されたら不味いと思い、
持っている物を床の上に捨てて飼い犬のように床に伏せて戦意の無い事を二人に訴えた。
その甲斐あって何とか信じて貰う事に成功した。




「えっ、正昭私より年上だったの!? てっきり子供かと」
「リーヴァイよお前もか……そうだよどうせ俺は身長低いし童顔ですよ!」
「まあまあ正昭。リーヴァイも余りそこは言わないでやってくれ」

しばらくして三人はそれなりに打ち解けているようだった。
ここでノーチラスは正昭にじゃれつくリーヴァイの胸元に視線が行く。
白い毛皮に覆われた、中々の質量がありそうな乳房がリーヴァイが動く度揺れ動く。
ごくり、とノーチラスが生唾を飲んだ。

(さ、触りてぇ…揉みしだきてぇ……!)

彼の中の痴漢の血が騒ぎ始めていた。

「ん? ちょ、ノーチラス! 何私の胸見てニヤニヤしてるのよ!」

リーヴァイがノーチラスの視線に気付き、怒った顔で胸元を隠す仕草をする。

「い!? あ、いやいや見て無いぞ! そんな凝視なんかしてないし俺!」
「あれ? ノーチラスお前××してるじゃん」
「あ゛!!」

正昭に指摘され、ノーチラスが下半身に目をやると、思い切りズボンがテントを張っていた。




【一日目/朝方/E-2市街地】

【レイ・ブランチャード@オリキャラ】
[状態]:健康、D-2ホテルへ移動中
[装備]:Cz75(10/15)
[所持品]:基本支給品一式、Cz75の予備マガジン(5)、フェイファー ツェリザカ(4/5)、
600NE弾(10)、コンバットナイフ、牛山サキの水と食糧、西川のり子の首輪
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。ゲームの転覆を目指す。
1:ホテルへ向かう。
2:仲間を集める。
3:首輪の内部構造が知りたい。
4:殺し合いに乗っている者には容赦し な い 。
5:リック……馬鹿が……。
[備考]:
※主催側による盗聴の可能性に気付きました。


【一日目/朝方/D-2ホテル三階ホール】

【ノーチラス@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康、狼狽、×起ビンビン
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品一式、コバルトアロー@オリジナル(14/14)、
コバルトアローの予備マガジン(5)、エネマグラ(粘液付着)、ミニローション(残り48ml)
[思考・行動]:
0:殺し合いを潰す。首輪を外す方法を探す。
1:早野正昭、リーヴァイと行動を共にする。
2:やべえどうしよう!?
3:残りのクラスメイトの動向が知りたい(特にエルフィ)。
4:痴漢してえええ!
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※もうエネマグラは使わないと決めたようですが、未練があるようです。
※リーヴァイと多少の情報交換をしたようです。

【早野正昭@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:アイスピック、鍋の蓋
[所持品]:基本支給品一式
[思考・行動]:
0:殺し合いはしない。人も殺さない。首輪を外す。
1:それは駄目だぜノーチラス!
2:首輪のサンプルが欲しい。
3:ノーチラス、リーヴァイと行動を共にする
[備考]:
※リーヴァイと多少の情報交換をしたようです。

【リーヴァイ@オリキャラ】
[状態]:肉体的疲労(中)
[装備]:コルトM1911(7/7)
[所持品]:基本支給品一式、コルトM1911の予備マガジン(5)、M67破片手榴弾(3)
[思考・行動]:
0:殺し合いはする気は無い。お兄ちゃんを探す。
1:ノーチラスのエッチ!
2:正昭とノーチラスと行動を共にする。
[備考]:
※ノーチラス、早野正昭と多少の情報交換をしたようです。






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最終更新:2010年02月24日 00:44
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