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あの世で改めて頂きます

78話「あの世で改めて頂きます」

スーツ姿の優男、章高はどこへ行くとも無く、
ただただ市街地を歩いていた。
教会で同行していた壮年の紳士、アルソンズ・ベイルが自決。
その様子を眼前で見せられた章高は軽い精神的ショック状態に陥っていた。

「…………」

ほとんど何も口を聞かず、視線もどこか虚ろな章高。
右手にアルソンズの形見であり、自決に使われた、
銃口付近にまだ血痕が付着したままの357マグナムリボルバー・マニューリンMR73が握られている。

「……もう……どうすりゃいいんだよ…………俺、もう疲れたよ……」

殺し合いが始まって既に8時間近く経過しようとしている。
元々平穏なサラリーマンでしか無い彼は、精神的にもさほど強くは無い。
ましてやいつ襲われるか、いつ凄惨な死体を見るか分からない、
殺し合いという状況下で耐えられる程、強くは無い。

もはや章高の精神はボロボロであった。

「費……覧……」

ふと、今も生きていると思われる知人の名前を呟く。
二足歩行の雌狐、費覧。自分の住む家の近くにある森に住み付いている妖狐。
淫乱で、度々地元民を老若男女問わず攫っては犯して帰していた。
特に、なぜか自分を特に気に入ったようで、何度も、死ぬかと思う程、
性交渉を強要された事もあった。

正直、この殺し合いでは会いたくない人物だったが。

「章高!」
「……!」

噂をすれば何とやら。
曲がり角を曲がった所で、章高は費覧と再会を果たした。
章高の顔が急激に恐怖に引き攣るのと対照的に、
費覧はふさふさの狐の尻尾を大きく振り、喜びの表情を浮かべる。
しかし、その毛皮は、口元が特に、そして全体的に赤いもので汚れていた。
その赤いものが血であるという事は、疑いようが無い。
そして章高は確信する。

こいつはもう何人も殺しているのだと。
そして恐らくは、自分をも殺そうとしているに違い無い――と。

もしかしたらそれは精神的ダメージを負った章高の被害妄想に
過ぎなかったかもしれないが、奇な事にほぼ的を得ていた。

「よかったあ、会えて嬉しいよぉ、章高~~」

甘えた声を出しながら章高に近付く費覧。

「……るな」
「え?」

章高は突然、大声で叫びながら、マニューリンの銃口を費覧に向けた。

「うあああああああ!! く、来るなあああああ!!!」

そして、引き金を引き、357マグナム弾計6発を費覧の心臓付近目掛け撃ち込んだ。

「……ぁ……はっ……が…」

いくら自己治癒能力に優れ生命力の高い妖狐といえど、
心臓に何発もマグナム弾を食らえば致命傷である。
費覧は口から血を吐き、ガクリと路上に膝を付いた。
胸元の焼けるような激痛。しかしそれも徐々に薄らいでいく。
いやそれどころか、五感全ての感覚が失われていくのを感じ、費覧は自分が死ぬ事を悟った。
章高はただ、弾の切れたマニューリンを構えながら、費覧が死にゆくのを見ているだけだった。

だが、突然。

風を切る音と共に、章高の首が宙に舞った。
頸部の切断面から噴水のように血液が噴き出し、周囲を赤く染めながら章高の胴体は崩れ落ちた。
費覧が最期の力を振り絞って自分の爪と手を使った斬撃を見舞ったのだ。

「章高、ったら……しょうがないなぁ…あの世で………味わおうか…な…………」

それだけ言うと、費覧は路面に仰向けに倒れ、そして、動かなくなった。



ヴォルフ平池千穂、森屋英太の三人は隠れていた喫茶店で、
残されていた食糧や支給品のコッペパンなどを利用して軽い食事を取った後、
店の外に出てどこに行くか話し合っていた。
だがその時、かなり近い所から数発の銃声が響き、
三人は様子を確かめに武器を構えながらその現場へと向かった。

そして三人が見たものは、二つの死体。
一つは首と胴体が泣き別れになった、スーツ姿の若い男性の死体。
もう一つは仰向けになって血を流している、獣足の雌狐獣人の死体だった。
ヴォルフが現場に漂う血と硝煙の臭いから、先程の銃声は、
恐らくこの二人が交戦した時のものだと推測した。

「酷ぇな……」
「うん……」

ヴォルフの後ろで英太と千穂が凄惨な光景に言葉を失う。
やはり何度見ても慣れる事は無い。
しかし元々、小動物を狩って生活している人狼・ヴォルフにとっては、
割と見慣れた光景なのか、特に動揺もしない。

「武器を持っているな……この二人には悪いが貰っておこう。
英太、千穂、悪いが…手伝ってくれ」
「あ、ああ、分かった」
「うう…近付きたくないのにぃ……」

死体の傍に落ちている武器やデイパックの中身を回収すべく、
三人はヴォルフ主導の元、二人――費覧、章高の亡骸へと近付いていった。


【章高@オリキャラ  死亡】
【費覧@オリキャラ  死亡】
【残り  12人】


【一日目/午前/F-4市街地】

【ヴォルフ@オリキャラ】
[状態]:肉体的疲労(中)
[装備]:二十二年式村田銃@SIREN(8/8)
[所持品]:基本支給品一式(コッペパン1個消費)、8㎜×53R弾(30)、
ナッチの写真集@永井先生
[思考・行動]:
0:リーヴァイを探す。殺し合いをする気は無い。首輪を何とかしたい。
1:平池千穂、森屋英太と行動を共にする。
2:襲われたら戦う。
[備考]:
伊賀榛名のおおよその特徴を把握しました。
※森屋英太のクラスメイトの特徴をおおよそ把握しました。


【平池千穂@オリキャラ】
[状態]:肉体的、精神的疲労(中)
[装備]:金属バット
[所持品]:基本支給品一式、PSP型簡易レーダー@オリジナル
[思考・行動]:
0:殺し合いはしない。生き残る。
1:クラスメイト(伊賀榛名)を探す。
2:ヴォルフ、森屋英太と行動を共にする。
[備考]:
※リーヴァイのおおよその特徴を把握しました。
※森屋英太のクラスメイトの特徴をおおよそ把握しました。


【森屋英太@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:肉体的、精神的疲労(中)、返り血(中)
[装備]:USSR PPSh41(71/71)
[所持品]:基本支給品一式、PPSh41の予備ドラムマガジン(4)、
バタフライナイフ、 マーフィー君@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和
[思考・行動]:
0:生き残る。
1:ヴォルフと千穂ちゃんと一緒にいる。
2:太田以外のクラスメイトと合流したい(但し太田の仲間らしい吉良は微妙)。
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※「宮田司郎」のおおよその外見的特徴を把握しました。
※リーヴァイのおおよその特徴を把握しました。
※伊賀榛名のおおよその特徴を把握しました。



※F-4一帯に銃声が響きました。
※費覧、章高の所持品をヴォルフ、平池千穂、森屋英太が物色しています。



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最終更新:2010年02月28日 01:22
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