ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1044 バンアレン帯
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ankoss
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「そんなものはない!」
「な、なんだってー!」
地球は滅亡ました。
バレンタインですね、聖人やマフィアを殺す日です。
「う~う~♪」
「ご機嫌だね、れみりゃちゃん。」
「う?わかるんだど?」
「見れば分かるさ。でもえらいな、もう溜まるんだろ?」
「うー!たくさんたまったど!」
「一応おっちゃんが数えてやるな、ひい、ふう、…うん。これだけあればいいだろ。」
前もって何が欲しいか聞いておいた彼は大体いくら位かを調べていた。
これだけあればどこで買っても足りるだろう。
「ありがとう、おじさま!」
「後これが今日の分だ。落とさないようにな。」
彼の手製の巾着にそれらをしまい込み渡してやる。
初日にそのまま渡したら落として泣いていたのを見て作ってやったのだ。
それからは一度も落としてはいないがゆっくりである以上注意して置くにこした事はない。
「うー!!ありがとうだど!」
「れみりゃちゃんが来ないと寂しくなるな…また遊びにおいで。あまあまさん用意しておくから。」
「うー、あまあまさんなくってもくるど!」
「うれしい事言うじゃないか。さ、気を付けてお帰り。」
「うー。おじさま、まただどー!」
「ああ、またな。しっかりやれよ!」
「う!」
短く答えて急いで帰る。
前に怒られたって言ってたからな、ちょっと引き留めすぎたか。
よし、じゃあ運ぶか。
「おいっじじい!ここからだすのぜ!」
「みみがとおいの?ばかなの?でいぶたちのいってることりかいできる?」
「はやくここからだしなさい、このいなかもののくそじじい!!」
「うるさい、お前らちっとはれみりゃちゃんを見習え!」
詰め込んだ籠を蹴りつける。
まったく、世の中のゆっくりが見んなあんなだったらなぁ。
どうも最近れみりゃの様子がおかしい。
元々怪我した野良を保護して飼いゆっくりにした奴だから外で遊びたがるのは前からあったけど、こんなに遅くまで帰って来ない日なんて無かった。
しかもなんだか妙に薄汚れてくる。
注意すれば必ず直してきたいい子なのに今回は何回注意しても全然聞く耳を持たない…ゲスとやらになってしまったんだろうか?
でもそれ以外は変わらないしなあ、どうしたら良いんだろ。
そう思い悩んでいると「ゆっくりの躾の全て」というタイトルが目に付いた。
今までゆっくりの飼育本など見た事のない為、中身を確認することなくレジへと運んでいった。
その同じ棚には「悪質な飼育本に注意しましょう」と銘打って名指しで様々な本を批判している日本動物協会の記事を載せた雑誌があるにもかかわらず。
今日に至っては夜になってから外に出ようとしていた。
やっぱり躾がいるのかな。よしあの本の内容を試してみよう。
「おにいざまあああ、きょうは、きょうだけはゆるじでほじいんだどおおお。」
「駄目だ、何回言ったと思ってるんだ。しばらくそこで反省してなさい。」
「でも、でもおお。」
「うるさい!」
パン!
張り詰めた物を叩く良い音がした。
れみりゃの顔にくっきりとお兄さんの手形が写る。
「うああああ、おにいざまあ。いたい、いたいんだど。やめてほしいんだどお。」
「じゃあ、お兄さんのいう事聞くか?」
「うー、でも…」
「まだわからないのか!」
パン!
先ほどより力が入っていた為より大きな音が響く。
れみりゃの下膨れの顔の両側に紅葉型のチークが塗られる。
ちょっと強すぎたせいか、少し顔が歪んでいる。
しまった、やり過ぎた。
ああ、どうしよう?でも本によればここで態度を変えるとれみりゃに良くないって言うし…
「いたいか、れみりゃ。」
「うー。」
「じゃあ、もうお兄さんの言う事聞くな?」
「でも、でも!」
「まだ分からないのか!」
その後張り手を何回食らわせてもれみりゃは頷かなかった。
顔は腫れ上がり、何度も倒れたせいで羽は折れてしまうほど傷を負ったのに頑としていう事を聞かない。
根負けしたお兄さんはお飾りとバッジを没収して寝てしまった。
翌日
れみりゃの姿は家の中にはなかった。
待っても待っても帰って来ない。
あんな怪我してるのにどこへ行ったんだ?
そんなに家にいるのが嫌だったのか?やっぱりやり過ぎだったか…くそ、あんな本信用したのが間違いだった。
ああ、れみりゃ早く帰ってきてくれ!
しかし、願いは空しく夕方になってもまだれみりゃは帰って来なかった。
何度となく眺めた時計をまた見る。するとふと気がついた。
…14日か、そう言えば今日はバレンタインだな。
よしれみりゃにチョコ買ってきてやろう。機嫌直してくれるかな。
…無理か、あんな事したんだしな。でも何もしないよりは良いか。
よしすぐ行こう!
「うー、おでがいするんだどおぉ!れみぃにちょこさんうっでくだざいいいい」
「だから野良は駄目だって。あんまりしつこいと水掛けるぞ。」
「!うー、おみずさんはもういやなんだど…」
転げるように店先から逃げ出す。
昨日のお兄さんからの『躾』と何件か回った店の店主から受けた傷でまだ飛ぶ事が出来ない。
人の多い町中を隠れながら歩く。
うー、おかねさんがあればしょっぴんぐできるっていってたのに…
れみぃじゃだめなんだど?だからおにいさまにもきらわれちゃったんだど?
嫌な事ばかりしか出てこない考え事を頭を振って振り払い、また歩き出す。
肉汁が肉片と、考え事ともに周囲に飛ぶ。
とにかくおにいさまにちょこさんをあげていままでのことあやまらないと…
「がんばるどー!」
「うるせえよ、肉まん。」
「うー!みつかったんだど!」
「今日は嫌な日でな、ちょっとつきあって貰うぞ。」
「でもれみぃ、ちょこ…」
「うるさい!その名詞を口に出すな!」
ボスン!
躾や追い払うための攻撃とは比較にならない衝撃がれみりゃを襲う。
「ゆぎぃいい、おべべが、おててがぁあ!」
殴られた衝撃で片目が潰れ、着地に失敗して片腕がねじ曲がる。
「ああ?うで?」
妙な方向へ曲がっているれみりゃの腕を踏みつけ話しかける。
「ゆぎぃいい!!」
「ゆっくり風情が体を持ってるなんて生意気なんだよ!」
「ぎゃああああああ」
そのまま体重を掛け踏みにじり、千切った。
「おででが、おででがぁあ」
「手だけじゃねえよ、ど饅頭」
「やべで、やべで!」
「生意気に足なんてぶら下げやがって。」
「ゆぎぃ!」
二本まとめて蹴りつけ両足とも折る。
「ゆっくりは頭だけだろ、常識的に考えて。」
腕と同じようにして足も踏みつぶし、胴体から切り離す。
「…ゅゅゅ」
「ち、何とか言えよ。あんよがあ、とかいう事あるだろ!」
ボスっ!
胴体の真ん中あたりを適当に蹴りつける。
しかし、度重なる打撃で既にれみりゃの意識はなく蹴られた瞬間にうめき声を上げるだけだった。
「くそ、つまんねえな。」
反応が無くなったれみりゃに飽きて路地裏から出て行った。
どん!
「どこ見てんだテメェ!」
「路地からいきなり出てきておいてそれはないもんだよ、兄さん。」
「あ、あ…」
兄さんの顔から血の気が引いていく。
「ん?どうした兄さん、さっきまでの威勢は。おい。」
硬直したお兄さんに笑いかけ、後ろに控えていた男に声を掛ける。
「はい。」
「ちょっとこの兄さんに礼儀を教えてやれや。」
…
なんだか酷くゆっくりしていない人間に見つかりたこ殴りにされたれみりゃ。
痛む体を引きずりながらなおもチョコを求める。
「うー、ちょこ…」
だが殴られた衝撃で記憶が引き出されたのか唐突にある事を思い出した。
「うー、そうだど。あいつならちょこさんをもってるんだど…!」
唯一無事残っている羽を必死に動かし空に舞う。
何度も墜落したがもう新たな傷に気を払う事はなかった。
足早に家に帰るとそこには何か見慣れない物が置かれていた。
なんだありゃ?ゴミでも捨てられたかな?
駆け寄ってみるとそれは…
「おにいさま、ごめんだど…にんげんさんのちょこさんかえなかったんだど…」
ずたぼろになったれみりゃだった。
バッジが無く、さらに傷だらけで薄汚れたゆっくりを受け入れてくれるほどこの町はゆっくりに優しくない。
蹴り出されたり、水を掛けられたりしてれみりゃは既に瀕死の状態だった。
「ば、ばれんたいん…のちょこさん、だど…しんぱいかけて…ごめんなさ…いだど。
いうこ…ときかない…でごべんなざ…い。お、おにいさ…ま、れみぃをきらわ…ないでほしいんだど…」
そう言って差し出された手の中にあるのは…ちぇん。
薄汚れて小さくて、潰れていて、だけれどそれは確かにバレンタインチョコだった。
そうか、そうだったのか。
ここ最近のはそういう事だったのか。
「ありがとう…ありがとう!許す、許すよ!だからしっかりしろ、すぐに病院に連れて行くからな!」
「きらわ…ないで…き…らわ…な…いで…」
しかし、既に周りの音声が識別出来ていないようでうわごとのように許しを請うばかりだった。
やばい
やばい!
やばい!!
急がないと…ああでもあそこまでは遠いしな、くそ間に合わない!免許取っとくんだった!
そんなお兄さんの視界の端に救いの影が映る。
「待ってくれええ!!」
後先考えずに車道へ飛び出して強引なヒッチハイクを試みた。
「なにやってんだ、この馬鹿や」
「お願いします、この先の動物病院まで乗せて下さい、お願いします!」
すかさず、土下座。
一瞬運転手はあっけにとられた表情だったが何とか状況を把握したようだ。
「…それあんたの飼いゆっくりか?」
「はい、そうです!お願いします!」
男の目にも明らかに不味い容態だと分かったらしい、
「分かった、乗れ。」
「!、ありがとうございます!」
「はやくしろ!間に合わなくなってもしらんぞ!」
「はい!」
「これでも飲ませとけ。」
車を発進させるや否や、運転手は何かをお兄さんへと手渡した。
「オレンジジュース?」
「ああ。俺もゆっくり『好き』だからな、つい常備しちまうんだ。」
「ありがとう、れみりゃしっかりしろ…」
「ぅー…ぅー」
だがもう飲む力も残ってないらしい、注いでも口から溢れていく。
「れみりゃ!」
「何とかして飲ませろ!死んじまうぞ!」
く、どうしたら…そうか、よし。
おもむろにオレンジジュースをラッパ飲みする、ように見えた。
「お前が飲んでd」
そして含んだジュースを口移しにれみりゃに注ぐ。
「…よし、飛ばすぞ!」
一瞬カップルでも見たようにげんなりした運転手だが、すぐに気を取り直して病院へと急いだ。
……
…
「ありがとうございます!後で必ずお礼をしますんで、電話番号か何か教えてもらえませんか?」
「気にするな、行け!」
何か言おうとしている男を怒鳴りつけて病院へ押し出す。
ち、まさか俺がこんな事するなんてな…まあ今日は祭日、たまにはいいか。
「そこのあなた、免許証を。」
「!!!、さ祭日だし…」
「免許証を。」
…
その後れみりゃは無事回復しお兄さんと仲直りして今まで以上に仲良く暮らしましたとさ。
え、ちぇんはどうなったって?その後スタッフじゃない、お兄さんがおいしく頂きました。
れみりゃにした行いの罰なのか、3,4日嘔吐と下痢を繰り返しましたが。
おしまい。
次回餡コンペに備えて作家名を隠すテスト
さあ、俺の名前を呼んでみろ!
「な、なんだってー!」
地球は滅亡ました。
バレンタインですね、聖人やマフィアを殺す日です。
「う~う~♪」
「ご機嫌だね、れみりゃちゃん。」
「う?わかるんだど?」
「見れば分かるさ。でもえらいな、もう溜まるんだろ?」
「うー!たくさんたまったど!」
「一応おっちゃんが数えてやるな、ひい、ふう、…うん。これだけあればいいだろ。」
前もって何が欲しいか聞いておいた彼は大体いくら位かを調べていた。
これだけあればどこで買っても足りるだろう。
「ありがとう、おじさま!」
「後これが今日の分だ。落とさないようにな。」
彼の手製の巾着にそれらをしまい込み渡してやる。
初日にそのまま渡したら落として泣いていたのを見て作ってやったのだ。
それからは一度も落としてはいないがゆっくりである以上注意して置くにこした事はない。
「うー!!ありがとうだど!」
「れみりゃちゃんが来ないと寂しくなるな…また遊びにおいで。あまあまさん用意しておくから。」
「うー、あまあまさんなくってもくるど!」
「うれしい事言うじゃないか。さ、気を付けてお帰り。」
「うー。おじさま、まただどー!」
「ああ、またな。しっかりやれよ!」
「う!」
短く答えて急いで帰る。
前に怒られたって言ってたからな、ちょっと引き留めすぎたか。
よし、じゃあ運ぶか。
「おいっじじい!ここからだすのぜ!」
「みみがとおいの?ばかなの?でいぶたちのいってることりかいできる?」
「はやくここからだしなさい、このいなかもののくそじじい!!」
「うるさい、お前らちっとはれみりゃちゃんを見習え!」
詰め込んだ籠を蹴りつける。
まったく、世の中のゆっくりが見んなあんなだったらなぁ。
どうも最近れみりゃの様子がおかしい。
元々怪我した野良を保護して飼いゆっくりにした奴だから外で遊びたがるのは前からあったけど、こんなに遅くまで帰って来ない日なんて無かった。
しかもなんだか妙に薄汚れてくる。
注意すれば必ず直してきたいい子なのに今回は何回注意しても全然聞く耳を持たない…ゲスとやらになってしまったんだろうか?
でもそれ以外は変わらないしなあ、どうしたら良いんだろ。
そう思い悩んでいると「ゆっくりの躾の全て」というタイトルが目に付いた。
今までゆっくりの飼育本など見た事のない為、中身を確認することなくレジへと運んでいった。
その同じ棚には「悪質な飼育本に注意しましょう」と銘打って名指しで様々な本を批判している日本動物協会の記事を載せた雑誌があるにもかかわらず。
今日に至っては夜になってから外に出ようとしていた。
やっぱり躾がいるのかな。よしあの本の内容を試してみよう。
「おにいざまあああ、きょうは、きょうだけはゆるじでほじいんだどおおお。」
「駄目だ、何回言ったと思ってるんだ。しばらくそこで反省してなさい。」
「でも、でもおお。」
「うるさい!」
パン!
張り詰めた物を叩く良い音がした。
れみりゃの顔にくっきりとお兄さんの手形が写る。
「うああああ、おにいざまあ。いたい、いたいんだど。やめてほしいんだどお。」
「じゃあ、お兄さんのいう事聞くか?」
「うー、でも…」
「まだわからないのか!」
パン!
先ほどより力が入っていた為より大きな音が響く。
れみりゃの下膨れの顔の両側に紅葉型のチークが塗られる。
ちょっと強すぎたせいか、少し顔が歪んでいる。
しまった、やり過ぎた。
ああ、どうしよう?でも本によればここで態度を変えるとれみりゃに良くないって言うし…
「いたいか、れみりゃ。」
「うー。」
「じゃあ、もうお兄さんの言う事聞くな?」
「でも、でも!」
「まだ分からないのか!」
その後張り手を何回食らわせてもれみりゃは頷かなかった。
顔は腫れ上がり、何度も倒れたせいで羽は折れてしまうほど傷を負ったのに頑としていう事を聞かない。
根負けしたお兄さんはお飾りとバッジを没収して寝てしまった。
翌日
れみりゃの姿は家の中にはなかった。
待っても待っても帰って来ない。
あんな怪我してるのにどこへ行ったんだ?
そんなに家にいるのが嫌だったのか?やっぱりやり過ぎだったか…くそ、あんな本信用したのが間違いだった。
ああ、れみりゃ早く帰ってきてくれ!
しかし、願いは空しく夕方になってもまだれみりゃは帰って来なかった。
何度となく眺めた時計をまた見る。するとふと気がついた。
…14日か、そう言えば今日はバレンタインだな。
よしれみりゃにチョコ買ってきてやろう。機嫌直してくれるかな。
…無理か、あんな事したんだしな。でも何もしないよりは良いか。
よしすぐ行こう!
「うー、おでがいするんだどおぉ!れみぃにちょこさんうっでくだざいいいい」
「だから野良は駄目だって。あんまりしつこいと水掛けるぞ。」
「!うー、おみずさんはもういやなんだど…」
転げるように店先から逃げ出す。
昨日のお兄さんからの『躾』と何件か回った店の店主から受けた傷でまだ飛ぶ事が出来ない。
人の多い町中を隠れながら歩く。
うー、おかねさんがあればしょっぴんぐできるっていってたのに…
れみぃじゃだめなんだど?だからおにいさまにもきらわれちゃったんだど?
嫌な事ばかりしか出てこない考え事を頭を振って振り払い、また歩き出す。
肉汁が肉片と、考え事ともに周囲に飛ぶ。
とにかくおにいさまにちょこさんをあげていままでのことあやまらないと…
「がんばるどー!」
「うるせえよ、肉まん。」
「うー!みつかったんだど!」
「今日は嫌な日でな、ちょっとつきあって貰うぞ。」
「でもれみぃ、ちょこ…」
「うるさい!その名詞を口に出すな!」
ボスン!
躾や追い払うための攻撃とは比較にならない衝撃がれみりゃを襲う。
「ゆぎぃいい、おべべが、おててがぁあ!」
殴られた衝撃で片目が潰れ、着地に失敗して片腕がねじ曲がる。
「ああ?うで?」
妙な方向へ曲がっているれみりゃの腕を踏みつけ話しかける。
「ゆぎぃいい!!」
「ゆっくり風情が体を持ってるなんて生意気なんだよ!」
「ぎゃああああああ」
そのまま体重を掛け踏みにじり、千切った。
「おででが、おででがぁあ」
「手だけじゃねえよ、ど饅頭」
「やべで、やべで!」
「生意気に足なんてぶら下げやがって。」
「ゆぎぃ!」
二本まとめて蹴りつけ両足とも折る。
「ゆっくりは頭だけだろ、常識的に考えて。」
腕と同じようにして足も踏みつぶし、胴体から切り離す。
「…ゅゅゅ」
「ち、何とか言えよ。あんよがあ、とかいう事あるだろ!」
ボスっ!
胴体の真ん中あたりを適当に蹴りつける。
しかし、度重なる打撃で既にれみりゃの意識はなく蹴られた瞬間にうめき声を上げるだけだった。
「くそ、つまんねえな。」
反応が無くなったれみりゃに飽きて路地裏から出て行った。
どん!
「どこ見てんだテメェ!」
「路地からいきなり出てきておいてそれはないもんだよ、兄さん。」
「あ、あ…」
兄さんの顔から血の気が引いていく。
「ん?どうした兄さん、さっきまでの威勢は。おい。」
硬直したお兄さんに笑いかけ、後ろに控えていた男に声を掛ける。
「はい。」
「ちょっとこの兄さんに礼儀を教えてやれや。」
…
なんだか酷くゆっくりしていない人間に見つかりたこ殴りにされたれみりゃ。
痛む体を引きずりながらなおもチョコを求める。
「うー、ちょこ…」
だが殴られた衝撃で記憶が引き出されたのか唐突にある事を思い出した。
「うー、そうだど。あいつならちょこさんをもってるんだど…!」
唯一無事残っている羽を必死に動かし空に舞う。
何度も墜落したがもう新たな傷に気を払う事はなかった。
足早に家に帰るとそこには何か見慣れない物が置かれていた。
なんだありゃ?ゴミでも捨てられたかな?
駆け寄ってみるとそれは…
「おにいさま、ごめんだど…にんげんさんのちょこさんかえなかったんだど…」
ずたぼろになったれみりゃだった。
バッジが無く、さらに傷だらけで薄汚れたゆっくりを受け入れてくれるほどこの町はゆっくりに優しくない。
蹴り出されたり、水を掛けられたりしてれみりゃは既に瀕死の状態だった。
「ば、ばれんたいん…のちょこさん、だど…しんぱいかけて…ごめんなさ…いだど。
いうこ…ときかない…でごべんなざ…い。お、おにいさ…ま、れみぃをきらわ…ないでほしいんだど…」
そう言って差し出された手の中にあるのは…ちぇん。
薄汚れて小さくて、潰れていて、だけれどそれは確かにバレンタインチョコだった。
そうか、そうだったのか。
ここ最近のはそういう事だったのか。
「ありがとう…ありがとう!許す、許すよ!だからしっかりしろ、すぐに病院に連れて行くからな!」
「きらわ…ないで…き…らわ…な…いで…」
しかし、既に周りの音声が識別出来ていないようでうわごとのように許しを請うばかりだった。
やばい
やばい!
やばい!!
急がないと…ああでもあそこまでは遠いしな、くそ間に合わない!免許取っとくんだった!
そんなお兄さんの視界の端に救いの影が映る。
「待ってくれええ!!」
後先考えずに車道へ飛び出して強引なヒッチハイクを試みた。
「なにやってんだ、この馬鹿や」
「お願いします、この先の動物病院まで乗せて下さい、お願いします!」
すかさず、土下座。
一瞬運転手はあっけにとられた表情だったが何とか状況を把握したようだ。
「…それあんたの飼いゆっくりか?」
「はい、そうです!お願いします!」
男の目にも明らかに不味い容態だと分かったらしい、
「分かった、乗れ。」
「!、ありがとうございます!」
「はやくしろ!間に合わなくなってもしらんぞ!」
「はい!」
「これでも飲ませとけ。」
車を発進させるや否や、運転手は何かをお兄さんへと手渡した。
「オレンジジュース?」
「ああ。俺もゆっくり『好き』だからな、つい常備しちまうんだ。」
「ありがとう、れみりゃしっかりしろ…」
「ぅー…ぅー」
だがもう飲む力も残ってないらしい、注いでも口から溢れていく。
「れみりゃ!」
「何とかして飲ませろ!死んじまうぞ!」
く、どうしたら…そうか、よし。
おもむろにオレンジジュースをラッパ飲みする、ように見えた。
「お前が飲んでd」
そして含んだジュースを口移しにれみりゃに注ぐ。
「…よし、飛ばすぞ!」
一瞬カップルでも見たようにげんなりした運転手だが、すぐに気を取り直して病院へと急いだ。
……
…
「ありがとうございます!後で必ずお礼をしますんで、電話番号か何か教えてもらえませんか?」
「気にするな、行け!」
何か言おうとしている男を怒鳴りつけて病院へ押し出す。
ち、まさか俺がこんな事するなんてな…まあ今日は祭日、たまにはいいか。
「そこのあなた、免許証を。」
「!!!、さ祭日だし…」
「免許証を。」
…
その後れみりゃは無事回復しお兄さんと仲直りして今まで以上に仲良く暮らしましたとさ。
え、ちぇんはどうなったって?その後スタッフじゃない、お兄さんがおいしく頂きました。
れみりゃにした行いの罰なのか、3,4日嘔吐と下痢を繰り返しましたが。
おしまい。
次回餡コンペに備えて作家名を隠すテスト
さあ、俺の名前を呼んでみろ!