ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0824 博打打ちの八つ当たり
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ankoss
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注意
人間の排泄行為(小)あり。
博打打ちの八つ当たり
月と星の明かりが照らす林道を男が歩いている、表情は暗くイライラしていて看板でもあったならば蹴り飛ばしそうな様子だ。
家路を急ぐ男はすっかり重みがなくなった財布を懐中に入れ、無言でのっしのっしと道を歩いて行く。
これから帰っても明かりのついていない男の家には安物の酒くらいしか置いていない、あそこで勝っていれば……男は自分の今日のツキを呪ってお天道様の変わりに月を仰ぐ。
男は数時間前、村はずれの博打好きが集まる隠し賭場で丁半博打の勝負をしていた。
最初の数回は勝ったものの、調子に乗って大金をかけたのが運の尽き、その後のことは思い出したくもない。
男は博打の腕は並み以下で負けが多いのに、いざという時自分は運がよいと信じるタイプの男だった。
負けに負けても時々、賭場が湧き立つような勝ち方をする事があるにはあったが、そうして得た金も男は博打と酒につぎ込んでしまう。
やめ時引き時が分からない男が博打で負けるのは当然のことだった。
「畜生、このまま帰っても眠れやしねぇ、ちょっと鬱憤晴らしでもするか……」
男は博打に勝った日は町でたっぷり遊んでから家に帰っていたが、大抵の場合、つまり博打に負けた日はこの林道を通って家に帰ることにしていた。
負けの憂さを林道の住民にぶつけるのは男の精神衛生上良いことだったし、何よりこの道は家への近道でもあった。
男は林道から林の中へと歩を進めた、男が憂さを晴らせるものが暮らしている場所へと。
薄暗い林の中を男は目的のものを探す、木の洞や地面の穴からぼんやりと漏れる温かな光、それは程なく見つかった。
小枝や木の葉で塞がった木の洞、その小枝や葉っぱの小さな隙間からオレンジ色の光が漏れて、そこに何かがいることを主張している。
男はここでこうしてその何かを探すのはやり慣れていて、中のモノをどうやって引っ張り出すかも心得ていた。
男は木の洞の蓋をしている小枝や葉っぱを蹴り洞の中に四散させた、男はその場に立って望みのモノが出てくるのを待った。
「ゆゆ!いったいなんなの?」
洞から出てきたのは先端の折れ曲がった黒い帽子をかぶったゆっくりまりさ、大きさはリンゴほど若い成体のゆっくりであることが分かる。
まりさは自分の巣の前に立っている男を見つけると、ずっと高い場所にある男の顔を睨みつける、お家の扉を破った犯人が分かったようだ。
「ゆ?にんげんさんがやったの?おうちがゆっくりできなくなったよ!ぷく~」
ぷく~と擬音口にして体を膨らますまりさ、リンゴほどだった体は一回り大きくなり怒りか力みかそれとも両方の為か、体が少し赤くなっている。
膨らむまりさを応援するためか、明るい洞の入口にリンゴほどのゆっくりれいむとミカン程の大きさのゆっくりまりさが現れた、恐らくまりさの番いと子供だろう。
「ゆっくりできないにんげんさんはあやまってね!れいむのまりさはとってもつよいんだよ!」
「ゆゆ~まりさおとーさんがんばってね!」
れいむもまりさも怒っているが口元は笑っている、自分たちのゆっくりを邪魔した悪い人間を夫であり父でもあるまりさが制裁することは彼らの中の決定事項なんだろう。
今まで出会ったゆっくりの中でこういう反応をとる奴は半分が自信過剰で、半分は人間という生き物にあまり触れることのないゆっくりだった、彼らは恐らく後者だろう。
男は膨らんでいるまりさの正面でしゃがみ込むと両膝を地面につけた、次に右手をのばす。
「ゆひゅ~!あやまるきになったね!あやまったらおうちをなおしてね!」
「おうちをなおしたあとはおかしをもってくるんだよ!」
「ゆゆ~!おとうさんゆっくりかっこいいよ!」
男が土下座でもすると思ったのか、息を吐いて元の大きさに戻ったまりさと、番いを誇るれいむと親まりさを羨望する子まりさ。
三匹は男が謝罪の為にしゃがんだのではないこと、男の手がゆっくりと自分たちの巣に伸びていることに気がつくまで実にゆっくりした気分だった。
「ゆっ!れいむのおうちにはいれないよ!ぷく~」
「ゆゆ!なにしてるのおうちにはいらないでよ!ゆっくりやめてよ!」
「ゆっくりできないよ!やめてね!」
れいむは男が手を入れようとする洞の前で膨れ、子まりさはその影に隠れている。
まりさは頬を膨らませるより男に攻撃を仕掛けることにした、男の右太ももに頬を力いっぱい押しつけて男をこの場から退かそうとする。
「こっちにこないでね!ぷく~だよ!」
男の手は巣の前で膨れているれいむの前で一旦止まる、手は何かを思案するように上下に動き、れいむはその手の動きを目で追う。
鷲掴みにするか前髪を持つかを悩み、男は結局れいむの髪をつかむことにした、れいむの前髪を掴み何かを言う前に思いきり後ろに頬り投げる
「ゆっ?おかあさん?」
いきなり母れいむが消えた、一瞬のうちに男が母れいむを掴みあげ放り投げたため子まりさはそう思った、懸命に頬を男の腿に押しつけるまりさは攻撃に集中していた。
男の尻から二メートルは離れた場所にれいむは鈍い音を立てて着地し、その衝撃で右頬に黒い痣を作った。
「ゆげっ!!げっ!いだいぃよ、いだいぃ!」
「ゆ!ゆ!!れいむ!!!」
怪我をしたれいむに気がついたのはまりさだった、汗をかきながら腿を一生懸命押すのをやめてれいむの元に疲れた体で跳ねる、一跳ねで進める距離は短いし跳び方も小さかった男への攻撃?で疲れているようだ。
男は腿からどいたまりさに一瞥をかけると直ぐに目的の場所に目を向け苦笑することになった、洞の前で子まりさが膨れている。
「ぷきゅ~!ゆっくりこないでね!」
男は軽く手の甲で膨れた子まりさを払いころころと転がした、邪魔者を排除した男は洞の中に手を突っ込んで中を探る。
「ゆゆ!やめてよ!おと……ゆっ!おかあさん!だいじょうぶ!?」
巣を弄る男を止めるために親まりさを呼ぼうとした子まりさは、怪我をしたれいむを舐める親まりさの所に跳ねていく。
一度に跳ぶ距離は短いものの、一跳ね毎に休みを入れず跳ねる子まりさはよほど母ゆっくりの事が心配なのだろう。
男は洞の中に入れた手が物に触れるたびにそれを引きずり出す。
巣から出てくるのは藁や葉っぱや小石、虫や萎れた花に植物のツタ、木の実に小さなキノコ等、男にとっては何の価値もないがここに住むゆっくりが大切にしているものばかりだった。
「ゆっ!むしさんやはなさんをもとにもどしてよ!」
「ゆっくりやめてね!!なんでそんなことするの!?ゆっくりできないよ!」
「ゆっくりやめて!ゆっくりやめてよ!!」
家の中のものを放り出す男に親まりさは再び体を押し付け、子まりさは頬を膨らませる。
母れいむも餡子を吐いたばかりだというのにまりさと一緒に懸命に男に体当たりを仕掛ける。
男はあらかた巣の中のものを取り出すと、洞の真ん中に置いてあった光を放つオレンジ色の石を取り出す、これで洞は空になった。
「ゆゆ!おうちのあかりさん!かえせ!かえしてね!!」
「にんげんさんゆっくりできないよ!!もうやめてよ!まりさたちのこうげきいたいんでしょ!?こうさんしてね!!」
「そうだよ!ゆっくりあやまってね!おうちをもとにもどしてね!!そうしないとゆるさないよ!!」
お家の明かり、今持っている光る石のことか、男は手のひらの光る石を巣から引きずり出した物を積んだ場所に落とし、下駄で思いきり踏みつけた。
石は音を立てて欠け、一瞬だけ強く光ると少しずつ明るい光を小さくしていく。
今踏みつけて壊した、巣を持つゆっくりが持っているこの不思議な石、昼の間はただの鉛色の小石なのに夜になるとオレンジ色の温かい光でゆっくりの巣を照らす小さな石。
出所が気になって持っていたゆっくりに聞いた事があったが、いつの間にか持っていたゆっくりできるから大事な物としか答えてくれなかった事があった。
男は石のことを不思議に思っていたが調べる気もなく、ゆっくりの巣に大抵おいてあるこの石を壊すことを惜しいとは考えなかった。
「ゆゆぅ~!!おうちのあかりが!!もうゆるさないよ!!ゆっくりしね!!」
「ゆぐぅ!!!にんげんさんをゆっくりできなくするね!あやまってもゆるさないよ!」」
「ぷく~!おとうさんもおかあさんもまりさもみんなおこってるよ!にんげんさんはゆっくりこらしめられていたいめみてね!!」
親ゆっくり二匹が男に跳びかかり、子ゆっくりは後ろで膨れる。
男の右足にまりさは体当たりを仕掛ける、れいむは淡い光を放っている石の欠片とご飯や大切な物を踏みつけている男の左足に、怪我をしていない方の頬を押し付け力いっぱい押す。
「ゆふ~ふ~いたいんでしょ!はやくねをあげてね!」
「あしをどかしてよ!もっとゆっくりできなくするよ!」
「おとーさんをてつだうよ!ゆっくりやられてね!!」
足首を動かしてゆっくりの宝物を踏みにじる男の足元で、ゆっくりの家族は持てる力をすべて出し男を止めようとしていた
しかし息の合った親子の体当たりも、手負いの母れいむの必死の頑張りも男にはまったくの無意味だった。
男は手のひらの石から足元で騒ぐゆっくりに注意を向ける、れいむは相変わらず男の左足に頬を押しつけて男の足を退かそうとしている。
大小二匹のまりさは三跳ね分男から離れて一緒に体当たりを仕掛けようとする。
「おちびちゃん!いっしょにやっつけるよ!!」
「ゆっくりわかったよ!いくよ!!」
一跳ね二跳ね、三跳ねめをしようとした親まりさに男の口に下駄の鼻緒を押し当て思いきり蹴り上げた。
親まりさは前歯を折られて男の胸のあたりの高さまで飛び、地面に叩きつけられる。
まりさは風通しが良くなった口をあけて涙を流しながらうめく、痛みでしばらくはその場から動けないだろう。
ゆっくりの歯は永久歯で欠けたからといってまた生えてくることはない、これで親まりさは生涯歯抜けで暮らすことになる。
「はびゃっ!!!いひゃ!!いひゃいぃい!!
「ゆあぁあ!!おとーさんのはが!!ゆっくりだいじょうぶ!?」
「ゆっ!!まりさ!!」
番いが蹴り飛ばされ重傷を負ったのを見て、れいむの男を押すのを止めてまりさに跳ねて近寄ろうとした。
怪我をしているまりさの方に跳ねて行くれいむの背、人間で言う後頭部を男は強い力で蹴る。
男の蹴りでれいむの着地点は大きく伸び、底部の変わりに頭頂部から地面に着地した。
底部よりも軟い頭部から着地したことでれいむの体内の餡子がかき混ぜられ、口から出て行く。
「おべっ!!べっ!さかさまだよっ!ゆぅ~!うごけない!」
着地の衝撃で歪んだ体でれいむが底部をうねうねと動かす。
逆さまになったれいむは自力では立ち上がれない、餡子を吐いたばかりなのに動こうとするのはまりさよりもガッツがある。
これでこの場でまともに動けるゆっくりは子まりさだけだ、ふるふると震えている子まりさを男は睨みつける。
「ゆっ……ゆっくりしてね……ゆっくり」
苦しむ親ゆっくり二匹を見て、さすがの子まりさも人間が自分たちよりも強いことに気がついたようだ。
笑顔と呼ぶにはこわばった表情で、男の足元の子まりさはゆっくりしていってねと言う。
男は足をあげて足を上げると勢いよく下駄をはいた足で地面を叩く、あと少しずれていたなら子まりさは潰れていただろう。
「ひゅ!!やひぇて!!」
「ゆうぅう!やめてね!!おちびちゃんをいじめないで!!!」
「ゆっ!!!ゆっ!ゆぅ~!」
ちょろちょろと音を立てて子まりさがしーしーを漏らす。
男は子まりさを踏みつけようと足を再びあげる。
歯抜けまりさも逆さまになっているれいむは腰が抜けている子まりさにその場で叫んだ。
「ひゃぶにゃいよっ!!」
「にげて!!おちびちゃんにげて!!!」
「ゆやぁああ!!もうやだぁっ!!」
子まりさは不格好に男の足から逃げた、這って跳ねて体をよじって必死に自分の命を守ろうとする。
男は最初は子まりさを踏みつぶして憂さ晴らしをやめるつもりだったが、あることを思いつくと子まりさを踏まないように気をつけて踏みつけるふりを始めた。
跳ねようとした場所を足で塞ぎ、時には軽く蹴り、男が目的の場所に子まりさを誘導するには一分もかからなかった。
子まりさはしーしーで汚れた体を男が巣からかき出して下駄で踏みにじった宝物、木の実や草の小山の上で体を真っ赤にして荒い息でぐったりとしていた。
数分前まで巣の中で親ゆっくりとゆっくりしていた子まりさは疲弊しきっていた、全力で体を動かすのも男の足から逃げるのにも一瞬の気も抜けないことだった。
こういう事をよくしていた男は一目で子まりさの状態が分かっていた、疲れきりゆっくりできない子まりさはこうしているだけで体力を消耗していく。
小さな声でゆっくりできない、ごめんなさい、助けて等と繰り返す子まりさ。
「ゆゆ~!!ごめんなざいぃいい!!あやまるからおちびちゃんをころさないでね!!おねがいしまずぅ!!」
「くひょしじい!!おちひはんをいじめないふぇね!!まりひゃがあいてになひゅよ!!」
親まりさは何時子まりさを踏みつぶしてもおかしくない男に、それぞれの方法で状況を打破しようとする。
逆さまれいむは謝ることによって、歯抜けまりさは挑発することによって、男の関心を自分に向けようとする。
母れいむは何も悪くないのに謝り涙を流しているのに対し、歯抜けまりさは男に向かって跳ねてくる。
男はそれに注意を払わず、自分のモノを取り出し子まりさに照準を合わせて放水、立ち小便を始めた。
湯気を上げる黄金色の水流は子まりさの体にかかり、巣の中からかき出された餌や藁のベットも光が豆電球ほどに小さくなった光る石も汚していく。
「ゆひゃ!くしゃい……ゆっくりできない」
「やめでね!!やめてあげてよ!!!」
「やひぇろ!!やめひゅ!!ひゅっくししね!!」
這う力もないほど、精神的肉体的に疲弊した子まりさはその場から動くこともできず、湯気を上げる男の小便でふやけてしまう。
れいむは逆さのまま底部を懸命に動かし、憤ったまりさが男の足に体当たりをする。
「えれえれ……たしゅけて……」
「おちびちゃん!!ゆっくりしてねおちびちゃん!!」
「ひね!!しね!!ゆっくりしひゃいでしね!!!」
男の作った水たまりの中心で餡子を吐く子まりさ、子まりさを助けたいのに動けないれいむ、歯が折れて上手に発音できてはいないがストレートに男に罵詈雑言を吐き、無意味な体当たりを続けるまりさ。
男にとって満足できる光景だった、足元に頬を押し付ける親まりさを軽く蹴り、いまだに逆さまのまま底部を気持ち悪くうごめかせるれいむに唾を吐き、一旦林道に戻ることにした。
事を済ませてすっきりとした表情で男はその場から足早に去る、後ろからゆっくりの跳ねる音がしたが早歩きの人間に追い付くには疲れているしすぐにへばってしまうだろう。
ゆっくりの声と跳ねる音が遠くなり最後に聞こえなくなる、男はそれを確認すると静かについさっき自分がいた場所に戻り、木の陰に隠れてこっそりとゆっくり家族の様子を盗み見た。
「ゆっぐ……ひっく」
「ぺ~ろぺ~ろ、なかなふぃでね」
「はむはむ……ふしあわせ~」
歯抜けまりさが小便まみれになった子まりさの体を舐めてきれいにしている、アンモニア臭がきつい小便を舐め取ることにかなり嫌悪感を感じているようだ。
体を舐められている子まりさはさっきから震えながら嗚咽を漏らしている、小便でふやけた体でゆっくりできないのだろう。
れいむはというと歯抜けまりさに起こしてもらったのだろう、少しへこんだ頭を上にしてきちんと底部を地面につけている、子まりさのかぶっている帽子を噛んで男の小便を絞っている。
口で脱水をやっている以上、いくらか口の中に入ってくるのだろうゆっくりがおいしくないものを口に入れた時のお約束を呟きながら、子まりさの帽子を少しでも清潔にしようとしている。
「おい!そこのゆっくり共!」
「ゆっ?」
男の声をこの日初めてゆっくりの家族は聞いた、男の顔を見るとまりさは怒り、子まりさは怒るまりさの後ろに隠れ、れいむはおびえた表情をした。
男は両手を口に添える、大きな声は出さずあくまで普通に世間話でもするような友好的な笑みで、まりさ達に聞いてみた。
「俺の小便は美味いか?あ?飲みたいならそんなガキを舐めたり帽子を噛まずに土下座して頼め、たっぷり飲ませてやるぞ」
一瞬、何を言われたのかとポカーンとした表情を浮かべた三匹は間をおいてそれぞれ最高のリアクションをしてくれた。
「なにいっでんのぉお!!やりたくてやってるんじゃないよ!!!ゆっぐりできないからどっかいってよぉおお!!!」
「うるびゃいいいい!!!じね!!くほじじいはしひぇ!!!しひぇ!!!!」
れいむは我慢していた分の涙を流しながら叫び、まりさは顔を本当にリンゴのように真っ赤にしてその場で跳ねる。
子まりさは何も言えずにぶるぶると震えながら両目から大粒の涙を流す。
男は怒り狂うまりさや泣くれいむと子まりさの滑稽な様子を楽しみ、今度は本当に家に帰ることにした。
十分前までいらいらとしていた男の顔は今はだいぶ落ち着いていた。
人間の排泄行為(小)あり。
博打打ちの八つ当たり
月と星の明かりが照らす林道を男が歩いている、表情は暗くイライラしていて看板でもあったならば蹴り飛ばしそうな様子だ。
家路を急ぐ男はすっかり重みがなくなった財布を懐中に入れ、無言でのっしのっしと道を歩いて行く。
これから帰っても明かりのついていない男の家には安物の酒くらいしか置いていない、あそこで勝っていれば……男は自分の今日のツキを呪ってお天道様の変わりに月を仰ぐ。
男は数時間前、村はずれの博打好きが集まる隠し賭場で丁半博打の勝負をしていた。
最初の数回は勝ったものの、調子に乗って大金をかけたのが運の尽き、その後のことは思い出したくもない。
男は博打の腕は並み以下で負けが多いのに、いざという時自分は運がよいと信じるタイプの男だった。
負けに負けても時々、賭場が湧き立つような勝ち方をする事があるにはあったが、そうして得た金も男は博打と酒につぎ込んでしまう。
やめ時引き時が分からない男が博打で負けるのは当然のことだった。
「畜生、このまま帰っても眠れやしねぇ、ちょっと鬱憤晴らしでもするか……」
男は博打に勝った日は町でたっぷり遊んでから家に帰っていたが、大抵の場合、つまり博打に負けた日はこの林道を通って家に帰ることにしていた。
負けの憂さを林道の住民にぶつけるのは男の精神衛生上良いことだったし、何よりこの道は家への近道でもあった。
男は林道から林の中へと歩を進めた、男が憂さを晴らせるものが暮らしている場所へと。
薄暗い林の中を男は目的のものを探す、木の洞や地面の穴からぼんやりと漏れる温かな光、それは程なく見つかった。
小枝や木の葉で塞がった木の洞、その小枝や葉っぱの小さな隙間からオレンジ色の光が漏れて、そこに何かがいることを主張している。
男はここでこうしてその何かを探すのはやり慣れていて、中のモノをどうやって引っ張り出すかも心得ていた。
男は木の洞の蓋をしている小枝や葉っぱを蹴り洞の中に四散させた、男はその場に立って望みのモノが出てくるのを待った。
「ゆゆ!いったいなんなの?」
洞から出てきたのは先端の折れ曲がった黒い帽子をかぶったゆっくりまりさ、大きさはリンゴほど若い成体のゆっくりであることが分かる。
まりさは自分の巣の前に立っている男を見つけると、ずっと高い場所にある男の顔を睨みつける、お家の扉を破った犯人が分かったようだ。
「ゆ?にんげんさんがやったの?おうちがゆっくりできなくなったよ!ぷく~」
ぷく~と擬音口にして体を膨らますまりさ、リンゴほどだった体は一回り大きくなり怒りか力みかそれとも両方の為か、体が少し赤くなっている。
膨らむまりさを応援するためか、明るい洞の入口にリンゴほどのゆっくりれいむとミカン程の大きさのゆっくりまりさが現れた、恐らくまりさの番いと子供だろう。
「ゆっくりできないにんげんさんはあやまってね!れいむのまりさはとってもつよいんだよ!」
「ゆゆ~まりさおとーさんがんばってね!」
れいむもまりさも怒っているが口元は笑っている、自分たちのゆっくりを邪魔した悪い人間を夫であり父でもあるまりさが制裁することは彼らの中の決定事項なんだろう。
今まで出会ったゆっくりの中でこういう反応をとる奴は半分が自信過剰で、半分は人間という生き物にあまり触れることのないゆっくりだった、彼らは恐らく後者だろう。
男は膨らんでいるまりさの正面でしゃがみ込むと両膝を地面につけた、次に右手をのばす。
「ゆひゅ~!あやまるきになったね!あやまったらおうちをなおしてね!」
「おうちをなおしたあとはおかしをもってくるんだよ!」
「ゆゆ~!おとうさんゆっくりかっこいいよ!」
男が土下座でもすると思ったのか、息を吐いて元の大きさに戻ったまりさと、番いを誇るれいむと親まりさを羨望する子まりさ。
三匹は男が謝罪の為にしゃがんだのではないこと、男の手がゆっくりと自分たちの巣に伸びていることに気がつくまで実にゆっくりした気分だった。
「ゆっ!れいむのおうちにはいれないよ!ぷく~」
「ゆゆ!なにしてるのおうちにはいらないでよ!ゆっくりやめてよ!」
「ゆっくりできないよ!やめてね!」
れいむは男が手を入れようとする洞の前で膨れ、子まりさはその影に隠れている。
まりさは頬を膨らませるより男に攻撃を仕掛けることにした、男の右太ももに頬を力いっぱい押しつけて男をこの場から退かそうとする。
「こっちにこないでね!ぷく~だよ!」
男の手は巣の前で膨れているれいむの前で一旦止まる、手は何かを思案するように上下に動き、れいむはその手の動きを目で追う。
鷲掴みにするか前髪を持つかを悩み、男は結局れいむの髪をつかむことにした、れいむの前髪を掴み何かを言う前に思いきり後ろに頬り投げる
「ゆっ?おかあさん?」
いきなり母れいむが消えた、一瞬のうちに男が母れいむを掴みあげ放り投げたため子まりさはそう思った、懸命に頬を男の腿に押しつけるまりさは攻撃に集中していた。
男の尻から二メートルは離れた場所にれいむは鈍い音を立てて着地し、その衝撃で右頬に黒い痣を作った。
「ゆげっ!!げっ!いだいぃよ、いだいぃ!」
「ゆ!ゆ!!れいむ!!!」
怪我をしたれいむに気がついたのはまりさだった、汗をかきながら腿を一生懸命押すのをやめてれいむの元に疲れた体で跳ねる、一跳ねで進める距離は短いし跳び方も小さかった男への攻撃?で疲れているようだ。
男は腿からどいたまりさに一瞥をかけると直ぐに目的の場所に目を向け苦笑することになった、洞の前で子まりさが膨れている。
「ぷきゅ~!ゆっくりこないでね!」
男は軽く手の甲で膨れた子まりさを払いころころと転がした、邪魔者を排除した男は洞の中に手を突っ込んで中を探る。
「ゆゆ!やめてよ!おと……ゆっ!おかあさん!だいじょうぶ!?」
巣を弄る男を止めるために親まりさを呼ぼうとした子まりさは、怪我をしたれいむを舐める親まりさの所に跳ねていく。
一度に跳ぶ距離は短いものの、一跳ね毎に休みを入れず跳ねる子まりさはよほど母ゆっくりの事が心配なのだろう。
男は洞の中に入れた手が物に触れるたびにそれを引きずり出す。
巣から出てくるのは藁や葉っぱや小石、虫や萎れた花に植物のツタ、木の実に小さなキノコ等、男にとっては何の価値もないがここに住むゆっくりが大切にしているものばかりだった。
「ゆっ!むしさんやはなさんをもとにもどしてよ!」
「ゆっくりやめてね!!なんでそんなことするの!?ゆっくりできないよ!」
「ゆっくりやめて!ゆっくりやめてよ!!」
家の中のものを放り出す男に親まりさは再び体を押し付け、子まりさは頬を膨らませる。
母れいむも餡子を吐いたばかりだというのにまりさと一緒に懸命に男に体当たりを仕掛ける。
男はあらかた巣の中のものを取り出すと、洞の真ん中に置いてあった光を放つオレンジ色の石を取り出す、これで洞は空になった。
「ゆゆ!おうちのあかりさん!かえせ!かえしてね!!」
「にんげんさんゆっくりできないよ!!もうやめてよ!まりさたちのこうげきいたいんでしょ!?こうさんしてね!!」
「そうだよ!ゆっくりあやまってね!おうちをもとにもどしてね!!そうしないとゆるさないよ!!」
お家の明かり、今持っている光る石のことか、男は手のひらの光る石を巣から引きずり出した物を積んだ場所に落とし、下駄で思いきり踏みつけた。
石は音を立てて欠け、一瞬だけ強く光ると少しずつ明るい光を小さくしていく。
今踏みつけて壊した、巣を持つゆっくりが持っているこの不思議な石、昼の間はただの鉛色の小石なのに夜になるとオレンジ色の温かい光でゆっくりの巣を照らす小さな石。
出所が気になって持っていたゆっくりに聞いた事があったが、いつの間にか持っていたゆっくりできるから大事な物としか答えてくれなかった事があった。
男は石のことを不思議に思っていたが調べる気もなく、ゆっくりの巣に大抵おいてあるこの石を壊すことを惜しいとは考えなかった。
「ゆゆぅ~!!おうちのあかりが!!もうゆるさないよ!!ゆっくりしね!!」
「ゆぐぅ!!!にんげんさんをゆっくりできなくするね!あやまってもゆるさないよ!」」
「ぷく~!おとうさんもおかあさんもまりさもみんなおこってるよ!にんげんさんはゆっくりこらしめられていたいめみてね!!」
親ゆっくり二匹が男に跳びかかり、子ゆっくりは後ろで膨れる。
男の右足にまりさは体当たりを仕掛ける、れいむは淡い光を放っている石の欠片とご飯や大切な物を踏みつけている男の左足に、怪我をしていない方の頬を押し付け力いっぱい押す。
「ゆふ~ふ~いたいんでしょ!はやくねをあげてね!」
「あしをどかしてよ!もっとゆっくりできなくするよ!」
「おとーさんをてつだうよ!ゆっくりやられてね!!」
足首を動かしてゆっくりの宝物を踏みにじる男の足元で、ゆっくりの家族は持てる力をすべて出し男を止めようとしていた
しかし息の合った親子の体当たりも、手負いの母れいむの必死の頑張りも男にはまったくの無意味だった。
男は手のひらの石から足元で騒ぐゆっくりに注意を向ける、れいむは相変わらず男の左足に頬を押しつけて男の足を退かそうとしている。
大小二匹のまりさは三跳ね分男から離れて一緒に体当たりを仕掛けようとする。
「おちびちゃん!いっしょにやっつけるよ!!」
「ゆっくりわかったよ!いくよ!!」
一跳ね二跳ね、三跳ねめをしようとした親まりさに男の口に下駄の鼻緒を押し当て思いきり蹴り上げた。
親まりさは前歯を折られて男の胸のあたりの高さまで飛び、地面に叩きつけられる。
まりさは風通しが良くなった口をあけて涙を流しながらうめく、痛みでしばらくはその場から動けないだろう。
ゆっくりの歯は永久歯で欠けたからといってまた生えてくることはない、これで親まりさは生涯歯抜けで暮らすことになる。
「はびゃっ!!!いひゃ!!いひゃいぃい!!
「ゆあぁあ!!おとーさんのはが!!ゆっくりだいじょうぶ!?」
「ゆっ!!まりさ!!」
番いが蹴り飛ばされ重傷を負ったのを見て、れいむの男を押すのを止めてまりさに跳ねて近寄ろうとした。
怪我をしているまりさの方に跳ねて行くれいむの背、人間で言う後頭部を男は強い力で蹴る。
男の蹴りでれいむの着地点は大きく伸び、底部の変わりに頭頂部から地面に着地した。
底部よりも軟い頭部から着地したことでれいむの体内の餡子がかき混ぜられ、口から出て行く。
「おべっ!!べっ!さかさまだよっ!ゆぅ~!うごけない!」
着地の衝撃で歪んだ体でれいむが底部をうねうねと動かす。
逆さまになったれいむは自力では立ち上がれない、餡子を吐いたばかりなのに動こうとするのはまりさよりもガッツがある。
これでこの場でまともに動けるゆっくりは子まりさだけだ、ふるふると震えている子まりさを男は睨みつける。
「ゆっ……ゆっくりしてね……ゆっくり」
苦しむ親ゆっくり二匹を見て、さすがの子まりさも人間が自分たちよりも強いことに気がついたようだ。
笑顔と呼ぶにはこわばった表情で、男の足元の子まりさはゆっくりしていってねと言う。
男は足をあげて足を上げると勢いよく下駄をはいた足で地面を叩く、あと少しずれていたなら子まりさは潰れていただろう。
「ひゅ!!やひぇて!!」
「ゆうぅう!やめてね!!おちびちゃんをいじめないで!!!」
「ゆっ!!!ゆっ!ゆぅ~!」
ちょろちょろと音を立てて子まりさがしーしーを漏らす。
男は子まりさを踏みつけようと足を再びあげる。
歯抜けまりさも逆さまになっているれいむは腰が抜けている子まりさにその場で叫んだ。
「ひゃぶにゃいよっ!!」
「にげて!!おちびちゃんにげて!!!」
「ゆやぁああ!!もうやだぁっ!!」
子まりさは不格好に男の足から逃げた、這って跳ねて体をよじって必死に自分の命を守ろうとする。
男は最初は子まりさを踏みつぶして憂さ晴らしをやめるつもりだったが、あることを思いつくと子まりさを踏まないように気をつけて踏みつけるふりを始めた。
跳ねようとした場所を足で塞ぎ、時には軽く蹴り、男が目的の場所に子まりさを誘導するには一分もかからなかった。
子まりさはしーしーで汚れた体を男が巣からかき出して下駄で踏みにじった宝物、木の実や草の小山の上で体を真っ赤にして荒い息でぐったりとしていた。
数分前まで巣の中で親ゆっくりとゆっくりしていた子まりさは疲弊しきっていた、全力で体を動かすのも男の足から逃げるのにも一瞬の気も抜けないことだった。
こういう事をよくしていた男は一目で子まりさの状態が分かっていた、疲れきりゆっくりできない子まりさはこうしているだけで体力を消耗していく。
小さな声でゆっくりできない、ごめんなさい、助けて等と繰り返す子まりさ。
「ゆゆ~!!ごめんなざいぃいい!!あやまるからおちびちゃんをころさないでね!!おねがいしまずぅ!!」
「くひょしじい!!おちひはんをいじめないふぇね!!まりひゃがあいてになひゅよ!!」
親まりさは何時子まりさを踏みつぶしてもおかしくない男に、それぞれの方法で状況を打破しようとする。
逆さまれいむは謝ることによって、歯抜けまりさは挑発することによって、男の関心を自分に向けようとする。
母れいむは何も悪くないのに謝り涙を流しているのに対し、歯抜けまりさは男に向かって跳ねてくる。
男はそれに注意を払わず、自分のモノを取り出し子まりさに照準を合わせて放水、立ち小便を始めた。
湯気を上げる黄金色の水流は子まりさの体にかかり、巣の中からかき出された餌や藁のベットも光が豆電球ほどに小さくなった光る石も汚していく。
「ゆひゃ!くしゃい……ゆっくりできない」
「やめでね!!やめてあげてよ!!!」
「やひぇろ!!やめひゅ!!ひゅっくししね!!」
這う力もないほど、精神的肉体的に疲弊した子まりさはその場から動くこともできず、湯気を上げる男の小便でふやけてしまう。
れいむは逆さのまま底部を懸命に動かし、憤ったまりさが男の足に体当たりをする。
「えれえれ……たしゅけて……」
「おちびちゃん!!ゆっくりしてねおちびちゃん!!」
「ひね!!しね!!ゆっくりしひゃいでしね!!!」
男の作った水たまりの中心で餡子を吐く子まりさ、子まりさを助けたいのに動けないれいむ、歯が折れて上手に発音できてはいないがストレートに男に罵詈雑言を吐き、無意味な体当たりを続けるまりさ。
男にとって満足できる光景だった、足元に頬を押し付ける親まりさを軽く蹴り、いまだに逆さまのまま底部を気持ち悪くうごめかせるれいむに唾を吐き、一旦林道に戻ることにした。
事を済ませてすっきりとした表情で男はその場から足早に去る、後ろからゆっくりの跳ねる音がしたが早歩きの人間に追い付くには疲れているしすぐにへばってしまうだろう。
ゆっくりの声と跳ねる音が遠くなり最後に聞こえなくなる、男はそれを確認すると静かについさっき自分がいた場所に戻り、木の陰に隠れてこっそりとゆっくり家族の様子を盗み見た。
「ゆっぐ……ひっく」
「ぺ~ろぺ~ろ、なかなふぃでね」
「はむはむ……ふしあわせ~」
歯抜けまりさが小便まみれになった子まりさの体を舐めてきれいにしている、アンモニア臭がきつい小便を舐め取ることにかなり嫌悪感を感じているようだ。
体を舐められている子まりさはさっきから震えながら嗚咽を漏らしている、小便でふやけた体でゆっくりできないのだろう。
れいむはというと歯抜けまりさに起こしてもらったのだろう、少しへこんだ頭を上にしてきちんと底部を地面につけている、子まりさのかぶっている帽子を噛んで男の小便を絞っている。
口で脱水をやっている以上、いくらか口の中に入ってくるのだろうゆっくりがおいしくないものを口に入れた時のお約束を呟きながら、子まりさの帽子を少しでも清潔にしようとしている。
「おい!そこのゆっくり共!」
「ゆっ?」
男の声をこの日初めてゆっくりの家族は聞いた、男の顔を見るとまりさは怒り、子まりさは怒るまりさの後ろに隠れ、れいむはおびえた表情をした。
男は両手を口に添える、大きな声は出さずあくまで普通に世間話でもするような友好的な笑みで、まりさ達に聞いてみた。
「俺の小便は美味いか?あ?飲みたいならそんなガキを舐めたり帽子を噛まずに土下座して頼め、たっぷり飲ませてやるぞ」
一瞬、何を言われたのかとポカーンとした表情を浮かべた三匹は間をおいてそれぞれ最高のリアクションをしてくれた。
「なにいっでんのぉお!!やりたくてやってるんじゃないよ!!!ゆっぐりできないからどっかいってよぉおお!!!」
「うるびゃいいいい!!!じね!!くほじじいはしひぇ!!!しひぇ!!!!」
れいむは我慢していた分の涙を流しながら叫び、まりさは顔を本当にリンゴのように真っ赤にしてその場で跳ねる。
子まりさは何も言えずにぶるぶると震えながら両目から大粒の涙を流す。
男は怒り狂うまりさや泣くれいむと子まりさの滑稽な様子を楽しみ、今度は本当に家に帰ることにした。
十分前までいらいらとしていた男の顔は今はだいぶ落ち着いていた。