ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0758 灼熱の閉鎖空間
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ankoss
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「ゆゆ~ん、おにーさん、みてみてぇ~♪」
「とってもゆっくりしたあかちゃんだよ!」
「とってもゆっくりしたあかちゃんだよ!」
ぽよん、ぽよん、と軽快に跳ねながら一人の青年に近づいていく二匹のゆっくりがいた。
成体のゆっくりれいむとゆっくりまりさである。
どこにでも見られるような普遍的な番であったが、それはつまり裏を返せば幸せそのものと言ってもいいかもしれない。
不幸はその数だけ多様であるが、幸せは皆一様に似たものであるからだ。
成体のゆっくりれいむとゆっくりまりさである。
どこにでも見られるような普遍的な番であったが、それはつまり裏を返せば幸せそのものと言ってもいいかもしれない。
不幸はその数だけ多様であるが、幸せは皆一様に似たものであるからだ。
「ほら、おにーさん! もうすぐゆっくりうまれるよ!」
そう言ってまりさが突き出した口の下、ゆっくりでいうところの腹を見てみれば、れいむよりも膨れている。
それはまさしく、二匹の愛の結晶である子供がその身に宿っていることの証であった。
それはまさしく、二匹の愛の結晶である子供がその身に宿っていることの証であった。
「ゆゆ~ん、はやくゆっくりしたあかちゃんにあいたいねっ」
「そうだね、まりさ!」
「そうだね、まりさ!」
だらしなく緩んだ顔でまりさが己の気持ちを口にすれば、れいむも同じような顔で追従する。
この二匹はいわゆる“飼いゆ”であった。人に飼われているゆっくりである。
その飼い主はというと、今まさしく二匹が自慢げに腹を見せびらかしに来た相手である青年だ。
この二匹はいわゆる“飼いゆ”であった。人に飼われているゆっくりである。
その飼い主はというと、今まさしく二匹が自慢げに腹を見せびらかしに来た相手である青年だ。
れいむとまりさは幸せ一杯といった笑顔でお互いの頬をこすり合わせて互いの幸福を共有している。
ただ子供が生まれるだけというには些かオーバーにも見えるかもしれないが、それも無理からぬことであった。
大抵の場合、飼われているゆっくりは子供を生むことを禁止されている。
ただ子供が生まれるだけというには些かオーバーにも見えるかもしれないが、それも無理からぬことであった。
大抵の場合、飼われているゆっくりは子供を生むことを禁止されている。
それは飼い主の金銭的事情やその他飼い主の世話できるキャパシティーの容量のせいであったり、過度な煩さをわずらわしいと感じたりするからなど、様々であるが。
この二匹もそのことは知っていた。だから半ば諦めてはいた。自分達の子供には会えないだろうと。
しかし、二週間前に、それでも自分達の子供が欲しいという気持ちが溢れかえり、だめもとで飼い主である青年に了承を求めたところ、
この二匹もそのことは知っていた。だから半ば諦めてはいた。自分達の子供には会えないだろうと。
しかし、二週間前に、それでも自分達の子供が欲しいという気持ちが溢れかえり、だめもとで飼い主である青年に了承を求めたところ、
「あぁ、いいぞ」
拍子抜けするほどあっけなく、許可を得られた。
だから、これほどまでにれいむとまりさは満面の笑みを浮かべている。
食住となんの不満もない生活にただ一つだけ欠けていた最高の幸せへの要素、その最後の一つが手に入るというのだから。
だから、これほどまでにれいむとまりさは満面の笑みを浮かべている。
食住となんの不満もない生活にただ一つだけ欠けていた最高の幸せへの要素、その最後の一つが手に入るというのだから。
「ゆゆ~ん、ゆっくりうまれてね~♪」
「ゆゆん、れいむくすぐったいよ~♪」
「ゆゆん、れいむくすぐったいよ~♪」
出産寸前まで大きくなった腹を見せに来た相手であるはずの青年の存在も忘れ、れいむはまりさの腹に頬を摺り寄せて上機嫌であった。
まりさもまた、そんなれいむとのスキンシップに喜色満面だ。
そんな幸福の閉鎖世界に居た二匹は気づかなかった。
青年が二匹を、どんな顔で見ているのかを。
まりさもまた、そんなれいむとのスキンシップに喜色満面だ。
そんな幸福の閉鎖世界に居た二匹は気づかなかった。
青年が二匹を、どんな顔で見ているのかを。
そして翌日。れいむとまりさに待望の子供たちが生まれた。
居間にて正午前にまりさが産気づき、れいむの応援の中生まれた子供の数はなんと七匹にも及んでいた。胎生出産にしては多い数である。
飼いゆっくりであるための恵まれた栄養面がそれを可能にした一端であろう。
居間にて正午前にまりさが産気づき、れいむの応援の中生まれた子供の数はなんと七匹にも及んでいた。胎生出産にしては多い数である。
飼いゆっくりであるための恵まれた栄養面がそれを可能にした一端であろう。
『ゆっくりちていってね!!!』
「ゆゆゆぅぅぅぅぅぅ、とってもかわいいあかちゃんたちだよぉぉぉ!!」
「すっごくゆっくりしてるねまりさぁ!!」
「すっごくゆっくりしてるねまりさぁ!!」
待ち望んだ我が子との対面にれいむとまりさは感極まって目の端に涙を浮かべていた。
まりさのお腹の中から生まれた赤れいむ四匹に赤まりさ三匹。豆粒ように可愛らしい小さな体と、もちもちとした感触の瑞々しい肌を持っている、いずれも知能生涯や欠損部位のない優良な健康児だ。
まりさのお腹の中から生まれた赤れいむ四匹に赤まりさ三匹。豆粒ように可愛らしい小さな体と、もちもちとした感触の瑞々しい肌を持っている、いずれも知能生涯や欠損部位のない優良な健康児だ。
「おか~ちゃん、ゆっくり~♪」
「ゆゆ~ん、まりちゃも、まりちゃも!」
「おかぁしゃん、ゆっくりちていってね!」
「ゆゆ~ん、まりちゃも、まりちゃも!」
「おかぁしゃん、ゆっくりちていってね!」
わらわらと親であるれいむとまりさに群がっていく赤ゆっくり達を、れいむとまりさは笑顔と嬉し涙で迎えた。
すりすりと頬を合わせて生まれて最初のスキンシップを交わし、出会えた喜びを歌にして子供達に聞かせてあげたりと。
すりすりと頬を合わせて生まれて最初のスキンシップを交わし、出会えた喜びを歌にして子供達に聞かせてあげたりと。
「ほらっ、おにーさん! とってもゆっくりしたあかちゃんだよ!」
この幸せを、この喜びを飼い主である青年にもわけてあげたい。
その思いでれいむが、一緒にまりさの出産を見守ってくれた青年に体を向けると、
その思いでれいむが、一緒にまりさの出産を見守ってくれた青年に体を向けると、
「ゆ? おにーさんなにしてるの?」
何故かそこには、ホットプレートがあった。
一度に三枚はホットケーキが焼けるであろう大きさの、長方形型ホットプレートだ。それは青年がれいむとまりさが子ゆっくり達に夢中になっている間に用意したものだ。
れいむの声にまりさも反応し、体と視線を子ゆっくり達と共に青年とホットプレートの方へ向ける。
青年はホットプレートの電源をコンセントに差して入れると、意識と体をゆっくり一家へと、向けた。
一度に三枚はホットケーキが焼けるであろう大きさの、長方形型ホットプレートだ。それは青年がれいむとまりさが子ゆっくり達に夢中になっている間に用意したものだ。
れいむの声にまりさも反応し、体と視線を子ゆっくり達と共に青年とホットプレートの方へ向ける。
青年はホットプレートの電源をコンセントに差して入れると、意識と体をゆっくり一家へと、向けた。
「これか? 見ての通りホットプレートだ。前にホットケーキを作ってあげただろう?」
青年はそう説明したが、もちろんれいむもまりさもそれは知っていた。
二匹が聞いているのは、そうではなく、なんでこの場でそんなものが必要なのだということだった。
しかし、青年の説明を聞いて、思い出した。そう、ホットプレートはホットケーキを作る道具だったということを。
当然それ以外の用途もあるのだが、れいむとまりさにとってホットプレートといえばホットケーキであったのだ。
二匹が聞いているのは、そうではなく、なんでこの場でそんなものが必要なのだということだった。
しかし、青年の説明を聞いて、思い出した。そう、ホットプレートはホットケーキを作る道具だったということを。
当然それ以外の用途もあるのだが、れいむとまりさにとってホットプレートといえばホットケーキであったのだ。
「ゆゆっ! もしかしておにーさん、おちびちゃんたちにホットケーキさんつくってくれるの?」
「ゆゆ~ん、おにーさんありがとう!」
「ゆゆ~ん、おにーさんありがとう!」
二匹はすっかり早とちりし、子供が出来た祝い事のためにホットケーキを作ってくれるものだろうと思い笑顔をより一層深くした。
それが別に自分勝手な思考などと一方的に責めることはできまい。子供が生まれるということは、ゆっくりにとっても人間にとっても祝い事に属することであるのだから。
そんな状況で二匹にとって甘くて美味しいホットケーキを作るための道具を出されれば、それはもう祝い事のためにホットケーキを作ってくれるだろうと思うのも、無理からぬごく自然の事だ。
それが別に自分勝手な思考などと一方的に責めることはできまい。子供が生まれるということは、ゆっくりにとっても人間にとっても祝い事に属することであるのだから。
そんな状況で二匹にとって甘くて美味しいホットケーキを作るための道具を出されれば、それはもう祝い事のためにホットケーキを作ってくれるだろうと思うのも、無理からぬごく自然の事だ。
けれども、
「違うよ」
今回に限っては、その“自然”は当てはまらない。
青年はれいむとまりさの思い込みをあっさりと否定すると、ホットプレートの出力を調整するつまみを限界までひねった。
青年はれいむとまりさの思い込みをあっさりと否定すると、ホットプレートの出力を調整するつまみを限界までひねった。
「ゆゆっ? それじゃあなーに?」
「ホットケーキさんじゃないの?」
「ホットケーキさんじゃないの?」
首をかしげて不思議そうな表情を浮かべるれいむとまりさをよそに、青年は右手をゆっくり一家の前に差し出すと、ちょいちょい、と手招きしてみせた。
「ゆ?」と親と同じく首を傾げる赤ゆっくり達に、青年の意図を悟った親達が「おにーさんはとってもゆっくりできるよ」「ゆっくりごあいさつしようね!」と吹き込むと、赤ゆっくり達は笑顔でぴょんぴょん飛びはね、青年の右手に乗っていった。
「ゆ?」と親と同じく首を傾げる赤ゆっくり達に、青年の意図を悟った親達が「おにーさんはとってもゆっくりできるよ」「ゆっくりごあいさつしようね!」と吹き込むと、赤ゆっくり達は笑顔でぴょんぴょん飛びはね、青年の右手に乗っていった。
『おにーしゃん、ゆっくりちていってね!』
胸元に引き寄せ、両手で抱えるようにした青年の掌の上で、笑顔一杯の赤ゆっくり七匹が元気よく挨拶と親愛の言葉を口にする。
そこに一切の邪気はない。まさしく、無邪気そのものだ。
親であるれいむとまりさも、ちゃんとご挨拶が出来た最愛の我が子の様子に満足げに微笑んでいた。
こんな可愛い子供たちを見て、幸せにならないはずがない、と無条件に信じきっている顔だ。
そこに一切の邪気はない。まさしく、無邪気そのものだ。
親であるれいむとまりさも、ちゃんとご挨拶が出来た最愛の我が子の様子に満足げに微笑んでいた。
こんな可愛い子供たちを見て、幸せにならないはずがない、と無条件に信じきっている顔だ。
キラキラと輝く笑顔の赤ゆっくりが七匹。青年は自分の手の中にいるそれらのうち、子れいむ一匹を、そっとつまみあげて親元へと返した。
「ゆゆ?」と再び首を傾げるれいむとまりさ、そして下ろされた子れいむ。
まだ他の子ゆっくり達六匹は青年の掌の上だ。なんでこの子一匹だけを下ろすのか。
「ゆゆ?」と再び首を傾げるれいむとまりさ、そして下ろされた子れいむ。
まだ他の子ゆっくり達六匹は青年の掌の上だ。なんでこの子一匹だけを下ろすのか。
そんな三匹の疑問が口に出る前に、青年は子ゆっくり達を乗せた片手を、ホットプレートの上に、突き出した。手の下には最大出力で熱を発しているホットプレートがある。
更に疑問が深まる三匹。一体青年は、何をしているのだろうかと。何をするつもりなのだろうかと。
察しの良い人ならもう気づくかもしれない。しかし、この三匹には無理だ。
答えを察するだけの情報と知能が、圧倒的に不足しているから。
更に疑問が深まる三匹。一体青年は、何をしているのだろうかと。何をするつもりなのだろうかと。
察しの良い人ならもう気づくかもしれない。しかし、この三匹には無理だ。
答えを察するだけの情報と知能が、圧倒的に不足しているから。
必然、青年が掌を返して子ゆっくり六匹をホットプレートに落とすなどと、予知できるわけがなかった。
落下。六つの饅頭。墜落、灼熱の大地。皮の焼ける音。
それらが繰り広げられて、れいむとまりさが状況を理解し悲鳴をあげるその前に、青年は耐熱ガラスによって調理中の様子もよく分かる蓋をホットプレートにかけていた。
子ゆっくり六匹は、ホットプレートに取り残された。
落下。六つの饅頭。墜落、灼熱の大地。皮の焼ける音。
それらが繰り広げられて、れいむとまりさが状況を理解し悲鳴をあげるその前に、青年は耐熱ガラスによって調理中の様子もよく分かる蓋をホットプレートにかけていた。
子ゆっくり六匹は、ホットプレートに取り残された。
『ゆびゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!』
『おぢびぢゃん!?』
『おぢびぢゃん!?』
湧き起こる絶叫と悲鳴。ホットプレートに閉じ込められて容赦なく皮を焼かれた子ゆっくりと、唐突に我が子が地獄に落とされた様をみせつけれられた親ゆっくりのものだ。
れいむとまりさは慌ててホットプレートに駆け寄った。傍らに寄ってみれば、耐熱ガラスの蓋越しにその様子が鮮明に見えた。
れいむとまりさは慌ててホットプレートに駆け寄った。傍らに寄ってみれば、耐熱ガラスの蓋越しにその様子が鮮明に見えた。
最大の熱量を発するホットプレートの上で、我が子が熱さに苦しんでいる。
一瞬でも底部を接していたくないと、ぴょんぴょんと飛び跳ねては、着地の度に高熱を感じてその熱さに顔を歪ませる。
涙交じりに、いや滂沱の涙を流しながらそんな灼熱地獄から脱出しようと飛び跳ねるが、蓋に勢いよく頭をぶつけるだけ。そして再び高熱の大地に叩き落され、また熱さに苦しみもだえる。
跳ねる、落ちる、苦しむ、泣く。
そんな工程が数秒と経たずに何回も。それも六ヶ所で繰り広げられているという惨劇に、れいむとまりさは再び絶叫した。
一瞬でも底部を接していたくないと、ぴょんぴょんと飛び跳ねては、着地の度に高熱を感じてその熱さに顔を歪ませる。
涙交じりに、いや滂沱の涙を流しながらそんな灼熱地獄から脱出しようと飛び跳ねるが、蓋に勢いよく頭をぶつけるだけ。そして再び高熱の大地に叩き落され、また熱さに苦しみもだえる。
跳ねる、落ちる、苦しむ、泣く。
そんな工程が数秒と経たずに何回も。それも六ヶ所で繰り広げられているという惨劇に、れいむとまりさは再び絶叫した。
「ゆぎゃぁぁぁぁ!?」
「ばりざのおぢびぢゃんがぁぁぁぁぁぁ!!」
「ばりざのおぢびぢゃんがぁぁぁぁぁぁ!!」
滝のような涙を流しながら、れいむはすぐさま我が子を助けようとした。
が、どうしていいか分からない。ホットプレートの構造や使い方など一切把握していないれいむは、ただ目の前に我がことの接触を阻む蓋があるだけで、どうすれば我が子を助けられるか分からなくなったのだ。
「ゆゆっ、ゆゆっ」とあせった様子で右往左往して迷った結果、やっぱり蓋が邪魔だという結論に至って蓋を取り除くことにした。
が、どうしていいか分からない。ホットプレートの構造や使い方など一切把握していないれいむは、ただ目の前に我がことの接触を阻む蓋があるだけで、どうすれば我が子を助けられるか分からなくなったのだ。
「ゆゆっ、ゆゆっ」とあせった様子で右往左往して迷った結果、やっぱり蓋が邪魔だという結論に至って蓋を取り除くことにした。
「ゆぅぅぅぅぅ! ゆぅぅぅぅぅ!!」
れいむはホットプレートの上に乗っているその蓋を、横から押してどかそうとした。ずりずりとわずかにだけ動く。ホットプレートがだ。
当然、ホットプレートの上にある蓋も動く。何も変わらない。
手のないゆっくりに、厚さの薄い上に乗っている蓋だけを押すなんて芸当はすぐさまに出来るわけもなく、蓋だけどかそうとしたのにホットプレートごと押すという間抜けな事態になっていた。
れいむはホットプレートの上に乗っているその蓋を、横から押してどかそうとした。ずりずりとわずかにだけ動く。ホットプレートがだ。
当然、ホットプレートの上にある蓋も動く。何も変わらない。
手のないゆっくりに、厚さの薄い上に乗っている蓋だけを押すなんて芸当はすぐさまに出来るわけもなく、蓋だけどかそうとしたのにホットプレートごと押すという間抜けな事態になっていた。
「どぼじでぇぇぇぇぇ!?」
その間にも赤ゆっくり達は熱さに苦しんでいる。
「あぢゅい゛ぃぃぃぃ!!」と顔を歪ませて飛びはね、頭を蓋にぶつけて痛みに涙しながらまた落ちる赤れいむ。
「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と頭をぶつけたくない思いで、それでも熱さから逃れようとした赤まりさがホットプレートの上をごろごろ転がっていく。
「おがぁじゃん、だじゅげでぇぇぇぇぇぇ!!!」と熱さでろくに動けず、さっそく底部の皮がホットプレートにはりついた赤れいむが涙をながしホットプレートにじゅうじゅうと音を立てる。
「おがぁじゃん、おがぁじゃぁぁぁぁぁん!!」と親に助けを求めながら、蓋に頭をぶつけつつホットプレートの端を目指す赤まりさ。
「あぢゅい゛よ゛ぉ゛ぉ゛!! ゆっぐぢでぎない゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」と全く同じセリフ、動作でホットプレート中を跳ねて動き回る赤れいむと赤まりさ。
「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と頭をぶつけたくない思いで、それでも熱さから逃れようとした赤まりさがホットプレートの上をごろごろ転がっていく。
「おがぁじゃん、だじゅげでぇぇぇぇぇぇ!!!」と熱さでろくに動けず、さっそく底部の皮がホットプレートにはりついた赤れいむが涙をながしホットプレートにじゅうじゅうと音を立てる。
「おがぁじゃん、おがぁじゃぁぁぁぁぁん!!」と親に助けを求めながら、蓋に頭をぶつけつつホットプレートの端を目指す赤まりさ。
「あぢゅい゛よ゛ぉ゛ぉ゛!! ゆっぐぢでぎない゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」と全く同じセリフ、動作でホットプレート中を跳ねて動き回る赤れいむと赤まりさ。
それら最愛の我が子が奏でる合唱に、れいむとまりさは先ほどの幸せな笑みなど粉々に砕け散り、ただ困惑と悲しみに表情を歪ませた。
れいむは無駄だと分かりきっているのに、それしかすることがないとなおもホットプレートを「ゆん、ゆん」と押し始める。れいむが蓋だけの押そうと試みを変えるのはもう少し先だろう。
れいむは無駄だと分かりきっているのに、それしかすることがないとなおもホットプレートを「ゆん、ゆん」と押し始める。れいむが蓋だけの押そうと試みを変えるのはもう少し先だろう。
れいむより行動が遅れたまりさも我が子を助けようと行動を開始した。
しかし、まりさも具体的にどうすれば赤ゆっくり達を助けられるか分からない。だから単純に少しでも子供達に近づこうと、まりさはホットプレートの上に乗った。
ホットプレートの横も上も、ホットプレートからの熱さとは無関係ではいられない。だが二匹は我が子への愛情から、それぐらいの熱さは我慢できるだけの根性は持ち合わせている。
しかし、まりさも具体的にどうすれば赤ゆっくり達を助けられるか分からない。だから単純に少しでも子供達に近づこうと、まりさはホットプレートの上に乗った。
ホットプレートの横も上も、ホットプレートからの熱さとは無関係ではいられない。だが二匹は我が子への愛情から、それぐらいの熱さは我慢できるだけの根性は持ち合わせている。
「ゆ゛ゆ゛っ、おぢびぢゃん!」
既に涙が混じってダミ声になっている声をあげて、まりさは体の下の赤ゆっくり達に呼びかける。
赤ゆっくり達はすぐそばに自分の親が来たことに安堵し一瞬表情を和らげるが、すぐさま苦悶の表情を浮かべて悲鳴を発する。
一匹の赤れいむが親まりさの姿を見つけた瞬間、親元へ行こうと力一杯跳ねたが全力で頭を蓋にぶつけるだけだった。
赤ゆっくり達はすぐそばに自分の親が来たことに安堵し一瞬表情を和らげるが、すぐさま苦悶の表情を浮かべて悲鳴を発する。
一匹の赤れいむが親まりさの姿を見つけた瞬間、親元へ行こうと力一杯跳ねたが全力で頭を蓋にぶつけるだけだった。
「いぢゃいよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!」と再びホットプレートの上に落下し、「あぢゅい゛ぃ゛ぃ゛!!」という鳴き声をジュッという音と共に奏でる。
すぐ間近でそんな光景を見たまりさはすぐさま我が子の側に行こうとするが、出来ない。
蓋が邪魔で、いけない。まりさはゆん、と力を込めて体を沈めてみるが、そんなことで蓋が壊れるわけも、まりさの体が蓋を透過するわけもない。
すぐ間近でそんな光景を見たまりさはすぐさま我が子の側に行こうとするが、出来ない。
蓋が邪魔で、いけない。まりさはゆん、と力を込めて体を沈めてみるが、そんなことで蓋が壊れるわけも、まりさの体が蓋を透過するわけもない。
ゆん、ゆんと無駄かつ滑稽な行動をするまりさとれいむ。無能な親たちの無駄な頑張りの間にも六匹の赤ゆっくり達はその身を刻一刻と焼かれていっている。
既に一匹の赤れいむは完全に底部がホットプレートに張り付いてもう一歩も動けず、熱さから全く逃れることも出来なくなっていた。
もう、涙を流す水もあるまいて。
既に一匹の赤れいむは完全に底部がホットプレートに張り付いてもう一歩も動けず、熱さから全く逃れることも出来なくなっていた。
もう、涙を流す水もあるまいて。
ホットプレートという地獄から唯一逃れた赤れいむはというと、親と同じく姉妹達を助けたいと思いつつも、どうしていいか分からずただ親の周りをうろちょろしながら「ゆっくち! ゆっくち!」と涙交じりの声援を送るだけだった。
バン、バンと頭を蓋にぶつける音。逃れられない地獄で奏でられる悲鳴。ジュゥと焼ける音。
地獄から聞こえる音達をBGMに、ようやくまりさは蓋の取っ手に気づいた。
バン、バンと頭を蓋にぶつける音。逃れられない地獄で奏でられる悲鳴。ジュゥと焼ける音。
地獄から聞こえる音達をBGMに、ようやくまりさは蓋の取っ手に気づいた。
そう、確か青年はあの取っ手を掴んで蓋を持ち上げていた。
その事に遅すぎる時間で思い至ったまりさは、その取っ手を口にくわえた。蓋に乗ったままで。
「ゆぅぅぅぅぅぅぅ!!」と勇ましい声をあげて、まりさは全力を込めた。全力で、蓋を持ち上げようとする。
が、無意味。自分の体が蓋に乗っているというのに、蓋を持ち上げるなど出来るわけもなかった。
その事に遅すぎる時間で思い至ったまりさは、その取っ手を口にくわえた。蓋に乗ったままで。
「ゆぅぅぅぅぅぅぅ!!」と勇ましい声をあげて、まりさは全力を込めた。全力で、蓋を持ち上げようとする。
が、無意味。自分の体が蓋に乗っているというのに、蓋を持ち上げるなど出来るわけもなかった。
そんな事にすら気づかないまりさは、ただ己の子供を助けたい一心で、涙を目にためながら蓋をくわえた口と体に力を込めて、滑稽なかけ声をあげる。
自力で出来るはずもない救助活動にまりさが移ったのと同時に、れいむもまたようやく思い至った。
青年に、助けを求めるという行為に。本来なら、それが一番迅速で的確な行動だというのに。
自力で出来るはずもない救助活動にまりさが移ったのと同時に、れいむもまたようやく思い至った。
青年に、助けを求めるという行為に。本来なら、それが一番迅速で的確な行動だというのに。
「ゆゆっ! おにーさん! れいむだぢのおぢびぢゃんだちをだずげでっ!」
涙でぐずぐずになった顔を青年に向けて、れいむは懇願した。
「おぢびちゃんだぢ、あつがっでるよ! かわいそうだよっ! おにーざん、だづげでっ!」
青年は、応えない。れいむの必死の要請に、指一本動かさない。
「じんじゃうよ! れいぶのおぢびぢゃん、あづいあづいっで、じんじゃうよ゛! だづげで! どぼじでごんなごどじたの!?」
涙を撒き散らしながら、れいむは立っている青年の足元に駆け寄る。足元からは青年の顔はうかがい知れない。どんな表情をしているのか、分からない。
分からない。全くもって分からない。なんで、青年がこんなことをするのかも。
なんで、可愛いおちびちゃんを殺そうとするのかも。
分からない。全くもって分からない。なんで、青年がこんなことをするのかも。
なんで、可愛いおちびちゃんを殺そうとするのかも。
青年は確かに言ったはずだ。子供を作ってもいいと。
あれは嘘だったのか。ただ、子供を殺すためだけにれいむ達に与えた偽りの希望だったのか。
それともあの時の言葉はホンモノであったが、一匹だけという意味だったのか。
分からない。
あれは嘘だったのか。ただ、子供を殺すためだけにれいむ達に与えた偽りの希望だったのか。
それともあの時の言葉はホンモノであったが、一匹だけという意味だったのか。
分からない。
れいむが必死になって懇願し、まりさが無駄な行いを繰り返している間にも、赤ゆっくり達は焼かれている。
頭をぶつけすぎた赤れいむが遂に体力が尽き、おとなしくホットプレートに焼かれている。目からは涙がドバドバと流れ、口からはくぐもった声が漏れている。
ホットプレートを転がっていた赤まりさは、いまやホットプレートの隅で炭になりかけていた。わずかに残った口からは「おが……じゃ……」と小さな小さな呻き声が零れている。
ホットプレートの端をずりずりと焼かれた底部で移動している赤まりさは、「どぼじででられにゃい゛の゛ぉ……」とグズり声をあげながら、徐々に動きを止めていっている。
同じ動作をしていた赤れいむと赤まりさは、二匹揃って仲良く、既に全身焼かれて灼熱の大地の上で事切れている。
頭をぶつけすぎた赤れいむが遂に体力が尽き、おとなしくホットプレートに焼かれている。目からは涙がドバドバと流れ、口からはくぐもった声が漏れている。
ホットプレートを転がっていた赤まりさは、いまやホットプレートの隅で炭になりかけていた。わずかに残った口からは「おが……じゃ……」と小さな小さな呻き声が零れている。
ホットプレートの端をずりずりと焼かれた底部で移動している赤まりさは、「どぼじででられにゃい゛の゛ぉ……」とグズり声をあげながら、徐々に動きを止めていっている。
同じ動作をしていた赤れいむと赤まりさは、二匹揃って仲良く、既に全身焼かれて灼熱の大地の上で事切れている。
れいむとまりさは、助けられない。全身を焼かれて死んでいく我が子を、一匹たりとも助けられない。
青年は助けない。助けられない無能な親と、死んでいく子を眺めながら、一匹たりとも助けない。
あと数分で、ホットプレートで動くものはいなくなるだろう。
それまで、れいむとまりさは己の無力感に苛まれながら、我が子の嘆きの声を聞き続ける。
青年は助けない。助けられない無能な親と、死んでいく子を眺めながら、一匹たりとも助けない。
あと数分で、ホットプレートで動くものはいなくなるだろう。
それまで、れいむとまりさは己の無力感に苛まれながら、我が子の嘆きの声を聞き続ける。
六匹全員熱に焼かれて死んだ。
青年は蓋をあけて、その事を確認すると地獄を逃れて一匹だけ残った赤れいむと、疲れ果てて涙も枯れたれいむとまりさの前に置くと
「せめてこいつだけでも大事に育てるんだな」
そう言い残して、ホットプレートと赤ゆっくりの死体を片付けに行った。
最後の最後まで、青年の真意はゆっくり達に分からずじまいだった。
分かったのは、生まれたばかりの赤ゆっくりが六匹、無残に殺された。
ただ、それだけ。
青年は蓋をあけて、その事を確認すると地獄を逃れて一匹だけ残った赤れいむと、疲れ果てて涙も枯れたれいむとまりさの前に置くと
「せめてこいつだけでも大事に育てるんだな」
そう言い残して、ホットプレートと赤ゆっくりの死体を片付けに行った。
最後の最後まで、青年の真意はゆっくり達に分からずじまいだった。
分かったのは、生まれたばかりの赤ゆっくりが六匹、無残に殺された。
ただ、それだけ。
挿絵:儚いあき