ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1610 れいむはなにができるかな
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れいむはなにができるかな?
れいむになにができるかな?
ある朝起きたら、れいむの頭はそれでいっぱい。
なんだかすごくさびしくなって、友だちさがしてお出かけします。
柔らかくお花が咲く野原で、れいむはまりさに会いました。
「ゆっ! まりさ! れいむはれいむだよ!
いっしょにゆっくりしようね!」
まりさは黒いお帽子をふりふり振って、にやにや笑って答えます。
「れいむになにができるのぜ?
まりさは『かり』ができるのぜ!」
まりさは威張ってぷくーっとふくれて、小さなイモムシつかまえます。
「まりさは『けんか』もできるのぜ!
とってもとっても つよいのぜ!」
まりさは枝をぶんぶん振り回し、ぷくーっとふくれて威張ります。
れいむはぴょんぴょこ逃げ出します。
「ゆっ、れいむは『かり』も『けんか』もできないよ!
またこんど ゆっくりしようね!」
れいむになにができるかな?
大きな木の涼しげな木陰で、れいむはありすに会いました。
「ゆっ! ありす! れいむはれいむだよ!
いっしょにゆっくりしようね!」
ありすはれいむに目もくれず、ゆっくり葉っぱを噛んでいます。
「れいむになにができるかしら?
ありすは『こーでぃねいと』ができるわ」
ありすはぐーちゃぐーちゃと噛んだ葉っぱを、木の幹にべーちゃべーちゃとすりつけました。
「どうかしら? ありすのおえかき、とかいはでしょお?」
れいむにはよく分かりません。
ご機嫌斜めなありすは、大きなぺにぺに見せつけます。
「どうかしら? ありすは『すっきりー』もできるのよ!
いっしょにすっきりしましょお んほぉぉ!」
れいむは慌てておいとまします。
「ゆっ、れいむは『こーでぃねいと』も『すっきりー』もできないよ!
またこんど ゆっくりしようね!」
れいむになにができるかな?
そよそよ静かな森の中で、れいむはぱちゅりーに会いました。
「ゆっ! ぱちゅりー! れいむはれいむだよ!
いっしょにゆっくりしようね!」
ぱちゅりーはほっぺをぷりぷりさせて、れいむをにらみつけました。
「れいむはなにができるのかしら?
ぱちゅりーはかしこいかしこい『けんじゃ』なのよ!」
れいむはにっこり笑います。
「れいむはね、ゆっくりたのしいおしゃべりできるよ!」
「それじゃ、おそらがあおいのはどうしてかしら?
いちたすいちたすいちたすいちたすいちたすいちたすいちはわかるかしら?」
むっきゅり冷たく笑われました。
れいむは困っておわかれします。
「ゆっ、れいむは『けんじゃ』じゃないからそんなにたくさんしらないよ!
またこんど ゆっくりしようね!」
れいむはなにができるかな?
れいむになにができるかな?
ゆんゆん跳ねる小さなおまんじゅうには、何にも分かりません。
とうとうれいむは泣き出してしまいました。
そうして小道でわんわん泣いてると、向こうからスカートをはいた小さな女の子がやってきました。
れいむの頭をぽみゅぽみゅ叩き、
「れいむ、どうして泣いてるの?」
「れいむ、なんにもできないの!」
女の子は優しく言いました。
「れいむは虫さんをわたしのベッドに持ってきたり、暴れて花びんや絵本を壊せるかしら?
れいむは誰かのものを勝手にいじったり、れいぱーになれるかしら?
れいむは賢いのを自慢したり、知ったかぶりができるかしら?」
ゆっくりゆっくり考えて、れいむはもっと泣き出します。
「れいむ、どれもできないよぉ!」
女の子はにっこり。
「それじゃ、わたしと一緒に暮らしましょう」
なんにもできないれいむだけど、スカートをはいた女の子となかよくおさんぽできます。
ゆっくりゆっくり、お日さまが沈みます。
しあわせ、しあわせー。
女の子のお家への帰り道、一匹と一人はお兄さんに会いました。
れいむはゆっくりごあいさつ。
「ゆっ! おにーさん! れいむはれいむだよ!
おねーさんとゆっくりするんだよ!」
大きな皮袋を提げたお兄さんは、笑って女の子に言いました。
「そのれいむはきみと一緒に大きなリンゴも拾えないし、きみの部屋にいるムカデやナメクジも追い出せないよ。
そのれいむはきみと一緒にお茶会も出来ないし、小さな可愛い赤ちゃんを作ってきみを喜ばせることも出来ないよ。
そのれいむはきみと一緒に町へ出て、お釣りや毛糸の目方を数える事も出来ないよ」
れいむと女の子は、なにも答えず寄り添ったまま。
袋の口からは、黒い帽子のようなもの、金色の髪の毛のようなもの、紫のもみあげのようなものが
もごもごうごめいていました。
お兄さんは皮袋の中から乱暴にゆっくりおまんじゅうを取り出します。
「このちぇんを、そのれいむと取り替えてあげよう」
暗い暗いお兄さんの瞳は、どこも見ていないまま。
お兄さんの太い腕に尻尾を掴まれたゆっくりおまんじゅうは、暴れて暴れて金切り声。
「ねぇ、取り替えてよ」
女の子は思わず言いました。
「わたし、何にもいらない」
その言葉を聞いたとたん、
「確かに言ったよ、何もいらないんだね、確かに聞いたよ!」
「ゆーんやぁぁっ!?」
お兄さんはれいむの綺麗なリボンを掴んで皮袋の中に詰め込んだかと思うと、
女の子を振り向きもせずに森の奥へ走り去っていきました。
夕暮れの森の小道に、冷たい夜のじゅうたんがゆっくりと敷き詰められます。
独りぼっちになった女の子。
なんにもできないれいむには、その涙を止めてあげられません。
(終わり)
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ほかの作品
[anko1073] キラキラありす
[anko848] もりのけんじゃ(苦笑)とちびれいむ
[anko719] 目指せ、ゆっくりユートピア
れいむになにができるかな?
ある朝起きたら、れいむの頭はそれでいっぱい。
なんだかすごくさびしくなって、友だちさがしてお出かけします。
柔らかくお花が咲く野原で、れいむはまりさに会いました。
「ゆっ! まりさ! れいむはれいむだよ!
いっしょにゆっくりしようね!」
まりさは黒いお帽子をふりふり振って、にやにや笑って答えます。
「れいむになにができるのぜ?
まりさは『かり』ができるのぜ!」
まりさは威張ってぷくーっとふくれて、小さなイモムシつかまえます。
「まりさは『けんか』もできるのぜ!
とってもとっても つよいのぜ!」
まりさは枝をぶんぶん振り回し、ぷくーっとふくれて威張ります。
れいむはぴょんぴょこ逃げ出します。
「ゆっ、れいむは『かり』も『けんか』もできないよ!
またこんど ゆっくりしようね!」
れいむになにができるかな?
大きな木の涼しげな木陰で、れいむはありすに会いました。
「ゆっ! ありす! れいむはれいむだよ!
いっしょにゆっくりしようね!」
ありすはれいむに目もくれず、ゆっくり葉っぱを噛んでいます。
「れいむになにができるかしら?
ありすは『こーでぃねいと』ができるわ」
ありすはぐーちゃぐーちゃと噛んだ葉っぱを、木の幹にべーちゃべーちゃとすりつけました。
「どうかしら? ありすのおえかき、とかいはでしょお?」
れいむにはよく分かりません。
ご機嫌斜めなありすは、大きなぺにぺに見せつけます。
「どうかしら? ありすは『すっきりー』もできるのよ!
いっしょにすっきりしましょお んほぉぉ!」
れいむは慌てておいとまします。
「ゆっ、れいむは『こーでぃねいと』も『すっきりー』もできないよ!
またこんど ゆっくりしようね!」
れいむになにができるかな?
そよそよ静かな森の中で、れいむはぱちゅりーに会いました。
「ゆっ! ぱちゅりー! れいむはれいむだよ!
いっしょにゆっくりしようね!」
ぱちゅりーはほっぺをぷりぷりさせて、れいむをにらみつけました。
「れいむはなにができるのかしら?
ぱちゅりーはかしこいかしこい『けんじゃ』なのよ!」
れいむはにっこり笑います。
「れいむはね、ゆっくりたのしいおしゃべりできるよ!」
「それじゃ、おそらがあおいのはどうしてかしら?
いちたすいちたすいちたすいちたすいちたすいちたすいちはわかるかしら?」
むっきゅり冷たく笑われました。
れいむは困っておわかれします。
「ゆっ、れいむは『けんじゃ』じゃないからそんなにたくさんしらないよ!
またこんど ゆっくりしようね!」
れいむはなにができるかな?
れいむになにができるかな?
ゆんゆん跳ねる小さなおまんじゅうには、何にも分かりません。
とうとうれいむは泣き出してしまいました。
そうして小道でわんわん泣いてると、向こうからスカートをはいた小さな女の子がやってきました。
れいむの頭をぽみゅぽみゅ叩き、
「れいむ、どうして泣いてるの?」
「れいむ、なんにもできないの!」
女の子は優しく言いました。
「れいむは虫さんをわたしのベッドに持ってきたり、暴れて花びんや絵本を壊せるかしら?
れいむは誰かのものを勝手にいじったり、れいぱーになれるかしら?
れいむは賢いのを自慢したり、知ったかぶりができるかしら?」
ゆっくりゆっくり考えて、れいむはもっと泣き出します。
「れいむ、どれもできないよぉ!」
女の子はにっこり。
「それじゃ、わたしと一緒に暮らしましょう」
なんにもできないれいむだけど、スカートをはいた女の子となかよくおさんぽできます。
ゆっくりゆっくり、お日さまが沈みます。
しあわせ、しあわせー。
女の子のお家への帰り道、一匹と一人はお兄さんに会いました。
れいむはゆっくりごあいさつ。
「ゆっ! おにーさん! れいむはれいむだよ!
おねーさんとゆっくりするんだよ!」
大きな皮袋を提げたお兄さんは、笑って女の子に言いました。
「そのれいむはきみと一緒に大きなリンゴも拾えないし、きみの部屋にいるムカデやナメクジも追い出せないよ。
そのれいむはきみと一緒にお茶会も出来ないし、小さな可愛い赤ちゃんを作ってきみを喜ばせることも出来ないよ。
そのれいむはきみと一緒に町へ出て、お釣りや毛糸の目方を数える事も出来ないよ」
れいむと女の子は、なにも答えず寄り添ったまま。
袋の口からは、黒い帽子のようなもの、金色の髪の毛のようなもの、紫のもみあげのようなものが
もごもごうごめいていました。
お兄さんは皮袋の中から乱暴にゆっくりおまんじゅうを取り出します。
「このちぇんを、そのれいむと取り替えてあげよう」
暗い暗いお兄さんの瞳は、どこも見ていないまま。
お兄さんの太い腕に尻尾を掴まれたゆっくりおまんじゅうは、暴れて暴れて金切り声。
「ねぇ、取り替えてよ」
女の子は思わず言いました。
「わたし、何にもいらない」
その言葉を聞いたとたん、
「確かに言ったよ、何もいらないんだね、確かに聞いたよ!」
「ゆーんやぁぁっ!?」
お兄さんはれいむの綺麗なリボンを掴んで皮袋の中に詰め込んだかと思うと、
女の子を振り向きもせずに森の奥へ走り去っていきました。
夕暮れの森の小道に、冷たい夜のじゅうたんがゆっくりと敷き詰められます。
独りぼっちになった女の子。
なんにもできないれいむには、その涙を止めてあげられません。
(終わり)
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