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anko3089 欲張ってしまったゆっくりの末路
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『欲張ってしまったゆっくりの末路』 36KB
虐待 飾り 同族殺し 番い 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 現代 虐待人間 独自設定 うたた寝の気持ち良さ
虐待 飾り 同族殺し 番い 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 現代 虐待人間 独自設定 うたた寝の気持ち良さ
- 多少の独自設定があります。
- ゆっくりしていってね。
『欲張ってしまったゆっくりの末路』
双葉町のはずれに、人の姿がまったく見えない寂しい、どこか悲しげな雰囲気の公園がある。
かつてこの公園は夕方になると沢山の子どもたちでおおいに賑わっていた。
ところが数年前、少し離れた場所に多くの遊具、綺麗なトイレなどの設備の充実した広く、新しい公園が完成すると、人はそちらへと流れてしまった。
かわりに、この公園にはある”生物”が次々と住み着くようになり、人目に知れず再び賑わい始めていた。
その”生物”とは、ご存知ゆっくりである。
人間が滅多に寄り付かない場所は、野良ゆっくりにとって天国であるといえる。
当初この公園に住んでいたのは、一組の番だけだった。
それから数年経った今では、十を超えるゆっくり家族が生活するゆっくりの楽園となった。
かつてこの公園は夕方になると沢山の子どもたちでおおいに賑わっていた。
ところが数年前、少し離れた場所に多くの遊具、綺麗なトイレなどの設備の充実した広く、新しい公園が完成すると、人はそちらへと流れてしまった。
かわりに、この公園にはある”生物”が次々と住み着くようになり、人目に知れず再び賑わい始めていた。
その”生物”とは、ご存知ゆっくりである。
人間が滅多に寄り付かない場所は、野良ゆっくりにとって天国であるといえる。
当初この公園に住んでいたのは、一組の番だけだった。
それから数年経った今では、十を超えるゆっくり家族が生活するゆっくりの楽園となった。
「ゆっ! それじゃあ、まりさはかりにいってくるんだぜ。れいむ、おちびちゃんたち、きょうもおるすばんをおねがいするんだぜ!」
公園のトイレの裏手にある、ブルーシートが被せられたダンボールハウス。その前で父であるまりさがいった。
「まりさ、ゆっくりいってらっしゃい! にんげんさんにはきをつけてね!」
「おちょーしゃん、いってらっしゃい!」
「まりちゃ、ゆっくちおるすばんするんだじぇ!」
それを送り出すのは番のれいむ。そして、その子どもの赤れいむと赤まりさだ。
「ゆゆ~ん、それじゃあいってくるのぜ! みんな、ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
「「ゆっくちしちぇいっちぇね!」」
お決まりの挨拶を終えたまりさは、軽い跳躍で公園の入り口まで跳ねていった。
このまりさ一家は、この公園に住んでいるゆっくり家族のうちの一つである。
一年前、れいむとまりさの親たちは、町のはずれに人間が滅多にやってこない最高のゆっくりプレイスがあるという噂を耳にした。
彼女らは、未だ見ぬゆっくりプレイスを夢見て、それぞれ自分の子どもを連れてこの公園にやってきた。
この公園が噂通りの場所だったことを確認した親たちは、ここにダンボールで作った住居を構えた。
彼女らの子どもが、まりさとれいむの親にあたる。
まりさとれいむはこの公園で生まれ、理想的な環境の恩恵を受けながら成長した。
二匹はこの公園で生活するうちに必然的に出会い、番になった。
一ヶ月前にはかわいいおちびちゃんたちも生まれ、元気に成長を続けている。幸せの絶頂期といったところだ。
このまりさ一家は、この公園に住んでいるゆっくり家族のうちの一つである。
一年前、れいむとまりさの親たちは、町のはずれに人間が滅多にやってこない最高のゆっくりプレイスがあるという噂を耳にした。
彼女らは、未だ見ぬゆっくりプレイスを夢見て、それぞれ自分の子どもを連れてこの公園にやってきた。
この公園が噂通りの場所だったことを確認した親たちは、ここにダンボールで作った住居を構えた。
彼女らの子どもが、まりさとれいむの親にあたる。
まりさとれいむはこの公園で生まれ、理想的な環境の恩恵を受けながら成長した。
二匹はこの公園で生活するうちに必然的に出会い、番になった。
一ヶ月前にはかわいいおちびちゃんたちも生まれ、元気に成長を続けている。幸せの絶頂期といったところだ。
「それじゃあ、おちびちゃんたち、きょうもあさのおうたをうたおうね!」
れいむは体を上下にのーびのーびさせながらいった。
ゆっくりには、のーびのーびをしながら歌うと声の伸びも良くなるという性質がある。
のーびのーびと歌は切っても切れない関係なのだ。
ゆっくりには、のーびのーびをしながら歌うと声の伸びも良くなるという性質がある。
のーびのーびと歌は切っても切れない関係なのだ。
「やっちゃー! れいみゅ、おうたしゃんだいしゅき!」
「ゆんやぁ……まりちゃはおうたはにがてなのじぇ……」
「ゆふふ、まりさはきにしすぎだよ。でも、おうたがきらいなゆっくりは、ゆっくりできないっていわれちゃうよ。がんばってれんしゅうしようね!」
「「ゆっくちりきゃいしたよ!」」
一家はダンボールハウスを出て、家の前で歌を歌うためのフォーメーションを取った。
れいむを中心として左に赤れいむ、右に赤まりさという位置取りだ。
れいむを中心として左に赤れいむ、右に赤まりさという位置取りだ。
「それじゃあおちびちゃんたち、れいむにあわせておうたをうたってね! ゆっくりのひ~、まったりのひ~」
「ゆ~、ゆ~、ゆゆゆ~、ゆゆゆのゆ~」
「ゆ゛ー、ゆ゛ー、ゆ゛ゆ゛ー! ゆ゛っゆ゛ゆ゛ゆ゛ー!」
一家の歌声が風に乗って公園中に響き渡った。
れいむたちの素晴らしい歌を聴いて、公園のゆっくりたちは皆一様にゆっくりしているに違いない、とれいむは思った。
れいむたちの素晴らしい歌を聴いて、公園のゆっくりたちは皆一様にゆっくりしているに違いない、とれいむは思った。
「さて、ゆっくりおうたもうたいおわったし、ゆっくりあさのうんうんさんにいこうね!」
「ゆっくちりきゃいしたよ! れいみゅ、うんうんしゃんがたまって、おなかがぷーくぷーくだよ!」
「まりちゃは、うんうんしゃんをたっくしゃんしゅるのじぇ! しゅっきりー! するのじぇ!」
れいむと子どもたちは、ダンボールハウスから少し離れたところにある茂みへ向かった。
ここは一家のトイレスペースになっている。
もちろんダンボールハウスにもトイレは作られているが、そこで用を足した場合、その後のうんうん処理が手間になってくるのだ。
緊急を要さない場合は茂みのトイレで用を足す、というのがこの家族が決めたルールである。
普通の野良ゆっくりの場合、臭いを我慢して人目に付かないダンボールハウスの中でうんうんをすることが多い。
人間に見つかる可能性を極力なくすためだ。
家の外にもう一つのトイレを作ることができるということは、ある程度の安全が確保されているということに他ならない。
この公園のゆっくりたちの環境は、それほど恵まれたものなのである。
ここは一家のトイレスペースになっている。
もちろんダンボールハウスにもトイレは作られているが、そこで用を足した場合、その後のうんうん処理が手間になってくるのだ。
緊急を要さない場合は茂みのトイレで用を足す、というのがこの家族が決めたルールである。
普通の野良ゆっくりの場合、臭いを我慢して人目に付かないダンボールハウスの中でうんうんをすることが多い。
人間に見つかる可能性を極力なくすためだ。
家の外にもう一つのトイレを作ることができるということは、ある程度の安全が確保されているということに他ならない。
この公園のゆっくりたちの環境は、それほど恵まれたものなのである。
「きゃわいいれいみゅがうんうんしゅるよ! ……しゅっきりー!」
「まりちゃのすーぱーうんうんたいむ、はじまるのじぇ! ……でりゅ! うんうんでりゅ!」
赤れいむと赤まりさは、あにゃるから自身の大きさの五分の一ほどはあろうかという巨大なうんうんをひねり出した。
「ゆぅぅぅん……。おちびちゃんたちがうんうんするすがたはとってもきゅーとだよぉ……」
排泄を終えた一家は足早にダンボールハウスへと戻った。
うんうんの後は、子どもたちのゆっくりタイムの時間だ。
うんうんの後は、子どもたちのゆっくりタイムの時間だ。
「れいみゅはおんみょーだましゃんをこーろこーろさせてあしょぶよ!」
「まりちゃはほーきさんでおしょらをとぶのじぇ!」
赤れいむはビー玉、赤まりさは手箒を使って思いおもいに遊びだした。
どちらもこの公園で調達したものだ。
どちらもこの公園で調達したものだ。
「こーりょこーりょ! おんみょーだましゃんはとってもゆっくちできるにぇー!」
「まりちゃはとりしゃんになるのじぇ! おしょらをとんでるみちゃいなのじぇ!」
二匹の子どもたちはとても幸せそうに遊んでいる。
これこそ真のゆっくりだとれいむは思った。
これこそ真のゆっくりだとれいむは思った。
「ふふ……しあわせー! なおちびちゃんたちをみていると、れいむもとってもしあわせー! なきもちになれるよ……」
子どもたちが元気に遊ぶ姿を見て、れいむはとてもゆっくりすることができた。
「おちびちゃんたち! そろそろおひるごはんのじかんだよ! ゆっくりおうちにもどろうね!」
れいむがダンボールハウスの中から子供たちを呼んだ。
彼女らがゆっくり遊んでいる間に、れいむは昼食の準備を済ませていた。
彼女らがゆっくり遊んでいる間に、れいむは昼食の準備を済ませていた。
「ゆっくちー! れいみゅ、おなかぺーこぺーこだよ!」
「ゆっくち! ゆっくち! まりちゃはごはんしゃんをむーしゃむーしゃしゅるのじぇ!」
どんな”生物”も遊んだ後はお腹が減る。
赤れいむと赤まりさは、れいむが待つダンボールハウスへ我先にと跳ねていった。
昼食には前日にまりさが集めたご飯の中で、ある程度日持ちするものが出される。
今日はコンビニ弁当の残飯のウインナーとおつまみのピーナッツだった。
赤れいむと赤まりさは、れいむが待つダンボールハウスへ我先にと跳ねていった。
昼食には前日にまりさが集めたご飯の中で、ある程度日持ちするものが出される。
今日はコンビニ弁当の残飯のウインナーとおつまみのピーナッツだった。
「ゆわぁぁ……おいしそーなういんなーしゃんなのじぇ……。まりちゃがまんできないのじぇ! むーちゃむーちゃするのじぇ!」
赤まりさはウインナーの前でダラダラと涎を垂らし、今にも跳びかかりそうな勢いだ。
「ゆゆっ! いもーちょ! ちゃんとたべりゅまえにはいただきましゅをしなきゃだめなんだよっ!」
理性を失いかけている赤まりさを赤れいむが嗜める。
食事をする前にいただきますをいうのは、この家族のルールである。
食事をする前にいただきますをいうのは、この家族のルールである。
「ゆうう……まりちゃすっかりわしゅれてたのじぇ……おねーちゃん、おかーしゃん、ごめんなしゃいなのじぇ……」
赤まりさはぺこりと頭を下げて謝罪した。
「ゆふふ、ちゃんとあやまることができるまりさは、とってもおりこうさんだよ。さぁ、みんなでいただきまーすしようね。ゆっくりいただきます!」
れいむは左右の揉み上げを中心でピタリと合わせながらいった。
「「ゆっくちいただきましゅ!」」
赤れいむと赤まりさもそれに続いた。
「むーちゃむーちゃ……ち、ちあわしぇー!」
赤れいむはウインナーのあまりの美味しさに、うれしーしーを垂れ流している。
「ゆっくちぃぃぃぃ! ういんなーしゃんはゆっくちできるのじぇぇぇ!」
赤まりさは周りにウインナーの屑を飛び散らせながら、必死にそれを屠っている。
「おちびちゃんたち、ぴーなっつさんもおいしいよ。しょくじはえいようばらんすがだいじだよっ!」
れいむはピーナッツをポリポリ音を立てて食べながらいった。
「「ゆっくちりきゃいしたよ!」」
「ゆんゆん、おちびちゃんたちはいいこだねぇ……」
一家の幸せなランチタイムは、瞬く前に過ぎていった。
「ゆふー! まりちゃはもうおなかいっぱいなのじぇ……」
「れいみゅ、もううごけにゃいよぉ……。ぷーくぷーく……」
食事を終えた赤れいむと赤まりさの体はぷっくりとなすび型に膨らんでいる。
テーブルの上のウインナーとピーナッツは綺麗さっぱりなくなっていた。
テーブルの上のウインナーとピーナッツは綺麗さっぱりなくなっていた。
「ゆん! それじゃあ、みんなでおひるねをしようね!」
寝る子は育つ、これはれいむの持論の一つだ。
この一家は昼食の後に、必ず昼寝の時間を設けていた。
この一家は昼食の後に、必ず昼寝の時間を設けていた。
「おかーしゃん! おひりゅねのまえに、しゅーりしゅーりしてほしいんだじぇ!」
今日も赤まりさがれいむの頬に抱きつき、すーりすーりをおねだりする。
このやりとりは毎日のように繰り返されている、日課のようなものである。
このやりとりは毎日のように繰り返されている、日課のようなものである。
「ゆんやああ! いもーちょだけずるいいい! れいみゅもしゅーりしゅーりしてもらうにょぉぉぉ!」
赤れいむも負けじとれいむの揉み上げに飛び込んできた。
母を赤まりさだけに独り占めされたくない、そんな感情が見て取れる。
母を赤まりさだけに独り占めされたくない、そんな感情が見て取れる。
「ゆぅー! おちびちゃんたち、あわてないで。おかあさんはいなくならないからね。ゆっくりすーりすーりしようね!」
一家のすーりすーりタイムが始まった。
赤まりさはれいむの頬に顔を激しく擦り付けながら、もるんもるんと尻を振っている。
赤れいむはれいむの揉み上げにすーりすーりをしながら、体を包みこむ揉み上げをはむはむと噛んでいる。
赤まりさはれいむの頬に顔を激しく擦り付けながら、もるんもるんと尻を振っている。
赤れいむはれいむの揉み上げにすーりすーりをしながら、体を包みこむ揉み上げをはむはむと噛んでいる。
「ゆぅ~ん……。おちびちゃんたち、くすぐったいよぉ……」
しばらくすると、赤れいむと赤まりさはゆぴぃゆぴぃと寝息を立て始めた。
れいむは二匹の体を揉み上げで掴むと、枯れ草で作られたふかふかのベッドに運んだ。
そして子供たちに寄り添い、あっという間に深い眠りについた。
れいむは二匹の体を揉み上げで掴むと、枯れ草で作られたふかふかのベッドに運んだ。
そして子供たちに寄り添い、あっという間に深い眠りについた。
「――しゃん……おかーしゃん」
どこからか声がした。
ゆっくりと目を開けると、暗闇に光が満ちていく。
光の中に二つの小さなシルエットが見える。
れいむが目を開けると、そこにいたのは赤れいむと赤まりさだった。
ゆっくりと目を開けると、暗闇に光が満ちていく。
光の中に二つの小さなシルエットが見える。
れいむが目を開けると、そこにいたのは赤れいむと赤まりさだった。
「ゆん……? どうしたの、おちびちゃんたち……。もうゆうがたのうんうんさんのじかん?」
れいむは半分開いた目を揉み上げでこすりながらいった。
「おかーしゃん。おひさましゃんがはんぶんかたむいたのに、おとーしゃんがかえってこないんだじぇ……」
「いつもおひさましゃんがかたむくまえにはおかえりー! してたのに、しんぱいだよぉ……」
それを聞いたれいむは、ダンボールハウスを飛び出して太陽の位置を確認した。
確かにこの時間まで帰ってこないのはおかしい。
れいむは妙な胸騒ぎがした。
確かにこの時間まで帰ってこないのはおかしい。
れいむは妙な胸騒ぎがした。
「おちびちゃんたち、しんぱいしないでいいからねっ。おうちのなかでゆっくりしていようねっ」
れいむは心配で外へ飛び出しそうになっていた子どもたちを揉み上げで制し、ダンボールハウスの中へ戻した。
自身はブルーシートの隙間から顔だけ出しながら、絶えず周囲の様子を伺っている。
まりさの身になにかが起こったのではないか、とれいむが真剣に考えだした頃、ダンボールハウスに向かってくる一つの影が見えた。
影はどんどんダンボールハウスに近づいてくる。
三十秒もしないうちに、それがまりさだと確認することができた。
自身はブルーシートの隙間から顔だけ出しながら、絶えず周囲の様子を伺っている。
まりさの身になにかが起こったのではないか、とれいむが真剣に考えだした頃、ダンボールハウスに向かってくる一つの影が見えた。
影はどんどんダンボールハウスに近づいてくる。
三十秒もしないうちに、それがまりさだと確認することができた。
「ま、まりさあああああっ!」
れいむは我慢できずにダンボールハウスから飛び出した。
「おとーしゃん!? おとーしゃんがかえってきたのじぇ!?」
「ゆっくちいいいい! おとーしゃん! おとーしゃん!」
赤れいむと赤まりさもそれに続く。
「れいむ、おちびちゃんたち、ただいまなのぜ! あたらしいたべものさんがはえてくるゆっくりぷれいすをみつけたのぜ! そこでかりをしているうちに、おそくなってしまったのぜ! って、どうしたのぜ!?」
帽子を食料でパンパンに膨らませたまりさに、泣きながら飛び込んでいく三匹。
まりさは驚きのあまり後方へ転がってしまった。
まりさは驚きのあまり後方へ転がってしまった。
ダンボールハウスの中へ戻った一家。
帽子の中に入っていた狩りの成果を食料庫に保管したまりさは、会話を再開する。
帽子の中に入っていた狩りの成果を食料庫に保管したまりさは、会話を再開する。
「ゆー、しんぱいしすぎなのぜ! まりさはちょっとやそっとじゃえいえんにゆっくりしないのぜ!」
まりさはゆっへん! とふんぞり返った。
「ゆぅぅん……それでもしんぱいだったんだよぉ……」
れいむは揉み上げでまりさの頬を撫でた。
「まりちゃもしんぱいしすぎたのじぇ! おとーしゃんがねこしゃんやにんげんしゃんなんかにまけるわけないのじぇ!」
赤まりさはキリっとした目でいった。
「おとーしゃんはむてきなんだよっ! さしゅがれいみゅのおとーしゃんだよ!」
赤れいむも二つの小さな揉み上げをピコピコ動かしてそれに同意した。
「ゆぅ……れいむ、おちびちゃんたち、ありがとうなのぜ。おとーさんはこれからもずっとみんなといっしょなのぜ!」
まりさは家族の言葉で胸が熱くなった。
その目には涙が浮かんでいた。
実際のところ、自分が人間とやり合ったらすぐに殺されてしまうことは分かっていた。
だが、今は子どもたちを安心させることが第一だ。
まりさは気丈に振舞った。
その目には涙が浮かんでいた。
実際のところ、自分が人間とやり合ったらすぐに殺されてしまうことは分かっていた。
だが、今は子どもたちを安心させることが第一だ。
まりさは気丈に振舞った。
「ゆぅん……だいすきだよ……まりさ……」
れいむが自身の頬をまりさの頬に当てがい、すーりすーりを始めた。
「ゆっ……れいむぅ……まりさもだぜ……」
特別な感情をこめたすーりすーりは、必然的にすっきりー! へと発展していく。
「ゆんっ……もうがまんできないのぜっ……れいむ、すっきりー! するのぜ……」
まりさは一層すーりすーりの速度を上げていく。
「ゆぅぅ……、だめだよぉ、おちびちゃんたちがみてるよぉ……」
れいむは子どもたちの前ですっきりー! をしようとする恥ずかしさから、頬を赤らめている。
「おちびちゃんたちも、いもうとができたらよろこぶのぜ……。だから、だいじょうぶなのぜ……」
まりさはすーりすーりを止めると、いきり立ったぺにぺにをれいむのまむまむにあてがった。
どうやら今回はぺにまむすっきりー! を行おうとしているようである。
どうやら今回はぺにまむすっきりー! を行おうとしているようである。
「ゆわぁ……しゅごいのじぇ……。あれがおとなのしゅっきりーなのじぇ……」
赤まりさの目は両親の姿に釘付けだ。
「ゆぴぃ……れいみゅにはしげきがちゅよすぎりゅよー……」
揉み上げで両目を隠しながら赤れいむはいう。
けれど、しっかりと目と揉み上げの間に視線が通るだけの隙間があいている。
けれど、しっかりと目と揉み上げの間に視線が通るだけの隙間があいている。
「れいむ、いくのぜぇぇぇぇ!」
「いや、いかなくていいから」
「「「「ゆ!?」」」」
突如、一家とは別の声がダンボールハウスに響いた。
その声と同時にダンボールハウスのブルーシートが取り払われた。
一家が声の方角へ視線を向けると、そこにはリュックサックを背負った人間の男が立っていた。
その声と同時にダンボールハウスのブルーシートが取り払われた。
一家が声の方角へ視線を向けると、そこにはリュックサックを背負った人間の男が立っていた。
「ど、どぼちてにんげんさんがここにいるんだぜえええええ!?」
まりさは口を目一杯開いていった。
「に、にんげんさん……どぼちて……」
れいむは人間への恐怖から無意識のうちにおそろしーしーを垂れ流している。
「ゆっ、これがにんげんしゃんなんだじぇ?」
「ゆわぁ……れいみゅはじめてみちゃよ!」
赤れいむと赤まりさは好奇心に満ち溢れた表情を浮かべている。
恐怖に顔を歪めている両親とは対照的だ。
彼女たちは人間を見るのが初めてだった。
人間を見たことがないということは、同時に人間の恐怖も知らないということである。
日頃人間の生活エリアで狩りをしているまりさはもちろん、まりさと番になるまで短期間狩りを行い、
人間の怖さを身を持って知っているれいむからも、子どもたちは人間の怖さについて、毎日のようにいい聞かされていた。
しかし、実際に人間と遭遇し、を身を持って味わっていない赤れいむと赤まりさには、
その恐怖がしっかりと伝わりきってなかったのだろう。
恐怖に顔を歪めている両親とは対照的だ。
彼女たちは人間を見るのが初めてだった。
人間を見たことがないということは、同時に人間の恐怖も知らないということである。
日頃人間の生活エリアで狩りをしているまりさはもちろん、まりさと番になるまで短期間狩りを行い、
人間の怖さを身を持って知っているれいむからも、子どもたちは人間の怖さについて、毎日のようにいい聞かされていた。
しかし、実際に人間と遭遇し、を身を持って味わっていない赤れいむと赤まりさには、
その恐怖がしっかりと伝わりきってなかったのだろう。
「にんげんさん! おねがいじまず! にんげんさんにめいわくをかけません! だからまりざたちをみのがしてください!」
「れいぶからもおねがいでず! おちびちゃんたちがうまれたばかりなんでず! がわいいがわいいおちびちゃんなんでず!」
まりさとれいむは体を平たく伸ばした。
これは人間でいう土下座にあたる。
これは人間でいう土下座にあたる。
「いや、俺はまだなにかするとはいってないんだがな……」
男は頬を人差し指でポリポリ掻きながらいった。
「に、にんげんさん、まりさたちをみのがしてくれるんですか!?」
「ありがとうございます! にんげんさん、ありがとうございます!」
まりさとれいむは安堵感から涙を流した。
「いや、なにもしないともいってねーから」
直後に男が発した言葉が二匹の淡い希望を粉々に打ち砕いた。
「家の前のゴミ捨て場が荒らされてると思ったら、ゆっくりがいるからよ。その時潰してやろうと思ったが、こいつをつけたら野良の住処が分かると思ってな。そうしたら、こんな所に公園があるじゃねえか。地元民の俺でも知らなかったぜ」
どうやらまりさは男にゴミ漁り現場を目撃されていたようだ。
その後、この公園に向かうまでつけられていたというわけである。
その後、この公園に向かうまでつけられていたというわけである。
「ごべんなざい! あのゆっくりぷれいすにいったのははじめてでず! もっとれいむとおちびちゃんたちにごはんさんをたべさせてあげたかったんでず! もうにどといきません! ゆるじでぐだざい!」
まりさは再び顔を擦り付けて土下座した。
「分かってねーな。ゴミ捨て場を漁るという行為自体がアウトなんだよ。あそこを荒らさなければ良いというわけじゃねーんだ」
「で、でも、たべものさんがはえてくるゆっくりぷれいすにいけないと、まりざたちはいきていけまぜん! おちびちゃんたちはにーがにーがなざっそうさんをたべられないし、さいきんはざっそうさんがあまりとれないんでず! ゆっくりがみんなでざっそうさんをたべたら、すぐになくなってしまいまず!」
まりさは恐る恐る反論した。
「じゃあ、死ねよ」
「ゆ……?」
男からの返事は非情なものだった。
「人間に迷惑かけないと生きられないなら、死ねっていってるんだよ。そもそも動く饅頭が生きてるとかいうの、おかしくね?」
男は嘲笑うように吐き捨てた。
「ど、どぼちてそんなこというのおおおお!? ゆっくりだって、いきてるんだよ!?」
まりさとしては、これだけは認めるわけにはいかなかった。
ゆっくりも人間と同じように食べる、寝る、笑う、悲しむ、家族を大切にする。
そう、ゆっくりだって、生きているんだ。
ゆっくりも人間と同じように食べる、寝る、笑う、悲しむ、家族を大切にする。
そう、ゆっくりだって、生きているんだ。
「ゆっくりが生きてる? 冗談も程々にしとけよ。ある日突然この世に現れた、なにから進化したかもわからない不思議饅頭。ただの小麦粉と餡子が、どういう仕組みで動いているかも未だわかっていない。これのどこが生きてるっていうんだ?」
「ゆ、ゆうううう……むずかしいことはわからないのぜ……でも、まりさもいきてるんだぜぇ……」
まりさは反論することができない。
考えることに集中しているのか、だぜ口調に戻っている。
まりさと男の間に沈黙が訪れた。
そのままお互い無言の状態が約一分程続いた。
考えることに集中しているのか、だぜ口調に戻っている。
まりさと男の間に沈黙が訪れた。
そのままお互い無言の状態が約一分程続いた。
「さっきから、いったいなんなのじぇ!」
沈黙を破ったのは、男、まりさ、どちらの声でもなかった。
声の主は赤まりさだった。
声の主は赤まりさだった。
「にんげんしゃんはゆっくちしてないのじぇ! さっきからなんなのじぇ? にんげんしゃんをちゅうしんにせきゃいがまわってるとおもってるのじぇ? せかいはゆっくちをちゅうしんにまわってるのじぇ! ゆっくちりかいしてにぇ!」
「いもーちょ、よくいったにぇ! くしょにんげんはさっさとかえってにぇ!」
赤まりさと赤れいむは、男に向かって次々と罵声を浴びせかける。
それを聞いてもまったく表情を変えず涼し気な男。
それに対してまりさとれいむの表情は、絶望に満ちていった。
しばらくすると、男が口を開いた。
それを聞いてもまったく表情を変えず涼し気な男。
それに対してまりさとれいむの表情は、絶望に満ちていった。
しばらくすると、男が口を開いた。
「そうだ、そんなに俺のことが嫌いなら、俺を殺せばいいんじゃないか? 少しの間なら、一切抵抗しないでやるぞ?」
男の口から、ゆっくりにとって理想的な提案が飛び出した。
「ゆぷぷ! いいのじぇ? まりちゃ、やっちゃうのじぇ? ほんとうにいいのじぇ?」
「れいみゅにかかればにんげんなんていちこりょだよ!」
「よし、それじゃあやってみろ。ただし、殺せなかった時はどうなるかわかってるな?」
「しょんなしんぱいいりゃないのじぇ! まりちゃがまけるはずないのじぇー!」
「しょんなしんぱいいりゃないのじぇ! まりちゃがまけるはずないのじぇー!」
「ばきゃなの? しぬにょ? そんにゃの、ありえにゃいよ!」
赤まりさと赤れいむはダンボールハウスの片隅から小枝とビー玉を持ち出した。
「まりちゃは、えだしゃんでにんげんしゃんをぷーすぷーすしゅるのじぇ!」
「れいみゅは、おんみょーだましゃんでくしょにんげんをえいえんにゆっくちさせるよっ!」
「「えいえいゆー! ゆっゆおー!」」
赤まりさと赤れいむは掛け声を合わせて気合を入れると、男目がけて飛びかかった。
「まりちゃのえだしゃんでえいえんにゆっくちしゅるのじぇー!」
「おんみょーだまをくりゃえぇぇぇ!」
赤まりさは小枝を、赤れいむはビー玉を使った攻撃を男の靴に向けて繰り出した。
しかし、結果は散々だった。
しかし、結果は散々だった。
「ど、どぼちてなんだじぇえええ!」
「ゆんやああああ! れいみゅのおんみょーだましゃんがああ!?」
赤まりさの枝も、赤れいむのビー玉も、男の靴に傷一つ付けられず跳ね返されてしまった。
「お前ら……ふざけてるのか? 本当にそんなので俺に傷をつけられるとでも思ってるなら、お笑いだな」
男はため息をつきながらいった。
「ゆっぎいいい! いまのは、りはーしゃるなのじぇ!」
「あしょんでただけだよ! ばきゃなの!? しにゅの!?」
赤まりさと赤れいむは必死に強がりを口走る。
そんな二匹をおちょくるように、男が口を開いた。
そんな二匹をおちょくるように、男が口を開いた。
「はい、サービスタイム終了ー。これより虐殺タイムに入りまーす」
即座に男は、赤れいむを右手の親指と人差し指で肩の高さまでつまみ上げた。
「おしょらをとんでるみちゃい!」
赤れいむはキリっとした顔でいった。
だが、すぐに自分の置かれた状況に気付き、涙とおそろしーしーを流した。
だが、すぐに自分の置かれた状況に気付き、涙とおそろしーしーを流した。
「ゆっぴい゛い゛い゛い゛!? たきゃいたきゃいだよぉぉぉ! こわいよぉぉぉ! おとーしゃああん、おかーしゃああん、いもーちょぉぉぉ、たしゅけてえ゛え゛え゛え゛え゛!」
唯一動かせる尻をぷりぷり振りながら、赤れいむは叫んだ。
「ゆんやあああっ! おねーしゃんをはなちゅのじぇぇぇ!」
「おちびちゃあ゛あ゛あ゛あ゛ん!? にんげんざん! おねがいでず! おちびちゃんをゆるしてあげてください!」
「にんげんさんにおいたをしたのはあやまりまず! どうかゆるじでぐだざい!」
「いや、お前ら都合が良すぎない? さっき俺を殺そうと攻撃する餓鬼どもを止めなかったよね? 攻撃しても良いっていったのは俺だけど、普通それが悪いことだってことはわかるよね」
「ゆっ……そ、それは……」
「ゆうううん……」
まりさとれいむは男に反論することができない。
ゆっくりの餡子脳では、この正論を跳ね返す言葉を瞬時に思くことは不可能だった。
ゆっくりの餡子脳では、この正論を跳ね返す言葉を瞬時に思くことは不可能だった。
「だから俺はこの餓鬼を潰してやるよ。俺だけ攻撃されて、お前らはなにもされないっていうのは、とっても不公平だよね」
男は赤れいむをつまむ指にゆっくり力を入れていく。
赤れいむの体は徐々になすび型へと変形していく。
赤れいむの体は徐々になすび型へと変形していく。
「ゆぴぃ゛ぃ゛ぃ゛っ! いちゃいよぉ゛ぉ゛ぉ゛! くるぢい゛よぉ゛ぉ゛ぉ゛!」
赤れいむの尻が苦しみによって一層激しく動く。
「おねーちゃ……ゆっくち……ゆっくちしちぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」
「にんげんざん゛ん゛ん゛ん゛ん゛! やべでぐだざい゛い゛い゛い゛!」
「おちびぢゃんがいだがっでまずう゛う゛う゛! やべでね、ゆっぐりやべでねえ゛え゛え゛!」
一家の嘆願を無視するかのように、男は指に力をこめていく。
赤れいむはなすび型を通り越し、ひょうたんに近い形にまで変形していた。
赤れいむはなすび型を通り越し、ひょうたんに近い形にまで変形していた。
「ゆぴっ……れいみゅ、ちゅぶれりゅっ! ちゅぶれりゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!」
口、目、まむまむ、あにゃる、赤れいむの体が不自然に膨らんでいく。
「ちゅぶれりゅっ! ちゅぶれりゅっ! ちゅぶれっぶびぶぶっ!」
赤れいむの両目がまぬけな音をたてて吹き飛び、目玉を失った眼孔、口、まむまむ、あにゃる、
体に存在するすべての穴から餡子を噴出させた。
赤れいむの餡子が真下にいる三匹に降り注ぐ。
それはまるで返り血を浴びているようだった。
体に存在するすべての穴から餡子を噴出させた。
赤れいむの餡子が真下にいる三匹に降り注ぐ。
それはまるで返り血を浴びているようだった。
「おねーちゃ……? どこにいっちゃったのじぇ……?」
赤まりさがいった。
彼女はなにが起こったか理解できないようだ。
彼女はなにが起こったか理解できないようだ。
「おちび……ちゃん……」
「れいむ……どぼちて……どぼちてなんだぜえ゛え゛え゛!?」
赤まりさとは違い、まりさとれいむは赤れいむになにが起こったか理解できているようだ。
二匹とも嘆きの表情を浮かべている。
二匹とも嘆きの表情を浮かべている。
「はい、ゴミ饅頭一匹掃除完了。次はちっこい黒帽子を制裁しまーす」
残された一家に悲しむ暇を与えることなく、男の右手が赤まりさに向かって徐々に近づいていく。
「ゆっ……ゆぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ……おとーしゃん! おかーしゃん! たしゅけて……まりちゃをたしゅけてぇ゛ぇ゛ぇ゛!」
しかしまりさとれいむは即座に動き出すことができなかった。
自分たちの抵抗など、人間にとってはほぼ無意味であり、
下手に動いたほうが悪い結果になってしまうということを、彼女たちは理解していた。
自分たちの抵抗など、人間にとってはほぼ無意味であり、
下手に動いたほうが悪い結果になってしまうということを、彼女たちは理解していた。
「ゆううう!? どぼちて、どぼちてたしゅけてくれないにょ!? おとーしゃんはちゅよいんじゃなかったにょ!? まりちゃをたしゅけてくれにゃいの!?」
男の右手は赤まりさの眼と鼻の先まで迫った。
自身の何倍もある巨大な壁が眼前まで迫っているような感覚に、赤まりさは襲われているだろう。
彼女は足が竦んでしまい、一歩たりとも動くことができなかった。
それを見たまりさは我慢することができなかった。
赤れいむは死なせてしまったが、赤まりさだけは絶対に守る、自分の身はどうなってもと構わない、そんな決意をした。
その決意がれいむを巻き込んでしまうということも分かっていた。
自身の何倍もある巨大な壁が眼前まで迫っているような感覚に、赤まりさは襲われているだろう。
彼女は足が竦んでしまい、一歩たりとも動くことができなかった。
それを見たまりさは我慢することができなかった。
赤れいむは死なせてしまったが、赤まりさだけは絶対に守る、自分の身はどうなってもと構わない、そんな決意をした。
その決意がれいむを巻き込んでしまうということも分かっていた。
「れいむ……ごめんなのぜ……」
まりさは一言そう呟くと、男の右手に向かって全力で体当たりした。
「チッ!」
右手に衝撃を受けた男は、思わず手を引っ込めた。
ダメージこそ与えられないものの、バスケットボールサイズのゆっくりの体当たりには、それなりの威力があった。
ダメージこそ与えられないものの、バスケットボールサイズのゆっくりの体当たりには、それなりの威力があった。
「おちび! いまのうちににげるんだぜ! にんげんはまりさがくいとめるのぜ! ぷくううううううう!」
赤まりさに向かってまりさが叫ぶ。
同時に男と赤まりさの間に割って入り、大きく息を吸い込んでぷくー! をした。
同時に男と赤まりさの間に割って入り、大きく息を吸い込んでぷくー! をした。
「ゆぅぅ……でも、おとーしゃんとおかーしゃんが……」
赤まりさは動けず、おろおろとしている。
「いいからいくのぜ! まりさたちはぜったいにいきのびるのぜ。だから、おちびはあんしんしていくのぜ!」
その言葉を聞き、赤まりさはまりさに背を向け、茂みに向かって跳ねだした。
それを見ていたれいむもまりさの横まで跳ね、同じようにぷくー! をして立ちふさがった。
それを見ていたれいむもまりさの横まで跳ね、同じようにぷくー! をして立ちふさがった。
「糞饅頭どもが調子に乗りやがって……。現実を見せてやる」
「まもるのぜ、おちびはぜったいにまもるのぜ。ぷくうううう!」
「おちびちゃんだけは、れいむがぜったいににがしてみせるよ! ぷっくうううう!」
男は足早にぷくー! をしている二匹の前まで移動すると、左手でまりさの頭、右手でれいむの頭を掴み、後方へぶん投げた。
「「おそらをとんでるみたい!」」
二匹はトイレの壁に激突し、ゆべっ! といううめき声を上げながら、地面へ落ちていった。
「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっくちにげるのじぇ! ゆっくちにげるのじぇ!」
赤まりさは懸命に茂みに向かって跳ね続けていた。
後ろを振り返ることはしなかった、できなかった。
後ろを見るのが怖かったこともあるが、振り返ることによって、少しでも歩みを遅らせるわけにはいかなかったからだ。
身を呈して自分を守ってくれた両親の決意を無駄にするわけにはいかなかった。
しかし、突如目の前に突き刺さった黒い巨塔が赤まりさの行く手を阻んだ。
後ろを振り返ることはしなかった、できなかった。
後ろを見るのが怖かったこともあるが、振り返ることによって、少しでも歩みを遅らせるわけにはいかなかったからだ。
身を呈して自分を守ってくれた両親の決意を無駄にするわけにはいかなかった。
しかし、突如目の前に突き刺さった黒い巨塔が赤まりさの行く手を阻んだ。
「残念だったな。だが、三十秒近く時間を稼いでもらって、二メートルも進んでないとはどういうことなんだ?」
赤まりさの移動速度は致命的に遅かった。
茂みまでの距離は一メートル以上も残されていた。
茂みまでの距離は一メートル以上も残されていた。
「ゆ、ゆぴぃ……」
赤まりさは腰を抜かしたのか、その場にへたりこんでしまった。
ぷくっと膨れていた体は潰れ、まるで肉まんのようだった。
男の右手がふたたび赤まりさに迫る。
赤れいむのように潰れることを覚悟した赤まりさは、両目をギュッと瞑った。
ぷくっと膨れていた体は潰れ、まるで肉まんのようだった。
男の右手がふたたび赤まりさに迫る。
赤れいむのように潰れることを覚悟した赤まりさは、両目をギュッと瞑った。
――しかし、いつまで経っても自分が潰れる気配はない。
赤まりさは恐る恐る目を開けた。
赤まりさの前には、目を瞑る前と同じように男が立っていた。
けれど、先ほどとは違い、男はニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべている。
ふと赤まりさはある違和感を覚えた。
妙に普段よりも頭が軽いのである。
目線を上へ向けてみると、いつも見えるはずの帽子のつばが見えないことに気付いた。
赤まりさは恐る恐る目を開けた。
赤まりさの前には、目を瞑る前と同じように男が立っていた。
けれど、先ほどとは違い、男はニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべている。
ふと赤まりさはある違和感を覚えた。
妙に普段よりも頭が軽いのである。
目線を上へ向けてみると、いつも見えるはずの帽子のつばが見えないことに気付いた。
「お、おぼーち!? まりちゃのえれがんとでごーじゃすなおぼーち、どこなんだじぇ!?」
赤まりさは体をぐーねぐーね動かして、頭の上にあるはずだった帽子を探した。
男は赤まりさを見て一層歪んだ笑みを浮かべた。
そして、握っていた右手をゆっくりと開いていく。
男は赤まりさを見て一層歪んだ笑みを浮かべた。
そして、握っていた右手をゆっくりと開いていく。
「ゆゆ!? おぼーち! まりちゃのおぼーち、なんでしょんなところにあるんだじぇ!?」
開かれた男の右手の上には、赤まりさの帽子が載っていた。
「まりちゃのおぼーちかえしちぇね! ゆっくちかえしちぇね!」
男は帽子の先端を摘まみ、赤まりさの目の前ですいすいと泳がせるように動かした。
赤まりさは、おぼーち! と叫びながら帽子に跳びかかった。
が、寸前でかわされ、顔から地面へ突っ込んでしまう。
赤まりさは、おぼーち! と叫びながら帽子に跳びかかった。
が、寸前でかわされ、顔から地面へ突っ込んでしまう。
「ゆっぴいいい! まりちゃのおぼーち、いじわるしにゃいでもどってきてにぇ!」
赤まりさは何度も帽子へ向かって跳ね、その度に地面に激突する。
さながら赤まりさは闘牛、男は闘牛士のようであった。
さながら赤まりさは闘牛、男は闘牛士のようであった。
「ゆはぁ……ゆはぁ……。おぼーちしゃん……どぼちてゆっくちしてくれにゃいの……」
しばらくすると、赤まりさはぐったりと潰れて動けなくなってしまった。
それを見た男は、リュックサックを地面に降ろすと、その中からハサミを取り出した。
それを見た男は、リュックサックを地面に降ろすと、その中からハサミを取り出した。
「おいガキ、聞こえてるか? 今からお前の大切なお帽子さんがバラバラになっちゃうからな。よーく見てろよ」
男は右手でハサミを持ち、ジョキジョキと空を切った。
「や、やめるのじぇ! おぼーちにいじわりゅしちゃだめなのじぇ!」
赤まりさは激しく拒絶の反応を見せた。
先ほどまでぐったりしていたのが嘘のようだ。
先ほどまでぐったりしていたのが嘘のようだ。
「そうか……。そんなにいうなら止めてやるか……」
「ほ、ほんとうなのじぇ!?」
赤まりさはパアッと笑顔になった。
「嘘だよバーカ」
ハサミが小気味良い音を立てながら、赤まりさの帽子をバラバラに切り刻んだ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
赤まりさの断末魔のような悲鳴が周囲一帯にこだました。
「おぼーちしゃん……、まりちゃのおぼーちしゃん……。ゆっくちなおってにぇ……ぺーろぺーろ……」
赤まりさは、必死に帽子を自身の舌で舐めて直そうとしている
。無論、そんなことで直るはずがないのだが。
。無論、そんなことで直るはずがないのだが。
「ゆ……ゆゆ……」
男の後方から声がした。男が振り返ると、男に放り投げられた衝撃で気絶していたまりさが目覚めていた。
「まりさはねむってたのぜ……? ……おちび、おちびはどこなのぜ!? くそにんげん! おちびをどこにやったのぜ!」
まりさは周囲を見渡しながらいった。
男はまりさに悟られぬよう心の中で笑うと、帽子のない赤まりさを指さした。
男はまりさに悟られぬよう心の中で笑うと、帽子のない赤まりさを指さした。
「ゆっ! おちょーしゃん! まりちゃのおぼーちが、ゆっくちできなくなっちゃったのじぇ……。たしゅけてほしいのじぇ……」
まりさに気付いた赤まりさが、彼女に駆け寄っていく。
「ゆっくりしねぇ!」
しかし、赤まりさを待っていたのは、まりさのおさげによる一撃だった。
「ゆびぇっ!」
後方へ転がっていく赤まりさ。
体格差ゆえ、非力なゆっくりのおさげによる一撃も、彼女にとっては巨大な丸太で殴られるのと同じである。
体格差ゆえ、非力なゆっくりのおさげによる一撃も、彼女にとっては巨大な丸太で殴られるのと同じである。
「なんなのぜ、このゆっくりできないゆっくりは! こんながまりさのおちびだなんて、ざれごともほどほどにするんだぜ! はやくおちびをつれてくるのぜ!」
「いや、だからそいつがお前の餓鬼なんだってば」
「まりさだってばかじゃないのぜ! そんなわかりきったうそにはだまされないのぜ!」
まりさは軽蔑の視線を帽子のない”赤まりさ”に向けながらいった。
「おとーしゃん……ひどいのじぇ……。まりちゃはまりちゃなのじぇ……。どぼちてわかってくれにゃいのじぇ……」
それでも赤まりさは、痛みを堪えて懸命にまりさの元へ這っていく。
その先に待っているのはまりさの優しいすーりすーりではなく、無情なおさげでの一撃とも知らずに。
その先に待っているのはまりさの優しいすーりすーりではなく、無情なおさげでの一撃とも知らずに。
「ゆびいっ! ゆべえっ! ゆっぴいっ!」
まりさのおさげが赤まりさを何度も何度も吹き飛ばす。
いつの間にか、赤まりさの顔面は鞭で打たれたかのように赤紫色に腫れ上がっていた。
しかし、赤まりさは擦り寄ることを止めなかった。
いつの間にか、赤まりさの顔面は鞭で打たれたかのように赤紫色に腫れ上がっていた。
しかし、赤まりさは擦り寄ることを止めなかった。
「しつこいのぜ! これでとどめなのぜ!」
「お、おとーしゃ……」
まりさは高く跳躍すると、全体重をもって赤まりさを踏み潰した。
まりさがその場所からぴょんと跳ぶと、そこには小さな、黒い染みだけが残っていた。
まりさがその場所からぴょんと跳ぶと、そこには小さな、黒い染みだけが残っていた。
「ゆぷぷ! ゆっくりできないゆっくりをせいっさいっしてやったのぜ! まりさ、きがきくゆっくりでごめんねー!」
小躍りしながら自身の行動を自画自賛するまりさ。
男は必死に笑いを堪えながら、黒い染みの上に赤まりさの帽子の残骸を載せた。
男は必死に笑いを堪えながら、黒い染みの上に赤まりさの帽子の残骸を載せた。
「おい、まりさ」
「ゆっふぅ……なんなのぜぇ?」
男は親指で染みの方向を指差す。
「あれがどうかしたのぜ……? ゆっ、ゆゆゆっ? お、おちびい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!?」
まりさは慌てて”赤まりさだった染み”に跳ね寄った。
「おちび……ばりざのおちび……どぼちてこんなことに……。ゆっぎいい! くぞにんげん! よくもばりざのおちびをころじだなあああっ!?」
「いや、殺したのお前だし」
「はあああああ!? さっきもいったけど、いくらまりさでもわかりきったうそにはだまされないのぜ!? いいかげんにするのぜ!」
再び染みの上から赤まりさの帽子の残骸が取り払われる。
今回はその瞬間を、まりさはしっかり見ていた。
今回はその瞬間を、まりさはしっかり見ていた。
「ゆっ……? おちびのしみが、ゆっくりできないゆっくりのしみになったのぜ……?」
瞬時に理解することができないまりさ。
男はまりさに理解させるため、再び帽子の残骸を染みに載せ、すぐに取り払った。
男はまりさに理解させるため、再び帽子の残骸を染みに載せ、すぐに取り払った。
「ゆううう? ゆっくりできないゆっくりのしみが、おちびのしみで……ということは、ゆっくりできないゆっくりはおちびで……? ゆっ、ゆっがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
ようやくまりさは理解した。
自分自身の手で、最愛の赤まりさを永遠にゆっくりさせてしまったということを。
まりさはショックからか、激しくのたうち回っている。
同族殺し、特に自身の子どもを殺すことは、ゆっくりにとって最高にゆっくりできない事柄の一つである。
自分自身の手で、最愛の赤まりさを永遠にゆっくりさせてしまったということを。
まりさはショックからか、激しくのたうち回っている。
同族殺し、特に自身の子どもを殺すことは、ゆっくりにとって最高にゆっくりできない事柄の一つである。
「ゆっ……ゆっくりおきたよ。まりさ、どうしたの?」
まりさに遅れること十分、ようやくれいむも目覚めたようだ。
半開きの目を揉み上げでこすりながら、まりさの横まで這い寄ってきた。
それを見た男の手により、再び赤まりさの帽子の残骸が染みの上に置かれる。
半開きの目を揉み上げでこすりながら、まりさの横まで這い寄ってきた。
それを見た男の手により、再び赤まりさの帽子の残骸が染みの上に置かれる。
「ゆっ……? お、おちびちゃあああん! どぼじで、どぼじでこんなことにい゛い゛!? もうがまんできないよ! おんこうなれいむでも、ぜったいにゆるせないよお゛お゛お゛!」
れいむは怒りに任せて揉み上げを地面に叩きつけている。
「やったのはまりさだぞ?」
それを聞いて、れいむの揉み上げの動きがピタリと止まる。
「ゆゆ? ど、どういうことなの……?」
「そこの黒帽子の餓鬼を潰したのは、そこのまりさだっていってるんだ」
「そ、そうなの……? まりさ……?」
まりさの方を見ながら、れいむは訊いた。
「そうなのぜ……まりさがやったのぜ……」
「どぼちて? どぼちでまりざがおちびちゃんをえいえんにゆっくりさせたの!?」
二匹のやりとりを、男は静観している。
これから開演するであろう泥沼劇を楽しみにしているようだった。
これから開演するであろう泥沼劇を楽しみにしているようだった。
「くそにんげんに、ひきょうなてをつかってだまされたのぜ……。まりさはそのしょっくでさっきまでないていたのぜ……」
まりさの口から飛び出したのは、とんでもない言い訳だった。
「ゆうううん……かわいそうなまりさ……。まったく、ほんとうにくそにんげんはげどうだよ……」
そんなまりさの稚拙な言い訳を、れいむはあっさり信用した。
流石に男もこれには唖然としている。
流石に男もこれには唖然としている。
「やれやれ、ゆっくりを舐めていたよ……。ここまで馬鹿だとはな」
「くそにんげんのいうことなんてしんじないよっ! れいむにはわかるんだよっ! まりさのおめめはうそをついてるおめめじゃないんだよっ!」
「れいむ……。ありがとうなのぜ。さすがまりさのおよめさんなのぜ」
「「ゆゆ~ん」」
男は地面に唾を吐くと、リュックサックの中を漁った。
リュックサックの中から出てきたのは、円筒状の器具である。
リュックサックの中から出てきたのは、円筒状の器具である。
「れいむ、お前は絶望的に目が悪いようだな。俺が治療してやろうじゃないか」
男はまりさを軽く蹴飛ばすと、れいむを鷲掴みにし、地面にしゃがみ込み、両足の間に挟んで固定した。
「レーシック手術ってやつを知っているか? まぁ、ゆっくりが知るはずがないか」
男はれいむの右まぶたを親指と人差し指で固定し、右手に持った器具を右目に近づけた。
「これは昔流行ったレーザーポインターっていうおもちゃでな。レーシック手術に使うレーザー治療器なんかとは、まったくの別物さ。でも、デタラメなゆっくりなら同じ効果を得られるんじゃないかと思ったわけだ」
男がレーザーポインターのボタンを押すと、先端から赤い光が照射された。
「ゆう゛う゛う゛う゛!? まぶしいよお゛お゛お゛!?」
レーザー光がれいむの右目の一点を照らし続ける。
れいむは数秒ほど眩しさだけを感じていた。
しかし、すぐにそれは痛みへと変わる。
れいむは数秒ほど眩しさだけを感じていた。
しかし、すぐにそれは痛みへと変わる。
「ゆびいっ!? あ、あじゅい゛い゛い゛い゛! おべべがあじゅい゛い゛い゛い゛い゛!」
れいむは眼球が焼けるような痛みを我慢できず、少量の餡子を吐いた。
レーザー光の照射はその後三十秒ほど続き、その後左目にも同じように照射された。
一分後、やっとれいむが開放された。
れいむはショックからか、放心状態にあった。
痛みから復帰したまりさは、慌ててれいむの元へ跳ねよろうとする。
レーザー光の照射はその後三十秒ほど続き、その後左目にも同じように照射された。
一分後、やっとれいむが開放された。
れいむはショックからか、放心状態にあった。
痛みから復帰したまりさは、慌ててれいむの元へ跳ねよろうとする。
「おっと、お前はここで見ていてもらおうか」
「ゆぎゅっ!」
しかし、その途中で男の足によって止められてしまった。
男はまりさを踏みつけながら、れいむのほうを見つめている。
男はまりさを踏みつけながら、れいむのほうを見つめている。
「ゆゆっ……れいむ……またすーやすーやしちゃってたのかな……?」
れいむが放心状態から回復し、再び双眸が開かれる。
「あれ……もうよるさんになっちゃったの? まっくらでなにもみえないよ……?」
れいむの目は焦点が合っていない。
ぼんやりとしていて、光を宿していないかのようだ。
ぼんやりとしていて、光を宿していないかのようだ。
「れいぶう゛う゛う゛! ここだよお゛お゛お゛! まりさはここだよお゛お゛お゛!」
まりさは体を伸ばして必死に叫ぶ。
「まりさ、そこにいるの? もうよるさんになっちゃったの?」
れいむはまりさの声がした方角へ向かって呟く。
「ゆっ……? れいむ……どうしたの……? まだゆうがたさんだよ……?」
「ゆ……どぼちて……? れいむのおめめ……なくなっちゃったの……?」
れいむは揉み上げを使って眼を確認する。
「れいむのおめめ、なくなってないよ……。なのに、なんでみえないの……?」
壊れたおもちゃのように、れいむはふらふらと這いずり回る。
「いやだよ……。まりさ、どこなの……? たすけて……れいむをたすけてよ……。こわいよ……」
「れいぶう゛う゛う゛う゛! こっぢだよお゛お゛お゛! まりざはここにいるよお゛お゛お゛! 」
「ばりざっ……ばりざぁぁぁぁぁ!」
まりさの元へ、れいむは懸命に這っていく。
「もうすぐだよおお! れいむ、がんばってえええ!」
「まりさっ……まりさまりさまりさっ! まりさぁぁぁあ゛ぶぶぇ゛ぇ゛っ!」
れいむとまりさの肌が触れ合おうとした時、まりさの頭から離れた男の右足が、れいむをグチャグチャに踏みつぶした。
「あ゛あ゛あ゛あ゛! れいぶ……、れ゛い゛ぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」
まりさは地面に顔を擦りつけ、泣いた。
彼女の精神は限界だった。
この一時間あまりで起こった出来事は、彼女の精神を破壊するには十分だった。
彼女の精神は限界だった。
この一時間あまりで起こった出来事は、彼女の精神を破壊するには十分だった。
「ぼうやだ……なんでまりしゃはゆっくちできないの……? もっとゆっくちさせてよ……」
まりさの精神は幼児退行を起こしていた。
このまま非ゆっくち症に発展していくのは間違いないだろう。
このまま非ゆっくち症に発展していくのは間違いないだろう。
「あーあ、壊れちゃいそうだな。あんまり非ゆっくち症には興味ないんだよな。今のうちに潰しとくか」
「ゆぎゅるぶっ!」
男の足が徐々にまりさを圧し潰していく。
「ゆっぴいいい! いたいのいたいのいやなのじぇえええ! だれかまりしゃをたすけるのじぇえええ!? ありす! ぱちゅりー! どこかでみてるのじぇええ!?」
それを聞いた男は、はっとして辺りを見渡す。
すると、確かにゆっくりの気配を感じ取ることができた。
すると、確かにゆっくりの気配を感じ取ることができた。
「ほう、気付かなかったぜ。たしかにゆっくりの気配がするな。どうだ、こいつを助けてやるっていう物好きなゆっくりはいるのか?」
「まりしゃはこうえんのにんきものなのじぇぇぇ! たすけてくれるにきまってるのじぇぇぇぇ!」
コツンという音が、まりさの側方で鳴り響いた。
まりさ元へやってきたのは、助けにきた仲間ではなく、どこからか飛んできた小石だった。
投げたのは間違いなく公園のゆっくりだ。
公園に悪魔を呼んでしまったまりさに対する、ささやかな復讐のようだった。
まりさ元へやってきたのは、助けにきた仲間ではなく、どこからか飛んできた小石だった。
投げたのは間違いなく公園のゆっくりだ。
公園に悪魔を呼んでしまったまりさに対する、ささやかな復讐のようだった。
「ゆっがああああ、どぼぢでええええええええ!」
「そういうことだ、あばよ」
男は一気にまりさを踏み潰した。
まりさの体から噴出した餡子が、トイレの壁に返り血のように付着する。
まりさの体から噴出した餡子が、トイレの壁に返り血のように付着する。
「おい、糞饅頭ども! 今日はこれで帰るが、これ以上ここに留り続けるなら、こいつのようになるぞ、わかったな!」
辺りは闇に包まれ始めていた。
茂みや身を隠すが多く、街頭の本数も少なく視界がきかない状況で、これ以降虐待を続ける無理だと男は判断した。
男は公園を一瞥すると、くるりと背を向け、公園を後にした。
茂みや身を隠すが多く、街頭の本数も少なく視界がきかない状況で、これ以降虐待を続ける無理だと男は判断した。
男は公園を一瞥すると、くるりと背を向け、公園を後にした。
その頃、公園のゆっくりたちは引越しの準備を進めていた。
彼女らはこの公園がゆっくりプレイスでなくなったことを悟っていた。
最高のゆっくりプレイスを得たからといって、人間を警戒することすら忘れていたのは、あのまりさ一家だけだった。
他のゆっくりたちは常に最悪の状況を想定し、それが起こった時の正しい対応、
つまり速やかにゆっくりプレイスを放棄することを理解していた。
しかし、現実はそう甘くない。
最高のゆっくりプレイスを失った彼女たちを待ち受けているのは、間違いなく死という現実だ。
彼女らはこの公園がゆっくりプレイスでなくなったことを悟っていた。
最高のゆっくりプレイスを得たからといって、人間を警戒することすら忘れていたのは、あのまりさ一家だけだった。
他のゆっくりたちは常に最悪の状況を想定し、それが起こった時の正しい対応、
つまり速やかにゆっくりプレイスを放棄することを理解していた。
しかし、現実はそう甘くない。
最高のゆっくりプレイスを失った彼女たちを待ち受けているのは、間違いなく死という現実だ。
「強欲は破滅しか生まないんだよ。あいつも欲張ってうちの近くにこなければよかったんだ。そうすれば俺なんかに見つかることはなかったんだからな」
強欲は身を滅ぼす。
それはゆっくりだけではなく、この世の生物すべてにいえることである。
男はそう独り言のように漏らすと家路を急いだ。
それはゆっくりだけではなく、この世の生物すべてにいえることである。
男はそう独り言のように漏らすと家路を急いだ。
完
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
気づけば、自分が書いた作品の中で一番長い作品になっていました。
次作以降は小ネタ中心の通常運行になりそうです。
これからもよろしくお願いします。
気づけば、自分が書いた作品の中で一番長い作品になっていました。
次作以降は小ネタ中心の通常運行になりそうです。
これからもよろしくお願いします。
前作『少年とゆっくり』にも沢山の感想をいただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。
今回もご意見・ご感想をお待ちしています。
この場を借りてお礼申し上げます。
今回もご意見・ご感想をお待ちしています。
コンバートあき
挿絵:車田あき