ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3320 ゆっくり対策課駆除班おねえさんの月火水
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『ゆっくり対策課駆除班おねえさんの月火水』 20KB
いじめ 日常模様 駆除 野良ゆ 捕食種 希少種 現代 27作目ましてこんばんは、キャンセルあきです
いじめ 日常模様 駆除 野良ゆ 捕食種 希少種 現代 27作目ましてこんばんは、キャンセルあきです
比較的、人間キャラの描写が中心です。
希少種が優遇されている気配があります。
作者の独自設定が幾つか含まれています。
希少種が優遇されている気配があります。
作者の独自設定が幾つか含まれています。
一箇所、ゆっくりの台詞がひたすら連続する(読みづらい)場面がありますが、読み飛ばしても問題有りません。
『ゆっくりの台詞が連続している』というだけの描写です。
『ゆっくりの台詞が連続している』というだけの描写です。
推敲はしていますが、誤字脱字などおかしなところがありましたら、感想スレにてお願いします。
以上、よろしければどうぞ。
■0、月曜日 役場で待機
――午前十時、町役場の屋上。
テントの日陰で、スーツ姿のお姉さんが、文庫本を読み進めている。
職務と苦楽をともにする相棒のふらんは、日差しを浴びてゆっくりしていた。
職務と苦楽をともにする相棒のふらんは、日差しを浴びてゆっくりしていた。
一見すれば、ヒマな公務員によるサボり風景だが、この屋上がこそが、お姉さんの強みを
最も活かせる労働環境なのだった。
最も活かせる労働環境なのだった。
『prrrrrr』
電話の子機が、親機から遠く離れた屋上で、お姉さんの読書を中断させた。
ふらんを右肩に乗せ、町内の地図を広げ、受話器を取るまで1コール半。
ふらんを右肩に乗せ、町内の地図を広げ、受話器を取るまで1コール半。
「はい、ゆっくり対策課駆除班です」
営業用の声色で応対したお姉さんの耳に、年配女性のキンキン声が突き刺さった。
「…………ゆっくりがお庭に侵入なさいましたか?
まりさと、赤いリボンの知らないゆっくりが庭に入って来て、おうち宣言をされた?
ゆっくりに目をつけられるような事を何かなされた覚えは……ありませんね、分かりました」
まりさと、赤いリボンの知らないゆっくりが庭に入って来て、おうち宣言をされた?
ゆっくりに目をつけられるような事を何かなされた覚えは……ありませんね、分かりました」
――野良ゆに餌をやって、『飼いゆになれる』と勘違いさせたな。
おばさんの説明から、庭がおうち宣言された理由を直感的に悟った。
おばさんの説明から、庭がおうち宣言された理由を直感的に悟った。
野良ゆ対策は、駆除するより餌を減らす方が肝要だが、役場に駆除を求める人の大半は、気まぐれに餌を与えた
野良ゆっくりに目をつけられた結果、家に侵入され、『駆除がしっかりしていない』と文句を言うのである。
野良ゆっくりに目をつけられた結果、家に侵入され、『駆除がしっかりしていない』と文句を言うのである。
「ゆっくりの数と大きさと種類を、分かる範囲でお伝え下さい。
駆除対応がご希望でしたら、そちらのご住所もお聞かせ願えますか?」
駆除対応がご希望でしたら、そちらのご住所もお聞かせ願えますか?」
個人情報がどうのこうのと、愚痴を交えつつもおばさんは住所を伝えた。
電話越しの声を聞くに、ゆっくりの興味が家の中に向いてきたらしい。
電話越しの声を聞くに、ゆっくりの興味が家の中に向いてきたらしい。
『とにかく! このままじゃあ庭に出られないし、ガラスを割られてしまうかも知れないわ!
早く駆除に来て頂戴!』
「はい、かしこまりました。少々お待ち下さい」
『お待ち下さいねじゃな――』
早く駆除に来て頂戴!』
「はい、かしこまりました。少々お待ち下さい」
『お待ち下さいねじゃな――』
受話器を左肩に挟むお姉さんが、住所と地図から確認した情報は二つ。役場からの方角と距離だ。
どうでも良い台詞を垂れ流す受話器を置いて、お姉さんは金バッジふらんのあんよを掴んだ。
どうでも良い台詞を垂れ流す受話器を置いて、お姉さんは金バッジふらんのあんよを掴んだ。
「レッスン1――敬意を払え。2.5キロだ。分っかるかな~?」
「うー……"ごじゅう"……くらい?」
「そういうときは"できるわけがない!"って言っていいンだよ。ただし四回までな。
2500mの、ふらんの速さが秒速30mくれぇか? "80"と少しぐらい数えたら見えるはずさ」
「うー……"ごじゅう"……くらい?」
「そういうときは"できるわけがない!"って言っていいンだよ。ただし四回までな。
2500mの、ふらんの速さが秒速30mくれぇか? "80"と少しぐらい数えたら見えるはずさ」
向いた方から、おもむろに百八十度の背を向けて、ふらんを振りかぶったお姉さんの体が、
張り詰めた弓弦の如くしなった。
張り詰めた弓弦の如くしなった。
「ドラァッ!」
「うー、ゆっくりこんてぃにゅーするよ……っ!」
「うー、ゆっくりこんてぃにゅーするよ……っ!」
まさに、赤い彗星。
全盛期の大リーガーを思わせるトルネード投法が、ふらんに通常の三倍に達する速度を与え、
遥か彼方の標的へと到達せしむる!
瞬く間に点の様に遠ざかってゆくふらんを見送って、お姉さんは受話器を手に取った。
全盛期の大リーガーを思わせるトルネード投法が、ふらんに通常の三倍に達する速度を与え、
遥か彼方の標的へと到達せしむる!
瞬く間に点の様に遠ざかってゆくふらんを見送って、お姉さんは受話器を手に取った。
「あ~、もしもし?
こちらの駆除職員が、今、お宅に伺っておりますので、しばらくお待ち下さい」
こちらの駆除職員が、今、お宅に伺っておりますので、しばらくお待ち下さい」
『待ちなさい待ちなさいって、貴女、自分が税金で養われている自覚って物があるの。
公僕でしょう、だったら町民は神様でしょう!? 私がどれくらい困っているか分かっているの?
分かっていないわよね、だったら聞かせて上げるわ――『ムーシャムーシャ、シアワセー』――ほら、どう?
あのゆっくりが、ウチのガラスを割る前に駆除班を寄越しなさい!
さもないと――『クソババァ! サッサトアマアマヲヨコ……ユッピィ!?』――え?」
公僕でしょう、だったら町民は神様でしょう!? 私がどれくらい困っているか分かっているの?
分かっていないわよね、だったら聞かせて上げるわ――『ムーシャムーシャ、シアワセー』――ほら、どう?
あのゆっくりが、ウチのガラスを割る前に駆除班を寄越しなさい!
さもないと――『クソババァ! サッサトアマアマヲヨコ……ユッピィ!?』――え?」
唖然としたおばさんの代わりに、受話器からまりさとれいむの断末魔が聞こえた。
時々、『死ねっ!』と混じるのはふらんの声だろう。
時々、『死ねっ!』と混じるのはふらんの声だろう。
あっけにとられて言葉も忘れたおばさんに、ふらんが金バッジの、駆除係であるということと、
野良ゆの残骸は、ふらんが中身を吸った上で、最寄りのゆっくりゴミ箱まで持って行く事を告げた。
フタバ町でも、燃えるゴミは月・水・金である。
野良ゆの残骸は、ふらんが中身を吸った上で、最寄りのゆっくりゴミ箱まで持って行く事を告げた。
フタバ町でも、燃えるゴミは月・水・金である。
「投げてから80秒……今日もアタシの肩は絶好調だな」
こと、町内の散発的なゆっくり駆除依頼に関して、対応の早さでお姉さんとふらんコンビの
右に出る者は居ないし、左に出る者も相当探さなければ居ない。
右に出る者は居ないし、左に出る者も相当探さなければ居ない。
お姉さんのヒマは、圧倒的な射程距離と速さの裏付られているのだった。
ゆっくり対策課駆除班お姉さんの月火水
キャンセルあき
キャンセルあき
■1、火曜日 パトロール
――午後一時、フタバ町国道の道の駅。
地域ゆっくりに労働ゆっくりなど、町の管理下にあるゆっくりはそれなりに数が居る。
彼女達の職場近くでは、主に巻き添えで地域ゆっくりが駆除されることを避ける為などの理由から
勝手に野良を駆除できないので、対策課が定期的に出向くことになる。
彼女達の職場近くでは、主に巻き添えで地域ゆっくりが駆除されることを避ける為などの理由から
勝手に野良を駆除できないので、対策課が定期的に出向くことになる。
「あら、おねえさんひさしぶりだっぺ。ゆっくりしていくっぺや」
「おう、ゆっくりゆっくり」
「おう、ゆっくりゆっくり」
地域の特産品や農作物を直売するコーナーで働くのうかりんは、顔なじみのお姉さんに手を振って、
棚からギターを取り出した。「歌は要らねぇ」。お姉さんに止められて、無念の顔でギターを戻す。
棚からギターを取り出した。「歌は要らねぇ」。お姉さんに止められて、無念の顔でギターを戻す。
のうかりんは、銀バッジの他に七桁の数字がプリントされた名札を付けている。
身寄りのないゆっくりに、職と住処を与えるとあるNGOが与えるその名札は、
町が七桁の数字を発行して認めた、"労働ゆっくり"の証明書だ。
身寄りのないゆっくりに、職と住処を与えるとあるNGOが与えるその名札は、
町が七桁の数字を発行して認めた、"労働ゆっくり"の証明書だ。
「野良は近づいてねェかい?」
「うらでなんゆんかみたっけんどぉ……のうかりんは、ゆっくりにてぇだしちゃなんねって、
くちをすっぱぁぁぁぁくしていわれてっぺや」
「うらでなんゆんかみたっけんどぉ……のうかりんは、ゆっくりにてぇだしちゃなんねって、
くちをすっぱぁぁぁぁくしていわれてっぺや」
任せても良いのか? 聞くのうかりんに「当たり前さ」と笑顔を一つ、ふらんを連れたお姉さんは
裏のゴミ捨て場に踏込んだ。どこからともなく取り出した一束の有刺鉄線は右手の中だ。
裏のゴミ捨て場に踏込んだ。どこからともなく取り出した一束の有刺鉄線は右手の中だ。
ゆっくり対策課がある田舎町で、わざわざ畑に忍び込もうとする野良ゆは少ない。
道の野良ゆを見敵必殺、屍を晒した上で土にすき込むぐらい出来なければ、農家を続けられないからだ。
道の野良ゆを見敵必殺、屍を晒した上で土にすき込むぐらい出来なければ、農家を続けられないからだ。
一体でも畑でおうち宣言をしたり、畑の野菜を囓ったりすれば、たちまち地域一帯のゆっくりが、
役場から一斉駆除の対象となり、長ゆっくりによる交渉の機会すらなく加工所送りになる。
役場から一斉駆除の対象となり、長ゆっくりによる交渉の機会すらなく加工所送りになる。
よって、人と生ゴミが集まる場所に、野良ゆっくりの餌場は限られていた。
生ゴミのある場所では、探せば大体何時でも見つかるのである。
生ゴミのある場所では、探せば大体何時でも見つかるのである。
「さあ、おちびちゃんたち! しんせつなにんげんさんがおべんとうさんをわけてくれたよ。
ゆっくりしたにんげんさんにありがとうって、おなかい~っぱいむーしゃむーしゃしようね!」
「ゆわ~~い! まりちゃ、ぱしたさんがだいしゅきにゃのぜ!」
「れいみゅ、ぽてとしゃんをむーちゃむーちゃしちゃいよ!」
「ゆぅぅぅ……まりさ、みていてね! れいむ、おちびちゃんたちをりっぱにそだててみせるよ!
おちびちゃんたちは、ひかりかがやくゆっくりしたみらいだよ!」
ゆっくりしたにんげんさんにありがとうって、おなかい~っぱいむーしゃむーしゃしようね!」
「ゆわ~~い! まりちゃ、ぱしたさんがだいしゅきにゃのぜ!」
「れいみゅ、ぽてとしゃんをむーちゃむーちゃしちゃいよ!」
「ゆぅぅぅ……まりさ、みていてね! れいむ、おちびちゃんたちをりっぱにそだててみせるよ!
おちびちゃんたちは、ひかりかがやくゆっくりしたみらいだよ!」
駆除対象になるのは、人の生ゴミに手を出したゆっくりだ。
情にほだされたか気紛れか――通りすがりの無責任なドライバーが残飯を渡して、結局は野良ゆを
駆除の運命に落としてしまう。
情にほだされたか気紛れか――通りすがりの無責任なドライバーが残飯を渡して、結局は野良ゆを
駆除の運命に落としてしまう。
野良ゆっくりに餌を与えるのは禁止されているが、罰則が無いので徹底されず、人の生活圏に
近づこうとするゆっくりは耐えない。
近づこうとするゆっくりは耐えない。
母れいむ、そして子供のまりちゃにれいみゅ。
十秒の観察で番の構成まで分かるオーソドックスなしんぐるまざー一家は、お姉さんの携帯が鳴らす
シャッター音にびくりと振り向き、そしてお姉さんの手にしたトゲ付きの有刺鉄線を見た。
十秒の観察で番の構成まで分かるオーソドックスなしんぐるまざー一家は、お姉さんの携帯が鳴らす
シャッター音にびくりと振り向き、そしてお姉さんの手にしたトゲ付きの有刺鉄線を見た。
いち早く口を開いたのはお姉さんだった。
「撮ったどー」
「「「ゆ……」」」
「「「ゆ……」」」
駆除対象の証明写真が、お姉さんの携帯にのる。
凍り付く一瞬。
凍り付く一瞬。
人目の無い場所で、「おべんとう」をくれた人間への感謝を口にする、いわゆる"善良"なゆっくりだ。
それは、過酷な野良生活にも関わらず感謝の思いを失わなかったゆっくりが確かに存在したという、
とても感動的な光景である。
それは、過酷な野良生活にも関わらず感謝の思いを失わなかったゆっくりが確かに存在したという、
とても感動的な光景である。
だが無意味だ。
「お前の次の台詞は、"おねえさん、れいむのはなしをきいてね!"だ」
「おねえさ――」
「けど、その台詞は言わせねェよ……」
「おねえさ――」
「けど、その台詞は言わせねェよ……」
ひゅん。
空を切る刃の音がれいむの舌先を掠めた直後、口からこぼれ出るはずだった懇願の言葉は、
漆黒の断面から濁流の如くあふれ出す餡子に変わった。
漆黒の断面から濁流の如くあふれ出す餡子に変わった。
最初に言葉を奪うのは、耳障りな悲鳴を上げられると通行人の心証が悪くなるからだ。
言葉を、許しを、願いを希望を。
全てを瞬時に奪われた母れいむは、絶望に涙しつつ、幼い我が子とお姉さんとの間に割って入った。
全てを瞬時に奪われた母れいむは、絶望に涙しつつ、幼い我が子とお姉さんとの間に割って入った。
れいむの舌を切断した"ゆー死鉄線"は瞬時に巻き取られ、お姉さんの手の中に舞い戻っている。
第二撃に備え、身を挺して、親の本分を果たそうという母性の心意気である。
第二撃に備え、身を挺して、親の本分を果たそうという母性の心意気である。
そしてそれもまた、無意味だ。
「うー……死ねっ!」
「ゆ? みゃみゃ――おしょらをとんじぇるみじゅらばっ!!」
「おねえしゃんが――おしょらをとんじぇるみびゃらべっ!」
「ゆ? みゃみゃ――おしょらをとんじぇるみじゅらばっ!!」
「おねえしゃんが――おしょらをとんじぇるみびゃらべっ!」
ゆっくり親子の背後から音もなく飛来した金バッジふらんが、『光り輝くゆっくりした未来』こと、
おちびちゃん二体を放り投げ、自由落下したところを鋭い砂糖菓子の牙でかみ砕いた。
おちびちゃん二体を放り投げ、自由落下したところを鋭い砂糖菓子の牙でかみ砕いた。
むーしゃむーしゃ、しあわせー。
と、口にしなくても聞こえてきそうなふらんの表情。
捕食種が生まれ持つサディスティックな気質をしっかりと備えたふらんは、母れいむにも理解出来るよう、
敢えてゆっくりと咀嚼を進め、ぶちりぶちりと皮や目玉がすり潰される様子をしっかりと聞かせる。
敢えてゆっくりと咀嚼を進め、ぶちりぶちりと皮や目玉がすり潰される様子をしっかりと聞かせる。
「――――――!!!!!」
言葉にならないひゅーひゅーという掠れた息が、母れいむの口から漏れた。
涙に濡れた目を――血管もないのに――血走らせ、短いもみあげをぴこぴこと振り回して、
母は赤ゆっくりを咀嚼するふらんに突っかかっていく。
涙に濡れた目を――血管もないのに――血走らせ、短いもみあげをぴこぴこと振り回して、
母は赤ゆっくりを咀嚼するふらんに突っかかっていく。
「うー……死ね」
ぺちぺちと煩わしいだけのもみあげ攻撃に飽きたふらんは、母れいむに向って大きく口を開けた。
「……!」
前歯に引っかかった小さく黒いまりちゃのお帽子と、舌の上で転がる、これはどちらのものかも
分からない白玉のお目々が、思い込みにも否定できない事実となって母れいむに突きつけられる。
「……!」
前歯に引っかかった小さく黒いまりちゃのお帽子と、舌の上で転がる、これはどちらのものかも
分からない白玉のお目々が、思い込みにも否定できない事実となって母れいむに突きつけられる。
母れいむの呆け顔に、ふらんの大きな口がかぶりついた。
ぞぶり――じゅるじゅる。
「……! ……!」
尖る牙で饅頭皮を穿ち、餡を吸われる強烈な脱力感が襲っても、母れいむは微動だにしない。
ふらんのおくちで、おちびちゃんと感動の対面を果たしたれいむは、家族との幸せな思い出の
残り滓に浸って、中枢餡が吸われるまでの微かな余生を過ごしたのだった。
ふらんのおくちで、おちびちゃんと感動の対面を果たしたれいむは、家族との幸せな思い出の
残り滓に浸って、中枢餡が吸われるまでの微かな余生を過ごしたのだった。
れいむのお飾りとぺらぺらになった饅頭皮、れいむ一家の段ボール製おうちを纏めてゴミ袋に包む。
気をつけるのは服を汚さないことと、ふらんに周囲を見回らせて、狩り残しが居ないか探させるだけだ。
気をつけるのは服を汚さないことと、ふらんに周囲を見回らせて、狩り残しが居ないか探させるだけだ。
「はい、れいむ一家再起不能(リタイア)っと」
「ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー……おねえさん、おわったぺか?」
「ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー……おねえさん、おわったぺか?」
ライトハンド奏法が熱情のリズムを奏でている。建物の入口で弾き語りしていたのうかりんは、
訪れた客にトイレの場所を案内しながら、お姉さんに手を振った。
訪れた客にトイレの場所を案内しながら、お姉さんに手を振った。
「ああ、今日の野良は"善良"っぽかったな」
「"げす"なゆっくりでなげりゃ、おねえさんもみのがすっぺか?」
「残業はしねェンでよ、アフター5ならンな事もある。……そのゴミはどうしたンだよ?」
「"げす"なゆっくりでなげりゃ、おねえさんもみのがすっぺか?」
「残業はしねェンでよ、アフター5ならンな事もある。……そのゴミはどうしたンだよ?」
お姉さんは、のうかりんの手にしたコンビニのビニール袋を指した。
「すてられたごみさかたづけるより、のうかりんが、ごみさうけとったほうがはやいっぺや。
それに、のうかりんがごみさうけとったら、にんげんさん、のうかりんがつかうとおもってぇ、
きもちよ~ぐ、わたしてくれっぺさ」
「まあ、事情を知らない人間なら、そンなもンだろうさ……で、リサイタルは人気だったかい?」
それに、のうかりんがごみさうけとったら、にんげんさん、のうかりんがつかうとおもってぇ、
きもちよ~ぐ、わたしてくれっぺさ」
「まあ、事情を知らない人間なら、そンなもンだろうさ……で、リサイタルは人気だったかい?」
"労働ゆっくり"の居る職場では、勘違いをして野良ゆに生ゴミを与える人間も増える。
勿体ないという言葉が、餌を与える免罪符となって、かえって野良ゆの無駄死にを増やす実態は、
十年も昔から変わっていない。
勿体ないという言葉が、餌を与える免罪符となって、かえって野良ゆの無駄死にを増やす実態は、
十年も昔から変わっていない。
「……のらゆっくりのこえだってぇ、やっぱりのうかりんは、ひめいをききたくはないっぺよ」
ギターをじゃらんとかき鳴らし、麦わら帽子を目深に被ったのうかりんは憂いの音色を奏で始めた。
■2、水曜日 いくえ不明の飼いゆ探し
――午後三時 フタバ町住宅街
駆除班のお姉さんだが、たまには保護班の仕事が回ってくることもある。
「見つからねェ……てんこの亜種なんて目立つから、二時には終わると思ってたのによ」
汗を拭うお姉さん。手元のフォルダーには、A4用紙に描かれたてんこの似顔絵があった。
飼い主の男性が飼いてんこの写真を持っていなかったので、たまたまそのてんこを見たことがある
知り合いに似顔絵を描いて貰ったのだ。
飼い主の男性が飼いてんこの写真を持っていなかったので、たまたまそのてんこを見たことがある
知り合いに似顔絵を描いて貰ったのだ。
正直に言って、他のてんこと全く区別がつかないが、似顔絵を描いた後輩はこう言っていた。
『先輩、よく観察して下さいよ先輩。
このてんこ、お帽子の色合いも桃饅頭の角度も、見間違えようもない程特徴的ではないですか。
こことここの部分ですよ、拡大すれば、ゆっくり理解できますか?
うーむ、視点を変えれば見え方も変わると思いますので、もっと上から…………失礼、
背の低い先輩には無理な話でしたね、謝りま――』
このてんこ、お帽子の色合いも桃饅頭の角度も、見間違えようもない程特徴的ではないですか。
こことここの部分ですよ、拡大すれば、ゆっくり理解できますか?
うーむ、視点を変えれば見え方も変わると思いますので、もっと上から…………失礼、
背の低い先輩には無理な話でしたね、謝りま――』
似顔絵のお礼に、6mの水平飛行をプレゼントしてやった。
感動の余り気絶してしまったので、飼いゆ探しを手伝わせることも出来ない。
感動の余り気絶してしまったので、飼いゆ探しを手伝わせることも出来ない。
そこらですれ違う労働ゆっくりや地域ゆっくりにも、似顔絵を見せて回っていたが、
どのゆっくりも「こんな飾りのゆっくりは知らない」と首(体)を横に振るばかりだ。
どのゆっくりも「こんな飾りのゆっくりは知らない」と首(体)を横に振るばかりだ。
飼いゆ捜索に飽きて、サボることを考えていた足は自然と自宅に向って居たようで、
「あれ、お姉ちゃんもう帰ってきたの?」
「仕事中さ……そんな目で見るな、サボってねェって!」
自宅まで路地を一本挟んだあたりで、実の弟と遭遇してしまった。
「あれ、お姉ちゃんもう帰ってきたの?」
「仕事中さ……そんな目で見るな、サボってねェって!」
自宅まで路地を一本挟んだあたりで、実の弟と遭遇してしまった。
裾にフリルをあしらった水色のワンピースに身を包んだ小学校三年生の彼は、
お姉さん小学生時のお下がりを普段着にする『弟娘の子(おとこのこ♂)』である。
お姉さん小学生時のお下がりを普段着にする『弟娘の子(おとこのこ♂)』である。
実は女の子であったりはしない。
実は女の子であったりはしない。
実は女の子であったりはしない。
「それより、外出歩いたりして大丈夫かよ?」
「うん、今日は熱もないし、体調も良いんだ。
お姉ちゃんお仕事中なら喉が渇いてるでしょ? 僕、お茶持って来たからお姉ちゃんも飲んで」
「うん、今日は熱もないし、体調も良いんだ。
お姉ちゃんお仕事中なら喉が渇いてるでしょ? 僕、お茶持って来たからお姉ちゃんも飲んで」
弟は、肩にからった水筒から、ほうじ茶をお姉さんに注ぎ渡した。
「かくかくしかじかの……」
「まるまるうまうまで、行方の分からないてんこを探してたんだ。ふぅん」
「まるまるうまうまで、行方の分からないてんこを探してたんだ。ふぅん」
近くの公園、ベンチに座っていたツナギ服のいい男にどいてもらって、二人仲良く腰を下ろす。
話題は自然と、お姉さんの仕事が中心になった。
話題は自然と、お姉さんの仕事が中心になった。
「なンでも、てんこの亜種で、聞き慣れねェ言葉遣いが特徴的だって話なンだが……」
「だったら、はたてが役に立つかもね」
「……アレが?」
「うん、はたて~、こっちおいで~!」
「はたて――きたわよぅ!」
音もなく現れたはたては、弟君のスカートに飛び乗って、ツインテールを振りはじめた。
「だったら、はたてが役に立つかもね」
「……アレが?」
「うん、はたて~、こっちおいで~!」
「はたて――きたわよぅ!」
音もなく現れたはたては、弟君のスカートに飛び乗って、ツインテールを振りはじめた。
数週間前に発見された新種ゆっくりのはたては、お姉さんの家で胴バッジを貰ってゆっくりしている。
とはいえ、本当に飼いゆっくりなのかどうか。
いつの間にか外に消えているし、いつの間にか家の中に現れる。
いつの間にか外に消えているし、いつの間にか家の中に現れる。
神出鬼没のはたては、相手の言葉をコピー&ペーストしたようなつぎはぎのオウム返しで喋るので、
『はたてが何を言いたいのか分かっていなければ上手に言葉を聞き出せない』
というジレンマに、普通の人間は陥るのだ。
『はたてが何を言いたいのか分かっていなければ上手に言葉を聞き出せない』
というジレンマに、普通の人間は陥るのだ。
「こっちおいで~? はたて、きたわよぅ!」
「うぅん、はたてが何か悪いことをしたとかじゃないよ、ゆっくり安心してね。
あのね、お姉ちゃんが珍しいてんこを探してるんだ。
はたては、外に出てる途中で、てんこを見たりしてないかな?」
「……そとにでて、てんこ……みたり……きたわよぅ!」
「うぅん、はたてが何か悪いことをしたとかじゃないよ、ゆっくり安心してね。
あのね、お姉ちゃんが珍しいてんこを探してるんだ。
はたては、外に出てる途中で、てんこを見たりしてないかな?」
「……そとにでて、てんこ……みたり……きたわよぅ!」
"たくさん"見たそうだよ。はたてと自然に会話が通じているらしい弟は、はたてが外出先でそれはもう
大量のてんこをみたらしい、と聞いた。
大量のてんこをみたらしい、と聞いた。
「……加工所にでも行ったのかよ、はたて?」
「はたて? かこうじょ……きたわよぅ?」
「加工所には行ってないって言ってるよ、お姉ちゃん。
それだったら、はたて、ここに来るまでに聞いたゆっくりの声、全部言ってくれる?
ひとりあたり、一言ずつで良いと思うから」
「なん……だと……?」
「はたて? かこうじょ……きたわよぅ?」
「加工所には行ってないって言ってるよ、お姉ちゃん。
それだったら、はたて、ここに来るまでに聞いたゆっくりの声、全部言ってくれる?
ひとりあたり、一言ずつで良いと思うから」
「なん……だと……?」
そんなこと出来るわけがない。言いかけたお姉さんの前で、「"ゆっくりしていってね――"」と、
はたてが『お姉さんも弟君も言っていない』言葉を紡ぎ始めた。
はたてが『お姉さんも弟君も言っていない』言葉を紡ぎ始めた。
「"ゆっくりしていってね!" "ゆっくりしていってね、まりさ" "ゆっきゅり!" "むーちゃむーちゃ"
"おねえしゃん、まりちゃをおいていっちゃだめにゃのぜ!" "ゆん、おにぎりしゃんはまりちゃのだよ!"
"ゆゆーん、おちびちゃんはゆっくりしてるのぜ" "はやくむーちゃむーちゃ、ちたいよ!" "むーしゃむーしゃ"
"しあわせー!" "ぐへへ、ちょうどいいゆっくりぷれいすなのぜ" "ゆ? おねえちゃんだありぇ?"
"おねえしゃん、まりちゃをおいていっちゃだめにゃのぜ!" "ゆん、おにぎりしゃんはまりちゃのだよ!"
"ゆゆーん、おちびちゃんはゆっくりしてるのぜ" "はやくむーちゃむーちゃ、ちたいよ!" "むーしゃむーしゃ"
"しあわせー!" "ぐへへ、ちょうどいいゆっくりぷれいすなのぜ" "ゆ? おねえちゃんだありぇ?"
"むきゅ、けんじゃなぱちゅがあまあまをはっけんしたわ" "とかいはなてーぶるさんはいかがかしら?"
"べっどさんがほしいんだね-、わかるよー" "ちぇええええええぇぇぇぇん!" "らんしゃまー" "らんしゃまー"
"らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー"
"ゆぅ!? ちぇんがおおすぎるよ!" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "さでずむー"
"こがさはぜったいゆるさなえ!" "さなえ、そのぐらいに" "あきらめな、すわこ"
"べっどさんがほしいんだね-、わかるよー" "ちぇええええええぇぇぇぇん!" "らんしゃまー" "らんしゃまー"
"らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー"
"ゆぅ!? ちぇんがおおすぎるよ!" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "らんしゃまー" "さでずむー"
"こがさはぜったいゆるさなえ!" "さなえ、そのぐらいに" "あきらめな、すわこ"
"むーちゃむーちゃしたいよおおおおぉっぉぉ!" "このげしゅおやあぁぁ" "れいみゅをゆっくじざぜろぉ!"
"ごべんね、おがあざんがだべなおがあざんでごべんね" "もっちょ……ゆっきゅ……" "あんこしゃんはいちゃだみぇえええ"
"ん、なんだこののらゆっくりたち" "あ~しんぐるまざーってやつだよ" "ちょうどいいや、きょうはこれであそぼうぜ"
"ごべんね、おがあざんがだべなおがあざんでごべんね" "もっちょ……ゆっきゅ……" "あんこしゃんはいちゃだみぇえええ"
"ん、なんだこののらゆっくりたち" "あ~しんぐるまざーってやつだよ" "ちょうどいいや、きょうはこれであそぼうぜ"
"どうがまりざを゛がいゆっぐじにしでぐだざい! まりざはぎんばっじ――ぐじゅりゅあっ!" "くそ、くつがよごれちまった"
"おとうしゃあああぁん!" "れれれ、れいむはこんなげすだーりんとはかんっけいっない――ぱっぴっぷっぺぽー!"
"みゃみゃああああ!" "かこうじょさん、こっちです" "ああ、こいつらですね、あとはおまかせください"
"おとうしゃんをいじめりゅげしゅはぷく…………ねぎぃ!" "ねぎぃ!" "ねぎぃ!" "ねぎぃ!" "ねぎぃ!"
"おとうしゃあああぁん!" "れれれ、れいむはこんなげすだーりんとはかんっけいっない――ぱっぴっぷっぺぽー!"
"みゃみゃああああ!" "かこうじょさん、こっちです" "ああ、こいつらですね、あとはおまかせください"
"おとうしゃんをいじめりゅげしゅはぷく…………ねぎぃ!" "ねぎぃ!" "ねぎぃ!" "ねぎぃ!" "ねぎぃ!"
"ここをまりさのおうちにするよ!" "ゆゆーん、おやさいさんはゆっくりしてるよぅ!" "おら、そこのまんじゅうども"
"ゆ、おまえはゆうか?" "むきゅ、みんな、ここはぱちゅにまかせて!" "おさがげすなゆうかをせっとくしているよ"
"のうかりんがいじめれらている!?" "みんなー、のうかりんらんどにのりこめー" "わぁい!" "わぁい!" "わぁい!"
"お、おさあああぁぁぁ!" "ゆゆん、おさはいちばんのこものなのぜ" "ありすたちとかいはにかかればにんげんさんなんて"
"てきじゃないんだよー" "はいはい、ゆっくりゆっくり"
"ゆ、おまえはゆうか?" "むきゅ、みんな、ここはぱちゅにまかせて!" "おさがげすなゆうかをせっとくしているよ"
"のうかりんがいじめれらている!?" "みんなー、のうかりんらんどにのりこめー" "わぁい!" "わぁい!" "わぁい!"
"お、おさあああぁぁぁ!" "ゆゆん、おさはいちばんのこものなのぜ" "ありすたちとかいはにかかればにんげんさんなんて"
"てきじゃないんだよー" "はいはい、ゆっくりゆっくり"
"このげすたちをせいっさいっ! するのぜ!" "めすぶたのてんこをもっといじめてねえええぇ!" "むっきゅあああ!"
"もっとよ、つよくぶってえええぇぇぇ!" "おかしいよー、よろこんでるよー?" "ふごおおお! ふごおおお!"
"このかっぺたちをせいさいするのよ!" "おいぃ? てんこはおかざりをつけていないんだが?" "ゆ――!?"
"みんな! ゆっくりできないゆっくりがいるよ!" "こここ、こいつならせいっさいできるよ!" "うー! うー!"
"れ、れみりゃだああっぁぁあ!?" "わきゃらないよおおおぉ!?" "れみりゃでもいいわ!" "まりさはにげるよ!"
"こっちよ、このめすぶたからさきにいじめてねええぇぇぇ!" "れみりゃはこっちにこな……ぷくー" "まりざにげじぇええ"
"とかいはなありすにちかづかないでええぇぇぇ!" "ぱちゅはおいしくないわよぉ!"
"もっとよ、つよくぶってえええぇぇぇ!" "おかしいよー、よろこんでるよー?" "ふごおおお! ふごおおお!"
"このかっぺたちをせいさいするのよ!" "おいぃ? てんこはおかざりをつけていないんだが?" "ゆ――!?"
"みんな! ゆっくりできないゆっくりがいるよ!" "こここ、こいつならせいっさいできるよ!" "うー! うー!"
"れ、れみりゃだああっぁぁあ!?" "わきゃらないよおおおぉ!?" "れみりゃでもいいわ!" "まりさはにげるよ!"
"こっちよ、このめすぶたからさきにいじめてねええぇぇぇ!" "れみりゃはこっちにこな……ぷくー" "まりざにげじぇええ"
"とかいはなありすにちかづかないでええぇぇぇ!" "ぱちゅはおいしくないわよぉ!"
"おお、はたてはたて" "おお、おひさしぶりおひさしぶり" "きめぇまるです" "うぜぇまるです" "みなみはるおでございます"
"さんたいそろってちゅんとなきます" "ぽんとなきます" "ちーでもなきます" "なきのりゅうです"
"みなみにいくおつもりですか?" "おお、ちゅうこくちゅうこく" "いっせいくじょがあっています" "おお、こわいこわい"
"さんたいそろってちゅんとなきます" "ぽんとなきます" "ちーでもなきます" "なきのりゅうです"
"みなみにいくおつもりですか?" "おお、ちゅうこくちゅうこく" "いっせいくじょがあっています" "おお、こわいこわい"
"おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!"
"おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!"
"ゆっくりなげすぎてこしがまっはだぜ" "おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!"
"おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!" "こぼねー" "ゆゆこさーん、おつーかれー"
"おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!"
"ゆっくりなげすぎてこしがまっはだぜ" "おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!"
"おそらをとんでるみたい!" "おそらをとんでるみたい!" "こぼねー" "ゆゆこさーん、おつーかれー"
"んほおおおぉぉぉぉ" "れ、れいぱーだあああぁぁぁ!" "むっきゅあああ! みんなにげエレエレエレエレ" "お、おさ!?"
"おちびちゃんたち、みんなそろってにげるんだよ!" "かわいいいもうとがいないよぉっ!" "つづき? そんなのないよ"
"にげるれいむもすてきねええええ!" "まりさのれいむをはなすのぜ、れいぱ……ゆっぴぃぃぃぃ!" "すっきりー!"
"すっきりー!" "すっきりー!" "すっきりー!" "ゆわああぁ! みんなすっきりーされてるうぅぅ!?" "すっきりー!"
"ちぇんはまけないよー。じゃくてんである、まむまむにぺにぺにをいれられながらしっぽをすーりすーりされないかぎりは
…………ふっごおおおおぉ!?" "すっきり-!"
"おちびちゃんたち、みんなそろってにげるんだよ!" "かわいいいもうとがいないよぉっ!" "つづき? そんなのないよ"
"にげるれいむもすてきねええええ!" "まりさのれいむをはなすのぜ、れいぱ……ゆっぴぃぃぃぃ!" "すっきりー!"
"すっきりー!" "すっきりー!" "すっきりー!" "ゆわああぁ! みんなすっきりーされてるうぅぅ!?" "すっきりー!"
"ちぇんはまけないよー。じゃくてんである、まむまむにぺにぺにをいれられながらしっぽをすーりすーりされないかぎりは
…………ふっごおおおおぉ!?" "すっきり-!"
"あらあああぁぁ?" "みたことないゆっくりねええぇぇ?" "なかなかとかいはじゃなあああぁぁぁぁい?" "いいわあああぁぁ"
"ついんてーるがとかいはねええぇぇぇ" "とかいはなあいをあげるわあああぁぁぁぁ" "ありすたちぜんいんでよおおおぉぉ"
"ゆううぅぅ? なにかへんだわあああぁぁ?" "ね……ねぎいいぃぃっ!" "あ、ありすぅぅ?" "このいなかものおおぉぉぉ!"
"まむまむがさけるまですっきりーしてあげるわああぁぁぁぁぁ!" "ゆっ――へんねええぇぇぇぇ" "ぺに……ぺに?"
"あ……ありずのぺにぺにがあああぁぁぁ!" "あ、ありずはとがいば!" "ねぎぃっ!"」
"ついんてーるがとかいはねええぇぇぇ" "とかいはなあいをあげるわあああぁぁぁぁ" "ありすたちぜんいんでよおおおぉぉ"
"ゆううぅぅ? なにかへんだわあああぁぁ?" "ね……ねぎいいぃぃっ!" "あ、ありすぅぅ?" "このいなかものおおぉぉぉ!"
"まむまむがさけるまですっきりーしてあげるわああぁぁぁぁぁ!" "ゆっ――へんねええぇぇぇぇ" "ぺに……ぺに?"
"あ……ありずのぺにぺにがあああぁぁぁ!" "あ、ありずはとがいば!" "ねぎぃっ!"」
結局、はたては十分以上もしゃべり続けたが、大したヒントも得られなかった。
そこで、彼女が見たというてんこの群れまで探しに行き、お帽子を外したてんこを発見したのだ。
どうやら、まともなやり方では激しく虐めて貰えなくなったので、お帽子を外して"ゆっくり出来ないゆっくり"として
虐めて貰おうとしたらしい。道理で"てんこ"を目にしたゆっくりが居ないわけである。
そこで、彼女が見たというてんこの群れまで探しに行き、お帽子を外したてんこを発見したのだ。
どうやら、まともなやり方では激しく虐めて貰えなくなったので、お帽子を外して"ゆっくり出来ないゆっくり"として
虐めて貰おうとしたらしい。道理で"てんこ"を目にしたゆっくりが居ないわけである。
「おい、てんこ。金バッジはどうした?」
「おうごんのてつばっじそうびのてんこが、まんじゅうがわそうびののらにおくれをとるわけがない」
「おうごんのてつばっじそうびのてんこが、まんじゅうがわそうびののらにおくれをとるわけがない」
発見した後、虐められ足りないというので、お姉さんが「三枚に下ろしてやろうか」と聞くと「きゅうまいでいい」と
言い始めたので、てんこの家までお姉さんがお友達扱い(注1)をして連れて行く羽目になったという。
言い始めたので、てんこの家までお姉さんがお友達扱い(注1)をして連れて行く羽目になったという。
――午後6時
「ああ、年かな? 少し疲れた」
「――きたわよぅ」
「――きたわよぅ」
帰ったお姉さんを、弟君より早くはたてが出迎えた。大きな瞳がじっとお姉さんを見あげている。
見つめ合うと素直にお喋りできないらしいが、見つめ合っても言葉でなければ分からない。
見つめ合うと素直にお喋りできないらしいが、見つめ合っても言葉でなければ分からない。
「アタシは、別にはたてがきらいじゃないんだ。今日は、その……有り難うな」
「はたて……ありがとう……きたわよぅ!」
「はたて……ありがとう……きたわよぅ!」
やっぱり分からないので、とりあえずはたての頭を撫でてみる。
弟曰く、人間が知ってはいけない事柄を伝えないよう、オウム返しで喋っているらしいが。
弟曰く、人間が知ってはいけない事柄を伝えないよう、オウム返しで喋っているらしいが。
「まあ、弟と仲良くしてくれるんなら、どうでも良いこった」
撫でたはたてが暖かかったので、お姉さんは見逃す事にしたのであった。
終わり。
注1:大空翼君にとってのサッカーボールのポジションである。
キャンセルあきの過去作品はwikiに収録されています
http://www26.atwiki.jp/ankoss/pages/869.html
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