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anko3831 あるドスまりさの述懐
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ankoss
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『あるドスまりさの述懐』 6KB
観察 考証 思いやり 愛情 自業自得 仲違い 嫉妬 群れ ドスまりさ 加工場 現代 二作目です 短めです 会話・述懐主体
観察 考証 思いやり 愛情 自業自得 仲違い 嫉妬 群れ ドスまりさ 加工場 現代 二作目です 短めです 会話・述懐主体
「あるドスまりさの述懐」
- 会話主体です
- 一部ゆっくりのしゃべり方が漢字交じりになっています
- 乱文注意
- 短めです
秋の雨がざあざあと音を立てて外から微かに聞こえてきた。
窓越しには夜の街がまるで宝石の様に爛々と輝いているのが見える。
あの街には無数の人が、ゆっくりが、その思いが関わり合いながら存在している。それこそ光の粒の一つに。
窓越しには夜の街がまるで宝石の様に爛々と輝いているのが見える。
あの街には無数の人が、ゆっくりが、その思いが関わり合いながら存在している。それこそ光の粒の一つに。
雨はあらゆるものを洗い流す、だが多くのものは洗われることも流されることも無いままに、濡れて行くのだ、悲しく、惨めに。
郊外の加工所、その一角にあるドスまりさがいる部屋に私はいる。ドスまりさもいる。
このドスまりさは森の群れの長だった。あらゆるゆっくりをゆっくりさせる為にそれこそ身を粉にして…といった陳腐な言葉では言い表せないほどの努力を続けてきた。
砂糖細工の髪の毛、その大きな体躯と帽子、下膨れの小麦粉の顔はまさに「ゆっくりとした」と言うゆっくりたちの言葉に相応しいものだろう。
このドスまりさは森の群れの長だった。あらゆるゆっくりをゆっくりさせる為にそれこそ身を粉にして…といった陳腐な言葉では言い表せないほどの努力を続けてきた。
砂糖細工の髪の毛、その大きな体躯と帽子、下膨れの小麦粉の顔はまさに「ゆっくりとした」と言うゆっくりたちの言葉に相応しいものだろう。
「ここの居心地はいいかい?」
「嗚呼、いいよ、とても良い。じめじめな洞窟の奥なんかや窮屈な木の洞なんかよりずっと良いよ。」
「嗚呼、いいよ、とても良い。じめじめな洞窟の奥なんかや窮屈な木の洞なんかよりずっと良いよ。」
私の問いかけにそのドスまりさは嬉々として答えた。
ゆっくりプラント、ここ一帯がゆっくり達の自由にできる「サファリパーク」だ。
自由気ままに過ごすことが唯一の為すべき責務、具合が悪くなれば治して貰える、あまあまだって貰える。
ゆっくりプラント、ここ一帯がゆっくり達の自由にできる「サファリパーク」だ。
自由気ままに過ごすことが唯一の為すべき責務、具合が悪くなれば治して貰える、あまあまだって貰える。
ドスまりさからすればそれこそ「ゆっくりプレイス」なのだろう。
「こんな所があったなんてまりさも思わなかったよ。何せ自由だよ。ただゆっくりするだけで良いただゆっくりするだけで…」
ドスまりさは言葉を租借するかのように幾つかの言葉を繰り返す。私にはそれが、何か負い目があるように思えた。
「ここのゆっくり達もとってもゆっくりしているね。みんな素直で、言う事を良く聞いて、危ない事だってしない。よく狩りに出るし、おちびちゃんたちの面倒も良く見る。不平不満なんていわない。良いところだよ。」
にこやかなドスまりさのその胸中を窺い知る事は私にはできなかった。
だがその一端は垣間見ることができる。
だがその一端は垣間見ることができる。
そう、このドスまりさは群れを捨てたのだ。あまつさえ加工所にその場所を知らせて。
それだけを聞いても、私にはこのドスまりさがドゲスまりさには見えなかった。
この群れのゆっくり達はみな居なくなった、森からも、そしてここの加工所からも。
それだけを聞いても、私にはこのドスまりさがドゲスまりさには見えなかった。
この群れのゆっくり達はみな居なくなった、森からも、そしてここの加工所からも。
ドスまりさが望んだもの、それはドスまりさの責務とやらの正反対のもの…「ゆっくりする自由」だった。
だが、このドスまりさを誰が責められるだろうか?誰が決めたかもわからないような陳腐なゆっくり達の考えが、ドスまりさを縛る鎖の様に捕り物にし、その「ゆっくりする」と言うゆっくりの考えさえも奪われたのだ。
だが、このドスまりさを誰が責められるだろうか?誰が決めたかもわからないような陳腐なゆっくり達の考えが、ドスまりさを縛る鎖の様に捕り物にし、その「ゆっくりする」と言うゆっくりの考えさえも奪われたのだ。
私はそのドスまりさのその後は知らない。会ったのもこれっきりだからだ
あっけらかんとしているのだから、何の気兼ねも無く「ゆっくり」しているのだろう。
少なくとも私にはそう思えた。
あっけらかんとしているのだから、何の気兼ねも無く「ゆっくり」しているのだろう。
少なくとも私にはそう思えた。
嗚呼、清々する。これが自由か。初めての感覚だ。
…いや、自分はこの感覚を知っている。そうあれは、ドスまりさになるまだ若いゆっくりの頃だ。
…いや、自分はこの感覚を知っている。そうあれは、ドスまりさになるまだ若いゆっくりの頃だ。
謳歌した毎日、悲しいことや苦しいこともあったが自由だった。そう、何もかも自由で最高だった。
あの頃は満足にご飯さんも食べられなかったけど、気の置けない仲間達だっていた。小さな箱庭の中で勝ち取った小さな栄誉、小さな栄光、小さな幸せ。
「ゆっくりできない毎日だったが最高にゆっくりできた毎日だった」…あの頃の夢を良く見るようになったのはドスまりさにもなって大分経ってからだ。
あの頃は満足にご飯さんも食べられなかったけど、気の置けない仲間達だっていた。小さな箱庭の中で勝ち取った小さな栄誉、小さな栄光、小さな幸せ。
「ゆっくりできない毎日だったが最高にゆっくりできた毎日だった」…あの頃の夢を良く見るようになったのはドスまりさにもなって大分経ってからだ。
みんながドスになった自分を手放しで褒め称えた。群れの長になると言うなんて想像出来なかった。
ドスまりさとしての責務を果たすために自分は頑張った、みんなに満足にご飯さんを与えられた。守るべきゆっくり達がいた。大きな森の中で勝ち取った大きな栄誉、大きな栄光、大きな幸せ。
ドスまりさとしての責務を果たすために自分は頑張った、みんなに満足にご飯さんを与えられた。守るべきゆっくり達がいた。大きな森の中で勝ち取った大きな栄誉、大きな栄光、大きな幸せ。
…嗚呼、癪に障る。それまで自分は省みられることも無い味噌っかすだった。だが自由だった。「自分がゆっくりする自由を他のゆっくりには絶対に押し付けなかった」
だが群れのゆっくり達は違う。自分のゆっくりすると言うことを封じてきたのだ。その癖、自分たちはゆっくりさせろ、ゆっくりさせる義務があるという。
そうだ、だから降りたのだ、群れの長なんていう茶番を、喜劇を。
だが群れのゆっくり達は違う。自分のゆっくりすると言うことを封じてきたのだ。その癖、自分たちはゆっくりさせろ、ゆっくりさせる義務があるという。
そうだ、だから降りたのだ、群れの長なんていう茶番を、喜劇を。
怒りに打ち震えていた。自由に跳ね回るゆっくり達に怒りが込み上げてきたのだ。
そう、あれは蜂蜜を取りに行く時だったか、まだ普通のゆっくりだった頃は蜂蜜を取って帰れば群れではそれこそ大きく賞賛された。蜂に刺された所だってぺーろぺーろしてもらえた。
だがドスまりさになってからは違う、自分は蜂蜜なんて一舐めも貰えなかった。あれだけ痛い思いをしたのに。感謝やねぎらいの言葉一つ無かったのだ。
そう、あれは蜂蜜を取りに行く時だったか、まだ普通のゆっくりだった頃は蜂蜜を取って帰れば群れではそれこそ大きく賞賛された。蜂に刺された所だってぺーろぺーろしてもらえた。
だがドスまりさになってからは違う、自分は蜂蜜なんて一舐めも貰えなかった。あれだけ痛い思いをしたのに。感謝やねぎらいの言葉一つ無かったのだ。
だから自分は群れの長をやめた、やめたんだ。
そして自分は自由になった。もうドスまりさの義務に従う必要も無い、好きなだけ自由を謳歌し、好きなだけ自由になれる。
そして自分は自由になった。もうドスまりさの義務に従う必要も無い、好きなだけ自由を謳歌し、好きなだけ自由になれる。
…嗚呼、後味が悪い。だが何故こんなにも、ドスまりさとして、群れの長だった時の事を思い出す?
眠るたびに夢に見る。みんなが幸せにゆっくりしている時や、れみりゃやれいぱーありすの群れが襲ってきたときに身を挺して守りっていた時の自分に注がれた視線。守りきった後に見せた、みんなの笑顔。
そういえば、群れで子ゆっくりがうまれる度にそのとてもゆっくりしている幸せを自分に語りかけてくれた。群れのゆっくりみんなが。
眠るたびに夢に見る。みんなが幸せにゆっくりしている時や、れみりゃやれいぱーありすの群れが襲ってきたときに身を挺して守りっていた時の自分に注がれた視線。守りきった後に見せた、みんなの笑顔。
そういえば、群れで子ゆっくりがうまれる度にそのとてもゆっくりしている幸せを自分に語りかけてくれた。群れのゆっくりみんなが。
つがいの一組、ゆっくりの一体に幸せがある。その幸せ覗かせてもらっただけでも満足だった。満足だったんだ。
そう、ゆっくりすると言うことを奪われたんじゃない。与えられ、与えたのだ。みんなに、自分に。
それに気づけなかった自分が悲しい、悔しい、ゆっくりすると言う事をくれた群れのみんなが愛おしい、だが憎い。
そう、ゆっくりすると言うことを奪われたんじゃない。与えられ、与えたのだ。みんなに、自分に。
それに気づけなかった自分が悲しい、悔しい、ゆっくりすると言う事をくれた群れのみんなが愛おしい、だが憎い。
今頃、群れのゆっくり達は自分が今居る加工所の中で、ゆっくりできなくなっていっているのだろう。
…嗚呼、ごめんね、みんな、駄目なドスでごめんね。だから
「さあ、おたべなさい」
……
…
…
「ぎゃ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ”い”だい”よ”ぉ”ぉ”お”お”お”お”!!」
「あづいわぁぁあああっ!あづいっ!あ”づい”い”い”い”い”い”い”っ”!!」
「おでがいじばずっ!ぼうおぢびぢゃんをどらないでっ!どっでもゆっぐりじだおぢびぢゃんなんでずっ!どっでもどっでもゆっぐりじでで…!あ”ぎぇ”ぇ”ぇ”っ”!」
「ゆぐっ…!ゆぐぐっ…ゆげっ…げっ!うげぇぇええええっ!ゆげごぼおおおおお!?」
「あづいわぁぁあああっ!あづいっ!あ”づい”い”い”い”い”い”い”っ”!!」
「おでがいじばずっ!ぼうおぢびぢゃんをどらないでっ!どっでもゆっぐりじだおぢびぢゃんなんでずっ!どっでもどっでもゆっぐりじでで…!あ”ぎぇ”ぇ”ぇ”っ”!」
「ゆぐっ…!ゆぐぐっ…ゆげっ…げっ!うげぇぇええええっ!ゆげごぼおおおおお!?」
アクリルの厚い透明な壁の向こうでは、ゆっくりたちがいた。
私が垣間見た、あのドスまりさの群れのゆっくりたちだ。
私が垣間見た、あのドスまりさの群れのゆっくりたちだ。
一体、誰が悪かったのだろう、何が悪かったのだろう。
あのドスまりさに我侭を押し付けたゆっくり達が悪いのか、それらを許さなかったあのドスまりさが悪いのか。
…今では答えを知る術は無い。
あのドスまりさに我侭を押し付けたゆっくり達が悪いのか、それらを許さなかったあのドスまりさが悪いのか。
…今では答えを知る術は無い。
雨はずっと降り続いている。あらゆる物をすべて水に流すかのように。
あのドスまりさにも幸せがあったように、あのゆっくり達にも幸せがあったのだろう。私は居た堪れなくなってその場を後にした。
あのドスまりさにも幸せがあったように、あのゆっくり達にも幸せがあったのだろう。私は居た堪れなくなってその場を後にした。
雨はあらゆるものを洗い流す、だが多くのものは洗われることも流されることも無いままに、濡れて行くのだ、悲しく、惨めに。
それ以来、どこにもあのドスまりさとその群れのゆっくり達を見たものは居なかった。
雨はまだ止む気配は無い。
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anko3830 秋雨とルサンチマン