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anko4028 邪悪なる者達・前編
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ankoss
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『邪悪なる者達・前編』 19KB
制裁 ゲス 希少種 愛護人間 24作品目、前編です。
制裁 ゲス 希少種 愛護人間 24作品目、前編です。
注意書きです。
1 希少種が出ます。
2 ゲスいゆっくりが多く出ます。
3 作者の独自設定が含まれています。
4 若干ギャグ要素が含まれています。
5 前編・中編・後編に分かれているので、順番に読む事をお勧めします。
2 ゲスいゆっくりが多く出ます。
3 作者の独自設定が含まれています。
4 若干ギャグ要素が含まれています。
5 前編・中編・後編に分かれているので、順番に読む事をお勧めします。
それでもOKという方のみ、どうぞ。
「うぉー、まってくれごしゅじーん!」
「ほら!ゆっくりしないではやくなさい!」
「ほら!ゆっくりしないではやくなさい!」
……そこは、どこにでもあるような、普通の山の中。
その山の中の道中に、見慣れない風貌の二匹のゆっくりがいた。
二匹の内、先頭にいるゆっくりは滑らかな蒼い髪の毛に、頭にかんざしのようなお飾りが付いていて、薄い羽衣のような布を身に纏っていた。
もう一匹のゆっくりは中華帽のような帽子をかぶっており、額にお札のようなものが貼られ、何やら顔色が悪いようだった。
どうやら二匹のゆっくりは、どこかへと急いでいる最中らしい。
その山の中の道中に、見慣れない風貌の二匹のゆっくりがいた。
二匹の内、先頭にいるゆっくりは滑らかな蒼い髪の毛に、頭にかんざしのようなお飾りが付いていて、薄い羽衣のような布を身に纏っていた。
もう一匹のゆっくりは中華帽のような帽子をかぶっており、額にお札のようなものが貼られ、何やら顔色が悪いようだった。
どうやら二匹のゆっくりは、どこかへと急いでいる最中らしい。
「よしかはからだがかたくて、あんまりはやくうごけないんだよぅ!」
「あれほどせーがが、からだをやわらかくするたいそうをしておきなさいっていったじゃないですか!」
「あれほどせーがが、からだをやわらかくするたいそうをしておきなさいっていったじゃないですか!」
……が、よしかという名前のゆっくりは跳ねるのが遅いらしく、せーがという名前のゆっくりが、そのよしかを急かしていた。
「あれ?そうだっけ?……ところで、なんでよしかははねるのがおそいんだっけ?」
「あなたのからだがかたいからですよ!」
「あなたのからだがかたいからですよ!」
二匹の様子は、さながらデコボココンビといった感じだった。
「うーさうさうさっ!おふたりとも、まーた『あそこ』にいくきうさっ?」
……そんな二匹の背後がら、何者かが声を掛けた。
二匹が後ろを振り向くと、そこには頭に兎の耳が生えたゆっくりがいた。
「おぅ?ごしゅじん、あのゆっくりだれだっけ?」
「てゐさんですよ、てゐさん。あなた、なんかいもかのじょがつくったおとしあなにはまっていたじゃないですか」
「うーん……、……おぉ!そんなきがしてきた!」
「しっかりしてください……。それで?せーがたちになにかようですか?てゐさん?」
てゐと呼ばれたゆっくりは、不敵な笑みを浮かべた。
「てゐはなんかいもちゅうこくしたうさ!……それでも、まだ『あそこ』にいくのをやめないうさ?」
「ふふん、やめるわけがないでしょう?……せーがには、やぼうがありますので」
「そううさか。まぁ、そのやぼうとやらにつぶされないよう、きをつけるうさ。うーさうさうさっ!」
てゐは高笑いをすると、近くの茂みの向こうへと消えて行った。
「ごしゅじん?ごしゅじんのやぼうってなんだっけ?」
「……せーが、なんだかなきたくなってきました」
「ぽんぽんがいたいのか?よしかがすりすりしようか?」
「もういいです……。ほら、いきますよよしか。あしもとにきをつけてくださいね」
「はーい!」
そんなこんなで、二匹は再び道を進み始める。
二匹の目指す場所とは、山を下った麓にある、『あそこ』であった。
二匹が後ろを振り向くと、そこには頭に兎の耳が生えたゆっくりがいた。
「おぅ?ごしゅじん、あのゆっくりだれだっけ?」
「てゐさんですよ、てゐさん。あなた、なんかいもかのじょがつくったおとしあなにはまっていたじゃないですか」
「うーん……、……おぉ!そんなきがしてきた!」
「しっかりしてください……。それで?せーがたちになにかようですか?てゐさん?」
てゐと呼ばれたゆっくりは、不敵な笑みを浮かべた。
「てゐはなんかいもちゅうこくしたうさ!……それでも、まだ『あそこ』にいくのをやめないうさ?」
「ふふん、やめるわけがないでしょう?……せーがには、やぼうがありますので」
「そううさか。まぁ、そのやぼうとやらにつぶされないよう、きをつけるうさ。うーさうさうさっ!」
てゐは高笑いをすると、近くの茂みの向こうへと消えて行った。
「ごしゅじん?ごしゅじんのやぼうってなんだっけ?」
「……せーが、なんだかなきたくなってきました」
「ぽんぽんがいたいのか?よしかがすりすりしようか?」
「もういいです……。ほら、いきますよよしか。あしもとにきをつけてくださいね」
「はーい!」
そんなこんなで、二匹は再び道を進み始める。
二匹の目指す場所とは、山を下った麓にある、『あそこ』であった。
「ふっふっふ……。みていなさい、てゐさん!せいがはぜったいに、やぼうをかなえてみせますよ!」
せいがはある野望を胸に秘めていた。
その野望の第一歩として、今日も日課となる『あそこ』へと赴く。
せいがの道のりは、はるか遠く険しい。
それでもせいがは、己の野望を叶える為、その道を踏み外そうとは考えていない。
その野望の第一歩として、今日も日課となる『あそこ』へと赴く。
せいがの道のりは、はるか遠く険しい。
それでもせいがは、己の野望を叶える為、その道を踏み外そうとは考えていない。
「ごしゅじーん、なにかたべたいぞー」
「……」
「……」
……時々、踏み外してしまいそうには、なる。
邪悪なる者達・前編
作:ぺけぽん
「ごしゅじーん、なにかたべたいぞー」
「しーっ……。よしか、しずかにしなさい……」
「しーっ……。よしか、しずかにしなさい……」
……あれから数十分後。
二匹は山を下り、目的地へと辿り着いた。
二匹は今、その目的地の近くにある草むらの中に隠れていた。
……二匹の視線の先には、小さな村があった。
二匹は今、その目的地の近くにある草むらの中に隠れていた。
……二匹の視線の先には、小さな村があった。
「おーい、たご作ー。一服すんべー」
「んだなー。朝から畑仕事してて、腕が痛えだよー」
「俺の婆さんが作ったイナゴの佃煮でも食うべー」
「んだなー。朝から畑仕事してて、腕が痛えだよー」
「俺の婆さんが作ったイナゴの佃煮でも食うべー」
村の中では、七十~八十代位の年齢の老人達が畑仕事を終えて一服している最中だった。
……そう、てゐが言っていた『あそこ』とは、この山の麓にある小さな村の事だった。
この村には、若い年代の村人が一人もいなかった。
若い村人達は人里での暮らしに憧れ出て行ってしまい、村は老人ばかりとなったのだ。
「ふっふっふ……。きょうもいつもどおりですね……」
せーがは草むらの中から老人達の様子を伺い、悪い笑みを浮かべていた。
「ごしゅじーん、なんでよしか、ここにいるんだっけ?」
「……あのですねぇ、よしか。せーがたちはあのにんげんたちにわるいことをするためにきたんですよ?」
「なんで?」
……そう、てゐが言っていた『あそこ』とは、この山の麓にある小さな村の事だった。
この村には、若い年代の村人が一人もいなかった。
若い村人達は人里での暮らしに憧れ出て行ってしまい、村は老人ばかりとなったのだ。
「ふっふっふ……。きょうもいつもどおりですね……」
せーがは草むらの中から老人達の様子を伺い、悪い笑みを浮かべていた。
「ごしゅじーん、なんでよしか、ここにいるんだっけ?」
「……あのですねぇ、よしか。せーがたちはあのにんげんたちにわるいことをするためにきたんですよ?」
「なんで?」
「きまってるじゃないですか!あのむらを、せーがたちがのっとって、ゆっくりするためです!」
せいがはいい加減にしてくれとばかりに叫んだ。
……声を最小限に抑えて。
……声を最小限に抑えて。
せーがはある野望を胸に秘めていた。
……それは、この村を自分が乗っ取り、その村の老人達を自分の専属にする事だった。
せーがは以前から村を訪れては偵察や妨害などの工作活動を行っていたのだ。
少しずつ、ゆっくりと、自分が村を征服しやすい要素を増やしていく為に。
そして今回、自分の第一の専属であるよしかに工作活動のイロハを学ばせる為に初めて村に連れて来たのだ。
「ほわぁ、そうだったのか!」
「はぁ……」
……が、このよしかは物覚えが致命的に悪く、比較的頭が良いせーがでも教えるのにかなり苦戦していた。
それでもよしかには自分が何をしているのかを覚えてもらわないと困ると、せーがは考えていた。
「よしか、あれ、ちゃんともってきました?」
「おぉ!それはばっちりだ!」
せーがに促され、よしかは軽く身を震わせた。
すると、よしかが被っていた帽子から何かがスルリと落ちた。
……それは、ゆっくりれいむ種のお飾りのリボンだった。
以前せーがが山の中を散歩していた際に、痩せこけて餓死しているれいむを見つけて、それを頂いたのだ。
せーがはそのリボンをよしかに命じて、自分の頭に付けさせた。
「ふっふっふ……。かんぺきですね……」
「ごしゅじーん、なんでほかのゆっくりのおかざりをつけているんだー?」
「それはですね、にんげんたちのめをごまかすためですよ」
「ごまかす?」
「そうです。ほかのゆっくりのおかざりをつけていれば、せーがだとおもわれないでしょう?」
「うはぁ!ごしゅじんはあたまがいいなぁ!」
「ふふ、もっとほめてください」
……二匹は色々と盛り上がっていたが、人間に対してそんなカムフラージュは通用しないという事には気付いていなかった。
「ごしゅじん、よしかはどうすればいいんだ?」
「あなたはしょはんだからだいじょうぶでしょう。つぎからごまかすようにすればいいのです」
「わかったー!」
「それじゃあ、ゆっくりいきましょうか」
二匹はそう言って、村に近付き、老人達がいない場所を探し始めた。
「ここからはいりましょう」
「しずかにはいればいいんだよね!」
適当な場所を発見し、二匹は村の中へ侵入した。
ここから、二匹の工作活動が始まるのだ。
……それは、この村を自分が乗っ取り、その村の老人達を自分の専属にする事だった。
せーがは以前から村を訪れては偵察や妨害などの工作活動を行っていたのだ。
少しずつ、ゆっくりと、自分が村を征服しやすい要素を増やしていく為に。
そして今回、自分の第一の専属であるよしかに工作活動のイロハを学ばせる為に初めて村に連れて来たのだ。
「ほわぁ、そうだったのか!」
「はぁ……」
……が、このよしかは物覚えが致命的に悪く、比較的頭が良いせーがでも教えるのにかなり苦戦していた。
それでもよしかには自分が何をしているのかを覚えてもらわないと困ると、せーがは考えていた。
「よしか、あれ、ちゃんともってきました?」
「おぉ!それはばっちりだ!」
せーがに促され、よしかは軽く身を震わせた。
すると、よしかが被っていた帽子から何かがスルリと落ちた。
……それは、ゆっくりれいむ種のお飾りのリボンだった。
以前せーがが山の中を散歩していた際に、痩せこけて餓死しているれいむを見つけて、それを頂いたのだ。
せーがはそのリボンをよしかに命じて、自分の頭に付けさせた。
「ふっふっふ……。かんぺきですね……」
「ごしゅじーん、なんでほかのゆっくりのおかざりをつけているんだー?」
「それはですね、にんげんたちのめをごまかすためですよ」
「ごまかす?」
「そうです。ほかのゆっくりのおかざりをつけていれば、せーがだとおもわれないでしょう?」
「うはぁ!ごしゅじんはあたまがいいなぁ!」
「ふふ、もっとほめてください」
……二匹は色々と盛り上がっていたが、人間に対してそんなカムフラージュは通用しないという事には気付いていなかった。
「ごしゅじん、よしかはどうすればいいんだ?」
「あなたはしょはんだからだいじょうぶでしょう。つぎからごまかすようにすればいいのです」
「わかったー!」
「それじゃあ、ゆっくりいきましょうか」
二匹はそう言って、村に近付き、老人達がいない場所を探し始めた。
「ここからはいりましょう」
「しずかにはいればいいんだよね!」
適当な場所を発見し、二匹は村の中へ侵入した。
ここから、二匹の工作活動が始まるのだ。
「そろーり、そろーり」
「そーろーそーろー!」
「ちょっ、よしか!こえがおおきいですよ!?」
「あ、ごしゅじんごめんなさい!」
「ごしゅじんじゃなくて、れいむとよびなさい!」
「そーろーそーろー!」
「ちょっ、よしか!こえがおおきいですよ!?」
「あ、ごしゅじんごめんなさい!」
「ごしゅじんじゃなくて、れいむとよびなさい!」
二匹は最初の段階で、思いっきりつまづいていた。
「うーん?九太郎、何か変なゆっくりがおるぞぉ?あんなゆっくり初めてみるぞい」
「お前呆けとんのかぁ?いつも村に入ってくる、せいたっちゅう名前のゆっくりだべよ」
「清太……、村に帰ってこんかのぅ……」
「清太はお前じゃろう。……ん?もう一匹変なのがおるぞ?」
「孫じゃろ」
「お前呆けとんのかぁ?いつも村に入ってくる、せいたっちゅう名前のゆっくりだべよ」
「清太……、村に帰ってこんかのぅ……」
「清太はお前じゃろう。……ん?もう一匹変なのがおるぞ?」
「孫じゃろ」
老人達はそんな二匹を眺めながら休んでいた。
「さぁ、さっそくこうさくかつどうのはじまりですよ……!」
「おー!」
「おー!」
せいがは小声で、よしかは大声でそう宣言した。
「あのせいた、今日は何して遊ぶんかいのぅ?」
「あん時、清太を怒鳴らんかったら……。清太は出て行かずにすんだんじゃぁ……!!」
「だから清太はお前じゃ」
「イナゴの佃煮は飽きたべぇ。誰か柿ピー持ってきてくんろ」
「あん時、清太を怒鳴らんかったら……。清太は出て行かずにすんだんじゃぁ……!!」
「だから清太はお前じゃ」
「イナゴの佃煮は飽きたべぇ。誰か柿ピー持ってきてくんろ」
老人達は柿ピーをつまんでいた。
「それで、よしかたちはなにをすればいいんだー?」
工作活動は始まったものの、初めて村に来たばかりのよしかは何をすればいいのか分からなかった。
「ふふふ……。よしか、あれをひっこぬくのです!」
れいむに扮した(つもり)せーがの視線の先には、村人の清太さん(息子の名前はとめ吉)の大根畑があった。
「えー?なんでひっこぬくのー?」
「ふふ……。よしかはしらないようですが、あれはおやさいさんといって、にんげんはそのおやさいさんをひとりじめにしているんです」
「なんと!」
「えぇ。あのつちからはおやさいさんがはえてきます」
「おいしいのか!?よしかもたべたい!」
「まぁまちなさい。まずせー……、いや、れいむがおてほんをみせますから」
「ごしゅじん、いませーがって」
「いってません!……とにかくいってきますからね!」
せーがはそろーり、そろーりと言いながら大根畑へ近付いて行った。
大根畑に到達したせーがは、悪い笑みを浮かべた。
「ふふふ……。きょうもきれいさっぱりぬきとってあげますからね!」
そう言ってせーがは口に咥えて、思いっきり抜き取った。
工作活動は始まったものの、初めて村に来たばかりのよしかは何をすればいいのか分からなかった。
「ふふふ……。よしか、あれをひっこぬくのです!」
れいむに扮した(つもり)せーがの視線の先には、村人の清太さん(息子の名前はとめ吉)の大根畑があった。
「えー?なんでひっこぬくのー?」
「ふふ……。よしかはしらないようですが、あれはおやさいさんといって、にんげんはそのおやさいさんをひとりじめにしているんです」
「なんと!」
「えぇ。あのつちからはおやさいさんがはえてきます」
「おいしいのか!?よしかもたべたい!」
「まぁまちなさい。まずせー……、いや、れいむがおてほんをみせますから」
「ごしゅじん、いませーがって」
「いってません!……とにかくいってきますからね!」
せーがはそろーり、そろーりと言いながら大根畑へ近付いて行った。
大根畑に到達したせーがは、悪い笑みを浮かべた。
「ふふふ……。きょうもきれいさっぱりぬきとってあげますからね!」
そう言ってせーがは口に咥えて、思いっきり抜き取った。
……大根畑に生えている雑草を。
「ゆんしょ、ゆんしょ……。ふぅ、まだまだたくさんありますね……」
「ごしゅじーん、なんでそんなちいさいくさばっかりぬくのー?」
雑草ばかり抜き取り、肝心の大根をさっぱり抜かないせーがに対して、よしかは疑問の言葉を投げかけた。
「ふふふ……。よしか、そんなのきまってるでしょう?……このくさも、しょうらいはりっぱなおやさいさんになるからです!」
「え?そうなの?」
当然、そうではない。
「えぇ。こっちのでっかいおやさいさんは、そのうちにんげんがぬきとってしまうでしょう。……それでいいんですよ」
「なんで?」
「さきにこっちのちいさいおやさいさんをたくさんとってしまえば、またおやさいさんがはえてくるまで、じかんがかかるでしょう?」
「えーと、どゆこと?」
「ふふ……。つまり、にんげんたちのごはんさんのりょうをへらしてしまおうってかんがえです!」
「うおぉ!それはこわい!ごはんさんがへっちゃったら、ぽんぽんがぺこぺこになっちゃう!」
「ふふふふ……。せ……、れいむたちはこのむらをのっとったあとに、おなかいっぱいおやさいさんをたべればいいのです」
「すごいすごい!ごしゅじんはてんさいだぁ!」
「ふふん、たくさんほめてください」
「ごしゅじーん、なんでそんなちいさいくさばっかりぬくのー?」
雑草ばかり抜き取り、肝心の大根をさっぱり抜かないせーがに対して、よしかは疑問の言葉を投げかけた。
「ふふふ……。よしか、そんなのきまってるでしょう?……このくさも、しょうらいはりっぱなおやさいさんになるからです!」
「え?そうなの?」
当然、そうではない。
「えぇ。こっちのでっかいおやさいさんは、そのうちにんげんがぬきとってしまうでしょう。……それでいいんですよ」
「なんで?」
「さきにこっちのちいさいおやさいさんをたくさんとってしまえば、またおやさいさんがはえてくるまで、じかんがかかるでしょう?」
「えーと、どゆこと?」
「ふふ……。つまり、にんげんたちのごはんさんのりょうをへらしてしまおうってかんがえです!」
「うおぉ!それはこわい!ごはんさんがへっちゃったら、ぽんぽんがぺこぺこになっちゃう!」
「ふふふふ……。せ……、れいむたちはこのむらをのっとったあとに、おなかいっぱいおやさいさんをたべればいいのです」
「すごいすごい!ごしゅじんはてんさいだぁ!」
「ふふん、たくさんほめてください」
せいがはドヤ顔で畑の雑草を抜き取り続けた。
「おぉ、今日もせいたは畑の雑草を抜いとるわい」
「働きもんじゃのぅ。助かるのぅ」
「おらの人参畑の雑草も抜いてくれるしのぅ」
「働きもんじゃのぅ。助かるのぅ」
「おらの人参畑の雑草も抜いてくれるしのぅ」
老人達はせいがの働きぶりに感心していた。
「ごしゅじーん、つぎはなにをするのぉ?」
「うーん、そうですねぇ……」
せーがが次は何をしようか考えていた、その時だった。
「うーん、そうですねぇ……」
せーがが次は何をしようか考えていた、その時だった。
「ふごわぁっ!?こ、腰がぁっ!?ワシの腰があぁぁぁぁっ!?」
畑を耕していたオハラさん(趣味はアーチェリー)が四つん這いになって悲鳴を上げていた。
どうやら畑を耕している途中でギックリ腰になってしまったようだ。
「だ、誰か助けてくんろおぉぉぉぉっ!?」
オハラさんは村の老人達に助けを求めるが、全員都合よく耳が遠かった為、オハラさんのSOSは届かなかった。
「嫌だあぁぁぁぁっ!畑のど真ん中で孤独死は嫌だよおぉぉぉぉっ!」
このまま誰もオハラさんの以上に気付かなければ、延々とギックリ腰の痛みに耐え続けなければいけない。
……それは齢八十を超えるオハラさんにとって拷問でしかなかった。
「っ……」
それを見たせーがはオハラさんの所へ跳ねて行き……。
「ゆんっ!」
「おふっ……!」
オハラさんの腰に渾身の体当たりをかました。
「お……、おぉ……」
せーがに体当たりされたオハラさんはプルプルと震え……。
どうやら畑を耕している途中でギックリ腰になってしまったようだ。
「だ、誰か助けてくんろおぉぉぉぉっ!?」
オハラさんは村の老人達に助けを求めるが、全員都合よく耳が遠かった為、オハラさんのSOSは届かなかった。
「嫌だあぁぁぁぁっ!畑のど真ん中で孤独死は嫌だよおぉぉぉぉっ!」
このまま誰もオハラさんの以上に気付かなければ、延々とギックリ腰の痛みに耐え続けなければいけない。
……それは齢八十を超えるオハラさんにとって拷問でしかなかった。
「っ……」
それを見たせーがはオハラさんの所へ跳ねて行き……。
「ゆんっ!」
「おふっ……!」
オハラさんの腰に渾身の体当たりをかました。
「お……、おぉ……」
せーがに体当たりされたオハラさんはプルプルと震え……。
「ワシ、こんてぃにゅーできたぞいっ!!」
満面の笑みを浮かべて立ち上がった。
今のせいがの一撃で、骨のズレを矯正する事が出来たようである。
「助かったわい、せいた!次またギックリ腰になっちまった時も、よろしくたのむぞい!」
「えぇ、よかったですね!(なんで、れいむじゃなくて、せいたなんでしょうか?)」
せーがは少々疑問に思ったが、それは口には出さないでおいた。
鼻歌交じりで畑仕事に戻ったオハラさんを見届けたせーがは、よしかの元へ戻って行った。
「ごしゅじん、いまのはすごかったけど、なんでにんげんをたすけたの?」
「ふふ……。よしかにはそうみえますか……」
「え?」
「あのにんげんをたすけたおぼえなんて、これっぽっちもありません。……むしろ、わるいことをしてやったといったかんじですよ」
せーがはニヤリと笑った。
「ほら、みてみなさい。あのにんげん、さっきあんなにひどいめにあったというのに、またうごいてますよ?」
「それは、なおったからじゃないの?」
「ふふふ……。あのようすだと、またいたいおもいをするかもしれないですねぇ……」
「え?うん、そうだね」
「あのにんげんはきづいていないのです!ちょうしにのれば、いたいおもいをまたするということに!」
「ま、まさか……、ごしゅじん……」
「えぇ、そうです!せーがはあのにんげんがいたいおもいをするのをふやすために、わざとあんなことをしたのです!」
「ひゃあ!ごしゅじんはわるいなぁ!あくどいなぁ!」
「えっへん、もっとののしってください」
今のせいがの一撃で、骨のズレを矯正する事が出来たようである。
「助かったわい、せいた!次またギックリ腰になっちまった時も、よろしくたのむぞい!」
「えぇ、よかったですね!(なんで、れいむじゃなくて、せいたなんでしょうか?)」
せーがは少々疑問に思ったが、それは口には出さないでおいた。
鼻歌交じりで畑仕事に戻ったオハラさんを見届けたせーがは、よしかの元へ戻って行った。
「ごしゅじん、いまのはすごかったけど、なんでにんげんをたすけたの?」
「ふふ……。よしかにはそうみえますか……」
「え?」
「あのにんげんをたすけたおぼえなんて、これっぽっちもありません。……むしろ、わるいことをしてやったといったかんじですよ」
せーがはニヤリと笑った。
「ほら、みてみなさい。あのにんげん、さっきあんなにひどいめにあったというのに、またうごいてますよ?」
「それは、なおったからじゃないの?」
「ふふふ……。あのようすだと、またいたいおもいをするかもしれないですねぇ……」
「え?うん、そうだね」
「あのにんげんはきづいていないのです!ちょうしにのれば、いたいおもいをまたするということに!」
「ま、まさか……、ごしゅじん……」
「えぇ、そうです!せーがはあのにんげんがいたいおもいをするのをふやすために、わざとあんなことをしたのです!」
「ひゃあ!ごしゅじんはわるいなぁ!あくどいなぁ!」
「えっへん、もっとののしってください」
せーがもよしかも、せーがの一人称がれいむになっていない事を気にしなくなっていた。
「ヒャアァァァァッ!?足攣ってもうたわいぃっ!?」
オハラさんは地面を転げ回っていた。
「ごしゅじーん、よしか、ねむくなってきたぞー」
「がまんしなさい!まだおひるなんですから!」
せいがはぐずり始めたよしかをたしなめていた。
……と、その時。
「がまんしなさい!まだおひるなんですから!」
せいがはぐずり始めたよしかをたしなめていた。
……と、その時。
「ワン、ワン!」
向こうから白い毛の犬が二匹に向かってきた。
「うおぉ!?なんだ!?なんだ!?」
よしかは突然の事態に戸惑ってしまった。
「あら、しろじゃないの、おいでー、しろー」
それとは正反対に、せいがは落ち着いた表情で犬を迎えた。
「ワンワン!」
「やん、くすぐったいですよ、しろ!」
シロと呼ばれた犬は、せいがの頬をぺろぺろと舐めていた。
「おぉ!ごしゅじん、そのいきものとなかがいいのか?」
「えぇ、このしろはほんとうにあまえんぼなんですよ」
「ワン!」
「でも……、なんでそのいきものとなかよくしてるの?にんげんといっしょにすんでるんでしょ?」
「ふふふのふ……。よしかはそうおもっていますか……」
「はい?」
「しろとはただなかよくしているだけではありません……。これもりっぱな、ぼうがいこうさくなのですよ?」
せいがはシロには聞こえないよう小声でよしかに話しかけた。
「どういうこと?」
「ほんかくてきにこのむらののっとりをはじめるとき、せんりょくはおおければおおいほうがいいわけです」
「おぉ、かずのぼうりょくというやつか!?」
「まぁ、そうですね。……それは、てきのうちがわにもいたほうがいいわけです」
「ま、まさか……、ごしゅじん……」
「そうです。いざというとき、このしろもせーがたちのなかにひきいれるのですよ」
「ほわぁ!ごしゅじんはちもなみだもないなぁ!」
「えぇ、そうでしょう?しろもそうおもいますよね?」
「うおぉ!?なんだ!?なんだ!?」
よしかは突然の事態に戸惑ってしまった。
「あら、しろじゃないの、おいでー、しろー」
それとは正反対に、せいがは落ち着いた表情で犬を迎えた。
「ワンワン!」
「やん、くすぐったいですよ、しろ!」
シロと呼ばれた犬は、せいがの頬をぺろぺろと舐めていた。
「おぉ!ごしゅじん、そのいきものとなかがいいのか?」
「えぇ、このしろはほんとうにあまえんぼなんですよ」
「ワン!」
「でも……、なんでそのいきものとなかよくしてるの?にんげんといっしょにすんでるんでしょ?」
「ふふふのふ……。よしかはそうおもっていますか……」
「はい?」
「しろとはただなかよくしているだけではありません……。これもりっぱな、ぼうがいこうさくなのですよ?」
せいがはシロには聞こえないよう小声でよしかに話しかけた。
「どういうこと?」
「ほんかくてきにこのむらののっとりをはじめるとき、せんりょくはおおければおおいほうがいいわけです」
「おぉ、かずのぼうりょくというやつか!?」
「まぁ、そうですね。……それは、てきのうちがわにもいたほうがいいわけです」
「ま、まさか……、ごしゅじん……」
「そうです。いざというとき、このしろもせーがたちのなかにひきいれるのですよ」
「ほわぁ!ごしゅじんはちもなみだもないなぁ!」
「えぇ、そうでしょう?しろもそうおもいますよね?」
せーがは邪悪な笑みを浮かべ、シロに笑いかけた。
(ワシ、その名前はあんま好きじゃないのぅ。ぱっとせんのじゃ)
シロ(本名:源之信)はとりあえずワン、と鳴いてみせた。
「さて……。きょうはこんなところでしょうか」
「おぉ、かえるのか?ごしゅじん」
「えぇ。ここのにんげんたちはせーがたちにたいしてけいかいしんをもっていませんが……。ふかいりはきんもつです」
せーがはやる事は終えたとばかりにそう言った。
「さぁ、かえりますよ、よしか。そろーり、そろーり」
「そーろーそーろー!」
「おぉ、かえるのか?ごしゅじん」
「えぇ。ここのにんげんたちはせーがたちにたいしてけいかいしんをもっていませんが……。ふかいりはきんもつです」
せーがはやる事は終えたとばかりにそう言った。
「さぁ、かえりますよ、よしか。そろーり、そろーり」
「そーろーそーろー!」
二匹は山へと帰って行った。
「おぉ、せいたが帰って行くぞい」
「明日も来いよー、せいたー」
「確か、孫の名前はよしぞうっちゅうたかいのぅ?」
「よしぞうもまた来いよー。柿ピー食わせちゃるからのー」
「明日も来いよー、せいたー」
「確か、孫の名前はよしぞうっちゅうたかいのぅ?」
「よしぞうもまた来いよー。柿ピー食わせちゃるからのー」
老人達は次第に遠くなっていく二匹の背中を見送った。
(やれやれ……。やっとかえったうさか……)
山へと戻っていく二匹の姿を、村の家の陰から覗く者がいた。
(あんなのがぼうがいこうさくとか……。わらえるうさ)
……それは、冒頭で二匹の前に現れた、ゆっくりてゐだった。
あれからてゐは二匹の後に村に侵入し、ずっと物陰に隠れていたのだ。
(このむらは、てゐのいたずらしほうだいのゆっくりぷれいすにするうさ。さきをこされるわけにはいかないうさ)
……このてゐも、せーがと同じようにこの村を自分のものにしようとしていた。
簡単に言えば、せーがは同業者兼ライバルなのだ。
(うさうさ……。まぁ、てゐのやりかたはひとあじちがううさよ……)
てゐは悪い笑みを浮かべ、家の陰から飛び出した。
(あんなのがぼうがいこうさくとか……。わらえるうさ)
……それは、冒頭で二匹の前に現れた、ゆっくりてゐだった。
あれからてゐは二匹の後に村に侵入し、ずっと物陰に隠れていたのだ。
(このむらは、てゐのいたずらしほうだいのゆっくりぷれいすにするうさ。さきをこされるわけにはいかないうさ)
……このてゐも、せーがと同じようにこの村を自分のものにしようとしていた。
簡単に言えば、せーがは同業者兼ライバルなのだ。
(うさうさ……。まぁ、てゐのやりかたはひとあじちがううさよ……)
てゐは悪い笑みを浮かべ、家の陰から飛び出した。
「おじいちゃーん!こんにちはうさーっ!」
てゐはさっきの悪い笑みから一転し、天使のような満面の笑みで老人達に挨拶をした。
「おぉ、てゐちゃんじゃないか」
「今日も遊びに来たんじゃのう」
「てゐちゃん、クズ野菜じゃが、人参食うかい?」
老人達はそんなてゐを快く出迎えた。
……てゐはせいががこの村に目を付ける以前から、村の老人達と接触していた。
てゐの人懐っこい性格(表)もあり、てゐは老人達の孫のような存在となっていた。
老人達がせいがとよしかに警戒心を抱かなかったのも、てゐに対して慣れていた為である。
「にんじんさん?おじいちゃん、ありがとうさっ!」
てゐは満面の笑みで人参を頬張った。
(うさうさうさ……。きょうもぜっこうちょううさ……)
……てゐは最初の内から、この村でいたずらをしようとは考えていなかった。
もしいたずらがバレて、自分が捕まれば間違いなく酷い目にあってしまう。
なのでてゐは、まず老人達とじっくり仲良くする事にした。
そうすれば、てゐに対する警戒心も薄まるし、隠れていたずらをすれば、てゐがやったと思わせづらくなる。
「てゐちゃんや、さっきせいたが来てたんじゃ。よしぞうっちゅう孫を連れてのぅ」
「じゃが、いつも話しかけようとすると、逃げちまうんじゃ。シャイなのかのぅ」
「働きもんじゃが、何を考えとるかちょっと分からんのじゃ。のう源之信」
「ワン!(そんな事はどうでも良いんじゃい。この村には女っ気がないから、せーがちゃんがワシの心のオアシスじゃい)」
「へぇー、そううさかー(せーが、まったくわるくおもわれていないうさね)」
「何故かは知らんが、いつもてゐちゃんと入れ違いで来るんじゃよ」
「タイミングっちゅうもんが悪いんだべよ」
「ふーん、てゐもいつか、あってみたいうさ!(そりゃあ、わざとあわないようにしているうさからねぇ)」
「てゐちゃんもせいたも良い子じゃのぅ。どっちもめんこいのぅ」
「ありがとううさ!(あいつといっしょにはしないでほしいうさ)」
……そんな感じでてゐと老人達はお喋りに華を咲かせ続けたのだった。
「おぉ、てゐちゃんじゃないか」
「今日も遊びに来たんじゃのう」
「てゐちゃん、クズ野菜じゃが、人参食うかい?」
老人達はそんなてゐを快く出迎えた。
……てゐはせいががこの村に目を付ける以前から、村の老人達と接触していた。
てゐの人懐っこい性格(表)もあり、てゐは老人達の孫のような存在となっていた。
老人達がせいがとよしかに警戒心を抱かなかったのも、てゐに対して慣れていた為である。
「にんじんさん?おじいちゃん、ありがとうさっ!」
てゐは満面の笑みで人参を頬張った。
(うさうさうさ……。きょうもぜっこうちょううさ……)
……てゐは最初の内から、この村でいたずらをしようとは考えていなかった。
もしいたずらがバレて、自分が捕まれば間違いなく酷い目にあってしまう。
なのでてゐは、まず老人達とじっくり仲良くする事にした。
そうすれば、てゐに対する警戒心も薄まるし、隠れていたずらをすれば、てゐがやったと思わせづらくなる。
「てゐちゃんや、さっきせいたが来てたんじゃ。よしぞうっちゅう孫を連れてのぅ」
「じゃが、いつも話しかけようとすると、逃げちまうんじゃ。シャイなのかのぅ」
「働きもんじゃが、何を考えとるかちょっと分からんのじゃ。のう源之信」
「ワン!(そんな事はどうでも良いんじゃい。この村には女っ気がないから、せーがちゃんがワシの心のオアシスじゃい)」
「へぇー、そううさかー(せーが、まったくわるくおもわれていないうさね)」
「何故かは知らんが、いつもてゐちゃんと入れ違いで来るんじゃよ」
「タイミングっちゅうもんが悪いんだべよ」
「ふーん、てゐもいつか、あってみたいうさ!(そりゃあ、わざとあわないようにしているうさからねぇ)」
「てゐちゃんもせいたも良い子じゃのぅ。どっちもめんこいのぅ」
「ありがとううさ!(あいつといっしょにはしないでほしいうさ)」
……そんな感じでてゐと老人達はお喋りに華を咲かせ続けたのだった。
「おじいちゃん、またくるうさっ!」
「気ぃ付けて帰れよー」
「せいたとよしぞうに会ったら、よろしく言っといてくれー」
「たまには帰ってきてくれと伝えといてなぁー」
「清太はお前言うとんじゃろが!!」
「せいたとよしぞうに会ったら、よろしく言っといてくれー」
「たまには帰ってきてくれと伝えといてなぁー」
「清太はお前言うとんじゃろが!!」
老人達とのお喋りを終えたてゐは、老人達に見送られながら山へと戻って行った。
「うんうん、やっぱりてゐちゃんは良い子じゃい」
「せいたも働きもんで、助かるしのう」
「……ゆっくりも皆、あの子達のようじゃったらのぅ……」
「そういう事を言うでないわい。そう言うと、前の事を思い出しちまうじゃろがい」
「そうじゃそうじゃ。ワシらは変わると決めたじゃろ?」
「まぁ……。そうじゃがのう……」
「せいたも働きもんで、助かるしのう」
「……ゆっくりも皆、あの子達のようじゃったらのぅ……」
「そういう事を言うでないわい。そう言うと、前の事を思い出しちまうじゃろがい」
「そうじゃそうじゃ。ワシらは変わると決めたじゃろ?」
「まぁ……。そうじゃがのう……」
老人達はそんな事を言いながら、徐々に遠くなっていくてゐの背中を眺めていた。
(うさうさ、じゅんちょう、じゅんちょううさ。このちょうしで、どんどんなかよくなるうさ)
てゐは内心ほくそ笑んでいた。
もう十分仲良くなっていると思うのだが、てゐにしてみればまだまだなのだろう。
てゐが村でいたずらを実行に移すのはまだ先のようである。
(そういえば、おはらさん、あしがつったっていっていたうさね……。ちょっぴりしんぱいうさ)
……訂正、村人の心配をしている時点で、まだまだ先の話のようである。
てゐは内心ほくそ笑んでいた。
もう十分仲良くなっていると思うのだが、てゐにしてみればまだまだなのだろう。
てゐが村でいたずらを実行に移すのはまだ先のようである。
(そういえば、おはらさん、あしがつったっていっていたうさね……。ちょっぴりしんぱいうさ)
……訂正、村人の心配をしている時点で、まだまだ先の話のようである。
「おやぁ~?そこにいるのは、てゐさんじゃありませんか?」
「おぉ、てゐだ!はじめまして!」
「え?……あっ、おまえたち……」
「おぉ、てゐだ!はじめまして!」
「え?……あっ、おまえたち……」
……すると、てゐの目の前に何故かせいがとよしかの二匹が現れた。
「な、なんのよううさ?またてゐにいちゃもんでも……」
「いぃえ~?いちゃもんだなんてそんな~」
「そんな~」
二匹の態度はどうも腑に落ちなかった。
「よ、ようがないなら、てゐはこれでしつれいするうさ!」
何か嫌な予感がしたてゐは、さっさとこの場から離れようとした。
「な、なんのよううさ?またてゐにいちゃもんでも……」
「いぃえ~?いちゃもんだなんてそんな~」
「そんな~」
二匹の態度はどうも腑に落ちなかった。
「よ、ようがないなら、てゐはこれでしつれいするうさ!」
何か嫌な予感がしたてゐは、さっさとこの場から離れようとした。
「まぁまぁ、まってくださいよ、て~ゐちゃん♪」
……てゐは、せーがのその一言で体が動かなくなってしまっていた。
「え?あ、ま、まさか?そんな……」
てゐは明らかに動揺していた。
(もしかして、みられていたうさ……!?)
てゐはもしかしてと思いながらも、半ば確信していた。
「せーが、いままでてゐちゃんのこと、ごかいしていました。てゐちゃんはとってもいいこなんですってね?」
「おぉ、てゐちゃんはわるいやつじゃなかったんだな!」
「あ……」
「えぇ、そうですよ、よしか。『おじいちゃん、てゐにあーんしてほしいうさ!』なんていうこが、わるいこなわけありません」
「あのにんげんたちと、とってもなかがよさそうだったもんね!」
「う……」
「えぇ、えぇ。きっとてゐちゃんは、ほんとうはやさしくて、はずかしがりやなんですよねぇ」
「あぁ!だからよしかたちが、あそこにいくのをいやがっていたのか!」
「ひ……、ひぃ……」
見られた。
全部、見られてしまった。
よりにもよって、こいつらに。
「う、うさ……、て、てゐはようじがあるうさ……。こ、このへんで、しつれいするうさ……」
「あら?そうですか?ざんねんですねぇ、よしか」
「ようじがあるなら、しょうがないね!」
「う、うさ……」
てゐは体がガチガチになりながらも、とにかく一刻も早く、この場を離れたかった。
今のてゐの頭の中は恥ずかしさで一杯だった。
「え?あ、ま、まさか?そんな……」
てゐは明らかに動揺していた。
(もしかして、みられていたうさ……!?)
てゐはもしかしてと思いながらも、半ば確信していた。
「せーが、いままでてゐちゃんのこと、ごかいしていました。てゐちゃんはとってもいいこなんですってね?」
「おぉ、てゐちゃんはわるいやつじゃなかったんだな!」
「あ……」
「えぇ、そうですよ、よしか。『おじいちゃん、てゐにあーんしてほしいうさ!』なんていうこが、わるいこなわけありません」
「あのにんげんたちと、とってもなかがよさそうだったもんね!」
「う……」
「えぇ、えぇ。きっとてゐちゃんは、ほんとうはやさしくて、はずかしがりやなんですよねぇ」
「あぁ!だからよしかたちが、あそこにいくのをいやがっていたのか!」
「ひ……、ひぃ……」
見られた。
全部、見られてしまった。
よりにもよって、こいつらに。
「う、うさ……、て、てゐはようじがあるうさ……。こ、このへんで、しつれいするうさ……」
「あら?そうですか?ざんねんですねぇ、よしか」
「ようじがあるなら、しょうがないね!」
「う、うさ……」
てゐは体がガチガチになりながらも、とにかく一刻も早く、この場を離れたかった。
今のてゐの頭の中は恥ずかしさで一杯だった。
「それじゃあ、またこんどあいましょう?とってもかわいいて~ゐちゃん♪」
「て~ゐちゃん♪」
「て~ゐちゃん♪」
「う……、うさあぁぁぁぁんっ!!」
二匹のその一言がトドメとなり、てゐは顔を真っ赤にして泣きながらどこか遠くへ行ってしまった。
「ふふ……。むらからてゐさんのこえがきこえるとおもってもどってみたら……、いやはや、いいものがみれましたねぇ……」
せーがはゾクゾクと震えながら、危ない笑みを浮かべていた。
当然、自分達がここにいたのも偶然ではなく、最初からからかうつもりで待っていたのである。
「でも、てゐないてたぞ?ちょっといいすぎたんじゃないか、ごしゅじん?」
よしかはせーがに一緒にからかうよう命令されてやったものの、少し後悔していた。
「いいんですよ、らいばるはつぶせるときにつぶしておかないと……、ねぇ?」
「ごしゅじんは、くずだなぁ……」
「そうそう、もっとたっぷりほめてください」
「ほめてないぞ……」
二匹のその一言がトドメとなり、てゐは顔を真っ赤にして泣きながらどこか遠くへ行ってしまった。
「ふふ……。むらからてゐさんのこえがきこえるとおもってもどってみたら……、いやはや、いいものがみれましたねぇ……」
せーがはゾクゾクと震えながら、危ない笑みを浮かべていた。
当然、自分達がここにいたのも偶然ではなく、最初からからかうつもりで待っていたのである。
「でも、てゐないてたぞ?ちょっといいすぎたんじゃないか、ごしゅじん?」
よしかはせーがに一緒にからかうよう命令されてやったものの、少し後悔していた。
「いいんですよ、らいばるはつぶせるときにつぶしておかないと……、ねぇ?」
「ごしゅじんは、くずだなぁ……」
「そうそう、もっとたっぷりほめてください」
「ほめてないぞ……」
よしかはそう突っ込むも、せーがは全く気付いていないのだった。
……同時刻。
「ゆっへっへ……。これは……。いいところをみつけたのぜ……」
……せーががてゐを馬鹿にしていた頃、麓の村を遠く離れた草むらの陰から覗く、一匹のまりさがいた。
「さっそく、むれのみんなにもしらせるのぜ……」
まりさはそう呟き、草むらに紛れながら山へと戻って行った。
まりさの姿を見ていた者は、誰もいなかった。
「さっそく、むれのみんなにもしらせるのぜ……」
まりさはそう呟き、草むらに紛れながら山へと戻って行った。
まりさの姿を見ていた者は、誰もいなかった。
続く
挿絵: