ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4449 台風の目
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『台風の目』 6KB
不運 自業自得 現代 人間なし 二作目です。
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anko4445 邪気眼を持つものとゆっくり
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『台風の目』
『非常に強い台風○○号は、本州に上陸し……』
テレビではそんな報道がなされ、人々は外出を控えていた頃。
テレビではそんな報道がなされ、人々は外出を控えていた頃。
「おちょーしゃ、まりちゃ、おそとであそびたいのじぇ……」
「ゆん! だめだよおちびちゃん! あめさんとかぜさんでゆっくりできないよ!」
野良ゆっくりの一家もまた、おうちの中で過ごしていた。
「それにしてもぱちゅりー、たいふうさんがきてるみたいだけど、このおうちはだいじょうぶかな……」
まりさは妻のぱちゅりーにそう尋ねる。ぱちゅりーも同じことを考えていたのか、不安を顔に出していた。
「むきゅ、そうね……」
「むきゅ! おきゃーしゃんはまちのけんじゃなにょよ! そのおきゃーしゃんがかんがえたおうちだもにょ、だいじょうぶにきまっちぇるわ!」
すると、元気よく答えたのは赤ぱちゅりー。そして、母親にすーりすーりと頬を寄せる。
言葉を遮られた形になるぱちゅりーは、まりさと顔を見合わせ、笑った。
確かに、この一家のおうちは、コンクリートブロックやビニール、そのほか石などのおもしを組み合わせた、
ゆっくりが作ったとは思えないほど強固なものである。
浸水するような事がなければ、よほどの台風でもない限り耐えられるだろう。
「そうだね、おちびちゃんのいうとおりだよ」
まりさは不安を振り払うように、赤ぱちゅりーとすーりすーりする。
「むきゅ、そうよねまりさ。きっとだいじょうぶだわ。このおうちをたてたのはまりさだもの」
まりさと赤ぱちゅりーとすーりすーりしながら、ぱちゅりーも笑った。
「ゆ! まりちゃも! まりちゃも、しゅーりしゅーりしゅるのじぇ!」
そこに、まりちゃも加わる。
(ゆっ、そうだよ。このおうちなら、だいじょうぶだよ!)
まりさは不安を吹き飛ばすように、すーりすーりをする。
こうして一家は、ゆっくりできない悪天の中を、ゆっくりと過ごした。
「ゆん! だめだよおちびちゃん! あめさんとかぜさんでゆっくりできないよ!」
野良ゆっくりの一家もまた、おうちの中で過ごしていた。
「それにしてもぱちゅりー、たいふうさんがきてるみたいだけど、このおうちはだいじょうぶかな……」
まりさは妻のぱちゅりーにそう尋ねる。ぱちゅりーも同じことを考えていたのか、不安を顔に出していた。
「むきゅ、そうね……」
「むきゅ! おきゃーしゃんはまちのけんじゃなにょよ! そのおきゃーしゃんがかんがえたおうちだもにょ、だいじょうぶにきまっちぇるわ!」
すると、元気よく答えたのは赤ぱちゅりー。そして、母親にすーりすーりと頬を寄せる。
言葉を遮られた形になるぱちゅりーは、まりさと顔を見合わせ、笑った。
確かに、この一家のおうちは、コンクリートブロックやビニール、そのほか石などのおもしを組み合わせた、
ゆっくりが作ったとは思えないほど強固なものである。
浸水するような事がなければ、よほどの台風でもない限り耐えられるだろう。
「そうだね、おちびちゃんのいうとおりだよ」
まりさは不安を振り払うように、赤ぱちゅりーとすーりすーりする。
「むきゅ、そうよねまりさ。きっとだいじょうぶだわ。このおうちをたてたのはまりさだもの」
まりさと赤ぱちゅりーとすーりすーりしながら、ぱちゅりーも笑った。
「ゆ! まりちゃも! まりちゃも、しゅーりしゅーりしゅるのじぇ!」
そこに、まりちゃも加わる。
(ゆっ、そうだよ。このおうちなら、だいじょうぶだよ!)
まりさは不安を吹き飛ばすように、すーりすーりをする。
こうして一家は、ゆっくりできない悪天の中を、ゆっくりと過ごした。
結果から言えば、まりさの心配は杞憂だった。
「ゆっ! あめしゃんいなくなったのじぇ! しゃいっきょうのまりちゃにおしょれをなしたのじぇ!」
おうちの前で、元気いっぱいに跳ね回るまりちゃ。
「おちょーしゃ、まりちゃこうえんしゃんにいきたいのじぇ!」
早速、雨の間は抑えざるを得なかった願望を口にする。
「ゆ、こうえんさん……」
返答に困り、まりさはぱちゅりーを見た。
公園は、遠出というほどではないにせよ、ほいほいと行けるような距離でもない。
そして体が弱いぱちゅりーには、公園まで行くことはかなりの負担になる。
故に、まりさはぱちゅりーの判断を仰いだ。
そしてぱちゅりーの答えは、
「むきゅ、やめたほうがいいわ。あめさんがあがったばかりで、みずたまりさんもあちこちにあるだろうし……」
体調云々以前の問題としての、反対だった。
それを聞いたまりちゃが、不満の叫びを上げる。
「なんでなのじぇえええええ!?」
「みずたまりさんは、はいるとえいえんにゆっくりしちゃうんだよ! とってもゆっくりできないんだよ! ゆっくりりかいしてね!」
「しょうよ! おかーしゃんがゆっくちできにゃいっていうんだかりゃゆっくちできなにゃいのよ!」
「ゆ……!」
まりさに、そして赤ぱちゅりーにまで強く言われ、押し黙るまりちゃ。
しかしそれも一瞬のことで、すぐに火が付いたように泣き出した。
「いやぢゃいやぢゃいやぢゃいやぢゃあああああ! こうえんしゃん、いきちゃいのじぇえええええ!」
「むきゅ、おちびちゃん……」
暴れるまりちゃを前に、おろおろするぱちゅりー。
「……ゆう、わかったよ」
その姿を見ながら、まりさは深くため息をついた。
「まりさが、おちびちゃんをこうえんさんにつれていくよ。だから、ぱちゅりーはおるすばんしててほしいよ」
「むきゅ……」
「まりさも、おちびちゃんのときはよくわがままをいっておとーさんやおかーさんをこまらせたよ。だから、おちびちゃんのわがままはできるだけかなえてあげたいよ……」
言って、まりさは帽子をかぶり直し、暴れるまりちゃを器用に帽子のつばに乗せた。
「さ、こうえんさんにいくよ、おちびちゃん」
「ゆわーい! やったのじぇ!」
先程までの癇癪が嘘のように泣き止むまりちゃ。それを確認し、まりさは赤ぱちゅりーを見る。
「ぱちぇは、おきゃーしゃんといっちょにいりゅわ」
問われるまでもなくそう答える赤ぱちゅりー。対してまりさは、
「じゃあ、おかーさんをおねがいするよ。じゃあぱちゅりー、いってくるよ」
そして、まりさは家を出た。
「ゆっ! あめしゃんいなくなったのじぇ! しゃいっきょうのまりちゃにおしょれをなしたのじぇ!」
おうちの前で、元気いっぱいに跳ね回るまりちゃ。
「おちょーしゃ、まりちゃこうえんしゃんにいきたいのじぇ!」
早速、雨の間は抑えざるを得なかった願望を口にする。
「ゆ、こうえんさん……」
返答に困り、まりさはぱちゅりーを見た。
公園は、遠出というほどではないにせよ、ほいほいと行けるような距離でもない。
そして体が弱いぱちゅりーには、公園まで行くことはかなりの負担になる。
故に、まりさはぱちゅりーの判断を仰いだ。
そしてぱちゅりーの答えは、
「むきゅ、やめたほうがいいわ。あめさんがあがったばかりで、みずたまりさんもあちこちにあるだろうし……」
体調云々以前の問題としての、反対だった。
それを聞いたまりちゃが、不満の叫びを上げる。
「なんでなのじぇえええええ!?」
「みずたまりさんは、はいるとえいえんにゆっくりしちゃうんだよ! とってもゆっくりできないんだよ! ゆっくりりかいしてね!」
「しょうよ! おかーしゃんがゆっくちできにゃいっていうんだかりゃゆっくちできなにゃいのよ!」
「ゆ……!」
まりさに、そして赤ぱちゅりーにまで強く言われ、押し黙るまりちゃ。
しかしそれも一瞬のことで、すぐに火が付いたように泣き出した。
「いやぢゃいやぢゃいやぢゃいやぢゃあああああ! こうえんしゃん、いきちゃいのじぇえええええ!」
「むきゅ、おちびちゃん……」
暴れるまりちゃを前に、おろおろするぱちゅりー。
「……ゆう、わかったよ」
その姿を見ながら、まりさは深くため息をついた。
「まりさが、おちびちゃんをこうえんさんにつれていくよ。だから、ぱちゅりーはおるすばんしててほしいよ」
「むきゅ……」
「まりさも、おちびちゃんのときはよくわがままをいっておとーさんやおかーさんをこまらせたよ。だから、おちびちゃんのわがままはできるだけかなえてあげたいよ……」
言って、まりさは帽子をかぶり直し、暴れるまりちゃを器用に帽子のつばに乗せた。
「さ、こうえんさんにいくよ、おちびちゃん」
「ゆわーい! やったのじぇ!」
先程までの癇癪が嘘のように泣き止むまりちゃ。それを確認し、まりさは赤ぱちゅりーを見る。
「ぱちぇは、おきゃーしゃんといっちょにいりゅわ」
問われるまでもなくそう答える赤ぱちゅりー。対してまりさは、
「じゃあ、おかーさんをおねがいするよ。じゃあぱちゅりー、いってくるよ」
そして、まりさは家を出た。
「どぼじであ゛め゛ざんぶっでぐる゛の゛お゛おおおお!?」
そして、暴風雨に襲われた。
「あめしゃん! かぜしゃん! ゆっくりしないでやむのじぇ! ぷきゅううううう!」
叩きつけるような雨風の中で、自らの危険を理解していないまりちゃはぷくーをする。
だがもちろん、赤ゆっくりごときのぷくーなど自然現象には通じない――というよりゆっくり以外に……もとい、ゆっくりにさえ通じないのが常である。
反対に、まりちゃの帽子が飛ばされていった。
「おぼうししゃあああああん!?」
まりちゃが絶叫する。帽子はすぐに、まりちゃの視界から消えてしまった。
「まりちゃのおぼうししゃあああああん! ゆっくりしないでもどってきてねえええええ!」
叫んだところで、戻ってくるはずもない。
「ゆ! そうだよ! このままじゃおちびちゃんがとばされちゃうよ!」
既に半ば以上手遅れながら、まりさはその事実に気付く。
そして、帽子を失ってゆんゆん泣くまりちゃを地面に下ろした。
――大量の雨が流れる地面へ。
「ゆびゃあああああ!」
餡子が流れ出す痛みに、悲鳴を上げるまりちゃ。
成体ゆっくりならある程度は耐えられても、赤ゆっくりの皮ではすぐに溶けてしまう。
「ゆ、おちびちゃん、すぐにおとーさんのおくちのなかに……」
慌てて、地面よりはいくらかマシな口の中に入れようとして、
「……ゆ? ばりざのおぼうじざんがあああああ!?」
今度はまりさの帽子が飛ばされた。
「ゆっぐりじないでぼどっでぎでねえええええ!」
まりちゃと同じことを叫ぶまりさ。成長したところで、このあたりは基本的に変わらないのがゆっくりという生物である。
「ばりざのおぼうじざんがあああああ……」
やはり一瞬で視界から消えてしまったところで、まりさが泣き崩れる。
「もっ……ゆ゛っ……」
そんな消え入りそうな声を聞き、まりさは大事なおちびちゃんの存在を思い出す。そして、慌てておちびちゃんに向き直り、
「ゆ! そうだよ、ないてるばあいじゃないよ、おちびちゃ――ゆ?」
流れるあんこと、グズグズに溶けた饅頭皮の何かを見た。
「おちびちゃん? ゆっくりしないででてきてね?」
当然、返事はない。それによってまりさは、目の前のそれが我が子の成れの果てであると認識した。
「ばでぃざのおぢびぢゃんがあああああ!?」
どぼじで、の言葉は無い。自分のせいであると認識できるくらいには、まりさは賢かった。
「おぢびぢゃあああああん、ごべんね、ごべんねえええええ……」
そしてまりさは、まりちゃに詫びながら、まりちゃと同じように雨に溶けて死んでいった。
そして、暴風雨に襲われた。
「あめしゃん! かぜしゃん! ゆっくりしないでやむのじぇ! ぷきゅううううう!」
叩きつけるような雨風の中で、自らの危険を理解していないまりちゃはぷくーをする。
だがもちろん、赤ゆっくりごときのぷくーなど自然現象には通じない――というよりゆっくり以外に……もとい、ゆっくりにさえ通じないのが常である。
反対に、まりちゃの帽子が飛ばされていった。
「おぼうししゃあああああん!?」
まりちゃが絶叫する。帽子はすぐに、まりちゃの視界から消えてしまった。
「まりちゃのおぼうししゃあああああん! ゆっくりしないでもどってきてねえええええ!」
叫んだところで、戻ってくるはずもない。
「ゆ! そうだよ! このままじゃおちびちゃんがとばされちゃうよ!」
既に半ば以上手遅れながら、まりさはその事実に気付く。
そして、帽子を失ってゆんゆん泣くまりちゃを地面に下ろした。
――大量の雨が流れる地面へ。
「ゆびゃあああああ!」
餡子が流れ出す痛みに、悲鳴を上げるまりちゃ。
成体ゆっくりならある程度は耐えられても、赤ゆっくりの皮ではすぐに溶けてしまう。
「ゆ、おちびちゃん、すぐにおとーさんのおくちのなかに……」
慌てて、地面よりはいくらかマシな口の中に入れようとして、
「……ゆ? ばりざのおぼうじざんがあああああ!?」
今度はまりさの帽子が飛ばされた。
「ゆっぐりじないでぼどっでぎでねえええええ!」
まりちゃと同じことを叫ぶまりさ。成長したところで、このあたりは基本的に変わらないのがゆっくりという生物である。
「ばりざのおぼうじざんがあああああ……」
やはり一瞬で視界から消えてしまったところで、まりさが泣き崩れる。
「もっ……ゆ゛っ……」
そんな消え入りそうな声を聞き、まりさは大事なおちびちゃんの存在を思い出す。そして、慌てておちびちゃんに向き直り、
「ゆ! そうだよ、ないてるばあいじゃないよ、おちびちゃ――ゆ?」
流れるあんこと、グズグズに溶けた饅頭皮の何かを見た。
「おちびちゃん? ゆっくりしないででてきてね?」
当然、返事はない。それによってまりさは、目の前のそれが我が子の成れの果てであると認識した。
「ばでぃざのおぢびぢゃんがあああああ!?」
どぼじで、の言葉は無い。自分のせいであると認識できるくらいには、まりさは賢かった。
「おぢびぢゃあああああん、ごべんね、ごべんねえええええ……」
そしてまりさは、まりちゃに詫びながら、まりちゃと同じように雨に溶けて死んでいった。
まりさは、台風の目というものを知らなかった。
台風の中でもその部分だけは晴れていること、そこを過ぎれば再び嵐が吹き荒れることを。
つまり、台風が過ぎなくても、晴れることがあるということを。
知っていたところで、過ぎたのか、目の中なのかわからないゆっくりにはどうしようもなかっただろうが。
台風の中でもその部分だけは晴れていること、そこを過ぎれば再び嵐が吹き荒れることを。
つまり、台風が過ぎなくても、晴れることがあるということを。
知っていたところで、過ぎたのか、目の中なのかわからないゆっくりにはどうしようもなかっただろうが。
そもそも、『ゆっくりの平穏な生活』というそれそのものが、いつ抜けてしまうとも知れない台風の目のようなものなのだから。
後書き
前作『邪気眼を持つものとゆっくり』に評価を下さった方、ありがとうございます。
今回は自滅物にしてみました。締めの文章は、正直いらないんじゃないかと思ってますが。
未熟者ですので、「ここをこうすれば」というようなご意見をいただければ幸いです。
最後になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回は自滅物にしてみました。締めの文章は、正直いらないんじゃないかと思ってますが。
未熟者ですので、「ここをこうすれば」というようなご意見をいただければ幸いです。
最後になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。