ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4456 お姉さんは魔女~れいむと、れいむのおちびちゃん~
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『お姉さんは魔女~れいむと、れいむのおちびちゃん~』 24KB
虐待 家族崩壊 赤ゆ 現代 虐待人間 独自設定 うんしー オリキャラ注意 四作目です 注意書き追加しました。
虐待 家族崩壊 赤ゆ 現代 虐待人間 独自設定 うんしー オリキャラ注意 四作目です 注意書き追加しました。
過去作
anko4445 邪気眼を持つ者とゆっくり
anko4449 台風の目
anko4452 アメリカンゆんやッカー
anko4449 台風の目
anko4452 アメリカンゆんやッカー
- anko4445 「邪気眼を持つ者とゆっくり」に出てきたお姉さんが出てきますが、ストーリー上のつながりは特にありません。ただし、お姉さんはオリキャラです。
- 善良なゆっくりが出ます。虐待されます。
- 端役程度ですが、賢いゆっくりが出ます。
- いつも通り読み辛いと思いますが、それでもよろしければどうぞ。
『おねーさんの作るお菓子って、どうしてこんな甘いの?』
幼い頃――と言っても数年前の話だが――少年はお姉さんにそう聞いたことがある。
するとお姉さんは、笑って答えた。
『それはな、私が魔女だからさ』
それから、みんなには内緒だぞ? と人差し指を口に当てた。
どっちかって言うと魔法少女じゃないかな、と少年が思ったその日から数年後。
少しだけ成長した少年は、確かに魔法少女ではなくなってきたお姉さんのお菓子が甘い本当の理由を知った。
魔法とかそんなことは関係ない理由だった。
幼い頃――と言っても数年前の話だが――少年はお姉さんにそう聞いたことがある。
するとお姉さんは、笑って答えた。
『それはな、私が魔女だからさ』
それから、みんなには内緒だぞ? と人差し指を口に当てた。
どっちかって言うと魔法少女じゃないかな、と少年が思ったその日から数年後。
少しだけ成長した少年は、確かに魔法少女ではなくなってきたお姉さんのお菓子が甘い本当の理由を知った。
魔法とかそんなことは関係ない理由だった。
ただ、お菓子に魔法が関係なくても――お姉さんは本物の魔女だった。
『お姉さんは魔女 ~れいむと、れいむのおちびちゃん~』
「おでがいじばず! どうがれいむにあまあまをぐだざい! ずごじでいいでずがら! おでがいじばず!」
商店街にお菓子の材料を買いに行った帰り道。お姉さんは一匹のれいむが叫んでいるのを見つけた。
「ぞごのおねえざん! おでがいじばず! どうがあばあばをぐだざい!」
そして当然のように、れいむはその懇願をお姉さんにも向ける。
最近のゆっくりには珍しく、自分の立場というものを弁えているらしいれいむに興味を惹かれ、彼女は話をすることにした。
「やあ、れいむ。私に用かな?」
「ゆ、おでえざん……! でいぶのおばなじをぎいでぐれるの?」
声をかけると、れいむは目を見開く。
誰もこんな反応をする人間などいなかったのだろう。
それはそうだ。このあたりは、野良ゆっくりに厳しい風潮がある。
この地域は、市街地からそう遠くない場所に山や森があり、住宅地には農地が混ざっている――身も蓋もない言い方をすれば田舎である。
だからゆ害が多く、「野良ゆっくりは害をもたらす存在である」という共通認識が、地域に浸透している。
故に、「愛で派」であっても、野良ゆっくりに餌をやるような類の人間はまずいない。
……しかしそう考えると、このれいむはよく潰されなかったものだ。かなりの幸運の持ち主らしい。
お姉さんがそんなことを考えているうちに、れいむの聞き取りづらい説明は終わっていた。
「というわけなんだよ……。 だから、あまあまがひつようなんだよ……」
どうでもいい身の上話などが多く混じっていたが、要約すれば「番が死んで食料がない。おちびちゃんが飢え死にしそう」ということだ。
そこまでを、嫌な顔一つせず相槌を打ちながら聞いていたお姉さんは、
「じゃあ、うちに来るかい? 勿論、おチビちゃんたちも一緒に」
れいむにそう提案した。
一も二もなくその提案に飛びついたれいむは、「私の家に着くまで眠っているといい」とお姉さんに渡されたラムネを食べ、
おちびちゃん共々眠りについた。
商店街にお菓子の材料を買いに行った帰り道。お姉さんは一匹のれいむが叫んでいるのを見つけた。
「ぞごのおねえざん! おでがいじばず! どうがあばあばをぐだざい!」
そして当然のように、れいむはその懇願をお姉さんにも向ける。
最近のゆっくりには珍しく、自分の立場というものを弁えているらしいれいむに興味を惹かれ、彼女は話をすることにした。
「やあ、れいむ。私に用かな?」
「ゆ、おでえざん……! でいぶのおばなじをぎいでぐれるの?」
声をかけると、れいむは目を見開く。
誰もこんな反応をする人間などいなかったのだろう。
それはそうだ。このあたりは、野良ゆっくりに厳しい風潮がある。
この地域は、市街地からそう遠くない場所に山や森があり、住宅地には農地が混ざっている――身も蓋もない言い方をすれば田舎である。
だからゆ害が多く、「野良ゆっくりは害をもたらす存在である」という共通認識が、地域に浸透している。
故に、「愛で派」であっても、野良ゆっくりに餌をやるような類の人間はまずいない。
……しかしそう考えると、このれいむはよく潰されなかったものだ。かなりの幸運の持ち主らしい。
お姉さんがそんなことを考えているうちに、れいむの聞き取りづらい説明は終わっていた。
「というわけなんだよ……。 だから、あまあまがひつようなんだよ……」
どうでもいい身の上話などが多く混じっていたが、要約すれば「番が死んで食料がない。おちびちゃんが飢え死にしそう」ということだ。
そこまでを、嫌な顔一つせず相槌を打ちながら聞いていたお姉さんは、
「じゃあ、うちに来るかい? 勿論、おチビちゃんたちも一緒に」
れいむにそう提案した。
一も二もなくその提案に飛びついたれいむは、「私の家に着くまで眠っているといい」とお姉さんに渡されたラムネを食べ、
おちびちゃん共々眠りについた。
「「「「「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!」」」」」
れいむはお姉さんの家で、あまあまを食べる赤ありすたちに囲まれていた。
「ゆう~ん、おちびちゃんたち、ゆっくりしてるよぉ……」
れいむの前にも、山盛りの餌が置かれている。
「れいむのぶんのあまあまは、おちびちゃんたちにあげてね!」
れいむがそう言ったら――その時、何故かあまあまの皿を下げようとしたお姉さんとの一悶着があったのだが――お姉さんが別に用意してくれた、
苦い草やらキノコやらをごちゃごちゃと混ぜたものである。
それでもここ数日ろくなものを食べていなかったれいむにとっては十分過ぎるものだった。
それから、お姉さんが部屋の隅においていった、いい香りの煙が出るもの――「こうろさん」も、とてもゆっくりできる。
香りを嗅いでいるだけで、れいむはなんだかしあわせー! な気持ちになるのだ。
(ゆっ! あのおねえさんはゆっくりできるよ!)
そのお姉さんは、今ここにはいない。
「私がここにいたらゆっくりできないだろう?」
そう言って、部屋から出て行ったからだ。
そこまで気を使わなくてもいいのに――そんなことを考えながら、部屋の隅にある箱を見る。
何故かあの箱からは、ゆっくりできない何かを感じる。
お姉さんに見られていてもゆっくりできないわけではないのだから、気を使うなら、あれをどこかにやって欲しい。
そう思いながらも、れいむは自分の餌を食べ終えた。
見回すと、赤ありすたちもまた、大量のあまあまを食べ終え、満足気な表情で転がっていた。
「ゆっ! おちびちゃんたち、ごはんさんをたべたらうんうんしようね!」
「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃわ!」」」」」
れいむは、部屋の隅にあった新聞紙を持ってくる。
お姉さんが、「うんうんやしーしーはこの上でするようにな」と言って置いていったものだ。
「さあおちびちゃんたち、このうえに――」
「「「「「うーんうーん……しゅっきりー!」」」」」
「どぼじでぞごにうんうんじぢゃうのおおおおお!?」
叫んではみるものの。
(ゆ! おちびちゃんがうんうんをがまんできないのはしかたないよ!)
れいむはすぐにそう思い直し、舌で新聞紙の上にうんうんを集めていく。
(うんうんはゆっくりできないけど、おちびちゃんのはだいじょうぶだよ!)
「ゆんやあああああ! くちゃいいいいい!」「ちょかいはじゃにゃいわあああああ!」
あにゃるの周りにうんうんをこびりつかせ、泣き喚く赤ゆたち。
「ゆ! いま、おかーさんがきれいにしてあげるからね!」
言いながら、れいむは順番にぺーろぺーろしていく。
やがて綺麗になった赤ありすたちは、それぞれ思い思いにゆっくりしだした。
追いかけっこするもの。こーろこーろするもの。すーりすーりするもの。
「みゃみゃ、ありしゅにしゅーりしゅーりしちぇ!」
そんな中で、一匹の赤ありすがすーりすーりを求めてれいむのもとに来た。
「ゆっ! わかったよ!」
れいむがそう答えると、
「ありしゅもしゅーりしゅーりしちゃいわ!」「ありしゅも!」「ありしゅもよ!」
一斉に、赤ありすたちが集まってくる。
「ゆふふ! じゃあ、みんなですーりすーりしようね!」
「ゆ! ありしゅがしゃいしょよ、みゃみゃ!」
おちびちゃんたちに囲まれ、れいむは、番を失って以来久しく忘れていたように思えるゆっくりを感じていた。
「れいむ、ゆっくり出来てるかな?」
そんなれいむに、お姉さんの声がかけられる。
「ゆ、おねえさん! いたんだね! ごめんね、れいむきがつかなかったよ……」
申し訳なさそうにするれいむに、お姉さんは笑顔を返した。
「いや。構わないさ、このくらい。……それで、ゆっくり出来てるかな?」
そして、同じ問いを繰り返す。対してれいむは、
「ゆん! おねえさんのおかげで、れいむもれいむのかわいいおちびちゃんたちもゆっくりしてるよ!」
肯定を返した。
「そうか」
するとお姉さんはひとつ頷き返し、両手をれいむに伸ばす。
「ゆ、おねえさん――」
「もう、十分だな?」
ぶちり、ぶちり。
「………………ゆ?」
れいむの横で、そんな音がした。
「ゆびゃああああああああああ!?」
両のもみあげを同時に引きちぎられ、れいむは叫びを上げた。
痛みのあまり転げ回りそうになるが、それは許されない。お姉さんの手によって抑えられているからだ。
「お、おねえざん……!?」
「どうかな、れいむ。痛かったかな?」
涙に滲む視界で、お姉さんを見上げる。
「ど、どぼじで……」
「うん?」
「どぼじでごんなごどずるのおおおおお!?」
れいむは再び叫ぶ。
「れいむのもみあげざんどっだら! いだいいだいでじょおおおおお!?」
そして、
「ああ、やっぱり痛かったんだ――」
れいむはお姉さんの家で、あまあまを食べる赤ありすたちに囲まれていた。
「ゆう~ん、おちびちゃんたち、ゆっくりしてるよぉ……」
れいむの前にも、山盛りの餌が置かれている。
「れいむのぶんのあまあまは、おちびちゃんたちにあげてね!」
れいむがそう言ったら――その時、何故かあまあまの皿を下げようとしたお姉さんとの一悶着があったのだが――お姉さんが別に用意してくれた、
苦い草やらキノコやらをごちゃごちゃと混ぜたものである。
それでもここ数日ろくなものを食べていなかったれいむにとっては十分過ぎるものだった。
それから、お姉さんが部屋の隅においていった、いい香りの煙が出るもの――「こうろさん」も、とてもゆっくりできる。
香りを嗅いでいるだけで、れいむはなんだかしあわせー! な気持ちになるのだ。
(ゆっ! あのおねえさんはゆっくりできるよ!)
そのお姉さんは、今ここにはいない。
「私がここにいたらゆっくりできないだろう?」
そう言って、部屋から出て行ったからだ。
そこまで気を使わなくてもいいのに――そんなことを考えながら、部屋の隅にある箱を見る。
何故かあの箱からは、ゆっくりできない何かを感じる。
お姉さんに見られていてもゆっくりできないわけではないのだから、気を使うなら、あれをどこかにやって欲しい。
そう思いながらも、れいむは自分の餌を食べ終えた。
見回すと、赤ありすたちもまた、大量のあまあまを食べ終え、満足気な表情で転がっていた。
「ゆっ! おちびちゃんたち、ごはんさんをたべたらうんうんしようね!」
「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃわ!」」」」」
れいむは、部屋の隅にあった新聞紙を持ってくる。
お姉さんが、「うんうんやしーしーはこの上でするようにな」と言って置いていったものだ。
「さあおちびちゃんたち、このうえに――」
「「「「「うーんうーん……しゅっきりー!」」」」」
「どぼじでぞごにうんうんじぢゃうのおおおおお!?」
叫んではみるものの。
(ゆ! おちびちゃんがうんうんをがまんできないのはしかたないよ!)
れいむはすぐにそう思い直し、舌で新聞紙の上にうんうんを集めていく。
(うんうんはゆっくりできないけど、おちびちゃんのはだいじょうぶだよ!)
「ゆんやあああああ! くちゃいいいいい!」「ちょかいはじゃにゃいわあああああ!」
あにゃるの周りにうんうんをこびりつかせ、泣き喚く赤ゆたち。
「ゆ! いま、おかーさんがきれいにしてあげるからね!」
言いながら、れいむは順番にぺーろぺーろしていく。
やがて綺麗になった赤ありすたちは、それぞれ思い思いにゆっくりしだした。
追いかけっこするもの。こーろこーろするもの。すーりすーりするもの。
「みゃみゃ、ありしゅにしゅーりしゅーりしちぇ!」
そんな中で、一匹の赤ありすがすーりすーりを求めてれいむのもとに来た。
「ゆっ! わかったよ!」
れいむがそう答えると、
「ありしゅもしゅーりしゅーりしちゃいわ!」「ありしゅも!」「ありしゅもよ!」
一斉に、赤ありすたちが集まってくる。
「ゆふふ! じゃあ、みんなですーりすーりしようね!」
「ゆ! ありしゅがしゃいしょよ、みゃみゃ!」
おちびちゃんたちに囲まれ、れいむは、番を失って以来久しく忘れていたように思えるゆっくりを感じていた。
「れいむ、ゆっくり出来てるかな?」
そんなれいむに、お姉さんの声がかけられる。
「ゆ、おねえさん! いたんだね! ごめんね、れいむきがつかなかったよ……」
申し訳なさそうにするれいむに、お姉さんは笑顔を返した。
「いや。構わないさ、このくらい。……それで、ゆっくり出来てるかな?」
そして、同じ問いを繰り返す。対してれいむは、
「ゆん! おねえさんのおかげで、れいむもれいむのかわいいおちびちゃんたちもゆっくりしてるよ!」
肯定を返した。
「そうか」
するとお姉さんはひとつ頷き返し、両手をれいむに伸ばす。
「ゆ、おねえさん――」
「もう、十分だな?」
ぶちり、ぶちり。
「………………ゆ?」
れいむの横で、そんな音がした。
「ゆびゃああああああああああ!?」
両のもみあげを同時に引きちぎられ、れいむは叫びを上げた。
痛みのあまり転げ回りそうになるが、それは許されない。お姉さんの手によって抑えられているからだ。
「お、おねえざん……!?」
「どうかな、れいむ。痛かったかな?」
涙に滲む視界で、お姉さんを見上げる。
「ど、どぼじで……」
「うん?」
「どぼじでごんなごどずるのおおおおお!?」
れいむは再び叫ぶ。
「れいむのもみあげざんどっだら! いだいいだいでじょおおおおお!?」
そして、
「ああ、やっぱり痛かったんだ――」
なら、良かった。
その言葉に、耳を疑った。
「いいわげないでじょおおおおお!?」
「じゃあれいむ、一つ聞こうか」
ぴっ、とお姉さんが人差し指を立てる。
「私は、君達にあまあまを含めた食べ物、それとゆっくりできる場所を提供したけど。それがどうしてもらえたのかを、考えなかったのかな?」
「ぞ、ぞれば……!」
確かに、その疑問も一度はれいむの餡子に浮かんだ。
しかしそこは餡子脳、おちびちゃんがゆっくりしているゆっくりできている安心感故、深く考えはしなかったのだ。
「答えられないんだね? 『れいむたちがゆっくりしてるから』とか答えると思ったんだけど」
「ゆ、ゆ! ぞうだよ! れいむはゆっくりしてるんだよ!」
「そう思う? じゃあ、確かめてみようか?」
そしてお姉さんは、いつの間にか少し離れたところに移動していた赤ありすたちの方を向く。
「さて、君達。れいむと私、どっちがゆっくりしてる?」
それを聞き、れいむは内心で勝ち誇った。
(おちびちゃんにきいたら、れいむのほうがゆっくりしてる、ってこたえるにきまってるよ!)
しかし。
「「「「「おねーしゃんのほうが、みゃみゃよりゆっくちしてりゅわ!」」」」」
「「「「「おねーしゃんは、とっちぇもときゃいはよ!」」」」」
赤ありすたちは、一匹残らず、揃って、お姉さんを讃えた。現実は非情である。
「どぼじでえええええええええ!? おぢびぢゃあああああん!? どぼじでぞんだごどいうのおおおおお!?」
「あはは、だってさ、れいむ」
笑いながら、お姉さんはちぎったもみあげでれいむをぺしぺしと叩く。
「さて。一段落したところで、そろそろ続きといこうか」
「ゆっ! やべでね、いだいいだいざんばやべでねえええええ!?」
「あ、そうそう。さっきの質問――なんでこんなことするのかって話だけどね」
お姉さんはれいむを足でホールドし、殴った。
「ゆぎゃああああああああああああああ!?」
「それは実に簡単なことさ――」
言いながら、何度も、何度も殴りつける。
やがてれいむの皮が裂け、餡子が流れ出し始めたところで、お姉さんは手を止めた。
そして、先程おちびちゃんたちとゆっくりしていたれいむに向けていたものと同じ、ゆっくりした笑顔を浮かべる。
「楽しいから。それに尽きるね」
しかしれいむには、それが全く別のものに――いや、お姉さん自体が、得体の知れない化け物のように見えた。
「さて、次は……」
何かを探すように、お姉さんが視線を外す。
「ゆ、れいむは――ゆっくりしないでにげるよ!」
その隙を突き、れいむはあんよに渾身の力を込めると、お姉さんの足の間をすり抜け、飛び出した。
「じゃあれいむ、一つ聞こうか」
ぴっ、とお姉さんが人差し指を立てる。
「私は、君達にあまあまを含めた食べ物、それとゆっくりできる場所を提供したけど。それがどうしてもらえたのかを、考えなかったのかな?」
「ぞ、ぞれば……!」
確かに、その疑問も一度はれいむの餡子に浮かんだ。
しかしそこは餡子脳、おちびちゃんがゆっくりしているゆっくりできている安心感故、深く考えはしなかったのだ。
「答えられないんだね? 『れいむたちがゆっくりしてるから』とか答えると思ったんだけど」
「ゆ、ゆ! ぞうだよ! れいむはゆっくりしてるんだよ!」
「そう思う? じゃあ、確かめてみようか?」
そしてお姉さんは、いつの間にか少し離れたところに移動していた赤ありすたちの方を向く。
「さて、君達。れいむと私、どっちがゆっくりしてる?」
それを聞き、れいむは内心で勝ち誇った。
(おちびちゃんにきいたら、れいむのほうがゆっくりしてる、ってこたえるにきまってるよ!)
しかし。
「「「「「おねーしゃんのほうが、みゃみゃよりゆっくちしてりゅわ!」」」」」
「「「「「おねーしゃんは、とっちぇもときゃいはよ!」」」」」
赤ありすたちは、一匹残らず、揃って、お姉さんを讃えた。現実は非情である。
「どぼじでえええええええええ!? おぢびぢゃあああああん!? どぼじでぞんだごどいうのおおおおお!?」
「あはは、だってさ、れいむ」
笑いながら、お姉さんはちぎったもみあげでれいむをぺしぺしと叩く。
「さて。一段落したところで、そろそろ続きといこうか」
「ゆっ! やべでね、いだいいだいざんばやべでねえええええ!?」
「あ、そうそう。さっきの質問――なんでこんなことするのかって話だけどね」
お姉さんはれいむを足でホールドし、殴った。
「ゆぎゃああああああああああああああ!?」
「それは実に簡単なことさ――」
言いながら、何度も、何度も殴りつける。
やがてれいむの皮が裂け、餡子が流れ出し始めたところで、お姉さんは手を止めた。
そして、先程おちびちゃんたちとゆっくりしていたれいむに向けていたものと同じ、ゆっくりした笑顔を浮かべる。
「楽しいから。それに尽きるね」
しかしれいむには、それが全く別のものに――いや、お姉さん自体が、得体の知れない化け物のように見えた。
「さて、次は……」
何かを探すように、お姉さんが視線を外す。
「ゆ、れいむは――ゆっくりしないでにげるよ!」
その隙を突き、れいむはあんよに渾身の力を込めると、お姉さんの足の間をすり抜け、飛び出した。
(ゆっ、ゆっ、あのおねえさんは、ゆっくりできないよ!)
あれから、どこをどう逃げたのか。れいむは、森の中にいた。
あちこち流れる餡子の涙は未だ止まらず、れいむを消耗させていく。
「ごはんさんをたべて、どこかでやすめば、きっとよくなるよ……」
それを少しでも抑えるため、森に入ってからのれいむは度々立ち止まって休みをとり、舌であちこちをぺーろぺーろしていた。
「ゆ、いつまでもここでゆっくりしてられないよ……。いくよ、おちびちゃ――」
言いかけて、おちびちゃんはいない、という事実を思い出した。
「そうだよ……れいむは、おちびちゃんをおいてにげてきたんだよ……」
残っている左目から、餡子のない涙が流れ出した。
「おぢびぢゃん……ごべんね……ごべんねぇ……」
きっと今頃おちびちゃん達は、あのお姉さんかられいむ以上にひどい目に遭わされているだろう。
だが、れいむには助けに戻る勇気はない。
「ごべんね……。おがーざん、おぢびぢゃんだぢのぶんまでゆっぐりずるがらねぇ……」
そして涙をこらえ、れいむは再び歩みを進める。
そして、「それ」を見つけた。
「ゆわあああああ……」
森の中に唐突に現れたそれは、「あまあまでできたおうち」――つまり、お菓子の家だった。
「ここを、ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」
そのおうちの前に立ち、れいむはおうち宣言をする。
「むーしゃ、むーしゃ、ししし、しあわせぇぇぇぇ~~~~!!」
そしてれいむは、誰に遠慮することなくそれを食べ始めた。
ゆん生で一度も味わったことのない甘さに、れいむは至福の表情を浮かべる。
(こんなにおいしいあまあまさん、おちびちゃんとたべられたら、もっともっとゆっくりできたよ……)
れいむの餡裏を、そんな思考がよぎる。
その時だった。
「「「「「みゃみゃー!」」」」」
置いてきてしまったはずのおちびちゃんたちが、おうちの中から現れたのは。
「ゆうううううう!?」
「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」
もう二度と会えないと思っていたおちびちゃん。そのおちびちゃんたちと、また会えるなんて。
感涙にむせび泣きながら、れいむは挨拶を返した。
「ゆっぐり……ゆっぐりじでいっでねえええええ!」
しかし、その感動の対面を邪魔するかのように――
「うー! うー!」
そんな声が、森に響いた。
「れみりゃだああああああああ!」
どうしてこんな時に。れいむは思いながら、
「ゆ! おちびちゃんたち、ゆっくりしないでおかーさんのおくちにかくれてね!」
おちびちゃんたちを守らねば、という使命感に突き動かされ、おちびちゃん達を振り返る。
「おちびちゃん……?」
しかし、おちびちゃん達は何も答えず、顔をうつむかせている。
「なにやってるの! ゆっくりしないで、おくちに――」
れいむが、赤ありすの一匹に舌を伸ばした瞬間。
「うー!」
赤ありす――いや、れみりゃは一声、そう鳴いた。
「どぼじでおぢびぢゃんがれみりゃになっでるのおおおおお!?」
見回せば、他のおちびちゃんもれみりゃに変わっている。
「うー! うー!」
背後から再び聞こえてきた声に振り返ると。
目の前に、れみりゃ。
「ゆんやああああああああああ!」
れいむは逃げた。
あちこちに体をぶつけ、鈍い痛みが走るが、そんなことに構ってはいられない。
とにかく、ひたすらに、滅茶苦茶に逃げた。
「ゆ、ここまでくれば、きっとだいじょうぶだよ……」
やがてれみりゃの声が聞こえなくなったことに安堵し、れいむは立ち止まる。
そして深く息を吐いて、顔を上げた。
すると、そこには、一面の、
あれから、どこをどう逃げたのか。れいむは、森の中にいた。
あちこち流れる餡子の涙は未だ止まらず、れいむを消耗させていく。
「ごはんさんをたべて、どこかでやすめば、きっとよくなるよ……」
それを少しでも抑えるため、森に入ってからのれいむは度々立ち止まって休みをとり、舌であちこちをぺーろぺーろしていた。
「ゆ、いつまでもここでゆっくりしてられないよ……。いくよ、おちびちゃ――」
言いかけて、おちびちゃんはいない、という事実を思い出した。
「そうだよ……れいむは、おちびちゃんをおいてにげてきたんだよ……」
残っている左目から、餡子のない涙が流れ出した。
「おぢびぢゃん……ごべんね……ごべんねぇ……」
きっと今頃おちびちゃん達は、あのお姉さんかられいむ以上にひどい目に遭わされているだろう。
だが、れいむには助けに戻る勇気はない。
「ごべんね……。おがーざん、おぢびぢゃんだぢのぶんまでゆっぐりずるがらねぇ……」
そして涙をこらえ、れいむは再び歩みを進める。
そして、「それ」を見つけた。
「ゆわあああああ……」
森の中に唐突に現れたそれは、「あまあまでできたおうち」――つまり、お菓子の家だった。
「ここを、ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」
そのおうちの前に立ち、れいむはおうち宣言をする。
「むーしゃ、むーしゃ、ししし、しあわせぇぇぇぇ~~~~!!」
そしてれいむは、誰に遠慮することなくそれを食べ始めた。
ゆん生で一度も味わったことのない甘さに、れいむは至福の表情を浮かべる。
(こんなにおいしいあまあまさん、おちびちゃんとたべられたら、もっともっとゆっくりできたよ……)
れいむの餡裏を、そんな思考がよぎる。
その時だった。
「「「「「みゃみゃー!」」」」」
置いてきてしまったはずのおちびちゃんたちが、おうちの中から現れたのは。
「ゆうううううう!?」
「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」
もう二度と会えないと思っていたおちびちゃん。そのおちびちゃんたちと、また会えるなんて。
感涙にむせび泣きながら、れいむは挨拶を返した。
「ゆっぐり……ゆっぐりじでいっでねえええええ!」
しかし、その感動の対面を邪魔するかのように――
「うー! うー!」
そんな声が、森に響いた。
「れみりゃだああああああああ!」
どうしてこんな時に。れいむは思いながら、
「ゆ! おちびちゃんたち、ゆっくりしないでおかーさんのおくちにかくれてね!」
おちびちゃんたちを守らねば、という使命感に突き動かされ、おちびちゃん達を振り返る。
「おちびちゃん……?」
しかし、おちびちゃん達は何も答えず、顔をうつむかせている。
「なにやってるの! ゆっくりしないで、おくちに――」
れいむが、赤ありすの一匹に舌を伸ばした瞬間。
「うー!」
赤ありす――いや、れみりゃは一声、そう鳴いた。
「どぼじでおぢびぢゃんがれみりゃになっでるのおおおおお!?」
見回せば、他のおちびちゃんもれみりゃに変わっている。
「うー! うー!」
背後から再び聞こえてきた声に振り返ると。
目の前に、れみりゃ。
「ゆんやああああああああああ!」
れいむは逃げた。
あちこちに体をぶつけ、鈍い痛みが走るが、そんなことに構ってはいられない。
とにかく、ひたすらに、滅茶苦茶に逃げた。
「ゆ、ここまでくれば、きっとだいじょうぶだよ……」
やがてれみりゃの声が聞こえなくなったことに安堵し、れいむは立ち止まる。
そして深く息を吐いて、顔を上げた。
すると、そこには、一面の、
れみりゃれみりゃれみりゃれみりゃれみりゃれみりゃれみりゃ――――
「ゆぎゃああああああああああああああああああああ!」
ばしゃばしゃと何かがかけられる感触で、れいむは意識を取り戻した。
「いい悪夢(ユメ)、見れたかな?」
オレンジジュースの紙パックを手に、お姉さんが笑う。
「どぼじでおねえざんがいるのおおおおおおおおおお!?」
「あはは、どうしてだろうね? 不思議だね? ……それにしてもさ、れいむ」
笑いながら、装飾の付いたナイフを取り出すと、お姉さんはれいむを持ち上げた。
「おそらをとんでるみたい! ……ゆ、はなしてね! おねえさん、れいむをはなしてね!」
「君はこの赤ありす達を置いて逃げようとしたよね?」
れいむの下では、透明な箱に入れられた赤ありす達が、れいむを見上げていた。
「ゆ! そ、それは……」
「そんなひどいことをするゆっくりは、きっと制裁されるべきじゃないかな?」
そして、れいむのあんよを浅く切った。
「ゆびゃあああああ! いぢゃいいぢゃいぢゃいいぢゃいやべでやべでやべでやべでぇえええええ!」
れいむの懇願に一切耳を貸すことなく、格子状の切れ込みをつけていく。
それを終えたあと、
「これじゃ、動いたら餡子が出てきて死んじゃうだろうね?」
言ってから、れいむを赤ありすたちの中に下ろす。そして、箱の中に爪楊枝をばらまいた。
「さて、君達。この『ぷーすぷーすさん』を貸してあげるから、存分に刺してやるといい」
「「「「「ゆっくちりきゃいしたわ!」」」」」
「「「「「ちょかいはにゃおねーしゃんのいうこちょは、ゆっきゅりできりゅわ!」」」」」
どう見ても状況を理解していなそうな赤ありす達は、それを拾い上げ、
「やべでええええええええええ! おぢびぢゃああああああん! おでがいだがらやべでねえええええええええ!」
一斉に、れいむの体に突き刺した。
「ゆびゃああああああああ!? 」
れいむの奇声を無視して、赤ありす達は幾度も爪楊枝を刺し続ける。
「ゆ、とっちぇもちょかいはにぇ!」
赤ありすたちの様子は、むしろ楽しげですらあった。
そして、
「あはは。もう、そのくらいでやめたらどうだ?」
お姉さんがそれを止めた頃には、れいむの体にはライオンのたてがみのように大量の爪楊枝が突き立っていた。
「やべでね……ぷーすぷーすさんはゆっぐりでぎないよ……やべでね……」
勿論、弱々しく泣くだけのれいむからは、ライオンのような勇ましさなど微塵も感じられないが。
「おねーしゃん、ちゅぎはにゃにをしゅればいいのかしりゃ?」
「おねーしゃんがさしぇてくりゃるこちょにゃんだかりゃ、とっちぇもちょかいはにゃんでしょう?」
そんなれいむを一切顧みる事無く、赤ありす達はお姉さんを見上げる。
「そうだね、その前にお姉さんと別の部屋に行こう! だから、これに乗ってね!」
お姉さんは、部屋の隅に立てかけられていたトレイを持ってくると、赤ありすたちをそこに載せた。
「じゃーあ、行こうか!」
「「「「「おしょらをとんぢぇるみちゃい!」」」」」
部屋を出るお姉さんに、
「やべてね、れいむのおぢびちゃん、つれでいがないでね……」
れいむの声は、届かなかった。
「いい悪夢(ユメ)、見れたかな?」
オレンジジュースの紙パックを手に、お姉さんが笑う。
「どぼじでおねえざんがいるのおおおおおおおおおお!?」
「あはは、どうしてだろうね? 不思議だね? ……それにしてもさ、れいむ」
笑いながら、装飾の付いたナイフを取り出すと、お姉さんはれいむを持ち上げた。
「おそらをとんでるみたい! ……ゆ、はなしてね! おねえさん、れいむをはなしてね!」
「君はこの赤ありす達を置いて逃げようとしたよね?」
れいむの下では、透明な箱に入れられた赤ありす達が、れいむを見上げていた。
「ゆ! そ、それは……」
「そんなひどいことをするゆっくりは、きっと制裁されるべきじゃないかな?」
そして、れいむのあんよを浅く切った。
「ゆびゃあああああ! いぢゃいいぢゃいぢゃいいぢゃいやべでやべでやべでやべでぇえええええ!」
れいむの懇願に一切耳を貸すことなく、格子状の切れ込みをつけていく。
それを終えたあと、
「これじゃ、動いたら餡子が出てきて死んじゃうだろうね?」
言ってから、れいむを赤ありすたちの中に下ろす。そして、箱の中に爪楊枝をばらまいた。
「さて、君達。この『ぷーすぷーすさん』を貸してあげるから、存分に刺してやるといい」
「「「「「ゆっくちりきゃいしたわ!」」」」」
「「「「「ちょかいはにゃおねーしゃんのいうこちょは、ゆっきゅりできりゅわ!」」」」」
どう見ても状況を理解していなそうな赤ありす達は、それを拾い上げ、
「やべでええええええええええ! おぢびぢゃああああああん! おでがいだがらやべでねえええええええええ!」
一斉に、れいむの体に突き刺した。
「ゆびゃああああああああ!? 」
れいむの奇声を無視して、赤ありす達は幾度も爪楊枝を刺し続ける。
「ゆ、とっちぇもちょかいはにぇ!」
赤ありすたちの様子は、むしろ楽しげですらあった。
そして、
「あはは。もう、そのくらいでやめたらどうだ?」
お姉さんがそれを止めた頃には、れいむの体にはライオンのたてがみのように大量の爪楊枝が突き立っていた。
「やべでね……ぷーすぷーすさんはゆっぐりでぎないよ……やべでね……」
勿論、弱々しく泣くだけのれいむからは、ライオンのような勇ましさなど微塵も感じられないが。
「おねーしゃん、ちゅぎはにゃにをしゅればいいのかしりゃ?」
「おねーしゃんがさしぇてくりゃるこちょにゃんだかりゃ、とっちぇもちょかいはにゃんでしょう?」
そんなれいむを一切顧みる事無く、赤ありす達はお姉さんを見上げる。
「そうだね、その前にお姉さんと別の部屋に行こう! だから、これに乗ってね!」
お姉さんは、部屋の隅に立てかけられていたトレイを持ってくると、赤ありすたちをそこに載せた。
「じゃーあ、行こうか!」
「「「「「おしょらをとんぢぇるみちゃい!」」」」」
部屋を出るお姉さんに、
「やべてね、れいむのおぢびちゃん、つれでいがないでね……」
れいむの声は、届かなかった。
れいむが一匹だけ残されて、どのくらいの時間が経ったのか。
お姉さんが、部屋に戻ってきた。一人で。
「おねえさん、おねがいだよ……。れいむの、れいむのおちびちゃんをかえしてね……」
弱々しいれいむの懇願に、お姉さんは、
「うん、いいよ!」
至極あっさりと、そしてハイテンションに答えた。
「ゆ、いいの……?」
「ああ、勿論さ!」
そしてお姉さんは、部屋の隅に行き。
あのゆっくりできない箱から、数匹の赤れいむと赤まりさを取り出した。
「ほら、お前のおチビちゃん達だよ!」
「……ゆ?」
れいむの前に置かれたそいつらは、今にも死にそうなほどやつれ、汚らしい姿をしている。
既に息絶えて、ゆっくりできない死臭を放っている者もいた。
弱りきったれいむの心にも、一筋の怒りが現れた。
「なにいってるの、おねーさん。このこたちは、れいむのおちびちゃんじゃないよ」
しかしお姉さんは、いやいや、と首を振る。
「はハ、その子達が、君のおチビちゃんだ。間違いないよ!」
だって、君の番はまりさなんだから。
ありすが、君の子供なわけないだろう?
「……ゆ?」
そしてれいむは、思い出した。
まりさとの間に、植物型にんっしんでおちびちゃんを授かったこと。
間引きが必要と言うまりさに、なんとか生んであげたいと懇願したこと。
まりさも最後には折れ、次の日「もっとたくさんのごはんさんをとってくるよ!」と張り切って狩りに出かけたこと。
そして帰ってこなかったこと。
蓄えた食料はすぐに底を尽き、おちびちゃんたちにろくにむーしゃむーしゃさせてあげることもできず、切羽詰って
人間さんにあまあまをもらえるよう頼むという賭けに出たこと。
忘れてはいけないはずなのに忘れていたそれらを、一度に思い出した。
「ゆああああああああああああああああああああああ!?」
忘れてはいけなかったはずなのに。
何故。何故。何故。
同時に、赤の他ゆんのうんうんをぺーろぺーろしたことを思い出し、餡子を吐きそうになる。
が、それはお姉さんに口を押さえられ、阻まれる。
「どうして忘れてたのか。知りたいって顔してるね!?」
その疑問に答えたのは、やはりお姉さんだった。
「あハ、君に言って分かるかは定かじゃないけど……教えてあげよう!
君を部屋に入れて、起きたあともずっと焚いていた香。わかるかな!?
あれには、ゆっくりの判断力を鈍らせる効果があってね! まあ、人間には別の効果が出るんだけどね!
君達ゆっくりに嗅がせると、目の前の『ゆっくりできること』以外はどうでも良くなる、という作用があるんだ!
まあ、ゆっくりにとっては半分いつも通りだろうけどね!
しかし、これはその程度を大きく上げるんだ! その結果が、君がさっきまで体験していたものだよ!
『今』よりゆっくりできていなかった過去の記憶は忘れ、目の前の見知らぬ赤ゆっくりを『ゆっくりしてるから』自分のおちびちゃんに違いないと思い込んだ!
おねーさんが買ってきた、君とは何の関係もない食用赤ありすなのにね!」
流れるようにそこまでを話すと、お姉さんは言葉を切った。
そして、思い出した、とばかりに続ける。
「そうそう。君が逃げようとした時だけどね。君が何を見ていたかはわからないが、それは全部幻覚――夢みたいなものだったんだ。
だから目覚ましにオレンジジュースをかけてやったんだが。きっと無事に逃げられるとこまでは行ったんだろうねぇ!? あハは!
君に与えた餌に、そういうものが見えるようになるキノコを混ぜたんだ。実際の君は、部屋の中でのたうちまわっているだけだったよ!
実に愉快だったよその姿は! あはははハははは!」
そして呆然とするれいむの前に、赤れいむを置いた。
それが何か、今のれいむにはわかる。
一番上のおねーちゃんで、自分もゆっくりできていないだろうに、その小さな体で姉妹たちをあやしていた、その赤れいむ。
大事な大事な、れいむのおちびちゃんだ。
「アは、赤れいむちゃん! 君のおかーさんに、何か言いたいことはあるかなぁ!?」
言いながらお姉さんは、赤れいむにパックに数滴残っていたオレンジジュースを垂らした。
赤れいむの瞳に、わずかに光が宿る。
「おかー、しゃん……」
お姉さんが、部屋に戻ってきた。一人で。
「おねえさん、おねがいだよ……。れいむの、れいむのおちびちゃんをかえしてね……」
弱々しいれいむの懇願に、お姉さんは、
「うん、いいよ!」
至極あっさりと、そしてハイテンションに答えた。
「ゆ、いいの……?」
「ああ、勿論さ!」
そしてお姉さんは、部屋の隅に行き。
あのゆっくりできない箱から、数匹の赤れいむと赤まりさを取り出した。
「ほら、お前のおチビちゃん達だよ!」
「……ゆ?」
れいむの前に置かれたそいつらは、今にも死にそうなほどやつれ、汚らしい姿をしている。
既に息絶えて、ゆっくりできない死臭を放っている者もいた。
弱りきったれいむの心にも、一筋の怒りが現れた。
「なにいってるの、おねーさん。このこたちは、れいむのおちびちゃんじゃないよ」
しかしお姉さんは、いやいや、と首を振る。
「はハ、その子達が、君のおチビちゃんだ。間違いないよ!」
だって、君の番はまりさなんだから。
ありすが、君の子供なわけないだろう?
「……ゆ?」
そしてれいむは、思い出した。
まりさとの間に、植物型にんっしんでおちびちゃんを授かったこと。
間引きが必要と言うまりさに、なんとか生んであげたいと懇願したこと。
まりさも最後には折れ、次の日「もっとたくさんのごはんさんをとってくるよ!」と張り切って狩りに出かけたこと。
そして帰ってこなかったこと。
蓄えた食料はすぐに底を尽き、おちびちゃんたちにろくにむーしゃむーしゃさせてあげることもできず、切羽詰って
人間さんにあまあまをもらえるよう頼むという賭けに出たこと。
忘れてはいけないはずなのに忘れていたそれらを、一度に思い出した。
「ゆああああああああああああああああああああああ!?」
忘れてはいけなかったはずなのに。
何故。何故。何故。
同時に、赤の他ゆんのうんうんをぺーろぺーろしたことを思い出し、餡子を吐きそうになる。
が、それはお姉さんに口を押さえられ、阻まれる。
「どうして忘れてたのか。知りたいって顔してるね!?」
その疑問に答えたのは、やはりお姉さんだった。
「あハ、君に言って分かるかは定かじゃないけど……教えてあげよう!
君を部屋に入れて、起きたあともずっと焚いていた香。わかるかな!?
あれには、ゆっくりの判断力を鈍らせる効果があってね! まあ、人間には別の効果が出るんだけどね!
君達ゆっくりに嗅がせると、目の前の『ゆっくりできること』以外はどうでも良くなる、という作用があるんだ!
まあ、ゆっくりにとっては半分いつも通りだろうけどね!
しかし、これはその程度を大きく上げるんだ! その結果が、君がさっきまで体験していたものだよ!
『今』よりゆっくりできていなかった過去の記憶は忘れ、目の前の見知らぬ赤ゆっくりを『ゆっくりしてるから』自分のおちびちゃんに違いないと思い込んだ!
おねーさんが買ってきた、君とは何の関係もない食用赤ありすなのにね!」
流れるようにそこまでを話すと、お姉さんは言葉を切った。
そして、思い出した、とばかりに続ける。
「そうそう。君が逃げようとした時だけどね。君が何を見ていたかはわからないが、それは全部幻覚――夢みたいなものだったんだ。
だから目覚ましにオレンジジュースをかけてやったんだが。きっと無事に逃げられるとこまでは行ったんだろうねぇ!? あハは!
君に与えた餌に、そういうものが見えるようになるキノコを混ぜたんだ。実際の君は、部屋の中でのたうちまわっているだけだったよ!
実に愉快だったよその姿は! あはははハははは!」
そして呆然とするれいむの前に、赤れいむを置いた。
それが何か、今のれいむにはわかる。
一番上のおねーちゃんで、自分もゆっくりできていないだろうに、その小さな体で姉妹たちをあやしていた、その赤れいむ。
大事な大事な、れいむのおちびちゃんだ。
「アは、赤れいむちゃん! 君のおかーさんに、何か言いたいことはあるかなぁ!?」
言いながらお姉さんは、赤れいむにパックに数滴残っていたオレンジジュースを垂らした。
赤れいむの瞳に、わずかに光が宿る。
「おかー、しゃん……」
「――どうちて、れいみゅをうんだにょ?」
時間は、少し巻き戻る。
「じゃあ、ルールをもう一度説明しよう」
スモークフィルムの貼られたガラスで四方を囲まれた箱に入れられた赤ゆっくり達に、お姉さんは言った。
「君達のおかーさんが、君達がいないことに気づいたなら、君達の勝ち。君達が食べ切れないあまあまをあげよう。
だけど気づかなかったなら、気づくまでここで見ているだけ。……理解したかな?」
「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」」」」
お姉さんが仕掛けてきた賭けは、れいむのおちびちゃん達には勝利が確定したものと思えた。
「ゆ! きっちょ、おきゃーしゃんはしゅぐにきぢゅくよ!」
「しょうだにぇ! しょしちゃら、たくっしゃん! のあみゃあみゃしゃんだにぇ!」
「ゆわーい! あみゃあみゃ! あみゃあみゃ!」
大量のあまあまに囲まれた、思い思いにゆっくりする未来を思い浮かべる赤れいむ達。
しかしその希望は、あっさりと潰えた。
れいむは、周りに赤ありすしかいない状況に、何も疑問を抱かなかった。
『れいむのぶんのあまあまは、おちびちゃんたちにあげてね!』
その言葉に、お姉さんは忠実に従おうとした。赤れいむたちにそのあまあまを渡そうとした。
しかし、れいむ自身がそれを止めた。
必死に叫ぶ声は、れいむには届かない。
箱が防音仕様になっていることも、れいむの声はスピーカーを通していることも知らない赤れいむたちは、母親が自分達を無視しているとしか感じられなかった。
何一つ口にできない赤れいむたちの前で、赤ありす達はたくさんのあまあまを食べ尽くす。
そして憎たらしいほど幸せそうな顔でうんうんをし、その匂いに泣き喚く。
その姿に赤れいむたちがわずかながら溜飲を下げた時。
『ゆ! いま、おかーさんがきれいにしてあげるからね!』
そう言ってれいむは、たちまちのうちに赤ありすたちをぺーろぺーろし、きれいにした。
そして、思い思いのゆっくりを享受する赤ありす達。
それは、赤れいむたちが抱いた幻想と、全く同じだった。
あれは自分たちのものなのに。
母親のゆっくりした表情は、自分たちに向けられるべきものなのに。
『ゆん! おねえさんのおかげで、れいむもれいむのかわいいおちびちゃんたちもゆっくりしてるよ!』
そうして、赤れいむたちがれいむに抱いていた親愛の情は、あっけなく崩れ去った。
『もう、十分だな?』
ようやく自分たちに向けられた言葉に、否定を返す者はなかった。
「じゃあ、ルールをもう一度説明しよう」
スモークフィルムの貼られたガラスで四方を囲まれた箱に入れられた赤ゆっくり達に、お姉さんは言った。
「君達のおかーさんが、君達がいないことに気づいたなら、君達の勝ち。君達が食べ切れないあまあまをあげよう。
だけど気づかなかったなら、気づくまでここで見ているだけ。……理解したかな?」
「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」」」」
お姉さんが仕掛けてきた賭けは、れいむのおちびちゃん達には勝利が確定したものと思えた。
「ゆ! きっちょ、おきゃーしゃんはしゅぐにきぢゅくよ!」
「しょうだにぇ! しょしちゃら、たくっしゃん! のあみゃあみゃしゃんだにぇ!」
「ゆわーい! あみゃあみゃ! あみゃあみゃ!」
大量のあまあまに囲まれた、思い思いにゆっくりする未来を思い浮かべる赤れいむ達。
しかしその希望は、あっさりと潰えた。
れいむは、周りに赤ありすしかいない状況に、何も疑問を抱かなかった。
『れいむのぶんのあまあまは、おちびちゃんたちにあげてね!』
その言葉に、お姉さんは忠実に従おうとした。赤れいむたちにそのあまあまを渡そうとした。
しかし、れいむ自身がそれを止めた。
必死に叫ぶ声は、れいむには届かない。
箱が防音仕様になっていることも、れいむの声はスピーカーを通していることも知らない赤れいむたちは、母親が自分達を無視しているとしか感じられなかった。
何一つ口にできない赤れいむたちの前で、赤ありす達はたくさんのあまあまを食べ尽くす。
そして憎たらしいほど幸せそうな顔でうんうんをし、その匂いに泣き喚く。
その姿に赤れいむたちがわずかながら溜飲を下げた時。
『ゆ! いま、おかーさんがきれいにしてあげるからね!』
そう言ってれいむは、たちまちのうちに赤ありすたちをぺーろぺーろし、きれいにした。
そして、思い思いのゆっくりを享受する赤ありす達。
それは、赤れいむたちが抱いた幻想と、全く同じだった。
あれは自分たちのものなのに。
母親のゆっくりした表情は、自分たちに向けられるべきものなのに。
『ゆん! おねえさんのおかげで、れいむもれいむのかわいいおちびちゃんたちもゆっくりしてるよ!』
そうして、赤れいむたちがれいむに抱いていた親愛の情は、あっけなく崩れ去った。
『もう、十分だな?』
ようやく自分たちに向けられた言葉に、否定を返す者はなかった。
「おきゃーしゃんは、ごはんしゃんたべちぇ、おちびちゃんにあみゃあみゃしゃんあげちぇ、
うんうんぺーろぺーろしちぇ、しゅーりしゅーりしちぇりぇば、ゆっきゅりできりゅんだよにぇ?
べつに、れいみゅたちがいにゃくても、よかっちゃよにぇ?
れいみゅたち、うみゃれちぇかりゃちっともゆっくちできなかっちゃよ?
しょれにゃにょに、しらにゃいゆっくちといっしょに、じぶんだけゆっくちしちぇたよにぇ?
じゃあ、れいみゅたち、いりゃにゃいんだよね?
いりゃにゃいにょに、れーみゅたちにょことゆっくちしゃしぇてくれりゅわけでもないにょに。
うんうんぺーろぺーろしちぇ、しゅーりしゅーりしちぇりぇば、ゆっきゅりできりゅんだよにぇ?
べつに、れいみゅたちがいにゃくても、よかっちゃよにぇ?
れいみゅたち、うみゃれちぇかりゃちっともゆっくちできなかっちゃよ?
しょれにゃにょに、しらにゃいゆっくちといっしょに、じぶんだけゆっくちしちぇたよにぇ?
じゃあ、れいみゅたち、いりゃにゃいんだよね?
いりゃにゃいにょに、れーみゅたちにょことゆっくちしゃしぇてくれりゅわけでもないにょに。
――にゃのに。おかーしゃん、どうちて、どうちてれいみゅたちをうんだんだあああああああああああああ! こにょげしゅおやああああああああああ!」
最期に一声高く叫ぶと、れいみゅは餡子を吐き、永遠にゆっくりした。
「お、ちび、ちゃん」
れいむは呆然とその音を口にすると、
「――ゆっくち! ゆっくち!」
とうとう、非ゆっくち症を発症した。
「あははハははははハはは! ここで非ゆっくち症か! ひゃはははハははははハはは!」
それを見て、お姉さんは狂ったように笑い出し――
「うぐ、ぅおええええええええええ」
急に顔色を変え、吐いた。
そして自らの吐瀉物の中に倒れこみ、気を失った。
れいむは呆然とその音を口にすると、
「――ゆっくち! ゆっくち!」
とうとう、非ゆっくち症を発症した。
「あははハははははハはは! ここで非ゆっくち症か! ひゃはははハははははハはは!」
それを見て、お姉さんは狂ったように笑い出し――
「うぐ、ぅおええええええええええ」
急に顔色を変え、吐いた。
そして自らの吐瀉物の中に倒れこみ、気を失った。
「さて、クリシィ。私の可愛い孫。私が言いたいことは、わかりますね?」
優しげな風貌で、品の良さが伺える老婆が、安楽椅子に座っていた。
膝の上には、帽子に金バッジを付けたぱちゅりーが、行儀良く座っている。
その前には、お姉さんが正座させられ、涙目で震えていた。
「ふぁい……お、おばあしゃま……」
足のしびれ故か、お姉さんの呂律は回っていない。
そんなお姉さんを見て、『おばあさま』はひとつ頷き、
「分かっているとは思いますが、あの香は人間が吸うと興奮作用、それと覚醒作用があります。
無論、そこまで強いものではありませんが……あなたは、あれを吸いすぎました。
それがどれだけ危険か、わかっているでしょう? 快楽を貪るためにサバトをする時代は、遥か昔に終わったのです。
使うことは構いませんが、目的とした以外の結果を引き起こしてしまうのは、そしてそれによって自分や他人を危険に晒すのは、
魔女として未熟、いえ、それ以前の問題です」
「重々(ひゅうひゅう)、ひょうち、しておりまひゅ……」
お姉さんの返事を聞き、『おばあさま』は再び頷いた。
そして、「もう一つ」と人差し指を立てる。
「此度のあなたは、やりすぎました。
確かに、ゆっくりを苦しめることは現代を生きる魔女の嗜みです。
ゆっくりは、現代では手に入れにくくなった、血や臓物のような『生命の象徴』の代用品になりますからね。
それを鑑みても、あなたのやったことは度を越しています。
……あなたは、いつか母親になるでしょう。その時に同じことをされたら、とは言いません。
ですが……あなたのしたことの重さを、その時本当に理解するでしょう。そしてきっと、負い目となるでしょう。
……このようなことを繰り返すなら、尚更に、ね」
そこで、『おばあさま』はお姉さんを見た。
お姉さんの膝の上で、白くなるほど握られた拳の間から、わずかながら血が流れている。
顔色は、倒れた直後より青白く、まるで死人のようだ。
それに気付き、『おばあさま』は、ほう、と息を吐いた。
「これ以上は、やめておきましょう。あなたも、よくわかっているようですしね」
優しげな風貌で、品の良さが伺える老婆が、安楽椅子に座っていた。
膝の上には、帽子に金バッジを付けたぱちゅりーが、行儀良く座っている。
その前には、お姉さんが正座させられ、涙目で震えていた。
「ふぁい……お、おばあしゃま……」
足のしびれ故か、お姉さんの呂律は回っていない。
そんなお姉さんを見て、『おばあさま』はひとつ頷き、
「分かっているとは思いますが、あの香は人間が吸うと興奮作用、それと覚醒作用があります。
無論、そこまで強いものではありませんが……あなたは、あれを吸いすぎました。
それがどれだけ危険か、わかっているでしょう? 快楽を貪るためにサバトをする時代は、遥か昔に終わったのです。
使うことは構いませんが、目的とした以外の結果を引き起こしてしまうのは、そしてそれによって自分や他人を危険に晒すのは、
魔女として未熟、いえ、それ以前の問題です」
「重々(ひゅうひゅう)、ひょうち、しておりまひゅ……」
お姉さんの返事を聞き、『おばあさま』は再び頷いた。
そして、「もう一つ」と人差し指を立てる。
「此度のあなたは、やりすぎました。
確かに、ゆっくりを苦しめることは現代を生きる魔女の嗜みです。
ゆっくりは、現代では手に入れにくくなった、血や臓物のような『生命の象徴』の代用品になりますからね。
それを鑑みても、あなたのやったことは度を越しています。
……あなたは、いつか母親になるでしょう。その時に同じことをされたら、とは言いません。
ですが……あなたのしたことの重さを、その時本当に理解するでしょう。そしてきっと、負い目となるでしょう。
……このようなことを繰り返すなら、尚更に、ね」
そこで、『おばあさま』はお姉さんを見た。
お姉さんの膝の上で、白くなるほど握られた拳の間から、わずかながら血が流れている。
顔色は、倒れた直後より青白く、まるで死人のようだ。
それに気付き、『おばあさま』は、ほう、と息を吐いた。
「これ以上は、やめておきましょう。あなたも、よくわかっているようですしね」
「むきゅ、ご主人様。少し、厳しすぎませんか?」
お姉さんがよたよたと部屋を出て行った後、ぱちゅりーは言った。
対して『おばあさま』は、「今日は、ちょっとねえ」と返す。
「いえ、いつも、このくらい叱るじゃありませんか。むしろ今日なんてもっと厳しくするかと思っていたのに」
そしてぱちゅりーが見上げると、
「あの子には」
そこには、別人のように厳しい表情をした『おばあさま』がいた。
「才能があります。私が教えずとも、私が知る全ての知識をモノにできるくらいの才能が。
だから私は、魔女としての『心』を、あの子に伝えねばならないのです。
あの子が、道を踏み外すことがないように」
その為なら、私はあの子に嫌われても構いませんよ。
最後は笑顔に戻ってそう言うと、『おばあさま』はぱちゅりーの頭を撫でた。
お姉さんがよたよたと部屋を出て行った後、ぱちゅりーは言った。
対して『おばあさま』は、「今日は、ちょっとねえ」と返す。
「いえ、いつも、このくらい叱るじゃありませんか。むしろ今日なんてもっと厳しくするかと思っていたのに」
そしてぱちゅりーが見上げると、
「あの子には」
そこには、別人のように厳しい表情をした『おばあさま』がいた。
「才能があります。私が教えずとも、私が知る全ての知識をモノにできるくらいの才能が。
だから私は、魔女としての『心』を、あの子に伝えねばならないのです。
あの子が、道を踏み外すことがないように」
その為なら、私はあの子に嫌われても構いませんよ。
最後は笑顔に戻ってそう言うと、『おばあさま』はぱちゅりーの頭を撫でた。
おまけ
お姉さんが赤ありす達を連れてきたのは、キッチンだった。
そこでお姉さんは、全ての穴を塞がれた赤ありすたちを見下ろしていた。
みな一様に、お飾りを奪われ、髪は引き抜かれ、わずかに震えている以外は、どこからどう見てもただの饅頭である。
「さて、君達は、いつから私がゆっくりしてると錯覚していた?」
まあ、最初からだろうけど、と内心で思いながら、お姉さんは言う。
「君達がそう錯覚していた間、ゆっくりしてない私に言われて、何をしたのかな?
……ゆっくりしたママにゆっくりしてないと言い、優しいママに爪楊枝を突き立て。
随分残酷だね、君達は? あは、あハ、あはハははハはは!」
饅頭達は、震えるだけで何も言葉を返さない。
お姉さんは、あらかじめ焼いておいたシュークリーム生地の中に入れた。
全てを上から塗り固められた赤ありすたちは、体内のカスタードを吐いて死ぬこともできず、ひたすら罪の意識に苛まれ続ける。
そうして、時間が経つにつれ、シュークリームは甘く甘くなるのである。
そこでお姉さんは、全ての穴を塞がれた赤ありすたちを見下ろしていた。
みな一様に、お飾りを奪われ、髪は引き抜かれ、わずかに震えている以外は、どこからどう見てもただの饅頭である。
「さて、君達は、いつから私がゆっくりしてると錯覚していた?」
まあ、最初からだろうけど、と内心で思いながら、お姉さんは言う。
「君達がそう錯覚していた間、ゆっくりしてない私に言われて、何をしたのかな?
……ゆっくりしたママにゆっくりしてないと言い、優しいママに爪楊枝を突き立て。
随分残酷だね、君達は? あは、あハ、あはハははハはは!」
饅頭達は、震えるだけで何も言葉を返さない。
お姉さんは、あらかじめ焼いておいたシュークリーム生地の中に入れた。
全てを上から塗り固められた赤ありすたちは、体内のカスタードを吐いて死ぬこともできず、ひたすら罪の意識に苛まれ続ける。
そうして、時間が経つにつれ、シュークリームは甘く甘くなるのである。
後書き
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
読み辛さはここに来て一気に上がったと思います。本当に、申し訳ありません。
読み辛さはここに来て一気に上がったと思います。本当に、申し訳ありません。
今回は、拙作「邪気眼を持つ者とゆっくり」に出てきたお姉さんの話ですね。
作者は、実は善良なゆっくりを虐待する話が好きです。かなり好きです。ただし、れいむとまりさに限る。
れいむやまりさは、一部例外を除いて善良だろうとゲスだろうと痛めつけたくて仕方なくなります。
善良なちぇんやみょんやぱちゅりー、それから希少種は虐待しようとは思わないのですが。何故なんでしょう。
作者は、実は善良なゆっくりを虐待する話が好きです。かなり好きです。ただし、れいむとまりさに限る。
れいむやまりさは、一部例外を除いて善良だろうとゲスだろうと痛めつけたくて仕方なくなります。
善良なちぇんやみょんやぱちゅりー、それから希少種は虐待しようとは思わないのですが。何故なんでしょう。
そして、エピローグ部分における描写を皆様がどう感じるか、にもよるとは思いますが。
それをお姉さんにやらせた結果、予想以上の外道になってしまいました。
『魔法』と呼べるようなものを使って何をするか、を考えた結果ではあったのですが。
それをお姉さんにやらせた結果、予想以上の外道になってしまいました。
『魔法』と呼べるようなものを使って何をするか、を考えた結果ではあったのですが。
……グダグダといろいろ書きましたが、取り敢えず何が言いたいかというと。
もっと良いゆ虐が書けるようになりたいです。
もっと良いゆ虐が書けるようになりたいです。
以下、必要のない設定
双葉=U=クリスティ
ハーフのお姉さん。魔女。
ごく親しい人にのみ、「クリシィ」と呼ばせる。
邪気眼少年のゆ虐の師匠。
趣味は、お菓子作り。
ごく親しい人にのみ、「クリシィ」と呼ばせる。
邪気眼少年のゆ虐の師匠。
趣味は、お菓子作り。