ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1098 子まりさとれいぱー
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ankoss
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※ぺにまむ描写を含むので、苦手な方はご注意ください。
※人間臭いゆっくりが苦手な方もご注意ください。
※人間臭いゆっくりが苦手な方もご注意ください。
「むきゅ、ご飯さんいっぱいとれたわね」
「そうね、とかいはなおうちに持って帰りましょう」
「そうね、とかいはなおうちに持って帰りましょう」
山に挟まれた盆地の中、いくつもの群れを擁するゆっくりプレイスがあった。
森はなだらかな起伏に沿って広がり、その葉は紅く染まっている。
秋の山道を踊るように跳ねていくのは、ぱちゅりーとありすのつがいだった。
二匹は狩りちょうどを終えて巣に帰るところだった。
ありすの頭には虫が、ぱちゅりーの帽子には木の実が入っている。
森はなだらかな起伏に沿って広がり、その葉は紅く染まっている。
秋の山道を踊るように跳ねていくのは、ぱちゅりーとありすのつがいだった。
二匹は狩りちょうどを終えて巣に帰るところだった。
ありすの頭には虫が、ぱちゅりーの帽子には木の実が入っている。
二匹が仲よく歩いていると、
突然ありすが「ゆっ」と呟いて脇道の草むらに入っていった。
ぱちゅりーは草むらの向こうのありすに尋ねる。
突然ありすが「ゆっ」と呟いて脇道の草むらに入っていった。
ぱちゅりーは草むらの向こうのありすに尋ねる。
「どうしたのよ、何か見つけたの?」
「ぱちゅりー、こっちへきて……」
「ぱちゅりー、こっちへきて……」
いぶかしく思いながらも、ぱちゅりーは草を掻き分けて脇道に入った。
ぱちゅりーにはありすの後ろ姿だけが見えていた。
だから、ありすが何をしているのかすぐに気付かなかった。
ぱちゅりーにはありすの後ろ姿だけが見えていた。
だから、ありすが何をしているのかすぐに気付かなかった。
「ゆふっ、ゆふっ」
「やめちぇぇ~!」
「やめちぇぇ~!」
ありすは粘液まみれで小さなゆっくりに全身を打ち付けていた。
その目は血走り、金髪を振り乱している。
ぱちゅりーは驚愕した。
その目は血走り、金髪を振り乱している。
ぱちゅりーは驚愕した。
「あ、ありす、何やってるのよ!」
「んほほ、ぱちゅりぃ、あなたもすっきりしましょぉぉぉ!」
「ありす、元にもどって! おねが……い!」
「んほほ、ぱちゅりぃ、あなたもすっきりしましょぉぉぉ!」
「ありす、元にもどって! おねが……い!」
子ゆっくりを無理やりすっきりさせていたありすは、振り返ってぱちゅりーに襲い掛かる。
ぱちゅりーの悲鳴はれいぱーありすの嬌声に掻き消された。
ぱちゅりーの悲鳴はれいぱーありすの嬌声に掻き消された。
しばらくしてれいぱーありすが道に戻ると、どこからともなくありすたちが現れた。
皆れいぱーばかりだった。
皆れいぱーばかりだった。
巣穴から、草むらから、木のうろから、どこにいたのかと思うほど大勢のれいぱーが出てくる。
それらのつがいやそばにいたゆっくりたちは、
かつてありすだったれいぱーたちによって残らずすっきりさせられていた。
それらのつがいやそばにいたゆっくりたちは、
かつてありすだったれいぱーたちによって残らずすっきりさせられていた。
先頭を行くれいぱーありすに、一匹、また一匹とれいぱーありすたちが合流する。
れいぱーたちはある一つの目的に従って、静かに森を進んでいく。
それは、目に付くゆっくり全てをすっきりし尽くすことだった。
れいぱーたちはある一つの目的に従って、静かに森を進んでいく。
それは、目に付くゆっくり全てをすっきりし尽くすことだった。
数十年に一度起きるれいぱーの大発生。
れいぱーの発現はありすからありすへ伝染し、いくつもの群れを襲い、
全てのありすが死に絶えるまで終わらない。
かつてない危機がゆっくりプレイスに迫っていた。
れいぱーの発現はありすからありすへ伝染し、いくつもの群れを襲い、
全てのありすが死に絶えるまで終わらない。
かつてない危機がゆっくりプレイスに迫っていた。
子まりさとれいぱー
盆地の中央に広がる草原から藪を挟んだ広い森の中に、ひとつの群れがあった。
木の根元や、石の陰、土の中などにいくつもゆっくりの巣穴が見える。
そのうちの一つ、柔らかい土を掘り抜いた洞窟の中に子まりさの巣はあった。
木の根元や、石の陰、土の中などにいくつもゆっくりの巣穴が見える。
そのうちの一つ、柔らかい土を掘り抜いた洞窟の中に子まりさの巣はあった。
子まりさは元気よく目を開けた。
隣で眠っている両親を起こさないようにそっと巣の外に出る。
太陽が木々の間から顔を覗かせていた。
朝の光を浴びながら子まりさが大きくのーびのーびをする。
隣で眠っている両親を起こさないようにそっと巣の外に出る。
太陽が木々の間から顔を覗かせていた。
朝の光を浴びながら子まりさが大きくのーびのーびをする。
「のーびのーびしゅるよ! もうちょっとでたいようしゃんにとどくにぇ!」
小さな体を精一杯に伸ばす。
伸びきった体がバランスを崩して土の上に倒れかけたとき、
後ろから伸びてきた父まりさのおさげが子まりさを支えた。
伸びきった体がバランスを崩して土の上に倒れかけたとき、
後ろから伸びてきた父まりさのおさげが子まりさを支えた。
「おちびちゃんあぶないよ、きをつけてね!」
「ゆぅ~ゆっくちわかっちゃよ」
「ゆぅ~ゆっくちわかっちゃよ」
父まりさが起きてきていつのまにか子まりさの後ろにいた。
お互いに顔を舐めあって、顔を洗う。
お互いに顔を舐めあって、顔を洗う。
「ぺーろぺーろ! ゆっくりおはよう、おちびちゃん」
「ぺーりょぺーりょ! ゆっくち!」
「ぺーりょぺーりょ! ゆっくち!」
二匹が穴の中に戻ると、母れいむが待っていた。
母れいむは穴の隅に詰まれていた草を少し噛んで吐き出した。
乾燥した草を口に含んで戻した、簡単な朝食。
母れいむは穴の隅に詰まれていた草を少し噛んで吐き出した。
乾燥した草を口に含んで戻した、簡単な朝食。
「むーしゃむーしゃ! くささんおいしいね!」
「むーちゃ! むーちゃ! ちあわちぇぇぇ~!」
「むーちゃ! むーちゃ! ちあわちぇぇぇ~!」
子まりさは三番目の子供だったが、他の兄弟は生まれてから一年以内に
れみりゃやゆゆこに食べられて死に、子まりさだけが生き残っていた。
れみりゃやゆゆこに食べられて死に、子まりさだけが生き残っていた。
子まりさは、粗末な食事にも顔を輝かせている。
母れいむの唾液でふやけた草は、わずかに甘い味がする。
食べ終わると、父まりさが言った。
母れいむの唾液でふやけた草は、わずかに甘い味がする。
食べ終わると、父まりさが言った。
「今日は、おちびちゃんといっしょにかりに行こうね」
「ゆゆ! かりきょわいよ!」
「大丈夫、ゆっくりなれていこうね」
「おきゃーしゃんは? おきゃーしゃんはいっちょにくるにょ?」
「みんなでいっしょに行こうね! れいむもおちびちゃんとかりをするよ!」
「ゆわーい!」
「ゆゆ! かりきょわいよ!」
「大丈夫、ゆっくりなれていこうね」
「おきゃーしゃんは? おきゃーしゃんはいっちょにくるにょ?」
「みんなでいっしょに行こうね! れいむもおちびちゃんとかりをするよ!」
「ゆわーい!」
母れいむは父まりさが狩りに行っている間、子まりさの面倒を見ていた。
子まりさが成長し母れいむが育児から解放されたため、
一家揃って狩りにいけるようになったのだった。
子まりさが成長し母れいむが育児から解放されたため、
一家揃って狩りにいけるようになったのだった。
「おちびちゃんが早く起きちゃったから、今日は早めに狩りに行こうね」
「ゆゆ? まりちゃ、がんばる!」
「ゆゆ? まりちゃ、がんばる!」
その日の狩りは子まりさの初めての経験であり、
成ゆんへの重要な第一歩になるはずだった。
彼らが来るまでは。
成ゆんへの重要な第一歩になるはずだった。
彼らが来るまでは。
すっかり顔を出した太陽が草原を眺めている。
草原は群れからは藪を挟んで少しの距離があった。
近くには小さな川が流れ、その向こうには森が広がっている。
遠くには頂上に雪を頂く峰がうっすらと姿を見せていた。
草原は群れからは藪を挟んで少しの距離があった。
近くには小さな川が流れ、その向こうには森が広がっている。
遠くには頂上に雪を頂く峰がうっすらと姿を見せていた。
他の群れはまだ来ていない。
この草原は群れの狩場であり、まりさ一家は一番乗りだった。
この草原は群れの狩場であり、まりさ一家は一番乗りだった。
「ゆっ! ゆっ! しゅごいよぉ~! くさしゃんと、むししゃんと、それから……」
「あんまりお父さんからはなれすぎないでね」
「ゆ? まりちゃはゆっくちしてるよ?」
「あんまりお父さんからはなれすぎないでね」
「ゆ? まりちゃはゆっくちしてるよ?」
ゆっくりした花や虫などを見てはしゃぎ、父まりさにたしなめられる子まりさ。
子まりさには、外で見るもの全てが珍しかった。
走り回る息子に注意を向けながら、父まりさは狩れそうな虫を探している。
子まりさには、外で見るもの全てが珍しかった。
走り回る息子に注意を向けながら、父まりさは狩れそうな虫を探している。
別の場所では母れいむが地面に落ちた木の実などを集めている。
お互いに視界の届かない場所には行かないようにしている。
捕食種に襲われたとき、警告しあうための行動だった。
お互いに視界の届かない場所には行かないようにしている。
捕食種に襲われたとき、警告しあうための行動だった。
草原を跳ね回る子まりさは、変なものを見つけた。
花を咲かせるノコンギクの中の一本が、奇妙に膨れている。
本来花になるはずの花芽にいくつも穴が開きこぶのようなものができている。
それはタマバエの虫こぶだった。
花を咲かせるノコンギクの中の一本が、奇妙に膨れている。
本来花になるはずの花芽にいくつも穴が開きこぶのようなものができている。
それはタマバエの虫こぶだった。
タマバエはヤナギやブナ、ヨモギなどの植物に卵を産み付ける習性があり、
卵を産み付けられた部分は異常発達し、虫こぶとなる。
葉や花など、生みつけられる部位は種類によって様々だが
1~数匹の幼虫は虫こぶの中で育ち、春を迎えると羽化する。
成虫は口がないため2日程度しか生きられず、
雌と交尾し新たな卵を産み付けると死んでいく。
卵を産み付けられた部分は異常発達し、虫こぶとなる。
葉や花など、生みつけられる部位は種類によって様々だが
1~数匹の幼虫は虫こぶの中で育ち、春を迎えると羽化する。
成虫は口がないため2日程度しか生きられず、
雌と交尾し新たな卵を産み付けると死んでいく。
子まりさは珍しい外の景色の中でも、一際変わった形の花を見つけてすっかり興奮していた。
何とかして自分のものにしたいが、まりさの小さな身長ではとても花に届かない。
何とかして自分のものにしたいが、まりさの小さな身長ではとても花に届かない。
「はなしゃん、ゆっくちまりちゃにとられちぇにぇ!」
繰り返しジャンプをしたり、のーびのーびをした。
花はそしらぬ顔をして揺れている。
花はそしらぬ顔をして揺れている。
「はなしゃんまりちゃがきらいなのぉ~!? ゆっくちおりてきてにぇ!」
子まりさは顔を真っ赤にして今にも泣きそうになる。
そこへ父まりさが現れた。
おさげで茎の中ほどを押さえて、口まで届いた部分を噛み切る。
あっという間に子まりさの前に折り取られた花が落ちてきた。
そこへ父まりさが現れた。
おさげで茎の中ほどを押さえて、口まで届いた部分を噛み切る。
あっという間に子まりさの前に折り取られた花が落ちてきた。
「ほら、おちびちゃん、お花さんとれたよ!」
「ゆわぁぁぁ~! おとーしゃんしゅごい~!」
「ゆわぁぁぁ~! おとーしゃんしゅごい~!」
子まりさは体をプルプルと震わせて、父まりさと花に交互に熱い視線を注いでいる。
今にもうれちーちーを漏らしそうなほどに感動している。
今にもうれちーちーを漏らしそうなほどに感動している。
「おはなさんはてれやさんだから、ちゃんとおねがいしなきゃだめなんだよ」
「ゆっ、おはなしゃん、ゆっくちありがちょ!」
「よくできたね。じゃあ、次はいもむしさんをとりに行こうか」
「ゆっ! まりちゃはかりのてんしゃいなんだよ!
いもむししゃんもちゃんととれるんだよ!」
「はいはい、そうだね」
「ゆっ、おはなしゃん、ゆっくちありがちょ!」
「よくできたね。じゃあ、次はいもむしさんをとりに行こうか」
「ゆっ! まりちゃはかりのてんしゃいなんだよ!
いもむししゃんもちゃんととれるんだよ!」
「はいはい、そうだね」
子まりさは花を帽子の中に大事にしまい、父まりさの後をついていく。
柔らかな風が吹いて二匹の周りの草を揺らした。
ノコンギクの花が静かに二匹の後を見送った。
柔らかな風が吹いて二匹の周りの草を揺らした。
ノコンギクの花が静かに二匹の後を見送った。
同じ頃、群れの方角。
藪の中を一匹のゆっくりが走っている。
絡み合う枝葉の間をくぐり抜け、何度も転びそうになりながら必死で飛び跳ね続けている。
荒い息と葉の擦れる音が辺りに響いた。
藪の中を一匹のゆっくりが走っている。
絡み合う枝葉の間をくぐり抜け、何度も転びそうになりながら必死で飛び跳ね続けている。
荒い息と葉の擦れる音が辺りに響いた。
「わからないよー……どぼじでぇ……!」
長く暗い藪の終わりが見えて、そのゆっくりは光の中に飛び出した。
草むらを跳ねていたバッタが急に動きを止めた。
触覚をうごめかせ、何かを察知したようだ。
素早く伸びてきたおさげがバッタを掴む。
バッタは暴れるが、捕まって頭をかじられてしまった。
触覚をうごめかせ、何かを察知したようだ。
素早く伸びてきたおさげがバッタを掴む。
バッタは暴れるが、捕まって頭をかじられてしまった。
父まりさが狩りをしている。
動きの速い虫を捕まえるのは父まりさの仕事だった。
動きの速い虫を捕まえるのは父まりさの仕事だった。
「残りはみんなで食べるよ!」
帽子の中に獲物をしまう。
父まりさのあとをついてきた子まりさは、
前方を行く父まりさが急に止まったので、見事にぶつかった。
父まりさのあとをついてきた子まりさは、
前方を行く父まりさが急に止まったので、見事にぶつかった。
「ゆぴ! おとーしゃんどぼちたのぉ!?」
「ばったさんをとったよ、これでゆっくりできるね」
「ゆわ~い!」
「ばったさんをとったよ、これでゆっくりできるね」
「ゆわ~い!」
子まりさはすぐに笑顔になる。
ころころと表情が変わり、子供らしく感情の起伏がはっきりしていた。
ころころと表情が変わり、子供らしく感情の起伏がはっきりしていた。
二匹が母れいむのいるところに戻ろうとしたその時、藪ががさりと音を立てた。
中から一匹のちぇんが勢いよく現れる。
中から一匹のちぇんが勢いよく現れる。
「ゆわぁぁぁぁぁ!」
何かから逃げてきたようだ。
ちぇんの体には細かい傷が無数に走り、折れた茎が何本も生えていた。
帽子に枝や葉がくっついている。
まりさ一家を見るなり、あらん限りの大声で叫んだ。
ちぇんの体には細かい傷が無数に走り、折れた茎が何本も生えていた。
帽子に枝や葉がくっついている。
まりさ一家を見るなり、あらん限りの大声で叫んだ。
「れいぱーがきたよぉぉ! むれが、むれが……! ゆけほっ!」
「ちぇん、どぼじだのぉ!? おちついてねぇぇ!」
「ゆぅ……?」
「ちぇん、どぼじだのぉ!? おちついてねぇぇ!」
「ゆぅ……?」
父まりさが慌てて駆け寄る。
子まりさは何だかゆっくりしていないゆっくりが現れたとそのときは思った。
しかしすぐに事態の重大さを思い知ることになる。
ちぇんの言葉を聞いて、父まりさが青ざめた。
子まりさは何だかゆっくりしていないゆっくりが現れたとそのときは思った。
しかしすぐに事態の重大さを思い知ることになる。
ちぇんの言葉を聞いて、父まりさが青ざめた。
「む、むれがぜんっめつっしちゃったぁぁぁ!?」
「れいぱーありすが、いち、にい、たくさんきたんだよー! すぐにこっちにもくるんだよー!」
「ゆゆっ、おちびちゃんとれいむを……」
「れいぱーありすが、いち、にい、たくさんきたんだよー! すぐにこっちにもくるんだよー!」
「ゆゆっ、おちびちゃんとれいむを……」
そう言いかけたとき、父まりさはかすかな振動を感じた。
それは徐々に大きくなっていき、やがて地鳴りのような重低音が草原に響く。
藪の向こうから聞こえてくるその音は、ゆっくりできない何かの襲来を告げていた。
それは徐々に大きくなっていき、やがて地鳴りのような重低音が草原に響く。
藪の向こうから聞こえてくるその音は、ゆっくりできない何かの襲来を告げていた。
「ゆぎゃあああああああああ! もうぎだぁぁ!」
ちぇんは真っ青になって、その場から逃げ出した。
父まりさも家族に注意を呼びかけた。
父まりさも家族に注意を呼びかけた。
「れいむ! おちびちゃん! にげるよぉぉぉ!」
父まりさが子まりさと母れいむを追い立てるように走り、あっという間に藪のそばから離れる。
少し離れたところにいた母れいむは、もみあげで子まりさをひょいと持ち上げると頭の上に乗せた。
少し離れたところにいた母れいむは、もみあげで子まりさをひょいと持ち上げると頭の上に乗せた。
「ゆゆ……おきゃーしゃん、おとーしゃん、どうちたのぉ……?」
返答はない。
皆逃げるのに精一杯で、子まりさの小さな声は誰にも聞き取れなかった。
皆逃げるのに精一杯で、子まりさの小さな声は誰にも聞き取れなかった。
両親に囲まれてゆっくりした草原で宝物を見つけたり、虫を追っていた
幸せな時間が、あっという間にどこかへ行ってしまった。
子まりさは胸の餡子が押し潰されるような不安を感じた。
幸せな時間が、あっという間にどこかへ行ってしまった。
子まりさは胸の餡子が押し潰されるような不安を感じた。
地響きはどんどん大きさを増していく。
さっきまで父まりさがいた場所の近くの藪の奥で何かが一度だけ動いた。
次の瞬間、藪の一部が爆発したようにはじけ、れいぱーありすの集団が姿を現した。
さっきまで父まりさがいた場所の近くの藪の奥で何かが一度だけ動いた。
次の瞬間、藪の一部が爆発したようにはじけ、れいぱーありすの集団が姿を現した。
「「「んんっほお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ!!!」」」
何十体というれいぱーありすが獲物を求め猛進していた。
血走った目はあらぬ方向を向き、
常に反り立ったままのぺにぺにからは精子餡が迸っている。
血走った目はあらぬ方向を向き、
常に反り立ったままのぺにぺにからは精子餡が迸っている。
れいぱーありすたちの周囲には土煙のようなものが巻き起こっている。
彼らの撒き散らす精子餡がれいぱーたちの体にぶつかって弾け、
霧のように空中へ舞い上がっているのだった。
彼らの撒き散らす精子餡がれいぱーたちの体にぶつかって弾け、
霧のように空中へ舞い上がっているのだった。
「うー☆ ごはんさんどこなんだどー」
一匹のれみりゃがれいぱーたちの真上を飛んでいる。
漂ってくる煙をもろに浴びてしまった。
漂ってくる煙をもろに浴びてしまった。
「う、うわぁぁぁぁ! ざぐ……っ……!」
付着した精子餡が茎を生やして、れみりゃはあっという間に黒ずんだ。
バランスを崩して墜落したその体を、れいぱーありすの一匹が
口でキャッチしてそのまま飲み込んだ。
バランスを崩して墜落したその体を、れいぱーありすの一匹が
口でキャッチしてそのまま飲み込んだ。
隊列の後方では精子餡の霧によってにんっしんっする者もいたが
どういうわけか、少々茎が生えても死なずに走っている。
同種の出す精子餡に耐性があり、精子餡をまともに浴びてもそれほど茎が生えないためだった。
どういうわけか、少々茎が生えても死なずに走っている。
同種の出す精子餡に耐性があり、精子餡をまともに浴びてもそれほど茎が生えないためだった。
草原を走っていたまりさ一家は、振り返った先にいるれいぱーを見た。
あれに捕まれば最後、死ぬまですっきりさせられる。
まりさ一家は必死で逃げた。
あれに捕まれば最後、死ぬまですっきりさせられる。
まりさ一家は必死で逃げた。
「ゆふっ、ゆふっ、か、かわさんがみえたよ!」
「おちびちゃん、もうちょっとだよ!」
「おちびちゃん、もうちょっとだよ!」
川は静かに流れていた。
水深は浅く、流れも速くない川だった。
それでもゆっくりにとっては絶望的な深さだった。
水深は浅く、流れも速くない川だった。
それでもゆっくりにとっては絶望的な深さだった。
先に着いていたちぇんは、渡る方法が見つからず焦っていた。
追いついたまりさ一家の後ろに、今にも追いつきそうなれいぱーの集団を見て叫ぶ。
追いついたまりさ一家の後ろに、今にも追いつきそうなれいぱーの集団を見て叫ぶ。
「れいぱーがきたぁぁぁ!」
ちぇんの脳裏に先ほど群れを襲撃された時の光景が浮かび上がってくる。
地響きが襲い、れいぱーの雪崩が群れを覆う。
平和な群れはあっという間に、ゆっくりたちの悲鳴と精子餡が飛び交う地獄と化した。
平和な群れはあっという間に、ゆっくりたちの悲鳴と精子餡が飛び交う地獄と化した。
四方をれいぱーに囲まれ、逃げ場のない状態ですっきりを強要されるみょん。
まむまむとあにゃるにはすでに前後のれいぱーたちのぺにぺにが突き込まれ、
みょんの体内に精子餡を途切れなく注ぎ込こむ。
まむまむとあにゃるにはすでに前後のれいぱーたちのぺにぺにが突き込まれ、
みょんの体内に精子餡を途切れなく注ぎ込こむ。
「ふぃすとふぁっぐぅぅ! すっきり……やべで……あかちゃんできぢゃうぅぅ」
すぐそばに落ちている小枝をくわえようとしてもがくと、
皮が触れあったところから茎が生えてきた。
れいぱーの粘液は触れるだけでにんっしんっする。
皮が触れあったところから茎が生えてきた。
れいぱーの粘液は触れるだけでにんっしんっする。
「こえだざぁぁん! どぼじでこっちきてくれないみょん!?」
小枝はうんともすんとも言わず転がっている。
「ゆ……ぐ……」
みょんは耐えることしか出来なかった。
既にいくつもの茎が生え、肌は黒ずみ始めている。
れいぱーたちの宴は続いた。
既にいくつもの茎が生え、肌は黒ずみ始めている。
れいぱーたちの宴は続いた。
別の場所では、二匹のれいぱーありすが一匹のまりさを奪い合っている。
それぞれまりさの髪とあんよを口にくわえて引っ張り合う。
まりさは体を上下に引き絞られ強制的にのーびのーび状態になっていた。
それぞれまりさの髪とあんよを口にくわえて引っ張り合う。
まりさは体を上下に引き絞られ強制的にのーびのーび状態になっていた。
「いだいいだいぃ! ま゛りざのがみのげとあんよひっぱらないでぇぇ! ゆっぐりでぎないぃ!」
「わたしとすっきりしましょぉぉ!! んほぉぉ!」
「まりさはわたしととかいはなあいをかたるのよぉぉ!」
「わたしとすっきりしましょぉぉ!! んほぉぉ!」
「まりさはわたしととかいはなあいをかたるのよぉぉ!」
まりさの皮がちぎれて二匹と一匹は横に吹っ飛んだ。
「あぁああぁぁ……ま゛りざのかもしかさんのようなあんよがぁぁ」
れいぱーにくわえられていた部分が破れて餡子が漏れ出している。
まりさはもう歩くこともできず、ただれいぱーにされるがままになっていた。
まりさはもう歩くこともできず、ただれいぱーにされるがままになっていた。
そこへしつこくれいぱーありすが這いよってきて、再びまりさにかみついた。
もう片方も負けじと引っ張り返す。
もう片方も負けじと引っ張り返す。
「まりさぁぁ! あら? なんだかあまいあじがするわぁぁ!」
「ゆ、ゆぎゃあ!? やべでぇ! ま゛りざのあ゛んごだべないでぇぇ!」
「ゆ、ゆぎゃあ!? やべでぇ! ま゛りざのあ゛んごだべないでぇぇ!」
あんよにかみついたれいぱーの口に、
まりさの破れた場所から出てきた餡子が偶然入った。
髪がちぎれて、そこからも餡子が露出する。
まりさの破れた場所から出てきた餡子が偶然入った。
髪がちぎれて、そこからも餡子が露出する。
「んほぉ! こっちもあまいわぁぁ!」
「どぼじでごんなごどずるのぉぉ……」
「どぼじでごんなごどずるのぉぉ……」
その甘さに、二匹は当初の目的を忘れてまりさを貪りあった。
まりさは生きながら体を少しずつちぎられて食べられた。
後には精子餡でべとべとになった帽子だけが残った。
まりさは生きながら体を少しずつちぎられて食べられた。
後には精子餡でべとべとになった帽子だけが残った。
群れのいたるところで同じような光景が繰り広げられている。
巣の中にいた赤ゆたちは、れいぱーに無理矢理すっきりさせられるか、まとめて大量の精子餡をかけられた。
つがいは、それぞれの見ている前で嫌がりながられいぱーたちにすっきりさせられた。
冬篭もりのために溜めた食料は、れいぱーの激しいエネルギー消費を賄うために食べ尽くされた。
それは、ゆっくりたちの死体も同様だった。
巣の中にいた赤ゆたちは、れいぱーに無理矢理すっきりさせられるか、まとめて大量の精子餡をかけられた。
つがいは、それぞれの見ている前で嫌がりながられいぱーたちにすっきりさせられた。
冬篭もりのために溜めた食料は、れいぱーの激しいエネルギー消費を賄うために食べ尽くされた。
それは、ゆっくりたちの死体も同様だった。
森の片隅で平和に暮らしていた、何の罪もないゆっくりたちの群れは
一瞬にして壊され、何もかも奪い尽くされた。
後には何も残らなかった。
一瞬にして壊され、何もかも奪い尽くされた。
後には何も残らなかった。
ちぇんはつがいのらんと木のうろの中で体を寄せ合って震えていたが、
そこにもれいぱーはやって来た。
そこにもれいぱーはやって来た。
「んっほほほぉ! おいしそうなえものねぇぇ!」
ちぇんよりふた回りは大きい巨体を揺らして近づいてくる。
「わからないよぉー……」
「ちぇん! にげろ!」
「ちぇん! にげろ!」
らんが飛び出してれいぱーに体当たりをした。
れいぱー程ではないが体が大きく、力も負けないほど強い。
れいぱーありすは吹っ飛ばされた。
れいぱー程ではないが体が大きく、力も負けないほど強い。
れいぱーありすは吹っ飛ばされた。
「らんしゃまぁぁぁ!」
「おちびちゃんをたのむ!」
「おちびちゃんをたのむ!」
らんはれいぱーの群れに単身突っ込んでいった。
いくら希少種のらんでも、同じくらいの強さのれいぱーに囲まれて無事ではいられない。
さらに一匹にぶつかってカスタードを吐き出させたが、
寄ってたかってすっきりさせられ、茎が生えてしまっていた。
いくら希少種のらんでも、同じくらいの強さのれいぱーに囲まれて無事ではいられない。
さらに一匹にぶつかってカスタードを吐き出させたが、
寄ってたかってすっきりさせられ、茎が生えてしまっていた。
「ごめん、らんしゃま……!」
ちぇんは頭に3匹の赤ちぇんと赤らんを乗せて走り出した。
らんに似た子は一匹しか生まれなかった。
ちぇんはれいぱーのいないところまで走ると、足を止めた。
らんに似た子は一匹しか生まれなかった。
ちぇんはれいぱーのいないところまで走ると、足を止めた。
赤ちぇんと赤らんは頭の上で泣いている。
目の前でらんがれいぱーたちに襲われるところを見たのだから仕方なかった。
ちぇんは赤らんを尻尾で掴んで目の前に掲げた。
目の前でらんがれいぱーたちに襲われるところを見たのだから仕方なかった。
ちぇんは赤らんを尻尾で掴んで目の前に掲げた。
「らんしゃまのぶんまで、この子たちをそだてるよー……」
その時、木の陰から何かが飛んできて赤らんにかかった。
一匹のれいぱーが飛ばした精子餡が尻尾の上の赤らんに命中していた。
一匹のれいぱーが飛ばした精子餡が尻尾の上の赤らんに命中していた。
「おちびちゃぁぁぁぁん!?」
「んほほ、すないぷせいこうだわぁー!」
「んほほ、すないぷせいこうだわぁー!」
赤らんはちぇんが精子餡を拭い取る暇もなく、ちぇんの見ている前で
しおしおとしぼみ、黒ずんでいった。
しおしおとしぼみ、黒ずんでいった。
「ぉきゃぁ……しゃ……もっ……ょ……ゆ」
「あ……あ……あ……あ」
「あ……あ……あ……あ」
ちぇんは死んでいく赤らんに何もすることが出来なかった。
すでに茎は身体中を覆い尽くしている。
無理に引っこ抜けば、赤らんはご飯粒しか残らなくなってしまう。
茎が邪魔で体を舐めることすら出来ない。
もし舐めていたら、ちぇんにも茎が生えていただろう。
すでに茎は身体中を覆い尽くしている。
無理に引っこ抜けば、赤らんはご飯粒しか残らなくなってしまう。
茎が邪魔で体を舐めることすら出来ない。
もし舐めていたら、ちぇんにも茎が生えていただろう。
ちぇんは動かなくなった我が子をそっと地面に置いた。
ひどい絶望感で体が動かなかった。
だから、その次の事態にもとっさに対処できなかった。
ひどい絶望感で体が動かなかった。
だから、その次の事態にもとっさに対処できなかった。
「よきゅもちぇんのいもうちょをー!」
「おねえしゃんをかえちぇー!」
「れいぴゃーはゆっくちちね!」
「おねえしゃんをかえちぇー!」
「れいぴゃーはゆっくちちね!」
頭の上の赤ちぇんが、前方のれいぱーに挑みかかっていく。
よたよたと跳ねる三匹の赤ゆは、れいぱーの格好の餌食だった。
よたよたと跳ねる三匹の赤ゆは、れいぱーの格好の餌食だった。
「お、おちびちゃん! やめてね! いっちゃだめだよー!」
「んふぉ! んふぉぉぉぉぉ!」
「んふぉ! んふぉぉぉぉぉ!」
れいぱーがぺにぺにをひと薙ぎすると、びゅぐっという音がして
精子餡が半円状に発射される。
それは一列に並んで向かってきていた赤ちぇんたちに見事に降りかかった。
精子餡が半円状に発射される。
それは一列に並んで向かってきていた赤ちぇんたちに見事に降りかかった。
「ゆぴぇぇ! いきができにゃいぃ!」
「これとっちぇぇ!」
「わきゃらな……」
「これとっちぇぇ!」
「わきゃらな……」
たちまち茎が生え、黒ずみ、赤らんと同じ運命を辿る。
ちぇんは予想外の事態にただ呆然としていた。
その場でじっとして、滂沱の涙を流す。
ちぇんは予想外の事態にただ呆然としていた。
その場でじっとして、滂沱の涙を流す。
「わからないよー……おちびちゃん、どうじでぇ」
れいぱーが近づいてくる。
ちぇんはとっさに藪の中に逃げ込んだ。
そのときにはもうれいぱーの放った精子餡がちぇんの体に付着していた。
ちぇんはとっさに藪の中に逃げ込んだ。
そのときにはもうれいぱーの放った精子餡がちぇんの体に付着していた。
たちまち茎が伸びてくるが、藪の中を走っているうちに、折れていった。
絡み合った枝葉に引っ掛かって身体の表面に傷はついたが
餡子が全て無くなるよりはましだった。
絡み合った枝葉に引っ掛かって身体の表面に傷はついたが
餡子が全て無くなるよりはましだった。
ちぇんは思った。
自分はれいぱーの脅威を赤ゆにちゃんと教えていただろうか?
もし教えていれば、赤ちぇんは死なずに済んだかも知れない。
逃げている間じゅう、暗い後悔がちぇんのチョコを満たした。
自分はれいぱーの脅威を赤ゆにちゃんと教えていただろうか?
もし教えていれば、赤ちぇんは死なずに済んだかも知れない。
逃げている間じゅう、暗い後悔がちぇんのチョコを満たした。
藪を抜けたところで、まりさ一家に出会った。
運良く群れを離れていた、最後の家族だった。
運良く群れを離れていた、最後の家族だった。
「おとーしゃん! れいぴゃーがきちゃよぉぉぉ!」
ちぇんは子まりさの声で現実にかえった。
行く手は川に阻まれ、後ろにはれいぱーが迫っている。
行く手は川に阻まれ、後ろにはれいぱーが迫っている。
「ごめん……おちびちゃん……ごめんね。
らんしゃま、らんしゃまのこども……まもれなくてごめんなさい」
らんしゃま、らんしゃまのこども……まもれなくてごめんなさい」
ちぇんはれいぱーの只中に突っ込んだ。
素早く高く跳躍し、れいぱーのかちゅーしゃを口でくわえて奪った。
たちまちそのれいぱーに他のれいぱーの攻撃が集中する。
素早く高く跳躍し、れいぱーのかちゅーしゃを口でくわえて奪った。
たちまちそのれいぱーに他のれいぱーの攻撃が集中する。
「まりさたちは、いまのうちににげてね! わかれよー!」
「んほぉぉぉぉ!」
「んほぉぉぉぉ!」
れいぱーの声で後半がかき消される。
ちぇんの抵抗にれいぱーは怒ったのか、その巨体でぺにぺにごとちぇんに体当たりした。
ちぇんの抵抗にれいぱーは怒ったのか、その巨体でぺにぺにごとちぇんに体当たりした。
「ゆぎゃぁぁ!」
ちぇんの体が舞い上がり、穴の空いた皮からチョコが飛び散る。
そのまま勢いよく川に投げ出された。
そのまま勢いよく川に投げ出された。
ちぇんの体がぷかりと浮かび上がるが、水に翻弄されるばかりで泳げない。
水面から顔を出したり尻を出したりしてくるくると回転していたが
やがて皮に水が染みこんでいき、重くなった身体は水底に沈む。
最後に一つとぷんと沈んだきり、ちぇんは浮かび上がってこなかった。
水面から顔を出したり尻を出したりしてくるくると回転していたが
やがて皮に水が染みこんでいき、重くなった身体は水底に沈む。
最後に一つとぷんと沈んだきり、ちぇんは浮かび上がってこなかった。
そんなちぇんの姿を見ていた父まりさは決意を固めた。
まりさ一家に残された時間はわずかしかない。
母れいむの頭の上にいた子まりさを地面に下ろす。
まりさ一家に残された時間はわずかしかない。
母れいむの頭の上にいた子まりさを地面に下ろす。
「おちびちゃん、よく聞いてね。お父さんたちはおちびちゃんをにがすよ」
「ゆ……?」
「おぼうしで川さんをわたってね。れいぱーも川さんの向こうまでは追ってこれないよ」
「おとーしゃんとおかーしゃんはぁぁぁぁ!?」
「おちびちゃんを逃がすので精一杯なんだよ、ゆっくりりかいしてね」
「やじゃぁぁぁぁ! おとーしゃんとおかーしゃんといっしょがいいぃぃ!」
「ゆ……?」
「おぼうしで川さんをわたってね。れいぱーも川さんの向こうまでは追ってこれないよ」
「おとーしゃんとおかーしゃんはぁぁぁぁ!?」
「おちびちゃんを逃がすので精一杯なんだよ、ゆっくりりかいしてね」
「やじゃぁぁぁぁ! おとーしゃんとおかーしゃんといっしょがいいぃぃ!」
子まりさは聞きいれなかった。
無理もなかった。
生まれて一年くらいしか経っておらず狩りも今日から覚えるはずだった。
まだまだ親に甘えたい時期だった。
無理もなかった。
生まれて一年くらいしか経っておらず狩りも今日から覚えるはずだった。
まだまだ親に甘えたい時期だった。
「おちびちゃん、言うことを聞いてね!」
「やじゃぁぁぁ!」
「やじゃぁぁぁ!」
父まりさは子まりさの帽子をとると水に浮かべた。
流されないように押さえながら子まりさ自身もそれに乗せる。
流されないように押さえながら子まりさ自身もそれに乗せる。
「……おぼうしはまだ教えてなかったね。でもおちびちゃんならきっとだいじょうぶだよ」
「まりしゃものこりゅううう!」
「まりしゃものこりゅううう!」
子まりさは父親のおさげをくわえて離そうとしなかった。
母れいむが困った顔をする。
母れいむが困った顔をする。
「おちびちゃん!」
父まりさはぷくーをした。
子まりさは初めて見る父親の本気のぷくーに怯えた。
子まりさは初めて見る父親の本気のぷくーに怯えた。
「ゆぴぃぃ!」
子まりさは叫んだ。おさげを離した。
父まりさがにっこり笑って帽子を一度だけ押すと、帽子は水面を滑って岸を離れた。
その後ろかられいぱーたちが迫っていた。
父まりさがにっこり笑って帽子を一度だけ押すと、帽子は水面を滑って岸を離れた。
その後ろかられいぱーたちが迫っていた。
「おとーしゃぁぁぁん! おきゃーしゃぁぁぁぁぁん! ゆわあああああああ!」
子まりさを乗せた帽子は、れいぱーが来る前に川を渡った。
帽子は大きく傾くこともなく、川の流れに乗って進んだ。
子まりさは反対側の岸にたどり着いていた。
子まりさは反対側の岸にたどり着いていた。
その間に、子まりさは両親が無理矢理すっきりさせられ、茎が伸びて全身が黒ずむところを見た。
見ていても何も出来なかった。
帽子はすでに川岸から遥かに離れていたし、子まりさはオールを持っていなかった。
見ていても何も出来なかった。
帽子はすでに川岸から遥かに離れていたし、子まりさはオールを持っていなかった。
優しかった母れいむのふかふかの顔が、見る影もなくしぼんで真っ黒になった。
よく遊んでくれた父まりさのおさげは、れいぱーの一匹に隈なくしゃぶられて食べ尽くされた。
押し寄せるれいぱーの圧力に耐え切れず、死体は川に落ちて流された。
いっしょに何匹かのれいぱーも落ちたが、全体から見れば少ない数だった。
よく遊んでくれた父まりさのおさげは、れいぱーの一匹に隈なくしゃぶられて食べ尽くされた。
押し寄せるれいぱーの圧力に耐え切れず、死体は川に落ちて流された。
いっしょに何匹かのれいぱーも落ちたが、全体から見れば少ない数だった。
子まりさは逃げるように帽子を降りると、かろうじて頭に被せた。
びしょびしょになった帽子は重かった。
びしょびしょになった帽子は重かった。
両親の最期の場所から目を逸らすように、岸を離れた。
川から少しでも遠くへ行きたかった。
後ろを振り返る余裕はなかった。
川から少しでも遠くへ行きたかった。
後ろを振り返る余裕はなかった。
れいぱーたちは父まりさたちをすっきりさせた後も止まらなかった。
後から後から押し寄せるれいぱーが川べりのれいぱーを押しのけ、
自らも川に突進しては沈んでいく。
後から後から押し寄せるれいぱーが川べりのれいぱーを押しのけ、
自らも川に突進しては沈んでいく。
全てのれいぱーが沈みきった頃、川の下流はカスタード色に染まった。
水中はありすだったゆっくりで埋め尽くされている。
水面にゆらゆらと金髪が舞い上がって日光に反射していた。
それらを見ているものは誰もいなかった。
水中はありすだったゆっくりで埋め尽くされている。
水面にゆらゆらと金髪が舞い上がって日光に反射していた。
それらを見ているものは誰もいなかった。
草原が終わり、走っている子まりさの目の前に森が立ちはだかる。
川向こうからこっちは子まりさの知らない場所だった。
そもそも狩場に来たのさえ今日が初めてだった。
川向こうからこっちは子まりさの知らない場所だった。
そもそも狩場に来たのさえ今日が初めてだった。
森は暗く、恐ろしい雰囲気だった。
子まりさは勇気を出して踏み込んだ。
子まりさは勇気を出して踏み込んだ。
子まりさは小さな虫の声や葉ずれの音を聞いた。
気の早いゆっくりたちはもう冬籠りを始めている。
あちこちの木の根元に結界が張られているが、子まりさはそれに気がつかなかった。
気の早いゆっくりたちはもう冬籠りを始めている。
あちこちの木の根元に結界が張られているが、子まりさはそれに気がつかなかった。
子まりさはかつての境遇を思った。
両親と一緒に暖かい土中のゆっくりプレイスで冬を越す。
お腹が空いたらおかあさんの採ってきた木の実や虫さんを食べ、
両親のゆっくりしたほっぺたに囲まれて春までゆっくり過ごす。
今日までと何ら変わらない日々が続くはずだった。
両親と一緒に暖かい土中のゆっくりプレイスで冬を越す。
お腹が空いたらおかあさんの採ってきた木の実や虫さんを食べ、
両親のゆっくりしたほっぺたに囲まれて春までゆっくり過ごす。
今日までと何ら変わらない日々が続くはずだった。
今の子まりさには、ご飯も寝床もない。
ただ森の中をあてもなく進んでいく。
虫や小動物などの様々な生き物の気配はするが、
子まりさの未熟な感覚ではどこにいるのか全くわからなかった。
ただ森の中をあてもなく進んでいく。
虫や小動物などの様々な生き物の気配はするが、
子まりさの未熟な感覚ではどこにいるのか全くわからなかった。
やがて小さな洞窟を見つけた。
入り口は子ゆっくり一匹が通るのがやっとの小さな穴だった。
いちばん奥まで行くと少し広がった空間がある。
子まりさは腰を落ち着けて、穴から空を眺めた。
入り口は子ゆっくり一匹が通るのがやっとの小さな穴だった。
いちばん奥まで行くと少し広がった空間がある。
子まりさは腰を落ち着けて、穴から空を眺めた。
ぼーっとしていると、そのうち空腹になった。
帽子から先ほど取った宝物の菊の花を取り出した。
それを見た瞬間、子まりさの目に父まりさの顔が浮かぶ。
つい先ほどまでの幸せな記憶が蘇ってきた。
帽子から先ほど取った宝物の菊の花を取り出した。
それを見た瞬間、子まりさの目に父まりさの顔が浮かぶ。
つい先ほどまでの幸せな記憶が蘇ってきた。
父まりさの力強いおさげ。
母れいむの笑顔。
その間には自分がいた。
母れいむの笑顔。
その間には自分がいた。
子まりさは涙をこぼさなかった。
子まりさにとって、過去の光景こそが現実だった。
全てを失い、空腹で一人森の中をさまよっている現状を認めたくなかった。
花を食べたら、それを認めたことになる気がして、どうしても食べられなかった。
子まりさにとって、過去の光景こそが現実だった。
全てを失い、空腹で一人森の中をさまよっている現状を認めたくなかった。
花を食べたら、それを認めたことになる気がして、どうしても食べられなかった。
代わりに壁の奥を掘って食べるものを探した。
柔らかい土で子まりさにも何とか掘ることができた。
しばらく掘り進むとミミズを見つけた。
この洞窟の前の住人も、こうやってご飯をとっていたのかもしれないと思った。
柔らかい土で子まりさにも何とか掘ることができた。
しばらく掘り進むとミミズを見つけた。
この洞窟の前の住人も、こうやってご飯をとっていたのかもしれないと思った。
無理やりミミズを腹に収めると、少しだけ気力がわいてきた。
まだ自分の身に起こったことを全て受け止めるだけの心の余裕はなかったが、
つい先ほどまでの暗い気持ちからは抜け出せた気がした。
まだ自分の身に起こったことを全て受け止めるだけの心の余裕はなかったが、
つい先ほどまでの暗い気持ちからは抜け出せた気がした。
子まりさは洞窟の中から空を見上げた。
森に入ってきたときは気付かなかったが、
色づく木々の葉が狭い洞窟の入り口いっぱいに見えた。
その隙間からのぞく太陽が眩しい。
傾いてきた太陽が穴の中を照らし、子まりさの身体に当たった。
森に入ってきたときは気付かなかったが、
色づく木々の葉が狭い洞窟の入り口いっぱいに見えた。
その隙間からのぞく太陽が眩しい。
傾いてきた太陽が穴の中を照らし、子まりさの身体に当たった。
子まりさは丸く切り取られた森の景色を、何と呼んでいいのかわからなかった。
「ゆっくりしている」とは少し違う気がした。
きれいな石さんや輝くちょうちょの翅の模様を見た時と同じ感覚だと思ったが、
それを何と表現するのかはわからなかった。
「ゆっくりしている」とは少し違う気がした。
きれいな石さんや輝くちょうちょの翅の模様を見た時と同じ感覚だと思ったが、
それを何と表現するのかはわからなかった。
景色につられて、ふらふらと子まりさが外に出ようとしたとき、
洞窟の奥に置いた花がかさりと音を立てた。
子まりさは立ち止まって振り返った。
何もなかった。
洞窟の奥に置いた花がかさりと音を立てた。
子まりさは立ち止まって振り返った。
何もなかった。
子まりさが再び外に出ようとしたとき、それが飛び込んできた。
それは子まりさの顔の寸前で止まった。
先端から透明な砂糖水が一滴たらりと地面に落ちる。
卵色のぷくぷくと太った棒が洞窟の入り口から
子まりさのいる場所までのスペースを占拠していた。
先端から透明な砂糖水が一滴たらりと地面に落ちる。
卵色のぷくぷくと太った棒が洞窟の入り口から
子まりさのいる場所までのスペースを占拠していた。
それはれいぱーありすのぺにぺにだった。
洞窟の入り口に覆い被さったれいぱーありすは
ぺにぺにを一旦引っ込めると、めちゃくちゃに穴の入り口から突き入れを繰り返した。
がりがりと土が削られ、空気の弾ける音が響く。
ぺにぺにを一旦引っ込めると、めちゃくちゃに穴の入り口から突き入れを繰り返した。
がりがりと土が削られ、空気の弾ける音が響く。
「んっほぉぉぉぉぉ――――ッ! ゆぺろろろろぺろろろぺろォ――ん! とかいはねェ――ッ」
子まりさは恐怖に声も出ない。
かろうじてぺにぺにの先が当たらないように後ずさった。
ぺにぺには子まりさを突き殺さんばかりの勢いで
差し込まれているが、洞窟の奥までは入ってこれない。
かろうじてぺにぺにの先が当たらないように後ずさった。
ぺにぺには子まりさを突き殺さんばかりの勢いで
差し込まれているが、洞窟の奥までは入ってこれない。
「でていらっしゃい、ありすととかいはなあいをかたりましょぉぉぉ!」
子まりさは知らなかったが、あまりにも大量のありすが
一度に川になだれ込んだ結果、川の中にゆっくりにも渡れる場所が出来ていた。
飛び石のように同じありすの死体を踏みつけながら、
れいぱーありすは子まりさを追ってきたのだった。
一度に川になだれ込んだ結果、川の中にゆっくりにも渡れる場所が出来ていた。
飛び石のように同じありすの死体を踏みつけながら、
れいぱーありすは子まりさを追ってきたのだった。
子まりさは穴の奥に身を潜めた。
帽子を目深にかぶり、ぷるぷると身体を震わせている。
体を縮こまらせて、とにかくぺにぺにに触れないようにした。
触れれば両親のように、体中から茎が生えて永遠にゆっくりできなくなってしまう。
帽子を目深にかぶり、ぷるぷると身体を震わせている。
体を縮こまらせて、とにかくぺにぺにに触れないようにした。
触れれば両親のように、体中から茎が生えて永遠にゆっくりできなくなってしまう。
「まりさはいないよ! ここにいないよ!」
永遠とも思える時間が過ぎて、子まりさが顔を上げると、ぺにぺにはなくなっていた。
一瞬夢かと思ったが、洞窟の壁のあちこちに付着した精子餡がそうではないことを告げていた。
一瞬夢かと思ったが、洞窟の壁のあちこちに付着した精子餡がそうではないことを告げていた。
まりさは、このままここでじっと待とうかと思った。
全ての事から目をそらして、安全かどうかもわからない洞穴の中で震えて過ごすこともできる。
だがそれは嫌だと思った。
全ての事から目をそらして、安全かどうかもわからない洞穴の中で震えて過ごすこともできる。
だがそれは嫌だと思った。
外にはまだれいぱーがいるだろう。
出て行けば、自分は間違いなく両親のように殺される。
だがたった一人でれいぱーの軍団に向かっていったちぇんや、
自分を逃がしてくれた両親のように、最後まで立ち向かうことならできる。
小さな覚悟が子まりさの恐怖に凍えた心を溶かした。
出て行けば、自分は間違いなく両親のように殺される。
だがたった一人でれいぱーの軍団に向かっていったちぇんや、
自分を逃がしてくれた両親のように、最後まで立ち向かうことならできる。
小さな覚悟が子まりさの恐怖に凍えた心を溶かした。
まりさは宝物の花をお守り代わりに、外へ出た。
穴の外では二匹のれいぱーありすが争っているところだった。
片方のありすは体が小さいがぺにぺにが大きかった。
最初に子まりさを襲ったありすのほうが体が大きかった。
互いに、子まりさとどちらがすっきりするかで争っていた。
片方のありすは体が小さいがぺにぺにが大きかった。
最初に子まりさを襲ったありすのほうが体が大きかった。
互いに、子まりさとどちらがすっきりするかで争っていた。
「あのま゛りざはわだしのものよぉぉぉ!! いなかもののれいぱーにはわたさないわぁぁ!」
「ぞっぢごぞれいぱーでしょおぉぉぉ! ゆっくりしねぇぇ!!」
「ぞっぢごぞれいぱーでしょおぉぉぉ! ゆっくりしねぇぇ!!」
相手の体のいたるところにぺにぺにを突き刺し、カスタード塗れになって
争っている姿は子まりさの目から見てもゆっくりできていなかった。
それは最早ゆっくりではなかった。
れいぱーという怪物だった。
争っている姿は子まりさの目から見てもゆっくりできていなかった。
それは最早ゆっくりではなかった。
れいぱーという怪物だった。
まりさは自分の中に、わずかな怒りと闘志が満ちてくるのを感じた。
頭の中の餡子がすっと冷えて、冷静に相手を見ている自分に気付いた。
子まりさはもう震えていなかった。
頭の中の餡子がすっと冷えて、冷静に相手を見ている自分に気付いた。
子まりさはもう震えていなかった。
子まりさの見ている前で、最初のありすがもう小さいほうのありすの目にぺにぺにを突き刺した。
精子餡が注ぎ込まれ、小ありすの口と片方の目を押し出した穴から精子餡が噴出した。
あのまま穴の中にいたら、ぺにぺにから噴出した精子餡をかけられていたかも知れない。
精子餡が注ぎ込まれ、小ありすの口と片方の目を押し出した穴から精子餡が噴出した。
あのまま穴の中にいたら、ぺにぺにから噴出した精子餡をかけられていたかも知れない。
小ありすは息絶えた。
その体から茎が伸び始める頃には、最初のれいぱーありすはこちらに向き直っていた。
その体から茎が伸び始める頃には、最初のれいぱーありすはこちらに向き直っていた。
「んほほ、「でれき」にはいっておちびちゃんのほうからでてきてくれたのねぇ~!」
「まりちゃはつんでれじゃないもん!」
「まりちゃはつんでれじゃないもん!」
まりさは鋭く一言反論すると、踵を返す。
少しでも長く生き延びるために、逃げ出した。
少しでも長く生き延びるために、逃げ出した。
「むだよぉぉ、そんなちいさなあんよでにげきれるとおもってるのぉぉぉぉ」
れいぱーは、余裕を持っている。
体格差は五倍以上あり、子まりさに勝ち目はないように見えた。
体格差は五倍以上あり、子まりさに勝ち目はないように見えた。
「ゆっ、ゆっ」
子まりさは必死にれいぱーから遠ざかろうとするが、その歩みは遅い。
れいぱーが数回大きく跳ぶと、その距離はあっけなく縮まった。
子まりさの行く手をふさぐように大きな体を揺らしている。
れいぱーが数回大きく跳ぶと、その距離はあっけなく縮まった。
子まりさの行く手をふさぐように大きな体を揺らしている。
「おちびちゃんのきつきつのあにゃるをゆっくりあじわってあげるわぁぁ」
「もう、おまえなんか、きょわくないよ……」
「もう、おまえなんか、きょわくないよ……」
その瞬間が、子まりさの待ち望んでいたものだった。
れいぱーが自分を仕留めるために、ぺにぺにをゆっくりと突きつける時。
もっとも敏感な部分が、攻撃してくれと言わんばかりに子まりさの目の前にあった。
れいぱーが自分を仕留めるために、ぺにぺにをゆっくりと突きつける時。
もっとも敏感な部分が、攻撃してくれと言わんばかりに子まりさの目の前にあった。
「きゅらえぇぇぇ!」
子まりさは精一杯の勇気を振り絞って跳んだ。
大きく口を開けて、芋虫のようなぺにぺにに噛み付いた。
これ以上ないというくらいにあごに力を込めて、ぶら下がった。
大きく口を開けて、芋虫のようなぺにぺにに噛み付いた。
これ以上ないというくらいにあごに力を込めて、ぶら下がった。
「ゆぐぅぅぅぅ! うううぅぅぅ!」
「んほぉぉぉぉぉ!」
「んほぉぉぉぉぉ!」
ぺにぺにが上下左右に大きく振られるが、子まりさは必死に食いついた。
噛み付き続ければ、ダメージを与えられる、そう信じて。
だが次に発せられたれいぱーありすの言葉に、子まりさはショックを受けた。
噛み付き続ければ、ダメージを与えられる、そう信じて。
だが次に発せられたれいぱーありすの言葉に、子まりさはショックを受けた。
「んほぉ、とかいはなわざねぇぇぇ! ぎこちなさがたまらないわぁぁ!」
れいぱーありすは痛がる様子もなく、むしろ心地よい刺激を受けていた。
普通のゆっくりがドスに勝てないのと同じように、
子まりさがれいぱーと化したありすに勝てるわけがなかった。
子まりさの全力の抵抗は、ありすにとってゆっクスの前戯と大して変わらなかった。
普通のゆっくりがドスに勝てないのと同じように、
子まりさがれいぱーと化したありすに勝てるわけがなかった。
子まりさの全力の抵抗は、ありすにとってゆっクスの前戯と大して変わらなかった。
絶望する暇さえなく、ぺにぺにから精子餡が放たれた。
子まりさの口の中を一瞬で満たした精子餡は、その周りから溢れる。
圧力に耐え切れなくなった精子餡が、栓を抜いたシャンパンのように噴き出る。
その栓となった子まりさは遠くまで吹き飛ばされた。
子まりさの口の中を一瞬で満たした精子餡は、その周りから溢れる。
圧力に耐え切れなくなった精子餡が、栓を抜いたシャンパンのように噴き出る。
その栓となった子まりさは遠くまで吹き飛ばされた。
子まりさの体が木の幹にぶつかるべしゃりという音が聞こえた。
あっという間に子まりさの体は茎に覆われた。
父まりさが希望を託し、ひとつの群れの最後の生き残りの子まりさは、
れいぱーありすに歯形すらつけられずに死んだ。
あっという間に子まりさの体は茎に覆われた。
父まりさが希望を託し、ひとつの群れの最後の生き残りの子まりさは、
れいぱーありすに歯形すらつけられずに死んだ。
ありすは子まりさだったものの残りかすを舌でぺろりとすくって飲みこむ。
「ふぅー、とかいはだけど、ちょっぴりものたりないわね」
れいぱーありすは子まりさの側に落ちていた花を見つけた。
吹っ飛ばされた時にとれた帽子から落ちたものだった。
吹っ飛ばされた時にとれた帽子から落ちたものだった。
「これもたべてあげるわ!」
れいぱーありすは一口で花を丸呑みにした。
その目はなおぎらぎらと輝き、ぺにぺにもいっそう反り立っている。
森の中にその歩みを阻むものはなかった。
れいぱーありすは、新たな獲物を探して走り始めた。
この群れのありすが一匹でもれいぱーありすに触れれば
そこかられいぱーが発現し、れいぱーはありすのいる限り増えていく。
やがてまりさ一家のいた群れの惨劇が再現されるのは間近だった。
森の中にその歩みを阻むものはなかった。
れいぱーありすは、新たな獲物を探して走り始めた。
この群れのありすが一匹でもれいぱーありすに触れれば
そこかられいぱーが発現し、れいぱーはありすのいる限り増えていく。
やがてまりさ一家のいた群れの惨劇が再現されるのは間近だった。
数時間後、れいぱーありすは冬籠り中のゆっくりに狙いをつけていた。
木の幹の根元にあるうろに木の枝が立てかけられている。
冬篭り用の結界だった。
木の幹の根元にあるうろに木の枝が立てかけられている。
冬篭り用の結界だった。
「とかいはなおうちねぇぇ、ありすがもらってあげるわぁぁ!」
体当たりで結界をぶち破り巣に侵入する。
中には、突然の闖入者に驚愕して固まるまりさとぱちゅりーがいた。
赤ゆたちは目を見開いて、今にも死にそうな程驚いている。
赤ぱちゅりーの一匹がクリームを吐いた。
中には、突然の闖入者に驚愕して固まるまりさとぱちゅりーがいた。
赤ゆたちは目を見開いて、今にも死にそうな程驚いている。
赤ぱちゅりーの一匹がクリームを吐いた。
「えれえれえれ……」
「おちびちゃん!」
「れ、れいぱーだぁぁ!」
「おちびちゃん!」
「れ、れいぱーだぁぁ!」
逃げようにも、唯一の出口はれいぱーありすが塞いでいた。
哀れな獲物に精子餡を注ぎ込もうと一歩巣に近づく。
哀れな獲物に精子餡を注ぎ込もうと一歩巣に近づく。
「んふぉふぉ、すぐおわるわぁぁ、てんじょうのしみでもかぞえてなさいぃぃ」
「こっちくるなぁぁ!」
「こっちくるなぁぁ!」
まりさがれいぱーの前に立ちはだかる。
れいぱーありすは愚かなまりさから先にすっきりしようとぺにぺにを伸ばした。
れいぱーありすは愚かなまりさから先にすっきりしようとぺにぺにを伸ばした。
その時、れいぱーありすは急激な腹痛を感じた。
身体の中で何かがうごめいているような感覚がある。
その場でのたうちまわるれいぱーありすとぽかんとする巣の中のゆっくりたち。
身体の中で何かがうごめいているような感覚がある。
その場でのたうちまわるれいぱーありすとぽかんとする巣の中のゆっくりたち。
「いだいわぁぁ! なにごれぇぇ! おながのなががぁぁ!」
そのうち痛みはどんどん激しくなり、一瞬も耐えられないほどになった。
白目をむき、全身から砂糖水を搾り出している。
白目をむき、全身から砂糖水を搾り出している。
「ゆごぉ……ゆぐげぇぇあ゛あ゛あ゛あ゛!! どがいはなありずがぁ、どぼじでごんなめ゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」
れいぱーありすの体内には、子まりさの持っていた花が消化されずに残っていた。
その虫こぶから、何かが這い出てこようとしている。
それはタマバエの幼虫だった。
冬に枯れる植物に産み付けられた幼虫は、
秋までに大きく育ち、その後虫こぶを抜け出し地中で繭を作る。
その虫こぶから、何かが這い出てこようとしている。
それはタマバエの幼虫だった。
冬に枯れる植物に産み付けられた幼虫は、
秋までに大きく育ち、その後虫こぶを抜け出し地中で繭を作る。
今まさに、虫こぶを出ようとする幼虫たちがありすの体内で暴れまわっている。
やがてれいぱーありすの目といわず口といわず、
半透明の幼虫がカスタードまみれになって出てきた。
やがてれいぱーありすの目といわず口といわず、
半透明の幼虫がカスタードまみれになって出てきた。
眼球がぽろりと地面に落ちた。
「ありずのおべべぇぇ!」
れいぱーありすのぺにぺにが醜く膨れ上がる。
「ゆぐがががが! ありずのじま゛んのべにべにがぁぁぁ!」
ぺにぺにの先端が弾け、一匹のタマバエの幼虫が飛び出した。
同時に大量の精子餡が飛び出す。
同時に大量の精子餡が飛び出す。
「ゆぎっひぃぃぃっぃ……」
れいぱーありすはぴくぴくと全身を震わせて、言葉にならない呻きを発している。
最後の幼虫はクリームを振り落とすと、居心地のよい地中を求めて這って行った。
後には、両目とぺにぺにを失ったれいぱーありすだけが残された。
最後の幼虫はクリームを振り落とすと、居心地のよい地中を求めて這って行った。
後には、両目とぺにぺにを失ったれいぱーありすだけが残された。
「ゆふひぃ……なんだがずっぎりじだいわぁ……いだいのにどぉじでがじらぁ……」
れいぱーありすが起き上がる。
幽鬼のようなその執念が、黒くくぼんだ両の眼窩に燐光となって凝縮されているようにも見える。
動こうとするたび、ぺにぺにのあった場所の穴からカスタードが迸り、しぼんだ体に激痛が走った。
幽鬼のようなその執念が、黒くくぼんだ両の眼窩に燐光となって凝縮されているようにも見える。
動こうとするたび、ぺにぺにのあった場所の穴からカスタードが迸り、しぼんだ体に激痛が走った。
「いるのねぇ、まりざぁ、わだじとずっぎりじまじょぉぉぉぉ」
先ほどまでの感覚を頼りにまりさをすっきりさせようとする。
しかしぺにぺにが使えない今となっては、嫌がるゆっくりをねじ伏せてれいぽぅすることもできない。
一匹だけでは、囲んで無理矢理すりすりすることもできない。
しかしぺにぺにが使えない今となっては、嫌がるゆっくりをねじ伏せてれいぽぅすることもできない。
一匹だけでは、囲んで無理矢理すりすりすることもできない。
すっきりすることしか考えていなかったれいぱーは、
自らの貪欲さによってすっきりすることを奪われた。
その上なおすっきりを求めるれいぱーは、
ゆっくりたちの目にこの上なく醜く映った。
自らの貪欲さによってすっきりすることを奪われた。
その上なおすっきりを求めるれいぱーは、
ゆっくりたちの目にこの上なく醜く映った。
「何だかわからないけど……まりさたちのおうちにかってに入ってきたれいぱーは、さっさと出て行ってね」
「んほぉぉ、どぉじでぞんなごどいうのぉぉ!」
「じぶんかってなことばかりいうからよ! とかいはだなんて、じょうだんじゃないわ、むきゅ」
「ばぢゅでぃーでもいいわぁぁ、ずっぎりしましょぉぉ」
「まりさのぱちゅりーにへんなこといわないでね!」
「んほぉぉ、どぉじでぞんなごどいうのぉぉ!」
「じぶんかってなことばかりいうからよ! とかいはだなんて、じょうだんじゃないわ、むきゅ」
「ばぢゅでぃーでもいいわぁぁ、ずっぎりしましょぉぉ」
「まりさのぱちゅりーにへんなこといわないでね!」
まりさはれいぱーありすの大きな体を押しのけて巣の外まで運んだ。
抵抗する力は残っていなかった。
れいぱーありすが放り出されると、結界は再び閉じられた。
抵抗する力は残っていなかった。
れいぱーありすが放り出されると、結界は再び閉じられた。
「だれか……ずっぎりじでよぉぉ」
空には水をたっぷり含んだ雲が垂れ込めていた。
ぽつりぽつりと降り始めた雨は、やがて本格的に振り出した。
雨粒がれいぱーありすの皮をうがち、カスタードを溶かす。
もの言わぬれいぱーありすの体は降りしきる雨の中で形を失っていく。
ぽつりぽつりと降り始めた雨は、やがて本格的に振り出した。
雨粒がれいぱーありすの皮をうがち、カスタードを溶かす。
もの言わぬれいぱーありすの体は降りしきる雨の中で形を失っていく。
先ほどの巣の中では、子ぱちゅりーが震えていた。
「むぴゅ? れいぴゃーさんはどうちたの?」
「大丈夫、もう来ないわ」
「もしまた来ても、お父さんがまもるからね。おちびちゃん」
「大丈夫、もう来ないわ」
「もしまた来ても、お父さんがまもるからね。おちびちゃん」
まりさは子ぱちゅりーに寄り添った。
ぱちゅりーも近づき、お互いに体を温めあう。
木のうろの中のゆっくりの一家は、ずっとそうしていた。
もう誰にも邪魔されることはなかった。
ぱちゅりーも近づき、お互いに体を温めあう。
木のうろの中のゆっくりの一家は、ずっとそうしていた。
もう誰にも邪魔されることはなかった。
雨音が強さを増した。
雨はかつて群れがあった場所にも降り注いだ。
茎の生えた死体も、辛うじて生き残った赤ゆも、全て押し流されていく。
川の水面には波紋が立ち、今はもう水底のありすたちは見えない。
草原はざわざわと草が波立ち、静かに雨が降っている。
れいぱーありすだったものの残骸は、雨に流されて跡形もなくなっていた。
茎の生えた死体も、辛うじて生き残った赤ゆも、全て押し流されていく。
川の水面には波紋が立ち、今はもう水底のありすたちは見えない。
草原はざわざわと草が波立ち、静かに雨が降っている。
れいぱーありすだったものの残骸は、雨に流されて跡形もなくなっていた。
雨が止んで、晴れ間が見えた。
再び太陽が草原を照らした。
再び太陽が草原を照らした。
ゆっくりプレイス全体を揺るがすれいぱーの大発生は、
一つの群れが壊滅したことで終わりを告げた。
一つの群れが壊滅したことで終わりを告げた。
やがて草原にも他のゆっくりがやってくるだろう。
藪の向こうに群れを作り、そこで数を増やすだろう。
全てが元通りになっても、その陰に小さな子まりさがいたことを、
今はもう静かに揺れるノコンギクの花しか知らない。
藪の向こうに群れを作り、そこで数を増やすだろう。
全てが元通りになっても、その陰に小さな子まりさがいたことを、
今はもう静かに揺れるノコンギクの花しか知らない。
了
あとがき
ゆっくりが勇気を出すようなお話が好きで、
今回挑戦してみましたが、上手く書けたか自信がありません。
読みづらいところがあったらすいません。
感想や指摘などいただけると嬉しいです。
今回挑戦してみましたが、上手く書けたか自信がありません。
読みづらいところがあったらすいません。
感想や指摘などいただけると嬉しいです。
過去に書いたもの
ふたば系ゆっくりいじめ 898 赤ゆ焼き
ふたば系ゆっくりいじめ 928 贈り物
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挿絵:M1