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異世界BASARA-38 - (2008/02/28 (木) 23:15:23) の1つ前との変更点
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朝…
教室に現れたルイズを見て生徒達は目を丸くした。
何やら紐に括ったでかい芋虫を引きずって現れたのである。
いや、芋虫ではない。シーツで誰かが簀巻きにされ、それを紐で縛られている。
よく見ると、ルイズの使い魔である幸村であった。
「ルイズ、あなた何でまた…使い魔にそんな事を…」
モンモランシーが若干引き気味にルイズに尋ねる。
「私の部屋のドアを壊したのよ。だから罰として動けなくしたの!」
「あなたが外に締め出したから寂しかったんじゃない?」
と、会話の中に誰かが割り込んでくる。ルイズの天敵、キュルケだ。
「可哀想に…知ってた?ウサギって寂しいと死んじゃうのよ?」
そう言って簀巻き状態の幸村を抱き締める。
丁度頭がキュルケの豊満な胸に埋まるような体勢になっていた。
「むうぅぅ!!むぐうぅっ!!」
幸村はしばらくキュルケの胸の中で暴れていたが、「むがっ!」と声を発するとそのままピクリとも動かなくなった。
真っ白なシーツがどんどん赤くなっている…例の如く、鼻血を噴いたようだ。
「あら?」
「ちょっとキュルケ!人の使い魔に手を出さないで!自分のとイチャついてなさいよ!!」
「無理よ。だってトシイエ出掛けてるんだから」
そう言うとキュルケは再び幸村の頭を抱きしめた。
さて、幸村が出血多量で意識が遠のいている頃…
キュルケの使い魔の前田利家は、学院の外の農村にいた。
「ザビー?誰だそりゃ?」
「10年前この国にいた男なんだ。何か知らないか?」
利家はそこで1人の農夫にあの南蛮人の事を尋ねていた。
「10年前じゃなぁ~…どんな奴なんだい?」
「えーと、目が2つあって鼻の穴も2つあって…おお!耳も2つあったぞ!!」
「……おめぇさん、そいつ人間だよな?」
結局、農夫は仕事が忙しいと畑へ戻って行った。
利家は近くにあった石に腰掛けると、深い溜め息をつく。
フーケ騒動の後、利家は頻繁に外に出てザビーの事を調べていた。
オスマンの話と残っていたあの趣味の悪いバズーカから、あの南蛮人がこの世界にいたのは間違いない。
しかし、彼は利家のいる戦国の世界に戻っていた。
つまり、ハルケギニアから向こうの元の世界へ帰れるのだ。
だが帰れる事が分かったものの、その方法が分からない。
魔法学院の図書館で調べようとしたが、利家の格好を見た教師は断固として入れてくれなかった。
そこで彼はザビーの足跡を辿る事にしたのである。
「はぁ…やっぱり無理なのか…」
しかしそれもまた上手く行かなかった。
10年前の、それも1人の人間を覚えている者はいなかったのである。
「…いや、まだ調べて間もない。それがしは諦めんぞ!」
利家はシエスタに貰ったサンドイッチを手に取ると、それを口の中に放り込んだ。
「待ってろよまつ!夢吉!それと慶次!!」
昼休み、薄暗いヴェストリの広場で眩しく光る物があった。
いや、それは物ではなく、人の頭だ。
「どうか話を聞いてくれ、何も君をバラバラにするわけではないのだ」
光る頭の持ち主は学院の教師、炎蛇のコルベールだ。
そして彼が話し掛けているのが…
「……………」ヴォォン…
本田忠勝その人であった。
ミスタ・コルベールの趣味、というか生きがいは研究と発明である。
魔法の新しい活用法を発見したり、魔法に頼らず、誰でも利用出来る発明品を作るのが彼の夢であった。
そんなコルベールの心を鷲掴みにしたのが忠勝の存在だった。
魔法も風石も使わず、空を自由に飛び回る力を持ったこの使い魔は、学院の教師からも一目置かれていた。
勿論コルベールもその1人だ。
彼はあの背中に背負っている装置に秘密があるのだろうと考えていた。
「頼む!どうかその装置を私に見せてくれ!」
コルベールはそう叫んで一歩踏み出した。その瞬間。
「……!!!」ヴィィン!ガゴン!!
「ああっ!」
忠勝は「起動形態」に変わり、空へと飛び上がった。
「タ、タダカツ君!待って…ああぁぁぁ~!!」
呼び止める声も空しく、忠勝は瞬く間に小さくなっていった。
後にはうな垂れたコルベールが1人、取り残されていた。
「しええ~!持病の腰痛じゃああぁ~!」
氏政の悲鳴を合図に、生徒の就寝の時間となった。
最近ではこの氏政の悲鳴は、朝の水虫は起床、昼の頭痛は午後の授業、夜の腰痛は就寝の合図として学院で利用されるようになった。
その夜、ルイズは毛布に包まって寒さを凌いでいた。
原因は幸村が引っぺがした扉の穴。そこから冷たい風が入ってくるのである。
「ルイズ殿、寒いのならばもっと厚着をしなければ…」
「誰のせいでこんな思いしていると思ってるのよ!!」
ルイズは簀巻き状態の幸村を蹴り飛ばす。
「ぬあぁぁぁぁ~!!!」
ボイン、ボイン、という音を立てながら幸村は廊下に転がって行った。
「きゃっ!」
と、廊下から短い悲鳴が聞こえた。聞き覚えのある声だ。
ルイズはハッと立ち上がると、慌てて廊下に出る。
「げ、元気そうねルイズ…」
「姫殿下!!」
そこには、アンリエッタ姫が立っていた。
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#navi(異世界BASARA)
朝…
教室に現れたルイズを見て生徒達は目を丸くした。
何やら紐に括ったでかい芋虫を引きずって現れたのである。
いや、芋虫ではない。シーツで誰かが簀巻きにされ、それを紐で縛られている。
よく見ると、ルイズの使い魔である幸村であった。
「ルイズ、あなた何でまた…使い魔にそんな事を…」
モンモランシーが若干引き気味にルイズに尋ねる。
「私の部屋のドアを壊したのよ。だから罰として動けなくしたの!」
「あなたが外に締め出したから寂しかったんじゃない?」
と、会話の中に誰かが割り込んでくる。ルイズの天敵、キュルケだ。
「可哀想に…知ってた?ウサギって寂しいと死んじゃうのよ?」
そう言って簀巻き状態の幸村を抱き締める。
丁度頭がキュルケの豊満な胸に埋まるような体勢になっていた。
「むうぅぅ!!むぐうぅっ!!」
幸村はしばらくキュルケの胸の中で暴れていたが、「むがっ!」と声を発するとそのままピクリとも動かなくなった。
真っ白なシーツがどんどん赤くなっている…例の如く、鼻血を噴いたようだ。
「あら?」
「ちょっとキュルケ!人の使い魔に手を出さないで!自分のとイチャついてなさいよ!!」
「無理よ。だってトシイエ出掛けてるんだから」
そう言うとキュルケは再び幸村の頭を抱きしめた。
さて、幸村が出血多量で意識が遠のいている頃…
キュルケの使い魔の前田利家は、学院の外の農村にいた。
「ザビー?誰だそりゃ?」
「10年前この国にいた男なんだ。何か知らないか?」
利家はそこで1人の農夫にあの南蛮人の事を尋ねていた。
「10年前じゃなぁ~…どんな奴なんだい?」
「えーと、目が2つあって鼻の穴も2つあって…おお!耳も2つあったぞ!!」
「……おめぇさん、そいつ人間だよな?」
結局、農夫は仕事が忙しいと畑へ戻って行った。
利家は近くにあった石に腰掛けると、深い溜め息をつく。
フーケ騒動の後、利家は頻繁に外に出てザビーの事を調べていた。
オスマンの話と残っていたあの趣味の悪いバズーカから、あの南蛮人がこの世界にいたのは間違いない。
しかし、彼は利家のいる戦国の世界に戻っていた。
つまり、ハルケギニアから向こうの元の世界へ帰れるのだ。
だが帰れる事が分かったものの、その方法が分からない。
魔法学院の図書館で調べようとしたが、利家の格好を見た教師は断固として入れてくれなかった。
そこで彼はザビーの足跡を辿る事にしたのである。
「はぁ…やっぱり無理なのか…」
しかしそれもまた上手く行かなかった。
10年前の、それも1人の人間を覚えている者はいなかったのである。
「…いや、まだ調べて間もない。それがしは諦めんぞ!」
利家はシエスタに貰ったサンドイッチを手に取ると、それを口の中に放り込んだ。
「待ってろよまつ!夢吉!それと慶次!!」
昼休み、薄暗いヴェストリの広場で眩しく光る物があった。
いや、それは物ではなく、人の頭だ。
「どうか話を聞いてくれ、何も君をバラバラにするわけではないのだ」
光る頭の持ち主は学院の教師、炎蛇のコルベールだ。
そして彼が話し掛けているのが…
「……………」ヴォォン…
本田忠勝その人であった。
ミスタ・コルベールの趣味、というか生きがいは研究と発明である。
魔法の新しい活用法を発見したり、魔法に頼らず、誰でも利用出来る発明品を作るのが彼の夢であった。
そんなコルベールの心を鷲掴みにしたのが忠勝の存在だった。
魔法も風石も使わず、空を自由に飛び回る力を持ったこの使い魔は、学院の教師からも一目置かれていた。
勿論コルベールもその1人だ。
彼はあの背中に背負っている装置に秘密があるのだろうと考えていた。
「頼む!どうかその装置を私に見せてくれ!」
コルベールはそう叫んで一歩踏み出した。その瞬間。
「……!!!」ヴィィン!ガゴン!!
「ああっ!」
忠勝は「起動形態」に変わり、空へと飛び上がった。
「タ、タダカツ君!待って…ああぁぁぁ~!!」
呼び止める声も空しく、忠勝は瞬く間に小さくなっていった。
後にはうな垂れたコルベールが1人、取り残されていた。
「しええ~!持病の腰痛じゃああぁ~!」
氏政の悲鳴を合図に、生徒の就寝の時間となった。
最近ではこの氏政の悲鳴は、朝の水虫は起床、昼の頭痛は午後の授業、夜の腰痛は就寝の合図として学院で利用されるようになった。
その夜、ルイズは毛布に包まって寒さを凌いでいた。
原因は幸村が引っぺがした扉の穴。そこから冷たい風が入ってくるのである。
「ルイズ殿、寒いのならばもっと厚着をしなければ…」
「誰のせいでこんな思いしていると思ってるのよ!!」
ルイズは簀巻き状態の幸村を蹴り飛ばす。
「ぬあぁぁぁぁ~!!!」
ボイン、ボイン、という音を立てながら幸村は廊下に転がって行った。
「きゃっ!」
と、廊下から短い悲鳴が聞こえた。聞き覚えのある声だ。
ルイズはハッと立ち上がると、慌てて廊下に出る。
「げ、元気そうねルイズ…」
「姫殿下!!」
そこには、アンリエッタ姫が立っていた。
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