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ゼロのしもべ第2部-22 - (2007/11/05 (月) 23:44:48) の1つ前との変更点

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 光の球が空を遊弋する艦隊を包んだ。  膨れ上がる光球が空を飲み込み、そして消えた。  光が消えた後に現れたのは、炎上しながら高度を下げていくレキシントンの姿であった。  なにかのジョークのように、空に浮いた小島のような戦艦はがくりと艦首を落とし、地面めがけて墜落していく。 「大変です、ヨミさま!いっさいのエネルギーが消滅しています!」 「風石も消滅!電力系統全てダウン!一切の制御が不能です!」 「メイジたちの魔力もゼロになっています!脱出しようにも、フライもレビテーションも使えません!」 「ドラゴン、サンダーともに墜落していきます!このままでは本艦も!」  呆然と、砂嵐もなく消えうせた画面を見ているヨミ。  勝利を確信し、余裕に満ちた表情でモニターを見ていたヨミの姿はそこにはなかった。 「なんだ、なにが起こった!?」 「一切不明です!あの光球に包まれ、気づくとあらゆるエネルギーが消滅していました!」 「ぬうう。魔力さえも消えうせたというのか。」  グッと拳を握り締め、自らの超能力も試すヨミ。  いつもの力強さはどこへ行ったのか。スプーン一つ持ち上がらぬではないか。 「信じられぬ。わしの超能力まで消えている。それにこの疲労感……まるで全力で超能力を使い続けたような。」  よろめき、倒れるヨミ。あわてて部下が駆け寄り、抱き起こす。 「よい。それよりも誰か、なにかマジックアイテムを持ってこい。」 「はっ!」  あわてて机の上で踊っていた小さな人形を掴み、渡す部下。 「かせっ!」  人形を受け取ったヨミの額がまばゆいばかりに光り始めた。 「ぬぅぅぅぅ……」  ヨミの瞳が怪しく輝き始める。途端に、墜落するレキシントンが空中に静止するではないか。 「高度が回復していきます。」  そう舵手が報告する。ワッと歓声が巻き起こる。  恐るべきはヨミのサイコキネシス。この巨大戦艦を持ち上げているではないか。 「早くしろ。」  ヨミが息も絶え絶えに叫ぶ。 「わしはそう長くもたぬ。その間に全員、脱出の準備をするのだ。」 「はっ!」  ヨミの部下があわててパラシュートを背負う。警報が鳴り響き、レキシントンのクルー各員があわててパラシュートを背負い、空中に 飛び出していく。 「ヨミさま、全員無事脱出しました。」 「あとは我々だけです。」  部下2人、ヨミが残る司令室に飛び込んできた。  手から人形を落とし、地面に崩れ落ちるヨミ。 「ああ!」 「ヨミさま!」  艦体を持ち上げていたレキシントンが、ぐらりと大きく傾く。 「うう……。」 「いかん。レキシントンを持ち上げるのに、超能力を使われすぎているのだ。」糸目の男が汗を流す。 「はやく安全な場所までお運びするのだ。」杖を握った老人がヨミの身体を担ぐ。  司令部を出て、緊急用の脱出艇にヨミを運び入れた2人。だが、この脱出艇のエネルギーも一切残されてはいない。 「……ぅ、うう…元帥、幻妖斎。」  蚊の鳴くような声で、ヨミが呟く。 「……皆に、皆に伝えよ………。降服しろ……と。無駄……死にを…するな、と……。」  それを言い終えると、再び崩れ落ちるヨミ。  あわてて糸目の男がかけより、脈を図る。 「安心しろ。気を失われただけだ。」 「だが急ぎ戻らねばなるまい。」  老人が指で印を組み、不気味な呪文を詠唱する。脱出艇が重力に逆らい、持ち上げられていく。 「樊ッ!」  すさまじい速度で、レキシントンから脱出艇が放たれた。  1人の男が、足を引きずりながら森を逃げている。  手にはメイジの証である杖を握り、軍服を着ている。しかも目も眩むような勲章があちこちからぶら下がっている。 「こ、ここまでくれば……」  後ろを振り返り、一息つくメイジ。木の根元に腰を降ろし、やれやれと呟く。  このメイジの名前はサー・ジョンストン。ヨミが直接陣頭指揮を執ったゆえの名目上とはいえ、アルビオン艦体の司令官だった男だ。 「まったく、しつこいやつらだ。裏切り者めが。」  彼が逃げていたのは敵からではない。味方から……降下部隊にいた傭兵たちの生き残りから逃げていたのだ。  昔から勝ち戦の後は兵が増えるというが、人間勝ち組につきたいのはいつの世も同じ。傭兵たちも例外ではない。だが、戦争は 勝った側と負けた側がはっきりしてしまうものである。そんなとき、負け側に所属していた傭兵たちはどうするか。  答え。勝った側につくために、自分たちの上司を狙うのである。わー、かしこい。  そのときの獲物は、身分が高ければ高いほど良い。  というわけでサー・ジョンストンは、レキシントンから脱出した瞬間から、味方であった傭兵たちの格好のターゲットになっていたのだ。  矢をかいくぐり、剣の下を抜け、槍を避けてサー・ジョンストンは逃げに逃げた。 「軍服を脱げばいいんじゃね?」 と思うかもしれないが、それはできない。なぜなら軍人は投降すれば身分が保障される。メイジも保障される。暗いが上の人間ほど、 降服後の扱いはよい。とりあえずトリステイン側に降服するまで、この軍服は脱げないのである。  なんとか追跡を振り切ったサー・ジョンストンは、喉がカラカラであった。 「思えばあの戦いがけちのつきはじめだったなぁ。」  ニュー・カッスルの大敗を思い出し、1人涙するジョンストン。あの一件以来、クロムウェルの信頼が揺らぎ、左遷はおろか粛清対象 にすらあがるほど落ちぶれていた。だが、必死の政治工作もあり、「今度こそ確実に勝利を取れる」戦いの司令官につくことができた のだ。が、結果はご存知の通りである。 「俺って勝ち運ないのかなぁ…。」  しくしくと泣き出すジョンストン。こんなことなら、欲張ってもうちょい上を目指そうだなどと思うのではなかった。あのまま素直にして いれば、今頃自分は政治家としてバリバリ上で働いていたはずだ。つい欲張り癖が出てしまったのが年貢の納め時か。後悔先に 立たず、覆水水盆に返らずというがジョンストンはそれを実感していた。 「あのバビル2世ってのが現れなきゃ勝ってたのになあ。」  ぶつぶつと負け戦を述懐し続けるジョンストン。見ていて物悲しい光景だ。なんというか、大人の威厳など欠片もない。  そんなジョンストンに、 「見つけたぞ」 と冷たい声が浴びせられた。 「ひぃ!」  飛び上がらんばかりに驚き、震えだすジョンストン。政治家としての才能はあったが、メイジとしての才能がほとんどない彼は、 実力的には未だにせいぜいドットクラス。よくてライン。傭兵集団に囲まれては、ひとたまりもない。 「お助けください、命までは!どうか、なにとぞ!死にたくありません!そうだ、一緒にトリステインに降服しません?そうすれば あなたたちは捕まえた恩賞がもらえますよ。ね?そうしましょうよ!」  手をすり、腰を折ってへこへこと見えない敵に機嫌をとるジョンストン。なんとなく出世した理由がわかる。  だが、現れたのはただ一人の男であった。  怪我でもしているのか、背中が血で汚れ真っ赤である。元々ピンク色の服が、赤く見えるほどの出血だ。 「なんだ……1人か。」  ほっと息をつくジョンストン。いくらドットでも、1人が相手ならば楽勝だ。圧倒的に優位と言ってよい。先ほどのおびえっぷりはどこへ やら、ジョンストンはにやにやしながら、杖をかざして立ち上がる。 「おいおい。まさかメイジに1人で勝てるとでも思っているのかね?実におばかな傭兵だ。せめてもう1人仲間を待てばいいものの。 おい、今日は特別にこのまま見逃してやってもいいぞ。ほら、あっちに行け。」  シッシッと犬の子でも追い払うように手を振るジョンストン。だが、男はジョンストンを睨んだまま、どんどん近寄ってくる。 「おいこら。それ以上近寄るな。近寄ると殺すぞ。」  そんな魔力はすでにないのでうったハッタリであるが、男の動きが止まる。 「ほう。やはり死ぬのは恐ろしいと見えるな。ほら、行け。わしはまだこれから逃げねばならんのだからな。」 「いや、貴様に用があるのだ。それを聞くまで、わしは立ち去るわけにいかんのでな。」  男――樊瑞がにやっと嗤った。 「わしの父と兄の仇のメイジ・クロムウェルについてと、ついでに、あの少年について教えても教えてもらおうか。」  『クロムウェルはメイジじゃねえよ!』とジョンストンが弁明する間もなく、樊瑞にひどいめにあわされたのだった。かわいそうに。 「ちょっと!大丈夫!?ねえ、起きて!」  必死にバビル2世をゆするルイズ。バビル2世は今にも倒れそうなほど衰弱している。全力で超能力を使い続けたときのように。  操縦かんを懸命に操作して、ガソリンの尽きたゼロ戦を軟着陸させようとするバビル2世。  そう、バビル2世も、ルイズも、ゼロ戦も、あの光球に飲み込まれていたのだ。  バビル2世は超能力と体力の全てを失い気絶寸前。ゼロ戦もすでにプロペラは止まり、ぐるぐると回りながら軟着陸のタイミングを 見計らっていた。  バビル2世の紋章が輝き続けている。そのおかげでバビル2世はすこしずつ楽になっているのだ。もし紋章がなければゼロ戦はとう の昔に地上で無残な姿をさらしているだろう。今はハングライダーのようにして、なんとか空を飛んでいるにすぎない。 『まるで、ぼくの力を補給しているようだ。』  声を出す気力もないバビル2世は止めるすべもなくゆすられ続けるバビル2世。せっかくヨミを追い払えたというのに飛行機事故で     ゼロのしもべ  完  はないだろう。そう思い、体力を振り絞って機体を振り回し、着陸態勢に入る。 「だめだ……」  目が霞み、機体が左右に大きくぶれた。  次の瞬間。鉄の腕が、機体をがっちり掴んだ。機体を抱えて、頭の上に持ち上げる。 「がおおおおおん!」  鉄人だ。  鉄人が、ゼロ戦を抱えて草原に足から着地する。そしてそのまま草原を滑っていく。  そして鉄人の足に絡み付いて、速度を減速させていくスライムのような物体。  ロデムだ! 「ビッグ・ファイア様!」 「浩一くん!」 「ファイア様!ヴァリエール様!」  色とりどりの声がバビル2世の耳に飛び込んできた。よりによってむさい男の声が先行するのはどうなんだろう。  安心したのか、バビル2世は機体の上で眠るように気絶したのだった。 ゼロのしもべ 第2部 動く大陸編 完               …エピローグ… 「ほう。バビル2世だけでなく、このようなものまで見えるとは……」  ヒッピー男が満足げに微笑む。 「だが、唯一の心残りは樊瑞君と決着をつけられなかったこと。なにしろ……」  男がくるりと後ろを振り向く。 「これだけの人数。さすがに、見殺しにはできなかったのでねえ。」  視線の先には、いくつもの戦艦が転がっている。  男はバビル2世が現れるや否やこの事態を予測していた。そして撃墜された戦艦がある場合、身を呈してでも人命を助けるべく駆け 出した。なんと落ち来る戦艦を受け止めては降ろし、受け止めては降ろしを繰り返したのだ。 「だが、一度に数多くの人命を奪わざるをえない以上……むやみに命を奪うのは嫌いでねぇ。」  どこかの超能力少年に聞かせてやりたい台詞だ。 「性分というやつか。なぁ、呉先生。」  ヒッピー男の後ろで頷く男。 「さて、ヨミさまは無事との連絡も入ったことだし。そろそろ帰ろうじゃないか。」 「ええ。GR計画も準備が完了しました。あとはジョゼフ王を待つのみですからね。」  呉先生と呼ばれた優男が、扇をふわりと動かした。  男のつけた黒メガネのフレームが赤く光っている。はっはっはっ、と高らかに笑うと風が巻き起こり、砂埃が視界を隠す。  砂埃がおさまったとき、二人の姿は嘘のように消え去っていた。 異世界ハルケギニア 人類は魔法の力を用いて 秩序ある社会を築いていた。 だがその繁栄の陰に 暗躍する一つの影があった。 かつていくつもの組織を率い、世界を支配せんと目論んだ悪の指導者、ヨミ。 一方、3つのしもべを率いて、その野望に立ち向かいつづける一人の少年の姿があった。 名をバビル2世。超能力少年、バビル2世。
[[前へ>ゼロのしもべ第2部-21]] / [[トップへ>ゼロのしもべ]] / [[次へ(第3)部>ゼロのしもべ第3部-1]]  光の球が空を遊弋する艦隊を包んだ。  膨れ上がる光球が空を飲み込み、そして消えた。  光が消えた後に現れたのは、炎上しながら高度を下げていくレキシントンの姿であった。  なにかのジョークのように、空に浮いた小島のような戦艦はがくりと艦首を落とし、地面めがけて墜落していく。 「大変です、ヨミさま!いっさいのエネルギーが消滅しています!」 「風石も消滅!電力系統全てダウン!一切の制御が不能です!」 「メイジたちの魔力もゼロになっています!脱出しようにも、フライもレビテーションも使えません!」 「ドラゴン、サンダーともに墜落していきます!このままでは本艦も!」  呆然と、砂嵐もなく消えうせた画面を見ているヨミ。  勝利を確信し、余裕に満ちた表情でモニターを見ていたヨミの姿はそこにはなかった。 「なんだ、なにが起こった!?」 「一切不明です!あの光球に包まれ、気づくとあらゆるエネルギーが消滅していました!」 「ぬうう。魔力さえも消えうせたというのか。」  グッと拳を握り締め、自らの超能力も試すヨミ。  いつもの力強さはどこへ行ったのか。スプーン一つ持ち上がらぬではないか。 「信じられぬ。わしの超能力まで消えている。それにこの疲労感……まるで全力で超能力を使い続けたような。」  よろめき、倒れるヨミ。あわてて部下が駆け寄り、抱き起こす。 「よい。それよりも誰か、なにかマジックアイテムを持ってこい。」 「はっ!」  あわてて机の上で踊っていた小さな人形を掴み、渡す部下。 「かせっ!」  人形を受け取ったヨミの額がまばゆいばかりに光り始めた。 「ぬぅぅぅぅ……」  ヨミの瞳が怪しく輝き始める。途端に、墜落するレキシントンが空中に静止するではないか。 「高度が回復していきます。」  そう舵手が報告する。ワッと歓声が巻き起こる。  恐るべきはヨミのサイコキネシス。この巨大戦艦を持ち上げているではないか。 「早くしろ。」  ヨミが息も絶え絶えに叫ぶ。 「わしはそう長くもたぬ。その間に全員、脱出の準備をするのだ。」 「はっ!」  ヨミの部下があわててパラシュートを背負う。警報が鳴り響き、レキシントンのクルー各員があわててパラシュートを背負い、空中に 飛び出していく。 「ヨミさま、全員無事脱出しました。」 「あとは我々だけです。」  部下2人、ヨミが残る司令室に飛び込んできた。  手から人形を落とし、地面に崩れ落ちるヨミ。 「ああ!」 「ヨミさま!」  艦体を持ち上げていたレキシントンが、ぐらりと大きく傾く。 「うう……。」 「いかん。レキシントンを持ち上げるのに、超能力を使われすぎているのだ。」糸目の男が汗を流す。 「はやく安全な場所までお運びするのだ。」杖を握った老人がヨミの身体を担ぐ。  司令部を出て、緊急用の脱出艇にヨミを運び入れた2人。だが、この脱出艇のエネルギーも一切残されてはいない。 「……ぅ、うう…元帥、幻妖斎。」  蚊の鳴くような声で、ヨミが呟く。 「……皆に、皆に伝えよ………。降服しろ……と。無駄……死にを…するな、と……。」  それを言い終えると、再び崩れ落ちるヨミ。  あわてて糸目の男がかけより、脈を図る。 「安心しろ。気を失われただけだ。」 「だが急ぎ戻らねばなるまい。」  老人が指で印を組み、不気味な呪文を詠唱する。脱出艇が重力に逆らい、持ち上げられていく。 「樊ッ!」  すさまじい速度で、レキシントンから脱出艇が放たれた。  1人の男が、足を引きずりながら森を逃げている。  手にはメイジの証である杖を握り、軍服を着ている。しかも目も眩むような勲章があちこちからぶら下がっている。 「こ、ここまでくれば……」  後ろを振り返り、一息つくメイジ。木の根元に腰を降ろし、やれやれと呟く。  このメイジの名前はサー・ジョンストン。ヨミが直接陣頭指揮を執ったゆえの名目上とはいえ、アルビオン艦体の司令官だった男だ。 「まったく、しつこいやつらだ。裏切り者めが。」  彼が逃げていたのは敵からではない。味方から……降下部隊にいた傭兵たちの生き残りから逃げていたのだ。  昔から勝ち戦の後は兵が増えるというが、人間勝ち組につきたいのはいつの世も同じ。傭兵たちも例外ではない。だが、戦争は 勝った側と負けた側がはっきりしてしまうものである。そんなとき、負け側に所属していた傭兵たちはどうするか。  答え。勝った側につくために、自分たちの上司を狙うのである。わー、かしこい。  そのときの獲物は、身分が高ければ高いほど良い。  というわけでサー・ジョンストンは、レキシントンから脱出した瞬間から、味方であった傭兵たちの格好のターゲットになっていたのだ。  矢をかいくぐり、剣の下を抜け、槍を避けてサー・ジョンストンは逃げに逃げた。 「軍服を脱げばいいんじゃね?」 と思うかもしれないが、それはできない。なぜなら軍人は投降すれば身分が保障される。メイジも保障される。暗いが上の人間ほど、 降服後の扱いはよい。とりあえずトリステイン側に降服するまで、この軍服は脱げないのである。  なんとか追跡を振り切ったサー・ジョンストンは、喉がカラカラであった。 「思えばあの戦いがけちのつきはじめだったなぁ。」  ニュー・カッスルの大敗を思い出し、1人涙するジョンストン。あの一件以来、クロムウェルの信頼が揺らぎ、左遷はおろか粛清対象 にすらあがるほど落ちぶれていた。だが、必死の政治工作もあり、「今度こそ確実に勝利を取れる」戦いの司令官につくことができた のだ。が、結果はご存知の通りである。 「俺って勝ち運ないのかなぁ…。」  しくしくと泣き出すジョンストン。こんなことなら、欲張ってもうちょい上を目指そうだなどと思うのではなかった。あのまま素直にして いれば、今頃自分は政治家としてバリバリ上で働いていたはずだ。つい欲張り癖が出てしまったのが年貢の納め時か。後悔先に 立たず、覆水水盆に返らずというがジョンストンはそれを実感していた。 「あのバビル2世ってのが現れなきゃ勝ってたのになあ。」  ぶつぶつと負け戦を述懐し続けるジョンストン。見ていて物悲しい光景だ。なんというか、大人の威厳など欠片もない。  そんなジョンストンに、 「見つけたぞ」 と冷たい声が浴びせられた。 「ひぃ!」  飛び上がらんばかりに驚き、震えだすジョンストン。政治家としての才能はあったが、メイジとしての才能がほとんどない彼は、 実力的には未だにせいぜいドットクラス。よくてライン。傭兵集団に囲まれては、ひとたまりもない。 「お助けください、命までは!どうか、なにとぞ!死にたくありません!そうだ、一緒にトリステインに降服しません?そうすれば あなたたちは捕まえた恩賞がもらえますよ。ね?そうしましょうよ!」  手をすり、腰を折ってへこへこと見えない敵に機嫌をとるジョンストン。なんとなく出世した理由がわかる。  だが、現れたのはただ一人の男であった。  怪我でもしているのか、背中が血で汚れ真っ赤である。元々ピンク色の服が、赤く見えるほどの出血だ。 「なんだ……1人か。」  ほっと息をつくジョンストン。いくらドットでも、1人が相手ならば楽勝だ。圧倒的に優位と言ってよい。先ほどのおびえっぷりはどこへ やら、ジョンストンはにやにやしながら、杖をかざして立ち上がる。 「おいおい。まさかメイジに1人で勝てるとでも思っているのかね?実におばかな傭兵だ。せめてもう1人仲間を待てばいいものの。 おい、今日は特別にこのまま見逃してやってもいいぞ。ほら、あっちに行け。」  シッシッと犬の子でも追い払うように手を振るジョンストン。だが、男はジョンストンを睨んだまま、どんどん近寄ってくる。 「おいこら。それ以上近寄るな。近寄ると殺すぞ。」  そんな魔力はすでにないのでうったハッタリであるが、男の動きが止まる。 「ほう。やはり死ぬのは恐ろしいと見えるな。ほら、行け。わしはまだこれから逃げねばならんのだからな。」 「いや、貴様に用があるのだ。それを聞くまで、わしは立ち去るわけにいかんのでな。」  男――樊瑞がにやっと嗤った。 「わしの父と兄の仇のメイジ・クロムウェルについてと、ついでに、あの少年について教えても教えてもらおうか。」  『クロムウェルはメイジじゃねえよ!』とジョンストンが弁明する間もなく、樊瑞にひどいめにあわされたのだった。かわいそうに。 「ちょっと!大丈夫!?ねえ、起きて!」  必死にバビル2世をゆするルイズ。バビル2世は今にも倒れそうなほど衰弱している。全力で超能力を使い続けたときのように。  操縦かんを懸命に操作して、ガソリンの尽きたゼロ戦を軟着陸させようとするバビル2世。  そう、バビル2世も、ルイズも、ゼロ戦も、あの光球に飲み込まれていたのだ。  バビル2世は超能力と体力の全てを失い気絶寸前。ゼロ戦もすでにプロペラは止まり、ぐるぐると回りながら軟着陸のタイミングを 見計らっていた。  バビル2世の紋章が輝き続けている。そのおかげでバビル2世はすこしずつ楽になっているのだ。もし紋章がなければゼロ戦はとう の昔に地上で無残な姿をさらしているだろう。今はハングライダーのようにして、なんとか空を飛んでいるにすぎない。 『まるで、ぼくの力を補給しているようだ。』  声を出す気力もないバビル2世は止めるすべもなくゆすられ続けるバビル2世。せっかくヨミを追い払えたというのに飛行機事故で     ゼロのしもべ  完  はないだろう。そう思い、体力を振り絞って機体を振り回し、着陸態勢に入る。 「だめだ……」  目が霞み、機体が左右に大きくぶれた。  次の瞬間。鉄の腕が、機体をがっちり掴んだ。機体を抱えて、頭の上に持ち上げる。 「がおおおおおん!」  鉄人だ。  鉄人が、ゼロ戦を抱えて草原に足から着地する。そしてそのまま草原を滑っていく。  そして鉄人の足に絡み付いて、速度を減速させていくスライムのような物体。  ロデムだ! 「ビッグ・ファイア様!」 「浩一くん!」 「ファイア様!ヴァリエール様!」  色とりどりの声がバビル2世の耳に飛び込んできた。よりによってむさい男の声が先行するのはどうなんだろう。  安心したのか、バビル2世は機体の上で眠るように気絶したのだった。 ゼロのしもべ 第2部 動く大陸編 完               …エピローグ… 「ほう。バビル2世だけでなく、このようなものまで見えるとは……」  ヒッピー男が満足げに微笑む。 「だが、唯一の心残りは樊瑞君と決着をつけられなかったこと。なにしろ……」  男がくるりと後ろを振り向く。 「これだけの人数。さすがに、見殺しにはできなかったのでねえ。」  視線の先には、いくつもの戦艦が転がっている。  男はバビル2世が現れるや否やこの事態を予測していた。そして撃墜された戦艦がある場合、身を呈してでも人命を助けるべく駆け 出した。なんと落ち来る戦艦を受け止めては降ろし、受け止めては降ろしを繰り返したのだ。 「だが、一度に数多くの人命を奪わざるをえない以上……むやみに命を奪うのは嫌いでねぇ。」  どこかの超能力少年に聞かせてやりたい台詞だ。 「性分というやつか。なぁ、呉先生。」  ヒッピー男の後ろで頷く男。 「さて、ヨミさまは無事との連絡も入ったことだし。そろそろ帰ろうじゃないか。」 「ええ。GR計画も準備が完了しました。あとはジョゼフ王を待つのみですからね。」  呉先生と呼ばれた優男が、扇をふわりと動かした。  男のつけた黒メガネのフレームが赤く光っている。はっはっはっ、と高らかに笑うと風が巻き起こり、砂埃が視界を隠す。  砂埃がおさまったとき、二人の姿は嘘のように消え去っていた。 異世界ハルケギニア 人類は魔法の力を用いて 秩序ある社会を築いていた。 だがその繁栄の陰に 暗躍する一つの影があった。 かつていくつもの組織を率い、世界を支配せんと目論んだ悪の指導者、ヨミ。 一方、3つのしもべを率いて、その野望に立ち向かいつづける一人の少年の姿があった。 名をバビル2世。超能力少年、バビル2世。 [[前へ>ゼロのしもべ第2部-21]] / [[トップへ>ゼロのしもべ]] / [[次へ(第3)部>ゼロのしもべ第3部-1]]

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