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Zero ed una bambola ゼロと人形-00 - (2009/01/28 (水) 20:10:11) のソース
#navi(Zero ed una bambola ゼロと人形) 「あんた誰?」 「えっと、どちら様ですか?」 爆炎とともに現れたのは黒髪の少女だった。年は十歳くらいだろうか? ルイズが半睨みで尋ねると小さく微笑んだ。 「[[ゼロのルイズ]]が人間を召喚したぁ!」 「女の子だぞぅ!」 「か、可愛いぞぅ。ハァハァ」 「う、うるさい!ちょ、ちょっと間違えただけよ!」 ルイズが周囲の人間と怒鳴りあう様子を眺めながら、少女は手に持つ、ヴィオラのケースに隠したステアーAUG、突撃銃(アサルトライフル)をいつでも取り出せるよう、静かに構える。 「あの、ここはどこなんですか?たしかわたし、ローマに、マルコーさんの所に行かないといけないのに」 しかし、誰も少女の言葉には耳を貸さない。 「ミスタ・コルベール!もう一回召喚させて下さい!」 「あのー・・・」 「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」 「聞いてますかぁー?」 話を聞いてくれない。何やら勝手に話が進んでいるではないか。どうしたものかと首を傾げて考える。そうこうしている内にどうやら話があちらでまとまったようだ。 「ねぇ」 「あ、はい。えっとお話は終わりましたか?」 「あんた感謝しなさいよね」 やっぱり話を聞いてくれない。 「貴族にこんなことされるなんて、ありえないから、感謝しなさいよね!」 貴族?五共和国派(パダーニャ)ではないことは確かなようだ。そんなことを考えていると、目前に杖が迫る。 「我が名はルイズ・ド・ラ・ヴァリエール五つの力を司るペンタゴン・・・」 ―危ない― そう思うよりも体が動く、杖を持った人物を後ろ手に組み伏せる。 それを見た周囲の生徒はドッと笑い出した。しかし、コルベールは違った。 一連の洗練された動き、間違いなく一定の訓練を受けたものだ。しかしその少女はきょとんとした表情で周囲を見回す。そのギャップに違和感を覚える。 「あ、あんた何すんのよ!どきなさい!」 「えっと、あなた悪い人ですか?」 「悪い人って何よ!わたしは貴族よ!メイジよ!」 ルイズは少女に組み伏せられたままそう吐き捨てる。しかし少女は拘束を解く気配をみせない。埒が明かない、そう判断したコルベールは少女の前に進み出る。 「あー、すまないが君、ミス・ヴァリエール、今組み伏せている彼女を放してはくれないかね」 そういってみるが、動こうとはしない。あどけない表情の下で、周囲を警戒しているようだ。 「別に君に危害を加えるつもりはないから、彼女から手を放し、話を聞いてくれないかね」 その言葉を聞き入れたのか、ルイズは開放された。 「君はメイジの…」 「あんた何すんのよ!」 コルベールのセリフを遮り、ルイズは咳き込みながらも悪態をつく。 「こうなったら……」 ルイズは強引に唇を重ねた。 だが唇を重ねられた少女の反応は早かった。わずかな戸惑いがあるものの、先ほどのようにルイズを押さえ込む。その首をへし折らんと。 ルイズの首は折られることはなかった。少女の左手の甲が激しく痛む、そして激しい嘔吐感。少女は意識を失いルイズの上に倒れこんだ。 「大丈夫かね、ミス・ヴァリエール」 「お、重い、何でこいつこんなに重いのよ」 少女の下からルイズが這い出る。 「ミス・ヴァリエール、大丈夫かね」 コルベールは尋ねる。 「何とか大丈夫です。けど・・・」 「そうか、皆先に教室に戻ってなさい」 その言葉に促され、生徒たちは学院へと帰り、辺りにはコルベール、ルイズと少女が取り残される。 「ふむ、珍しいルーンだ」 倒れた少女の手をとり呟く。 「ミス・ヴァリエール」 「は、はい」 「歩けるようだね。彼女は私が運ぼう。君はその楽器か何かのケースを持ちたまえ」 「[[わかりました]]」 コルベールは少女を魔法で運び、ルイズは少女の荷物を運ぶ。 学院への帰り道、コルベールがふと思ったことを口にする。 「小奇麗な格好をしているな。何というかまるで人形のようだ」 「人形ですか?」 「ああそうだな。すまないね、つまらないことを言って」 Episodio 0 La ragazza che fu chiamata in causa 召喚された少女 #navi(Zero ed una bambola ゼロと人形)