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  • 虚無の使い魔と煉獄の虚神-3の編集履歴ソース
「虚無の使い魔と煉獄の虚神-3」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

虚無の使い魔と煉獄の虚神-3 - (2008/01/11 (金) 17:08:30) のソース

【[[虚無の使い魔と煉獄の虚神]]3・貴族と盗賊】 

トリステイン魔法学園教師『疾風』のギトーは風のメイジである。 
彼は常々『風』の魔法こそは最強の系統であると信じていた。 
どの系統よりも早く、攻撃魔法も豊富で、なにより風は『遍在』する。 
だが今、風が遍在するという事の意味を改めて知り、そしてそのチカラに驚愕の念を感じさせられていた。 

「相似魔術は似た物同士を同じものとする魔術系統。 
そして風、つまり大気の組成はこの世界の何処に在っても『似た』ものである。 
ならばその相似を利用すれば、世界のいずこであろうとも視界を通す事も出来る」 

偽装のために用意された杖を握るグレンの説明に、集まった学園教師達がどよめく。 
かつて地球全土にちらばる数万の魔導師すべてに己の声を届けた『神に似た』男にとって、ハルケギニアの何処に土くれのフーケが逃げ出そうと見つけ出すのは容易い。 
倒壊した本塔の前に集まった、目をつむらされたサイトを除く全員の眼球は銀弦で繋がれ、 
それを介して網膜に飛び込む光を『似せ』られる事で、馬車を駆って逃げるフーケの姿を確認していた。 
学園から盗んだ馬に乗って逃げるマント姿の人物の背に、奇妙な形の金属塊「破壊の杖」が背負われているのを、彼等ははっきりと見た。 

「なんとも凄まじい魔術じゃな……ご協力を感謝しますぞ、ミスタ・アザレイ」 

額に浮いた冷や汗を拭いつつオールド・オスマンは感謝を口にした。 
学園長の唱えたライトの魔法で照らされている他の教師達は言葉も出ない。 
本当はそうやって『視た』場所に、ここに居る全員を転移させる事も可能だったがグレンは黙っておくことにする。 
単なる盗賊退治に誇り高き魔術師が全員で押しかける事もなかろうと思ったからだ。 

だが、双月の月光の下でおこなわれる会議は紛糾した。 
図書室や学園長室、ついでに女子大浴場などが含まれた校舎である本塔が倒壊。 
グレンが咄嗟に救助したおかげで死傷者は無いが、オスマン氏の秘書ミス・ロングビル女史が行方不明。 
甚大な被害を隠せる訳も無く、明日にも王国へ情報は流れ、騎士団の一つも調査に派遣されるだろう。 
場合によっては学園の警備体制等に抗議や指導が与えられるかもしれない。 
誇りを傷つけられたと言うなら、これ以上の事もそうはあるまい。 
ゆえにオスマン氏は学園の問題は学園で解決すべしと言ってフーケ討伐の志願者を募るが、誰もその杖を掲げて志願しようとはしない。 
貴族であるならば立ち上がってしかるべき時のはず。 
けれど教師達の誰もがそれを躊躇うのは、噂されるフーケの力に恐れをなしての事だ。 
一人、戦えば自分が盗賊を殺してしまう事に恐れを感じている者も居るが、それは少数の例外に過ぎない。 
中には数人、目の前の強力無比な使い魔にやらせれば良いではないかと言いたげな視線をグレンに向ける者さえいた。 
その中で、桃色の髪をなびかせた少女が杖を掲げる。 
事件の目撃者としてキュルケやタバサ、サイトと共に連れて来られていたルイズであった。 

「ミス・ヴァリエール!? なにをしているのです! 貴女は生徒ではありませんか! ここは教師にまかせて―――」 
「誰も掲げないじゃないですか」 

決然と正面を見据え、強く唇を噛んで少女は決意を表明する。 
隣では主人が蛮勇を行使することに呆れつつ諦めたように肩をすくめるサイト。 
それでも、逃げ出そうなどという意思は微塵も感じられない。 
更にツェルプストーとしてヴァリエールに後れをとるワケにはいかないとキュルケが、キュルケが行くのならとタバサが杖を掲げた。 
そんな少女達の姿に、ローブの使い魔が自らも杖を掲げて喝采を送る。 

「見事なり。これぞ魔術師。これぞ誇り。 
魔術という翼を背に、高く駆けんとする魂の在り様。 
貴族を、教師を名乗りながら恐れに負けた者達、翼を持ちながら飛ぶ事を忘れた者達は、 
彼女等の前に等しく頭を垂れよ」 

グレンの言葉は正しい。 
正しいがゆえに、教師達の誰もが黙り込み、ある者は怒りの視線を向け、ある者は自虐に顔を歪ませる。 
誇りを口にして貴族を名乗るのなら、どんな敵にも困難にも退く事は許されないのだから。 
同時にグレンの言葉は正しくない。 
誰もが心に正義を抱きながら、現実のままならなさを、己の矮小さを、思い知らされながら大人になってゆくのだ。 
誰もがグレンのように桁外れの実力で純粋な正義を持ったままで大人になれるわけでは無いのだから。 

それでも、その真直ぐな怒りと歓喜には誰も文句をつけられなかった。 
正しいことは正しいのだと断じる、決して自ら膝を折る事を良しとしない大貴族の少女の姿は、恐怖に敗北した自分達にはあまりにも眩しかったから。 

「征こう、誇り高きメイジの娘ら。剣を握れ悪鬼の少年。なに、直ぐに済む瑣末な用事だ」 

言われてデルフの柄を握るサイト。その左手にルーンが輝く。 
次の瞬間、室内から三人の貴族と二人の使い魔の姿が消えて、枯葉で出来たヒトガタが現われ、そしてクシャリと崩れ落ちた。 

**** 

『土くれ』のフーケは逃亡者である。 
なれば注意は怠らない。 
本来なら近場の街へと逃げ込んで、そこから馬車などで獲物を売り払える大都市へと移動するものだが、 
用心のために森林地帯へと逃げ込んだフーケは森の入り口で馬を逃がし、獣道同然の森道へと分け入っていた。 
細身ではあっても、ぬくぬくと暮らしてきた貴族とは心身の鍛えかたからして違う自分なら、森を抜けるまで二日とかかるまい。 
そこからフライで半刻ほども飛んで馬車を拾える街まで行くつもりであった。 
この森の中なら、学園のメイジが空を飛ぶ使い魔を放っても見つからないから、もう追っ手の心配は無いだろう。 
そう思った矢先、フーケは来ないはずの追っ手によって包囲されていた。 

「冗談!? いくらなんでも追いついて来るのが早すぎるよ!」 

ざぁっと音がしたかと思うほどの勢いでフーケの顔から血の気が引く。 
飛んできたのでも隠れていたのでもない、系統魔術では考えられない空間転移で現われた魔術師に囲まれれば、それも当然か。 

「観念していただきましょうか、盗賊フーケ! まさかこの状態から逃げられるなんて、思っていませんわよねぇ?」 
「くっ……」 

キュルケの宣言にフーケは奥歯を軋ませる。 
正面に立つのは、似合わない簡素な杖を持った怪物魔術師。 
左右にはそれぞれ、青髪の『雪風』と赤毛の『微熱』というトライアングル・メイジ。 
背後には『ゼロ』のルイズと、錆びた剣を構えたその使い魔が立っている。 
一番組し易いように見えるのは後ろの二人だが、そちらに逃げれば正面の怪物に背中を見せる事になるだろう。 
万事窮すかと、フーケの四肢から力が抜け、勝ち誇ったキュルケの笑い声が森にこだまする。 

「おっほっほ! おほほっ! この多勢に無勢じゃ、私の炎を出すまでも無かったわね、さあ、大人しくお縄に……」 
「待って、ツェルプストー」 

勝ち誇るキュルケ。それを遮るルイズ。 

「なによヴァリエール。フーケ捕縛の功は自分のものにしたいって言うの? 
まぁ最初に杖を掲げたのは貴女なんだし、べつにかまわないけど」 
「違うわ。ただ、大勢で一人に襲い掛かるなんて貴族のやり方じゃ無いと思っただけよ。 
『土くれ』のフーケ、貴族の誇りをかけて、貴方に決闘を申し込むわ!」 
「なっ!?」 

突然の行動にフーケが驚きの声をあげる。 
続けて巻き上がったのは、キュルケ、サイト、デルフからの非難の嵐。 

「ちょ、ヴァリエール、なに馬鹿な事言ってるのよ!」 
「そうだぞ[[ルイズ!]] お前って魔法使えないんだろうが! 
あんなゴーレム作れるやつと、ゼロのくせに決闘なんかしたら殺されちまうぞ!」 
「そうだぜ娘っ子、考え直せって」 
「うるさいうるさーい! 私はね、自分が恥ずかしかったのよ! 
ミスタ・アザレイが私を貴族だと褒めてくれた時、私はあさましい事を考えていたわ。 
討伐に名乗りを上げたのは確かに誇りのためでもある。 
でも、フーケを捕まえたら認めてもらえるかも、もうゼロとは呼ばれなくなるかもって思ったのよ。 
こんなの誇りある貴族の考え方じゃない。 
その上、今だって私はなにもしていないも同然じゃない。 
ツェルプストーの言ったとおり、最初に杖を掲げたのは私よ。 
だから私が責任もって、正々堂々貴族らしく決闘でフーケを捕まえるわ。 
我侭なのはわかってる。 
でもそうしなきゃ、私はミスタ・アザレイの言った『貴族』では居られなくなるの!」 

一息にそう言ってルイズはフーケに杖を向けた。 

「私を倒したら好きに逃げていいわ『土くれ』のフーケ。さあ、杖を取りなさい!」 

あっけに取られるキュルケやフーケ。無表情なタバサ。 
そしてグレンの顔には、深い笑みが刻まれる。 
彼女のあり方こそ誇り。 
正しいと思う事を、命を捨ててでも貫こうとする意志が、人をより高きへと至らせるのだ。 
かつて千の魔法世界に対してたった一人で戦いを挑んだグレンの誇りと、彼女のそれは等価のもの。 
震えを隠して勝てぬ相手から視線を逸らさず仁王立ちするルイズ。 
小さくて頼り無く、けれど心が震えるような自分の主人である少女を守るように、サイトはフーケとルイズの間に入るように立った。 

「って言うか俺の事は犬とか奴隷とか散々な呼び方なのに、あの人はミスターかよ。お前やっぱヒデーヤツだよな。知ってたけど」 
「な!? こんな時にいきなり何を言ってるのよ?」 
「使い魔はご主人様を守るものなんだろう? 
ルイズが決闘するんなら俺も参加しないワケにはいかねーじゃねーか。 
正直恐いけど、すっげー恐いけど、つきあってやるから感謝しろよな」 

グレンの笑みは更に濃くなった。 
悪鬼の少年が見せたこれもまた誇り。 
決闘の作法も知らぬ無骨さ無作法さではあるが、少年のそれい忠誠とも勇気とも、あるいは愛とも呼ばれる高貴な魂の在り方だ。 

「ふざけんじゃないよ甘ちゃん貴族が! 誇りなんかが何の役に立つって言うんだい!」 
「退いてなさいサイト! 決闘は1対1でするもんよ!」 

二人の姿に何を感じたのか、激昂するように叫びながら銀色のタクトのような杖を抜いてフーケが呪文を唱え始めた。 
サイトを突き飛ばして迎え撃つルイズ。 
体勢を崩したサイトだったが、その身体はグレンの魔術で支えられ、浮かされ、 
いつのまにかルイズから少し離れた場所に集まっていたキュルケやタバサの隣に降ろされる。 

唐突に始められた決闘に先制したのはルイズ。 
どうせ失敗する魔法ならと、ごく短い呪文で唱えられる『明かり』の呪文を使って爆発を起こす作戦を選んだ。 
だが、それでは狙いをつけられない。 
フーケはバチンと音をたてて弾けた失敗魔法で頭上の太い枝が落下してくるのを、素早く避けながら呪文を完成させている。 
地面から生み出される岩のツブテ。 
自分めがけて飛んで来るそれを、ルイズは木の幹に隠れる事で回避した。 

「ルイズ!」 

やはりマトモな魔法など使えないルイズに、見ちゃいられないとばかりに駆け出そうとするサイトだったが、その肩をキュルケに掴まれて止められた。 

「止めちゃダメよダーリン。あの子は今、命よりも大事なものを賭けて戦っているんだから」 
「そんなの理解できねーよ。命より大事なものなんて、有るワケないじゃねーか」 
「あら、ギーシュのゴーレムに何度も立ち向かって行ったアナタが、判らないはずないでしょう?」 
「それは……」 

キュルケのもっともな言い分に押し黙る。 
けれどサイトは、我侭だとわかっていてもルイズにそんな危険な事をして欲しくないと思った。 

ルイズが怪我をしたり死んだりするぐらいなら、自分が戦って傷付く方がずっとマシだと。 
でも、それもまたルイズが今戦おうとしている理由と同じ種類の心の在り方なのだ。 

「誇りのために戦う者を止める事は神にとて出来ぬ。今は剣を置いて見守りたまえ、少年」 
「けど、それでもおれ、納得できねぇよ……って、俺が剣を置いたらアンタは魔法が使えないんじゃないのか?」 
「わたしとて彼女を手助けしたくなる自分を抑えるのは、いささか難儀している」 

グレンの言葉を聞いて、サイトは初めてこの立派すぎる魔術師を同じ人間なのだと感じた。 
そしてルイズの戦いから視線を離さないままの彼の言葉に免じて、デルフを地面に突き立てる。 
その目の前で、ルイズは貴族にも恐れられる名うての盗賊相手に善戦して見せていた。 

最短のスペルで連続して放たれる失敗魔法。 
下手な鉄砲もなんとやらで、狙いこそ付けられないがフーケもウカツに近づけない。 
元来『土』属性は攻撃魔法に乏しい系統であり、巨大ゴーレム召喚には長い詠唱が必要とあって、 
このような正面からの1対1の戦いには不向きである。 
それでも不向きどころか魔法成功率[[ゼロのルイズ]]に、端から勝ち目など無いはずだ。 
腹が立つ。 
勝てるはずも無い戦いに挑む無謀さに、それを支える彼女の誇りに、フーケは心底腹を立てていた。 

「そぉら、捕まっちまいな!」 
「灯りよ! 灯りよ! 灯りよ!」 

ルイズの足元から、蛇の姿をした小型のゴーレムが生み出される。 
それは対象に絡み付き、動きを封じる鎖。 
だが、立て続けに放たれたルイズの魔法の一つがラッキーにもその胴体を粉砕する。 
自由になると同時に、フーケの狙いを外すため転がるように走り出す。 
続けて、同時に複数の『明り』を灯す魔法を唱えるルイズ。 
本来なら広い範囲を照らすために使われる魔法だが、ルイズの狙いの通り複数の爆発が森の中で発生した。 

「くっ、このっ!」 

爆発の脅威に体勢を崩しながらも呪文を完成させるフーケ。 
地面から放たれるツブテは、またも木の幹に当たって突き刺さる。 
伊達に母や上の姉から魔法を使った折檻を何度も受けてきたわけでは無い、おてんばのルイズだ。 
並みの使い手の呪文なら、タイミングを読んで逃げるだけなら不可能では無い。 
それ以上に、フーケの放つ呪文には手心が加えられている。 
殺傷力の高い呪文、一撃で殺せるような呪文を、フーケは唱えられなくなっていた。 
ゼロと笑われ、侮られ、罵られ、それでも誇りを捨てなかった少女の、学院での姿を知っていたから。 
どこまでも貴族であろうとする姿に、殺したくは無いと思ってしまったから。 

「ストーン・ブリッド!」 
「灯りよ!」 

石のツブテがルイズの肩を打ち、痺れに杖を取り落とす。 
小さな爆発がフーケの側で弾け、顔を隠していたフードが剥がれる。 
現われた顔に驚くルイズに、フーケの、ミス・ロングビルの杖が突きつけられた。 
だが杖はナイフではない。 
驚きを押し殺し、ルイズは左手で杖を掴んでそのまま茂みに飛び込む。 
その様子に、サイト達はたまらず跳び出しそうになる。 

「ルイズ!」 
「来ないで! 来たら食事抜きぐらいじゃ済まさないんだからね!」 
「……っこの馬鹿ルイズ! なんでそんな意地をはるんだよ!」 
「私は―――貴族なのよ」 
「なんだよそれ。貴族って魔法使いの事なんだろ? オマエはマトモに魔法使えないんだろう? だったら決闘なんか止めて逃げても良いじゃねぇか!」 

戦いを止めさせたくて、最早懇願するようなサイトの声が茂みに隠れているルイズへと向けられる。 
それを聞きながら、泣きそうな声出してんじゃないわよ駄犬使い魔などと思いながら、 
ルイズは明りよりも詠唱時間の長い『ファイヤーボール』を唱えていた。 
この呪文で起こされる爆発なら、多少狙いが外れても相手にダメージを与えるだろう。 


「魔法が使える者を貴族って言うんじゃないわよ―――」 

呪文を完成させ、同じく長めの呪文を完成させてこちらに向けてきたフーケに杖を向けて立ち上がる。 

「敵から背を向けない者を、その誇りをこそ、貴族って呼ぶのよ!!」 

ビタリとお互いを指し合う杖と杖。 
二人の体内に練り上げられた魔力が、放たれる瞬間を待って唸りをあげるかのようだ。 
運が良ければ合い打ち。運が悪ければルイズは死ぬ。 
はりつめた頬、毅然とした瞳。今のルイズは、サイトが見てきたどの瞬間よりも確実に美しい。 
その誇りが、内なる輝きが、フーケにとってはたまらなかった。 

「何が誇りだい! なにが貴族だい! 
貴族だったわたしの父親は誇りを守って、主君の娘を守るために反逆者として殺された! 
わたしの両親を殺した貴族達は、誇りを口にして一人の罪も無い娘を殺そうとして、 
その子の母親や私の家の使用人達を殺していった! 
そんな貴族に、そんな誇りに、何の価値があるっていうのさ!?」 

血を吐くような叫び。 
それは世の理不尽への怒りであると共に、貴族の全てが目の前の少女のようだったらという思いの表れでもあった。 
その勢いに言葉を失うルイズ。 
答えたのは異世界の魔術師だ。 

「そこに価値など無い」 
「なっ、無いってアンタ!?」 

静かで端的な言葉。 

「価値など無いのだ。時に人は虚言を弄する。口先だけの誇りに意味など無い。 
ただ貴族であるだけの貴族にも価値など無い。 
誇りとは、価値無きものに価値を与えんとする努力によって意味を持つ。 
貴族とは、より高くあらんとする信念によって高貴たりえる。 
だがそうして生まれた価値は、時を場所を容易く越えた不滅なる至宝となるのだ。 
そなたの父親が命を賭して守った誇りを、そなたが引き継いだように」 

その言葉に、フーケは耐え切れなくなった。 
押し殺してきたマチルダ・オブ・サウスゴータという幸せだった少女が、顔を出すのを止められなくなったのだ。 
杖を落す。 
その杖の上に、彼女の頬を流れ落ちた熱い水滴が雫となって落ちた。 

**** 

キュルケ・アウグスタス・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーはヴァリエールの宿敵の家系に生まれた貴族である。 
が、今はこの、目の前でいじけている少女を慰めても良いか、と思っていた。 

「結局……私って何の役にも立ってないじゃない」 

森の中で地面に直に座るのも気にする余裕無く、三角座りで膝に顔を埋めているヴァリエールの娘を。 

「なに言ってんの。ミス・ロングビルの……じゃなかった、フーケの心を折ったのはアンタの『誇り』よルイズ。 
いじけて無いで胸を張りなさいよ。ただでさえ小さい胸なんだから」 
「だっ、誰のなにが小さいですってぇ!」 

キュルケに詰め寄って怒鳴るルイズ。 
立ち直りが早いのも彼女の美点だ。特にキュルケにとっては、イジリ甲斐があってとても良い。 
もう心配はいらないだろう。後考えるべきはフーケの処遇をどうするかだった。 
決闘に敗れたと認めて、フーケは大人しくしている。 
だが、あんな話を聞いた後で官憲に突き出すというのも気が引けた。 
貴族を散々出し抜いて怒らせたフーケの罪状を考えれば、彼女の死刑は間違いないのだから。 
どうしたものかと皆が頭を悩ませる中、タバサがポツリと呟いた。 

「グレンの腕ゴーレム」 
「なに? あの腕がどうかしたの?」 
「フーケは死体も残らず潰されて死ぬ」 

不吉な呟きに顔色を蒼白にするフーケ。 
だが、キュルケはその意味を正確に理解した。 

「なるほど、死んだ事にするってワケね。流石ねタバサ、伊達に本ばっかり読んでるワケじゃないわ」 

青い髪が乱れるのもかまわずワシワシとタバサの頭を撫でるキュルケ。 
タバサは無表情でされるがままだったが、何処か嬉しそうにも見える。 
後日調査が派遣される事も考えて、適当な場所にグレンの巨大な『腕』を使って一発パンチを打ち込んでから、 
一行は無事学院へと帰還したのだった。 

**** 

あとは後日談になる。 
恩人の形見である『破壊の杖』を取り返してもらったオスマン氏は大変喜び、シュヴァリエの爵位申請を提案してくれた。 
サイトは破壊の杖が自分の故郷で使われる武器だと気付き、オスマン氏に入手の経緯を尋ねたが、 
残念ながら元の世界に帰る方法に繋がる話は聞けなかった。 
その代わり、自分の左手に浮かぶルーンがガンダールヴという伝説の使い魔の物であるという話は聞けたのだが。 
それからオールド・オスマンは、自分は味方であるからサイトの手助けになるように便宜を図る事、 
同じくグレン・アザレイの身柄も、国やアカデミーからちょっかいをかけられぬようにする事を約束してくれた。 

倒壊させられた歴史ある本塔は、再建に数年を要すると思われていたが、 
神の如きグレンの魔術によってわずか半日で修復され、学院倒壊の報を受けて駆けつけた王国騎士隊に首を捻らせた。 
今は基礎部分の岩盤には教員が総出で『錬金』と『固定化』をかけてまわっている。 

盗難がおこなわれた翌日に予定されていた『フリッグの舞踏会』だが、残念な事に延期されてしまった。 
いくらグレンが修復したといっても内装の不備までは完璧には直っていない。 
こちらは専門職である平民の業者が入って、やはり『錬金』が得意な土のメイジと共に修繕に精を出している最中だ。 

『土くれ』のフーケを討伐したという事で、ルイズ達は一躍注目を集める存在になったが、 
本当は彼女を捕らえたワケではないルイズ達にとっては居心地が悪い注目だった。 
尤も、盗賊フーケは二度と現われないはずだから、事がバレる心配は無いはずだが。 

余談だが、あの討伐の日からルイズとキュルケはお互いを家名ではなく名前で呼び合うようになっていた。 
サイトも、犬やら奴隷ではなくサイトと呼んでもらえる割合が多くなったようだ。 
まだミスターとは付けてもらっていないが……無い方が親しみを持たれているようなので別に良いとサイトは思っている。 
タバサとグレンは相変わらず本ばかり読んでいるが、サイトやルイズと逢えば挨拶ぐらいはしてくれるようになっていた。 

そして…… 


「失礼します。今日のスケジュールを確認して下さい、オールド・オスマン」 

すっかり元の姿を取り戻した学院長室に、スッキリしたメガネの女性が入ってきた。 
書類を抱えた理知的なその女性は、ミス・ロングビルその人である。 

「おお、ミス・ロングビル。今日の下着は何色かね?」 
「延期になった舞踏会に王女殿下の行幸があるかもしれないという事で、その準備としての会談が……」 

オスマン氏の早朝セクハラを華麗にスルーして、ミス・ロングビルは秘書の職務をこなしてゆく。 
盗賊をやめる事を誓ったフーケであったが、ある所に仕送りをするために金が必要だと聞いたキュルケが、学院に残る事を勧めたのだ。 
貴族の子弟を集めた学院の長であるオスマン氏付きの秘書の給金は存外良い。 
過去セクハラに耐えかねて辞める秘書も多かっただけに尚更だ。 

話し合いの結果、ミス・ロングビルは逃げるフーケを見かけて追跡し、追いついた所でルイズ達が発見、合流したのだと云う事で口裏を合わせる。 
「これで色々便宜も図ってもらえるわね」とは、キュルケの弁。 
それを聞いて嘘をつくのは貴族的に良いのか? などとサイトは思ったが、 
サイトとてフーケを警察に突き出したいワケでは無いから何も言わなかった。 

トリステイン魔法学園に、一時の平和な時間が流れている。 
それは、嵐の前の静けさかもしれなかったが。 


----
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