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  • マジシャン ザ ルイズ 3章 (36)の編集履歴ソース
「マジシャン ザ ルイズ 3章 (36)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

マジシャン ザ ルイズ 3章 (36) - (2008/09/06 (土) 15:48:54) のソース

#center(){[[戻る>マジシャン ザ ルイズ 3章 (35)]]         [[マジシャン ザ ルイズ]]         [[進む>マジシャン ザ ルイズ 3章 (37)]]}
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[[マジシャン ザ ルイズ 3章 (36)転機]]

駆ける、駆ける、二人は駆ける。
敵の居場所は分からない、ならば少しでも迎え撃つに適した場所へ。
申し合わせずとも、共に行き着いた結論は同様、二人は同じ方向へと走り続けた。

角を一つ、二つと曲がり、直線を走り抜け、赤絨毯が敷かれた回廊へと出たところで、急に後ろを走っていたカステルモールが立ち止まった。
「……もうすぐ追いつかれるでしょう。私はここで一度、《ヒドゥン・スペクター》を迎え撃ちます」
そうカステルモールは宣言した。
回廊といっても天井まで高さも、両脇の壁までの距離も広い。見晴らしも良く、姿無き追跡者を迎え撃つ場所としてはまずまず及第点が与えられるだろう。
「残念ですが、あれを一人で打ち倒すのは、私の力では難しいと言わざるを得ません。ですからシャルロット様はここで厨房に向かい、ご自身の杖を取り戻して頂けませんでしょうか」
という提案をした。
下手をすればタバサのことを足手まとい扱いしているとも受け取れる、飾らないカステルモールの言葉。
けれどそこには気遣いと、タバサを庇護するだけの対象ではなく、共に戦う戦士と認めたガリアの騎士の心意気があった。
「……貴方は?」
「私なら問題ありません。倒せずともあの程度の魔物、逃げ回るだけなら十分にこなしてみせます」
胸に手を当て、自信を込めてそう言い切るカステルモールに、タバサも頷いてみせる。
「……分かった」
タバサは残った貴重な時間を無駄にせぬようにと、即決に近い形でそう応えた。


再びタバサは駆けていた。鳥のように、豹のように。向かうは厨房、一直線。
衛兵はいない。頭に叩き込まれた地図に従って、タバサは厨房に向かう最短経路を、無造作に選択していく。
意図的に複雑にされた城を走る中、タバサの頭脳は立ち向かわねばならない《ヒドゥン・スペクター》攻略の糸口を必死に探していた。
(姿が見えない敵……どうすれば?)
人数がいれば、カステルモールが言ったように、逃げ場のない場所で広範囲攻撃を使って仕留めることができるだろう。
だがしかし、今立ち向かう戦力はタバサとカステルモール、二人しかいないのである。当然その方法は却下せざるを得ない。
ならばその姿を見つける方法を考えなくてはならない。
《ヒドゥン・スペクター》自体はかなり素早いが、その殺傷能力はかすれば死ぬといった凶悪なものではない。
ならばこそ、やはり攻略しなくてはならない最大の壁は透明化能力であった。
姿が見えぬ故、回避が遅れる。
姿が見えぬ故、攻撃が当たらない。
見えぬ何かを見つけられれば、対処はそれほど難しくない。
しかし、その〝何か〟が分からない。
《ヒドゥン・スペクター》の擬態に隙はない。油をかけて火をつけても返り血を浴びても、変化がないのは、そういった変化まで含めて透過してしまえるとしか考えられない。
足音や足跡が無いのは、本体は宙に浮いているからに違いない。

と、そこまで考えたところでタバサは見覚えのある通りに出た。
そのまま走り、蝶番ごと扉を破壊された入り口から、転がるようにして中へと入り込む。
そこはものがそこここ四方に散らばって、荒れ放題になった横長の部屋。立ちこめるのは油の臭いや酒の臭い、それに混じって何かが焦げたような臭いが鼻についた。
先頃、タバサと追跡者が一戦を交えた厨房である。
タバサは急いで奥までたどり着くと、直ぐに床に落とした杖を探した。
幸い、杖はタバサが放り投げたままの状態で床に落ちていた。
ほうっと一息、胸を撫で下ろす。杖を《ヒドゥン・スペクター》に破壊されているという事態も十分にあり得ると考えていたタバサにとって、これは非常に有り難かった。

杖を掴んで持ち上げる。
と、持ち上げたタバサの手に、何かが触れた。
見ようとするが、タバサ自身が照明を一つ落としてしまったために光量が足りない。それがなんなのかを目で見て確かめることはできない。
しかし、
(見えるものを……ではなく、見えないものを、探す……!)
タバサの中で形作ってきた、これまでの実践と推測で形作ってきたパズル、それに最後のピースがカチリとはまり込む音が聞こえた。


「なかなかどうして、難しい……」
左手に杖、右手にサーベルを構えたカステルモールが低く唸った。
よれよれの制服は至る所が裂け、額には無数の汗が浮かんでいる。右腕からは一筋の血が滴り、サーベルの握りを塗らしていた。
前傾の姿勢を保ちながら、体を半歩左へと回して退く、その眼前を何かが通り過ぎていくのを目ではなく音で追いながら、カステルモールは右手のサーベルを、何もない宙へと高速で突き出した。
ヒュッという音を残してサーベルは空を切る。手応え無し。
続けざま折り返すように曲がった爪が、獲物を追って定めて再び迫る。
だがカステルモールはそれ以上の早さで体をそのまま右へとスライドさせて回避し、すれ違いざまにサーベルを突き出した。やはり手応えは無い。
そしてサーベルを引くより早く、見えない狩猟者の次の一撃が迫った。
早い、先ほどよりもなお早い。だが、カステルモールはそれ以上の速度で体をずらして回避すると、先ほど同様に見えぬ敵に向かってサーベルを振るった。
更に、一撃、二撃と同様のことが繰り返される。
当たらぬ攻撃にいらだちを感じているのか、地を這う爪の速度はどんどんと上がっていく。
負けじとカステルモールの動きも速度を上げる。すでにその動きは人の目に捕らえられぬほどの早さに達していた。
その早さは素早いという領域を越えて、人間が動作可能な範囲を大きく逸脱したものである。
タバサが連続で避けきるのは不可能と断じたそれを、カステルモールは紙一重二重の距離で避け続ける。
無論、何事もなく人の身でそのような動きができるはずもない。
では、いかなる手段をもって彼は、《ヒドゥン・スペクター》の動きについていっているのか。
その答えは、彼の左手に握られた杖にあった。杖は魔力を帯びてうっすらと発光している、つまり彼は今、魔法のバックアップを受けているのである。
そもそもカステルモールはその足を、完全に床に接地させてはいない。
僅かであるが彼の体は地上から浮き上がらせているのだ。そして足を動かさずに、体だけを右へ左へと移動させていた。

それは風の魔法『飛行』とよく似た魔法である。だが、ただ単に浮き上がる『飛行』と違い、カステルモールのそれは完璧に制御されており、ほんの僅かに地から足を浮かせているだけである。
そして何より、『飛行』に比べて早さが違う。
『飛行』では、熟達の術者であっても、これだけの早さで動き回ることなど不可能である。
そう言う意味では、その魔法は『飛行』とは全く違う別の魔法、呼び表すなら『浮遊』とでも言うべきものであった。

「やはり、この方法では無理があるな」
怒濤のような連続攻撃が終わり、再び静寂が訪れた部屋の中でカステルモールはそう呻いた。
すべての攻撃を大事なくやり過ごしたカステルモールであったが、その姿は先ほどよりも細かな傷が増えていた。
確かに『浮遊』の魔法を使えば、体を使って動くに比べて格段の早さを手に入れることができる。反応してから体を動かすまでに発生するラグが、この方法なら全くといって良いほど存在しないからである。
だが、それでもこの相手に対しては完璧な対処ではない。徐々に増えていく傷がそれを如実に表していた。
反応できれば避けられる、ならば反応すら出来ぬ早さが相手では、完全に避けきることができぬのが道理である。
加えて、この対処での最大の問題点は攻撃にあった。
カステルモールはちらりと視線を落として、その手のサーベルを確認した。
先ほどまで殺すという意志の体現として存在していたそれは、今では中程の場所でぽっきりと折れてしまっていた。
『メイジは同時に二つの魔法を使えない』その原則が、今カステルモールを苦しめていた。
使える魔法は一度に一つ、回避の為に『浮遊』を使っているカステルモールは、攻撃のために魔法を使うことができない。
もしもそんなことをすれば、半秒も経たぬうちに彼の体はばらばらにされてしまうに違いない。
「しかし、その為に選んだこの場所だ」
カステルモールは折れたサーベルを部屋の片隅に放り投げると、すぐさま壁に手を伸ばし、そこにあった新たなサーベルを一振り引き抜いた。
そう、ここには四方、至る所にありとあらゆる武器が用意されている場所である。
そんな所はグラン・トロワ中探しても、一種類数カ所しかない。
即ちカステルモールが《ヒドゥン・スペクター》を誘い込んだそこは、武器庫であった。
だが、それでも……
「見えない、というのは厄介だな」
憎々しげに呟いた。

タバサがカステルモールと合流するよう打ち合わせてた武器庫にたどり着いたとき、カステルモールと《ヒドゥン・スペクター》の戦いは一段と激しさを増していた。
カステルモールは目で追うのが精一杯という速度で床を滑り、一方で追いかける爪は縦横無尽に床を走り回っている。
武器庫の床は刻まれた爪痕でずたずたに引き裂かれ、無傷な場所など探すだけ無駄であろう。
タバサがその光景に立ちすくんでいると、部屋の中から男の必死の叫びが放たれた。
「シャルロット様! この場はわたくし一人で十分です! 先へお進みください!」
明らかに虚言と分かるその声を聞いて、タバサの硬直が解けて消えた。
目を凝らしてみると、至る所に傷を負ったカステルモールの姿が見えた。手にサーベルは持っているが、防戦一方なのは明らかだ。
「シャルロ……ッ」
再びそう叫ぼうとしたカステルモールが、タバサの持っているものを見てぎょっとした。
彼女は手に、一抱えもある麻袋を持っていたのである。
そして、それを小さな体の力一杯で、勢いよく部屋の中へと投げ込んだ。
バフンッという重たい音を立てて、麻袋が床へと落下するやいなや、中に入っていたものが盛大に飛び散って飛散した。
暗がりで良くは見えないが、それは白い煙のようなものを発生させたのである。
「エア・[[ハンマー]]!」
続いてタバサの呪文がその袋に向かって放たれると、そこでようやくカステルモールにもその正体が分かった。

『小麦粉』である。

空中へ向かって小麦の白い粉が盛大に舞い散り、部屋もカステルモールをも白く塗りつぶした。
だが、その白く曇った空間に、ぽっかりと空いた、何もない、空間。
まるで風船をいくつも繋げて作ったかのような、奇っ怪な形をした不自然な空間。

見えるものを探すのではない、即ち、見えていないものを探すのだ。

「アイス・スピア!」

カステルモールが放った氷の凶器が、正確無比に、周囲の小麦粉まで透過していた《ヒドゥン・スペクター》を刺し穿った。





タバサは再び、一人で廊下を歩いていた。
王の間へと続く大回廊、今はちょうどその真ん中を歩いている。
先ほど共に魔物を退治したカステルモールは、今はそばにいない。
《ヒドゥン・スペクター》との戦いで激しく失血し、加えて地下牢に長く捕らえられていた為に体力が低下していたことも重なり、一時的に歩行が困難なほどに衰弱してしまったのである。
それでも、
『大丈夫です、問題ありません。どうかわたくしめに殿下をお守りさせてください』
と、カステルモールはしつこく言ってついて行こうとしたのだが、タバサがそれを許さずに、その場で休むように彼に言いつけたのである。
彼はそれに頑として従おうとしなかったのだが、やがて立ち上がることすらままならないことをタバサに指摘され、そこに至り不承不承その言葉に従ったのだった。

そうして歩くこと暫く、タバサはようやく目的の扉の前にたどり着いた。
ここに彼女が居るというのはただの予測でしかない。
もしかしたら彼女は別の場所で仕事をしていて、今頃は寝室に戻ってぐっすりと寝ているかもしれない。
だが、それでも彼女がここにいるに違いないという想いが、タバサを駆り立てて止まないのだ。
小柄な体に合わせた、小さな両手が扉にかかる。そしてそれを、ゆっくりと押し開いてゆくと、そこには
彼女が居た。




「ずいぶんと、遅かったじゃないのさ。おかげで随分と待ちくたびれたよ」

良く通る、朗々とした声。
迎えたその声の主は、部屋の一段高く据えられた最奥で、座ったままにタバサを迎えた。
胸元が大きく開いた、ゆったりとした青い豪奢なドレスに、首からは大きな宝石がいくつも填め込まれたネックレスを下げ、手には王権を意味する古杖が握られている。
背中に流された絹のように艶やかで長い髪は、ガリア王族の縁者であることを示す青。その頭には王冠の代わりに、無数の宝石で飾られた白銀にきらめくティアラが乗せられていた。
だが、その下にある顔は、それらが与える高貴な印象には似つかわしくないアンバランスさでもって、見るものを困惑させる。
つり上がった細い目は彼女の髪と同じ色、相手を射すくめる氷のブルーアイ。
口元は粗野につり上がり、挑発的にして好戦的。
ハルケギニア一の大国と謡われる、ガリア王国の国王という、尊い器とはかけ離れた中身。
貴人の尊さと野獣の粗暴さを併せ持った娘。
彼女こそは、タバサが追い求めていた人物、『現・ガリア王国国王 女王イザベラ一世』である。

「はんっ。人形娘は相変わらず無愛想だね。ほんとその無表情、気味が悪い」
薄暗い照明、天窓から僅かに入り込んだ月の光がそれを補填する。
「上手いこと命からがら逃げおおせたっていうのに、自分からここに舞い戻ってくるなんてね。そのおつむは空っぽかい?」
肘掛けに頬杖をつきながら足を組んでいるイザベラが、くくくと笑いを含ませながら言った。
周囲に人影はない。衛兵も、侍女も、いない。
ここはがらんどうの大広間。
「私はここ暫く、お前のことが憎くて憎くて憎くて憎くて、いつもお前をどうやってくびり殺してやろうかって、そればっかり考えていたよ」
ここは余りに広い。
そして、あまりに哀しい。


そこには何もない。誰かの笑顔も、家族の暖かさも。本当に、何もない場所だった。
彼女はどれだけの時間、ここにいたのだろうか。どれだけの時間、自分を待っていたのだろうか。
そして、どれだけの時間、そうやって時を過ごしてきたのだろうか。

周囲から向けられるのは悪意と敵意、それに対して悪意と恐怖で返すしかない。
そんな彼女の苦しみを、自分は想像の中でしか分からない。
分からないけれど思うのだ。

そんなのは、あんまりだ。
誰からも望まれず、そして誰からも必要とされない。
そんな人生は、あんまりだ。

だから終わらせよう、そして変えに行こう。
その為の一歩を、最初の一歩を、勇気を持って自分から踏み出そう。


「……教えて」
「あん?」

初めて立ったばかりの、生まれたての子鹿のような、身を震わせた危うい、一歩。
そうやって、全てを塗りかえるための最初の歩みを、タバサは決意を込めて踏み込んだ。

「……城の人たちは、どこ?」
「さてね、どこだろうね。死んだ人間がどこへ運ばれていくかなんて一々聞いちゃいないよ」

ゆっくり、一歩、一歩と踏みしめて。

「……殺させたのは、あなた?」
「そうさ。あたしが命令して殺させたんだよ。どいつもこいつも無能ばかりだから、みんな殺してやったのさ」

イザベラは座ったまま微動だにせず、微笑すら浮かべて言った。
冷たい目だけはそのままに、口元だけを歪めて笑っていた。

「……楽しかった?」
「ああ、楽しかったさ。人が死ぬたびにみんなが私を認めてくれる」

進む、進む、一歩、また一歩とタバサは彼女の座るそこへと近づいていく。
彼女は、イザベラは、近づいている自分を、どんなふうに思いで見ているだろう、そんなことをタバサは思う。

「……カステルモールを牢に繋いだのは?」
「私だよ。折角お前を死んだことにして、邪魔なオルレアン派を黙らせたっていうのに、余計なことを他の連中に吹き込もうとしたもんだからね」

言葉を交わしながら、着実に彼女の元へと近づいていく。
彼女の瞳に、自分はどんな姿で映っているのだろう、そんなことをタバサは思った。

「……自分が殺したと言った?」
「その通り。あんたの薄汚れた服を使って、一杯食わせてやったのさ。そうしたらあいつ、悔しがって涙を流して私を罵ったわ。はは、実に面白可笑しかったわ」

さも愉快そうに笑うイザベラ。
その笑顔の下に、どんな表情があるのだろうか、そんなことをタバサは思った。

そうして歩き続けて、タバサはついに、イザベラの段下に立った。
「ふふん」
と、不敵に笑う女王。
その表情、仕草、立ち居振る舞い、それらはタバサの知るイザベラと全く変わるところがなかった。
虚勢も、気負いもなく、ただただ彼女の自然体。
「………」
タバサは無言のままに、イザベラ姿を、顔を、その眼を見た。
多少疲れてやつれた様子はあるが、その眼光の鋭さは衰えていない。
「どうした、やるんだろう? 自分の復讐を果たすんだろう?」
そう言うと、イザベラは組んでいた足を戻して玉座から立ち上がり、その目がタバサを高みから見下ろす形となった。
「そしてお前は救国の英雄になる。いいさ、認めてやるよ、流血こそが歴史を作るのさ」
イザベラは両手を広げて、胸を張る、その表情は壮絶なまでに――笑顔。
「さあ、殺せよ」

自らの死を、まるで些事のことにイザベラは言ってのけた。
タバサを前にした彼女の姿はむしろ、威風辺りを払う堂々としたもので、それはこれまでタバサの見てきたどんな彼女よりも、輝いているように見えた。


その姿を前にして、タバサのするべきことは一つだった。




タバサに遅れること数分、カステルモールは体を引きずるようにしてピロードの絨毯を渡り、王の間へと続く扉の前へと到着していた。
カステルモールは重くのしかかる疲労を背にして、心ばかりが焦っていた。
囚われの生活で弱った体に、鞭打って戦ったまでは良かったのだが、情けなくも《ヒドゥン・スペクター》相手に戦った直後に、あえなく力尽きてしまったのである。
主人を守るべき騎士が、今ぞ主人が最大の敵に立ち向かわんとする場面に、駆けつけ参じられないとなれば、それ即ち騎士の名折れ。
例え休息を命じられていたとしても、その場にじっとしていることなど、忠節を誓った騎士カステルモールにできようはずがない。
そうして彼はその身を押して、タバサを追いかけここまで辿り着いたのである。
「シャルロット様……!」
そう呟いて、両開きの大扉に手をかける。
扉の向こうで、どのような未来が広がっているのか、そんなことを思うだけで、カステルモールの心臓は留めようもなく、うぶな娘のように早鐘を打った。
真なる主人の帰還に、新たなる王国の夜明けに、抑えがたい期待が高揚感を伴う衝動となって、その体を駆け巡る。
そうしてカステルモールは、疲れも忘れて、両腕に力を込めてその扉を開け放った。

そんなカステルモールを出迎えたのは……、




床に膝を折って、恭しく両手で杖を捧げ持ち、深く頭を垂れた主人の姿。
そして、彼女の発した、想像を絶する言葉であった。

「……わたくし、シャルロット・エレーヌ・オルレアンは、この杖を、女王イザベラ一世、あなたに捧げます」

、と
その時、カステルモールは己の足下が崩れていくような感覚を味わった。


                   そのとき二人の間に、どのようなやりとりがあったかは分からない。
                   けれどそれが、彼女が望んだ彼女の未来だったのは確かである。
                        ――――バッソ・カステルモール「氷の姉妹」

----
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