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ゼロの使い魔人-07 - (2009/09/22 (火) 11:05:12) のソース
#navi(ゼロの使い魔人) ―――枷から解かれた猟犬の勢いで迫る、鈍い光沢を持つ戦乙女を模した彫像。 凡そ金属で出来ているとは思えない、しなやかな動きと軽捷さは驚くに足る。 突進した勢いもそのままに、ゴーレムの右拳が龍麻の顔面へ飛ぶ。 僅かに身を逸らし拳に空を切らしたが、続けざまに横蹴りが唸りを上げて迫るも、その軌道上に 龍麻の体は無い。 三撃目、外れ。 四撃目も同様。掠りもせず、単に空を掻き乱したに留まる。 (見かけに反して、よく動くな……) と、左からの巻き込むような一打をいなし、龍麻は思考を巡らせる。 ……確かに、自慢するだけの事は有る。 心得の無い人間なら、まず躱せもせず一撃で地面に転がり、悶絶しているだろうし、振るわれる 金属製の四肢はそれ自体が兇器足りうる。 当たり所に因れば容易に骨を砕き、身を潰せるだろう。 けど……、それだけだと。技の出にタイミングも、常識の範疇を出る物では無く。直線的で技巧とは 無縁の攻撃は、真に脅威足り得ない。 再び迫る右拳。ゴーレム自身の重さを乗せて放たれた、速さも充分な一発だ。 ―――だが。 (いい加減、見え透いてんだよ……!) 龍麻の動きはより早く、重く苛烈な物であった。 ゴーレムの拳が伸びきるのに先んじて、龍麻のそれが完璧なカウンターとなって顔面に突き刺さっていた。 大きく仰け反り、揺らいだ上体が均衡を取り戻す前に。 「呼ぉォォォ…せぃりゃあッッ!!」 獣の咆哮じみた雄叫びが迸った。 傍目には、四肢が幾つにも分裂したかと錯覚させる程の速度で打ち込まれる、『氣』を込めた無数の突きと 蹴り。 秘伝の一、『八雲』。それは人間はもとより、「鬼」すら撲殺しうる拳打と蹴撃の怒涛である。 風切り音と打撲音、金属が歪み罅割れる不協和音の三つが連続し、 「破ァッ!!」 裂帛の気合に続く右掌打が胴を痛打し、一時的な空中移動を強制された後、土煙と芝草の切れ端を舞い上げながら 地面を滑り、跳ね転がっていくゴーレムの体は、とうに原型を留めていなかった。 それを悠長に眺めたりはせず、龍麻は身を低くし、高めた『氣』を腕に集中させながら地を蹴り、弾丸と化して 疾駆する。 ―――相手が式神使いの類なら、手駒はあれ一体でないのは自明だし、出してくる奴等を逐一斃していてはキリが無い。 なら、操り手自体を打倒、無力化するのが定石である。 その先に立つギーシュ。…が、その顔には、まだ余裕ある笑みが貼り付いている。 ―――成る程。まさか素手で自分のゴーレムを制し、殴り倒すなどとは予想だにしなかった。 流石に驚いたし、その点だけは平民の分際で変わった芸風だと、褒めてやってもいい。 だが……、あれが自分の実力の全てであり、それしきで勝ったつもりでいるのなら、それは大きな失敗であり、 メイジとしての自分を侮った報いを受けて然るべきだ、と。 「調子に乗るのは遠慮してもらおうか!」 叫ぶや、即座に呪を紡ぎ、薔薇の造花を象った杖を振るう。 先程と同じく、青銅のゴーレムが造り出される。但し―――今度は、六体。 楽団の指揮者の如く、居並ぶ影に命を下す。 「往け、ワルキューレ! あの不埒な平民を揉み潰すんだ…!」 その声が響くや一斉に動き出し、龍麻へと殺到という表現そのままに迫り、半円状に攻囲する。 だが、龍麻とて黙って包囲されるのを待つ程、甘くも抜けてもいない。 一瞬だけ腰を落とし、その場で跳躍。宙で一回転して突進をかわし、 「掌ッ!!」 右腕を突き出し、眼下でがら空きの背中を曝すゴーレムに『掌底・発剄』を放った。 背後からの衝撃をまともに食ったそいつが受身も取れず、頭から地面に突っ込むのと同時に着地。囲みから脱ける や即座に身を翻し、龍麻は最も近い位置に居る奴へと躍り掛かる。 丁度、振り向いた奴の鼻面に掌打を見舞い、あるいは『龍星脚』を叩き込んで吹き飛ばし、最初に発剄を喰らった 奴が起き上がろうとした所へ、もう一発『龍星脚』をくれてやる。 胴から首を引き抜くような…ではなく、事実付け根から折れ飛んだゴーレムの首は、不恰好なボールとなって観客の 頭上を越え、遥か向こうへと飛び去った。 ……一秒たりとも足を止める様な事は無く。常に場全体と敵の動きを見越し、先回りして出来る限り多対一の状況を 避けられる位置取りに傾注する。 間合い外の奴には牽制の発剄を放ち、あるいは今戦り合っているゴーレム自体をも障害物として使い、捻出した数秒 を生かして次の相手と対峙する。 ―――個々の相手にダメージを与えつつ、最初の二体はそうして片付けた。 鉄槌となって落ちかかる一打を打点をずらしつつ受け、威力を削いだ所でひっ外すや、より迅速く鋭くその内懐へと 踏み込むのと捻り込む様に右掌を奔せるのは同時……!! 「螺旋掌!!」 ゴーレムの胸甲を掌が打ち貫いた瞬間、腕に纏わせた螺旋状の『氣』を開放する。 耳を聾する風切り音を伴い、水平に伸びる竜巻の如き波動がゴーレムを呑み込むと、藁人形の脆さで吹き飛ばし、そ の手足を飴細工宜しく捻じ曲げていく。 ……間にも、龍麻は次の相手と見なした奴と渡り合っている。無形の害意と共に襲い来る金属の腕を左手にて捌く と同時に、手首を返して二の腕部分を掴み引き寄せながら一足で間合いを詰め、毒針のような肘の一撃を顔の下半分 に捻じ込む。 そこから一瞬の遅滞も隙も無く、沈めた体を反転させつつ脚を払うと掴んでいたゴーレムの腕を両手で担ぎ、全身の 発条を使って、その体を撥ね上げる。 見本として教本に掲載りそうな程に綺麗な一本背負いが決まり、ゴーレムの体は軽々と宙に舞った。 足元は石畳ではなく土がむき出しだったが、それでもゴーレム自体の重さと重力により投げの威力は上乗せされ、 垂直に落下して地面と親交を結ぶ事になった頭部は、半ば胴体にめり込んだ。 「噴ッ……!」 短く、吐く様な声と共に、すかさず追い討ちが入る。全体重を掛けた震脚に類する一撃で胴体を踏みしだき、続けて 突き下ろした拳で胸部に頭を砕き潰し、止めを刺す。 更に後背から肉薄する影を察知…するのと、横撃はほぼ同時。 しかし……、奇襲の筈のそれすら龍麻を捕捉えるには至らず、倍する反撃を招いたに過ぎない。 一瞬前まで、龍麻の頭が在った空間をゴーレムの拳が通り抜け、振るわれた拳が戻るよりも早く、鬼をも倒すと称さ れる、風を裂いて繰り出す剛速の回し蹴り一閃。 手応えに続き、ゴーレムは「く」の字に折れて吹き飛び、勢い余って周りを囲む野次馬達の中へと転がり込む。 不意のアクシデントに罵声と悲鳴が上がるが、そこまで龍麻の知った事ではない。肝要なのは、今のが都合五体目と いう事。残る敵は、一体と一人のみ……! ―――ギーシュの顔からはとうに笑みは消え、思考は焼け付く寸前であった。 自分が錬成し、使役する七体のゴーレムの実力は、場数を踏んだ完全武装の傭兵の一団を相手取れるのだ。 だと云うのに。 抑えとして残した一体の他は悉く叩きのめされ、不恰好なオブジェとなって地面に転がっている。 在り得ない。 馬鹿な。 全く、予想外の事だ。 異常、過ぎる――― 「まっ、守れっ! あいつを近づけさせるなよ……!」 泡を食い、落ち着きの無い声で指示を出した次の瞬間。 二つの影が交錯した刹那、ギーシュの両眼は更なる驚愕の余り、見開かれた。 やにわにワルキューレの全身が松明の様に燃え上がり、焔の塊と化したのだ。 龍麻が掌打に乗せて繰り出した、激しい炎氣に炙られて何度か藻掻く様な仕草を見せるが、ものの数秒で各部が熔け落 ち、その動きを止める。 「な、何なんだ、お前は……!? へ、平民風情が、なんでこんな、こんな魔ほ……!!」 其れまでの「常識」を悉く目の前で覆され、恐慌に陥った頭で意味を成さぬ語句をギーシュが喚く間に、勝敗は決した。 疾走り寄る影にたじろぎ、それでも何かしら呪文を唱えようと振り上げた腕に何かが掛かったとギーシュが感じた時に は、既に手首から肩に至る迄の関節を極められながら背後へと回り込まれたのに留まらず、脚を蹴りつけられてつんの めり、上体が泳いだ所に伸びてきた掌が肉食獣の顎の様に頚椎を咥え込み、がっちりと掌握していた。 ……一瞬の早業であり、熟達した武術使いが身体に染み込ませ、呼吸同然に繰り出す技の発露である。 ギーシュが気付いた時には、右腕を源とする鈍痛が全身を走り抜け、頸に掛かる力によって喋る事もままならない。 幼い頃に躾と称して、父や家庭教師に尻を鞭打たれて以来の痛みは骨の髄にまで堪えたが、貴族たる自分が大勢の 観衆の前で平民等に捻じ伏せられ、頭を押さえ付けられている様への屈辱感に、何一つ出来ないまま軽くあしらわれて いる今の自分の不甲斐無さに向けた怒りはそれに優った。 「こ、の…放したまえ……!」 みっともない悲鳴を飲み込み、どうにか声を搾り出すと、身体を揺すり自由な左手を使い、下腹に力を込め振り解こう とするが、小揺るぎもしない。 尚も抵抗しようとするギーシュだったが、 「寝てろ」 極短い、宣告じみた呟きの意味を理解するよりも早く、後頭部に振り落とされた龍麻の拳は、ギーシュの意識を綺麗に 刈り取った。 「がっ……!」 くぐもった悲鳴一つを残して地面に倒れ込み、動かなくなる。 『ギーシュが負けたぞ!!』 『あいつ、只の平民じゃ無かったのか!?』 『それより、なんで杖も無いのに魔法が出るんだよっ!?』 『まさか、先住魔法か!? 信じられん!!』 そんな野次馬達のざわめきが沸騰する中、龍麻の表情に勝ち誇る様な色は絶無であった。 ……ギーシュの言い分を唯々諾々と受容すべきではなかったろうが、さりとて張り倒した所で、なんら事態の根本的解決 にはなってない上に、狼藉を振るった事への倦厭さはより大きかった。 (……全く。行きがかり上とはいえ、我ながら莫迦な事で拳を振るっちまったし、人前でああも派手に“力”を使ったの はもっと拙いなぁ……) 今更ながら自分の失策に気付くと共に、自分の所業を師匠が見たらさぞ不機嫌になるだろうと想像して、苦虫をダース単位 で噛み潰した面持ちのまま広場を離れようとした所で、人混みを掻き分けてルイズが出て来る。 「あんた……、平民なんかじゃなくて、本当はメイジだったのね?」 何と答えたものか…と、龍麻が思案していた時に、ルイズが機先を制してそんな一言を発する。 「だったらどうする? …ま、冗談はともかく、俺は魔術師なんぞじゃないけどな」 「嘘ばっかり! メイジでもない平民が、金属のゴーレムを素手で壊したり、離れた場所にいるのを吹き飛ばしたり、 燃やしたりなんて出来る訳無いじゃない!!」 「事と次第によっちゃ出来るだろう。俺は只、人間誰しもが持っている物を引き出しただけだ」 不信も露な表情と半ば怒声に近い剣幕で噛み付くルイズとは真逆に、淡々と答える龍麻。 しばし視線をぶつけ合う二人だが、やがて龍麻の方から視線を外すと、その脇をすり抜けて人垣の向こうへ足を向ける。 「ちょっと! どこに行くのよ!? 話はまだ終わってないわよ!!」 「此処で話せる様な事じゃないだろ。…ま、信じるかどうかはともかく、話はちゃんとするさ。俺もアンタに訊きたい 事があるしな」 後は一顧だにせず、龍麻は野次馬の壁を突っ切って進み、ルイズの視界……ヴェストリの広場から去った。 その後を追おうとルイズが一歩を踏み出した所に、 「ぅ、う~~~~ん……」 背後からの呻き声に振り返れば、数人の生徒に介抱されていたギーシュが身体を起こしていた。痛みに顔をしかめつつ、 手を額に添えて頭を振っている。 「ルイズ。彼は何者なんだ? この僕の『ワルキューレ』を倒すなんて……」 「何者って……、ただの平民でしょ。本人がいうにはね」 「けど、ただの平民に僕と、僕の『ワルキューレ』が負けるだなんて思えない」 「ふんだ。あんたが弱かっただけじゃないの?」 憎まれ口を叩きながらも、 (なんなのよ、あいつ……?) という、自分の使い魔のした事への疑問と驚きが、平民がメイジに勝ったという事実と共に、彼女の頭の中を占めていた。 (あいつは、ただ腕を突き出しただけで、ゴーレムを吹き飛ばしたり、炎で溶かしちゃったわ……。杖も持ってないし、 呪文を唱えている様にも見えなかった……。あれが、ペテンや誤魔化しじゃないのなら、まさか先住魔法みたいなのを使 えるのかしら……?) 自分達メイジが為す様々な秘術、奇蹟とはまた異なる業。 この地に住まうヒトならざる者達が操り、明確な理解も行使も叶わぬ、人智と常識からかけ離れた超常の異端にして異能。 解らない。 一体、あいつは何者なのか。只の平民の癖に何故、あんな事が出来るのか。 あんなの、今迄見た事も無ければ、話に聞いた事も、本に書かれてもいない。 何一つ……解らず、この目で見て尚、信じられない。 ―――そんな、何も解らない事への苛立ちと不安に、御主人様に払って然るべき敬意や礼節が欠けた態度への不満。 最後の最後に、酷い怪我もせず、勝った事への安堵がほんのちょっぴり。 そういった入り混じる感情の処理に、ひとしきり難渋したルイズは。 「本当に! 使い魔の癖に勝手なことばっかりして!!!」 と、人気が減りつつある広場全体に響く様な大声で発散を図ったのだった。 ―――学院長室 報告を受け、一連の騒ぎを監察していた二名の教師にとっても、事の結果は驚くべき物であった。 「あの平民、勝ってしまいましたが……」 既に何も映らなくなった鏡を前に、微妙に震えを帯びた声で呟くのはコルベール教諭。 片や、オスマン老は腕組みし、「うむむ……」という呻きを洩らす。 「ギーシュは一番レベルの低い『ドット』メイジですが、それでも只の平民に遅れを取るような物ではありません。 それにあの動き! 素手で青銅製のゴーレムを叩き伏せたに止まらず、彼は……!」 「……恐らく、『エア・[[ハンマー]]』に『ウィンド・ブレイク』かの。かてて加えて、『火』の魔法。―――但し、それに 類似する物を杖を持たずして使って見せたがのう……。あれもまた、『ガンダールヴ』の力とでも云うのかね……」 長い白髯を扱きつつ、思案する学院長を促す様に、コルベール教諭は口を開く。 「オールド・オスマン。早速、王室に報告して、指示を仰がない事には……」 「それには及ばん」 「どうしてです? これは世紀の大発見ですよ! 現代に甦った『ガンダールヴ』!」 何故に、と言いたげなコルベール教諭の前で学院長は眉を寄せ、謹厳な声と表情を保ったまま、徐に口を開く。 「ミスタ・コルベール。『ガンダールヴ』は只の使い魔では無い」 それに頷いたコルベール教諭は、記録の中に僅かに残る、『ガンダ-ルヴ』に纏わる伝承を並べ立てる。 ―――曰く。千人もの軍隊を単騎で潰滅せしめ、凡庸のメイジを全く寄せ付けない程の力。 その本質はメイジの本質的欠点である、呪文詠唱時に生じる隙を補い、護る為に特化した存在である……、と。 「…で、ミスタ・コルベール」 「はい」 「その青年は、本当に只の人間だったのかね?」 「はい。出で立ちこそ奇矯でしたが、紛れも無く只の平民でした。召喚の儀の際、念の為『ディテクト・マジック』で 確かめたのですが、正真正銘、只の平民の青年でした」 それを聞いて、オスマン老の表情の各所に皺が寄っていく。 「じゃが……。『ガンダールヴ』はあらゆる武器を使いこなしたというが、彼は丸腰じゃったな。君が描き記した例のルーン といい、あの闘いぶりといい、頷けなくもないが、仮にあの青年を『ガンダールヴ』だとすれば、それを召喚したのは……」 「ミス・ヴァリエールです。オールド・オスマン」 「彼女は優秀なメイジなのかね?」 「いえ、というか、むしろ無能と言うか……」 オスマン老の問いに、コルベールの顔から其れまでの興奮や興味の色は薄れ、どこか歯切れの悪い表情と口調で答える。 「さて、そこが問題じゃ。無能なメイジが召喚び出し、契約した平民がどうも只の平民にあらず。しかも……、伝説に記述 されし紋章と同一の物をその身体に持つという事実をどう考えたものか」 「そうですね……」 と、思案顔えを突きあわせ、ひとしきり考え込む教師二人であったが。 「―――ともあれ、この件は私が預かる。他言は無用じゃ、ミスタ・コルベール」 「は、はい。学院長がそう仰るならば」 「宜しい。……未だ確証を欠くとはいえ、実際、王宮のポンクラ官吏共に彼とその主を渡す訳にはいくまいて。宮廷で暇を 持て余す連中が知った物なら、またぞろ戦でもやらかしかねん。兵事と政事を弄ぶ様な手合の玩具とするには、危険に過ぎる わい」 「ははあ。学院長の深謀遠慮には恐れ入ります」 「うむ。……それと、彼等の動向には充分に注意を払ってくれ給え。偏に学院の調和と安全が掛かってくるやもしれんからのう」 「はい! 畏まりました!」 直立不動の姿勢で答えるコルベールに頷いてみせ、執務卓に陣取ると、 「では、私はこれで……」 一礼し、学院長室を後にするコルベールの背を見送りながら徐に水煙管を取り出し、悠然と燻らせるオスマン老。 ―――そこから数百メートル離れた場所では。そんな密談、裏事情なぞ露知らず。龍麻は放置されていた朝と変わらぬお粗末で 冷めた食事(エサ)を廊下に立ったまま、掻き込んでいたのであった。 #navi(ゼロの使い魔人)