「う~む、ミス・ロングビルの正体が噂の『土くれのフーケ』だったとは。しかし、意外とドジなようじゃな」
ルイズたちの報告書に目を通したオスマンの感想がこれだ。
ルイズたちの報告書に目を通したオスマンの感想がこれだ。
ルイズたちがオスマンに報告した内容は、事実とは異なる。
初めはありのまま起こったことをルイズは報告しようとしたが、キュルケたちがそれを止めた。
起こったことをそのまま報告したら、正気を疑われることは必死な現実だからだ。
初めはありのまま起こったことをルイズは報告しようとしたが、キュルケたちがそれを止めた。
起こったことをそのまま報告したら、正気を疑われることは必死な現実だからだ。
『土くれのフーケ』追撃の報告書
- ミス・ロングビルの正体が『土くれのフーケ』だった
- 捜索隊結成時に自分達を指名した理由は、逃走用の人質にするため
- しかしそれに失敗したため、巨大な土ゴーレムを呼び出して大暴れ
- その際、廃屋ごと『太陽の指輪』を壊してしまい逆ギレ・さらに大暴れ
- 収拾をつけるために、ルイズの使い魔が『あのアッパー』を放ったところ、どこかへすっ飛んでいった
普通ならこんな報告書を提出したら怒られそうだが、
『太陽の指輪』の破片の提出とペルデュラボーの驚異的な身体能力が学院中に知れ渡っていたこと。
そして何より、教師たちは初めから『学生があの大盗賊を捕まえられるわけがない』と思っていたことが幸いにも報告書の信用に繋がった。
『太陽の指輪』の破片の提出とペルデュラボーの驚異的な身体能力が学院中に知れ渡っていたこと。
そして何より、教師たちは初めから『学生があの大盗賊を捕まえられるわけがない』と思っていたことが幸いにも報告書の信用に繋がった。
「フーケの捕獲に失敗したことは悔やまれるが、お主たちが無事で何よりじゃ。
それに今夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。おぬし達生徒が主役なのだから、せいぜい着飾るのじゃよ」
それに今夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。おぬし達生徒が主役なのだから、せいぜい着飾るのじゃよ」
今夜のアルヴィーズの食堂の上の階は、いつもとは違うきらびやかな衣装を身にまとった学生たちが思い思いの時間を過ごしていた。
偶然にも、別の世界では『愛と結婚の女神』の名を冠した舞踏会だ。
偶然にも、別の世界では『愛と結婚の女神』の名を冠した舞踏会だ。
「なによ、こんなところにいたの?」
バルコニーにいたペルデュラボーに、ドレスで身を包んだルイズが声をかける。
「キュルケとタバサは?」
「ミス・ツェルプストーは学友達と共にあの中にいる。タバサ嬢はエセルドレーダと鬼ごっこ中だ」
ペルデュラボーはふと、あることに気づく。
「貴公は踊らないのか?」
ルイズは手を軽く差し出して言う。
「相手がいないのよ」
ルイズの言わんとしてることに気づく。
「では、余の誘いを受けてはもらえないか?」
「誘われてあげてもよろしくってよ。ジェントルマン」
バルコニーにいたペルデュラボーに、ドレスで身を包んだルイズが声をかける。
「キュルケとタバサは?」
「ミス・ツェルプストーは学友達と共にあの中にいる。タバサ嬢はエセルドレーダと鬼ごっこ中だ」
ペルデュラボーはふと、あることに気づく。
「貴公は踊らないのか?」
ルイズは手を軽く差し出して言う。
「相手がいないのよ」
ルイズの言わんとしてることに気づく。
「では、余の誘いを受けてはもらえないか?」
「誘われてあげてもよろしくってよ。ジェントルマン」
荘厳な音楽と共に、ハルケギニアの夜は更ける。
番外
ばかなバカな馬鹿な莫迦な!
なんで彼女は私のいる場所が分かるのだ?
気配を断ち、姿を変えて逃げているのに"それ"は私を執拗に追い詰める。
あぁ、そんな!
窓に!窓に!!
ばかなバカな馬鹿な莫迦な!
なんで彼女は私のいる場所が分かるのだ?
気配を断ち、姿を変えて逃げているのに"それ"は私を執拗に追い詰める。
あぁ、そんな!
窓に!窓に!!
「逃がさないわ。おとなしく私に読まれなさい」
少女の悲鳴と共に、ハルケギニアの夜は更ける。