「宇宙の!」
ドッカーン!
「何処かにいる!」
ドッカーン!
(以下省略)
春の使い魔召還の儀式。ルイズは何度も何度も爆発を巻き起こしていた。
最初は野次を飛ばしていた他の生徒達が欠伸をし出す程に。
「もう何でもいいでから出てきて、お願い!」
ドッカーーン!!
ルイズの言葉に呼応するように一際大きな爆発と煙りが巻き起こる。
「ゲホゲホゲホ。更に爆発の威力を高めてどうすんだよ。ゼロのルイズ!」
呆れた口調の野次が飛ぶが、ルイズは一切聞いていいなかった。
なぜなら、煙の先から気配を感じたからだ。
そばで指導していたコルベールを見ると笑顔で頷く。
どうやら彼もルイズが何ものかを召還した事に気づいたのだろう。
煙が風で流れていくと他の生徒達も何ものかがいる事に気づく。
「何かいるぞ!」
「ゼロのルイズが!?信じられない!」
そして煙がはれ、それは姿を表した。
平べったい頭に垂れた目。分厚く広い唇。
お世辞にも「美しい」とは言えない姿。むしろ、醜い。
しかし、そんな事は些細な事だ。なぜなら…
「あ…あれ、魚か?」
言葉の通り、鰓と鰭がある。にしては、陸の上でも平然としている。しかも…
「それにおでこから出ているのは…角、なのか?」
「いや、突っ込むべきは頭に浮かぶ黄色い輪っかだろ。」
「ねえ、タバサあの生き物知っている?」
「あんなの生まれ初めて見た。」
周囲の生徒達は口々にルイズが召還した魚もどきが何物か尋ね合う。
ルイズもその生物が何物か分からなかった。
しかもかなり醜い存在を召還してしまい気落ちしそうになっていた。
しかし、周囲の言葉から誰も見た事がない希少な存在であるとわかり、わずかながら自信を取り戻しかける。
ドッカーン!
「何処かにいる!」
ドッカーン!
(以下省略)
春の使い魔召還の儀式。ルイズは何度も何度も爆発を巻き起こしていた。
最初は野次を飛ばしていた他の生徒達が欠伸をし出す程に。
「もう何でもいいでから出てきて、お願い!」
ドッカーーン!!
ルイズの言葉に呼応するように一際大きな爆発と煙りが巻き起こる。
「ゲホゲホゲホ。更に爆発の威力を高めてどうすんだよ。ゼロのルイズ!」
呆れた口調の野次が飛ぶが、ルイズは一切聞いていいなかった。
なぜなら、煙の先から気配を感じたからだ。
そばで指導していたコルベールを見ると笑顔で頷く。
どうやら彼もルイズが何ものかを召還した事に気づいたのだろう。
煙が風で流れていくと他の生徒達も何ものかがいる事に気づく。
「何かいるぞ!」
「ゼロのルイズが!?信じられない!」
そして煙がはれ、それは姿を表した。
平べったい頭に垂れた目。分厚く広い唇。
お世辞にも「美しい」とは言えない姿。むしろ、醜い。
しかし、そんな事は些細な事だ。なぜなら…
「あ…あれ、魚か?」
言葉の通り、鰓と鰭がある。にしては、陸の上でも平然としている。しかも…
「それにおでこから出ているのは…角、なのか?」
「いや、突っ込むべきは頭に浮かぶ黄色い輪っかだろ。」
「ねえ、タバサあの生き物知っている?」
「あんなの生まれ初めて見た。」
周囲の生徒達は口々にルイズが召還した魚もどきが何物か尋ね合う。
ルイズもその生物が何物か分からなかった。
しかもかなり醜い存在を召還してしまい気落ちしそうになっていた。
しかし、周囲の言葉から誰も見た事がない希少な存在であるとわかり、わずかながら自信を取り戻しかける。
騒ぎに洗濯ものを干そうとしていたメイドも何事かと立ち止まって見ている。
そこに変な声が聞こえてきた。
「あ~。ここは?」
声の主は魚もどき。
「しゃべった!?」
「喋るって、韻獸なのか?」
そう、契約後なら、言語を話す存在も珍しくない。
しかし、ルイズはこの魚もどきに触ってもいないのだ。
この事実にルイズは更に喜ぶ。自分はレアもの中のレアを引き当てた可能性が高まったのだから。
多少の…見かけの悪さも関係ない。
そして、その魚もどきはルイズと視線を合わせる。
その様子に周囲が静まり、見詰める。
そこに変な声が聞こえてきた。
「あ~。ここは?」
声の主は魚もどき。
「しゃべった!?」
「喋るって、韻獸なのか?」
そう、契約後なら、言語を話す存在も珍しくない。
しかし、ルイズはこの魚もどきに触ってもいないのだ。
この事実にルイズは更に喜ぶ。自分はレアもの中のレアを引き当てた可能性が高まったのだから。
多少の…見かけの悪さも関係ない。
そして、その魚もどきはルイズと視線を合わせる。
その様子に周囲が静まり、見詰める。
ゴクン…
誰かが息を呑む音が聞こえる。
すると、その魚もどきはこう言った。
「韻獸で、いいんじゅ?」
すると、その魚もどきはこう言った。
「韻獸で、いいんじゅ?」
-暗転-
「あら、美味しいわね。このシチュー。」
「はい!私の故郷の名物でナウ゛ェって言うんです。」
「おかわり…は無理か、この量じゃ。」
「そりゃそうよ。あり合わせで作ってくれたんだし、夕食もあるから、この位で十分でしょ。」
結果。ルイズが何物かを召還して、それを食するまでの時間は、その場にいた全員(ルイズ含む)がルイズは召還に失敗し続けた事にし、記憶にロックする事で同意を得るのであった。
「はい!私の故郷の名物でナウ゛ェって言うんです。」
「おかわり…は無理か、この量じゃ。」
「そりゃそうよ。あり合わせで作ってくれたんだし、夕食もあるから、この位で十分でしょ。」
結果。ルイズが何物かを召還して、それを食するまでの時間は、その場にいた全員(ルイズ含む)がルイズは召還に失敗し続けた事にし、記憶にロックする事で同意を得るのであった。
ルイズが失敗し続けている間に多くの生徒は使い魔の召還を終えていた。
そんな中の一人、ギーシュは恋人であるモンモランシーが使い魔の召還を終えたのを確認して話しかけた。
「やあ、モンモランシー。君はどんな使い魔を召還したんだい?」
「あら、ギーシュ。私が召還したのはこの子よ。」
言って両手を出す。そこには可愛らしいカエルがおり、ギーシュに挨拶するように『ケロッ』と鳴く。
「へぇ、カエルかい。水の使い手である君に相応しい使い魔だね。」
その言葉にモンモランシーは胸を張って言う。
「そうよ。名前はロビン。素敵でしょ。」
「ああ。男らしい素晴らしい名前だね。」
ギーシュの言葉に今度は少し固まってしまうモンモランシー。
その様子にギーシュは固まった理由を察し、少したしなめるように言う。
「駄目じゃないか、モンモランシー。性別を確かめずに名前を付けるなんて。違っていたらかわいそうだろ。」
「だ、だってしょうがないでしょ!なら、ギーシュ。あなたはカエルの性別が分かるって言うの!?」
ふくれっ面で返したモンモランシーの言葉にギーシュは悩む。
「確かに…、カエルの性別ってどう見分けるのかな?」
「でしょ。」
二人が他愛の無い事で悩んでいると割って入るように何者かが割ってくる。
誰かと思い、二人がそちらに顔を動かすと、そこには先ほど食べた筈の魚もどきがいた。
そして魚モドキはまた、平然と言う。
そんな中の一人、ギーシュは恋人であるモンモランシーが使い魔の召還を終えたのを確認して話しかけた。
「やあ、モンモランシー。君はどんな使い魔を召還したんだい?」
「あら、ギーシュ。私が召還したのはこの子よ。」
言って両手を出す。そこには可愛らしいカエルがおり、ギーシュに挨拶するように『ケロッ』と鳴く。
「へぇ、カエルかい。水の使い手である君に相応しい使い魔だね。」
その言葉にモンモランシーは胸を張って言う。
「そうよ。名前はロビン。素敵でしょ。」
「ああ。男らしい素晴らしい名前だね。」
ギーシュの言葉に今度は少し固まってしまうモンモランシー。
その様子にギーシュは固まった理由を察し、少したしなめるように言う。
「駄目じゃないか、モンモランシー。性別を確かめずに名前を付けるなんて。違っていたらかわいそうだろ。」
「だ、だってしょうがないでしょ!なら、ギーシュ。あなたはカエルの性別が分かるって言うの!?」
ふくれっ面で返したモンモランシーの言葉にギーシュは悩む。
「確かに…、カエルの性別ってどう見分けるのかな?」
「でしょ。」
二人が他愛の無い事で悩んでいると割って入るように何者かが割ってくる。
誰かと思い、二人がそちらに顔を動かすと、そこには先ほど食べた筈の魚もどきがいた。
そして魚モドキはまた、平然と言う。
「両生類だから、オッカマー。」
-暗転-
ルイズは、ナウ゛ェ(先程のメイドが丁度洗濯もの物を干し終えて、次の仕事に移る所だったので、頼んでまた作ってもらった。)をやっと召還出来た平民の少年とつつきながら、虚空を見上げて呟いた。
「わざわざ甦らんでもいいのに…。」
「わざわざ甦らんでもいいのに…。」
この後、ルイズと召還した少年はフーケ、ワルドは勿論、7万のアルビオン兵と一つのナウ゛ェをつつく羽目になるのだが、その場にいた全員が全員、事実を記憶から抹消しているので、記録に残る事がなかったそうな。
完
「南国少年パプワくん」から「ちょうちんアンコウのマミヤくん」を召喚
おまけ
「ワシの酒がのめんかー!!」
「ああ、既に出来上がっらっしゃる!」
「び、ビダーシャル!お前が一番手だ。早く芸をせんか、芸を!」
「く、くぅ!縦じまのハンカチが横じ…」
「ああ、既に出来上がっらっしゃる!」
「び、ビダーシャル!お前が一番手だ。早く芸をせんか、芸を!」
「く、くぅ!縦じまのハンカチが横じ…」
ボゥ!!
「ああ、ビダーシャル!生きているか!!」
エルフがブリミルを悪魔呼ばわりするのも無理もないといえよう。
エルフがブリミルを悪魔呼ばわりするのも無理もないといえよう。