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あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

GIFT06

最終更新:2008年05月29日 00:25

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 ルイズが、アンリエッタ姫の『お芝居』と『おねだり』あるいは『愚痴』につき合わされている頃……。

 オスマンの秘書、ミス・ロングビルは一人深夜の見まわりを行っていた。
 別に誰かに言われたわけではなく、自発的な行動である。
 この魔法学院に忍びこもうなどという度胸のある泥棒はそういない。
 ゆえに、当直の教師も仕事を忘れてベッドで眠りこけるさえ珍しくなかった。
 少し前城壁に大穴をあけられた時にはピリピリしていたものの、今ではすっかり元に戻っている。
 しかし、何事にも用心に越したことはない。
 頼まれもしないの見まわりをする理由を誰かに尋ねられれば、ロングビルはそう答えたことだろう。
 でも、それはあくまで表向きだ。
 理由は……別にある。
 ロングビルは、本塔の周辺を回った後、大きな溜め息を吐いた。 
 やはり、この塔は堅牢だ。とてものことに、陥落させることはできそうにない。
 正面突破は不可能に近かった。
 苛立ちと失望感が、女の目には宿っていた。
 しかし、それはすぐに別のものへと切りかわり、視点も本塔から女子寮のほうへと移った。
 ロングビルの顔は、有能で生真面目な秘書のものではなかった。
 やっぱり、あの小娘を利用するべきか……。
 ロングビルは顎に手を当てながら考えを巡らせる。
 その脳裡には、桃色がかった金髪の少女が浮かんでいた。
 以前のルイズなら少しばかり口車を使えば、どうとでも操れただろう。
 だが、今のルイズは勝手が違う。
 教師たちは、魔法の使えぬ劣等感や苛立ちから、ついに『切れた』のだろうと言っていた。
 確かに、年頃の少年少女が、ふとしたきっかけでぐれる……不良になるということは、ままある。
 ルイズの場合、むしろそうならなかったことが不思議でさえあったのだ。
 だが、しかし。
 いいや、違う。違うんだよ……。
 ロングビルは女子寮を見ながら思った。
 あれは、あの変化は……ぐれるとか、そんな低次元の話ではないのだ。
 もっと、得体の知れない危険で、おぞましいものが背景にあると、ロングビルは推測していた。
 確証というものはない。
 それは一種の動物的な勘からくるものだったが……。
 間違いはないね。
 そう、ロングビルは確信していた。
 自らの直感によって、今まで幾度も窮地を脱してきたのだから。
 ただのガキのくせに、ぞっとするようなものをその内に隠している。
 あいつは、毒蛇か蠍……さもなきゃあ、化け物だ。
 ルイズの顔を思い出し、ロングビルはぶるりと身を震わせた。
 まさか、自分があんな小娘にこんな感情を抱くとは……。
 だが、次の瞬間――ロングビルは杖を手にしていた。
 「『土くれ』だな?」
 背後から、声がかかった。
 それは、力強い若い男の声だった。
 「どなたです?」
 ロングビルは学院長秘書の仮面をかぶりながら、ゆっくりと脅えた表情で振り返った。
 白い仮面をかぶった、長身の黒マントが闇の中に立っていた。
 『私は不審人物です』という看板を背負って歩いているような相手だった。
 「『土くれ』のフーケ。お前に話があってきた」
 「な、何を言っているんですか……! あなた、誰です……!!」
 ロングビルは震えながら後ずさりをした。
 しかし仮面は冷笑を漏らし、
 「盗賊稼業からは、もう足を洗ったのか? マチルダ・オブ・サウスコーダ」
 その名を出された途端、ロングビルの顔から、秘書の仮面がはがれ落ちた。
 現れた素顔は、トリステインを騒がす怪盗・『土くれ』のフーケ。
 「引退したという顔ではないな。安心したぞ」
 「脅迫でもしにきたのかい?」
 冷たい目で黒マントの仮面を睨みながら、ロングビル……フーケは言った。
 「そんなくだらんことではないさ」
 仮面はさらに笑った。
 「お前を、同士として迎え入れたい。そのためにきたのだ」
 「はあ? 私に仲間になれって? てこたあ……あんたも盗人かい?」
 「違う!」
 半分からかうつもりで放ったフーケの言葉に、男は鋭い声で切り返した。
 「なら、あんた何者さ?」
 「我々か? 貴族をハルケギニアの将来を憂い、国境を越えて繋がった貴族の連盟さ」
 「そいつはまたでっかく出たねえ。それで?」
 「我々に国境はない。ハルケギニアは我らの手で一つとなる」
 そして、と、仮面はゆっくりと手を広げ、
 「始祖ブリミルの降臨せし、聖地を取り戻すのだ」
 「ごたいそうなこった」
 フーケはせせら笑い、
 「そのご偉業を考えていらっしゃる、あなたがたは一体どなた様で?」
 「それを教える前に聞こう。仲間に入るか、否か」
 「NOとこたえりゃあ、死んでもらうってかい?」
 「その通りだ」
 「こんなこそ泥を脅迫とはね。そんなことで、聖地を取り戻すなんてできるのかい?」
 「できるさ」
 「自信たっぷりだね。しかし、本当にあの強力なエルフに勝てるのかい? 昔から何度もやっちゃいるが……」
 と、フーケは考えるようなそぶりで仮面を見ながら、
 「負け戦を繰り返してきたじゃあないか……ずうっとさぁ」
 ふふふ。フーケは目を細めて笑う。
 「奴らに勝つには……。そう、それこそ、私ら人間の常識を越えた、化け物みたいな力がいると思うけどねえ……」
 そう言った時、フーケの脳裡には、何故かルイズの顔が浮かんだ。
 もっとも、そんなもんあったとしても人間に手にはおえないだろうけどね。
 フーケはそんなニュアンスのこもった目で仮面を見ると、
 「それが、あるのさ。我らにはな」
 仮面はそう言って、肩を揺すってみせた。


 まだ朝もやがたちこめる早朝、ルイズとギーシュは馬の準備をしていた。
 両者共に旅支度であるのだが、ルイズは以前に街で買った黒服で身をつつみ、背中にはデルフリンガーを背負っていた。
 その下には、もはや肉体の一部であるブラック・コスチュームを着込んでいる。
 マントも、つけていない。
 とてものことに、貴族の令嬢とは思えない姿だった。
 「……」
 「……」
 「……」
 「……」
 「……」
 ルイズとギーシュ、どちらから、会話はない。
 そこにあるのは重苦しい沈黙だった。
 もっともルイズはそんなものなど感じていないらしく、きびきびとした動作で準備を進めていくが……。
 馬も何を感じとっているのか、ひどく緊張気味だった。
 いや、それ以上に緊張しているのはギーシュだった。
 ルイズと一切視線を合わせようとせず、血の気の失せたその顔は死人のようだ。
 アンリエッタの前で大見得を切った時の面影はまったくない。
 こいつ、こんなんでアルビオンにいく気? いや、ひょっとして私に脅えてるの?
 ルイズにすれば……思い当たることは大いにある。
 ちょっと悪のりしすぎたせいで、『ついうっかり』殺すところだった相手だ。
 トラウマを植えつけていても、別におかしくはない。
 でも、あの時は平気だったのよね、こいつ? いきなり部屋に怒鳴り込んできて、無礼者とほざいてたし……。
 今さらボコボコにされたことを思い出したのだろうか。
 そのへんはルイズには不思議だった。
 それとも、何か他の要因があるのだろうか。
 あるとすれば……。思いつくものは、アンリエッタの存在くらいか。
 アンリエッタの前だから見栄をはってた?
 それにしても、極端な気がしたが。
 そういえば……。
 ルイズは思い出す。以前に父から聞いた覚えがあった。
 これはある貴族の話で、その男は有名な伊達男として有名でプレイボーイ、いやさ、女好きとしても有名だったそうだが……。
 一つ弱みがあって、どうしようもないほどの暗所恐怖症・閉所恐怖症だったそうだ。
 狭くて暗い場所に入ると幼児返りして、誇りも名誉もなく泣き喚いたという。
 ところが、だ。
 その男、平民であろうが、貴族であろうが、とにかく美しい女と一緒にいる時は、暗い場所でも狭い場所でもまったく平気であったそうだ。
 理由のほうはよくわからない。
 強引に解釈するなら、その男の女の前でいい格好をしたいという欲求が、心の奥に刻み込まれたトラウマを凌駕していたためらしい。
 このパターンが、ギーシュにもあてはまる――とすれば、どうだろう?
 ギーシュがそこまで姫殿下に入れ込んでいるのが凄いのか、それとも、そこまでギーシュを入れこませる姫殿下がすごいのか。
 どっちにしろ面白いわ。くだらなくはあるけれど……。
 ルイズは笑わずにはいられなかった。
 くすくすくす。
 ルイズが笑うと、びくりとギーシュが震えた。
 まるで狼の前にした子犬のようだ。
 笑いながらも、ルイズはこちらに近づいてくる気配を感じとっていた。
 殺気らしきものはないが、ぴりぴりと警戒を感じさせるものには違いなかった。
 ルイズが知らん顔をして笑っていると、朝もやをぬうようにして、一人の男が現れた。
 羽根帽子をかぶった、一目で貴族――メイジとわかる男だった。
 見覚えがある、確かアンリエッタ姫殿下の行列の中にいた男だ。
 「あんたの知り合い?」
 ルイズは小声でギーシュに言った。
 ギーシュは無言で首を振る。
 「あ、そ」
 ルイズは貴族に視線を戻した。
 ようく見ると、どこか懐かしい顔だった。
 もっと以前にも会ったことがあるような気がしてきた。
 「……久しぶりだな、ルイズ! 僕のルイズ!」
 貴族はじっとルイズを見ていたが、やがてにこりと笑い、駆けよってきた。
 僕のルイズ? 何それ?
 ルイズはバカバカしいような、むず痒いような気持ちになった。
 生まれてこのかた、こんな馴れ馴れしい呼ばれかたを異性からされたのは父親依頼だ。
 今度はギーシュが、知り合い? と、脅えながらも目で尋ねてきた。
 知らないわよ。
 ルイズは目でそう返事をして、
 「どなた様?」
 羽根帽子に言った。
 「ルイズ、僕だよ! ワルドだ。ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド」
 「ワルド?」
 古い記憶のピース――そこにある一人の若者の顔が、目の前にいる男の顔と重なり合う。
 ああ、そうか、とルイズは気づいた。
 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
 父親同士の冗談ながら、ルイズの婚約者にあたる貴族。
 わりと最近、再会をしている。
 ただし、夢の中でのことだが――
 「まあ、ワルド子爵!」
 ぱんと手を打って、ルイズは叫んだ。
 「そうだよ、僕のルイズ」
 ワルドはほっとしたように微笑み、ルイズに近づく。
 ルイズを抱き上げようとでも言うのか、両の手を差し出した。
 けれども、ワルドの手が触れる前に、ルイズはすっとワルドから離れてしまう。
 何気ない動作だったけれど、その動きは狩人の矢から逃げる狐のように俊敏だった。
 「ルイズ?」
 戸惑うワルドに対して、ルイズは困ったように首をかしげた。
 「あの、子爵様? 少し質問してもよろしいかしら? その、細かいことなのですけれど」
 「あ、ああ、なんだい?」
 「その、なんですか? 僕の――と、さっきおっしゃいましたが、あれはそのどういう意味かしら?」
 「え?」
 「まるで私はあなたの所有物、というか、恋人のような言われかたですけど……」
 言葉につまるワルドに、ルイズはにこりと微笑んだ。
 「――私、あなたの恋人でしたのかしら? 生憎そういった記憶はございませんけれど」
 笑っているが、それとは正反対の感情をまとった笑みだった。
 いや、違う。そうではなくて……ないのだ。
 感情がない。
 怒りも、喜びも、悲しみも、そこには欠片ほどもありはしなかった。
 あるのは、冷えた氷のような空気だけだった。
 「ルイズ……」
 「それとも、まさか婚約者同士とか言われるおつもり? あれは、お酒の席の、ただの戯言でしょう?」
 「ルイズ、待ってくれ――」
 ワルドは真剣な顔でルイズを見つめた。
 「確かに、君をずっとほっておいたのは悪かった。謝るよ。でも、僕は君を忘れたことなんか一度も」
 「ずいぶん出世をなされたようにお見受けしますけれど、軍務がお忙しかったのかしら」
 ワルドの弁解を遮り、ルイズは尋ねた。
 「ああ……。父が死んだ後、すぐ魔法衛士隊に入ってね。苦労はしたが……おかげで今は、グリフォン隊の隊長だ」
 「まあ、素敵ね」
 「言い訳ととられても仕方ないけれど、少しでも早く立派な貴族になりたかったんだ。出世して、君を迎えにいきたくて」
 「それは、ありがとう……。でも、やっぱりあれは子供の頃のことだわ」
 「ルイズ」
 「私は本当にただのおチビだったし、あなただって……」
 「お願いだ、話を聞いてくれ」
 「何について?」
 ワルドの態度に反し、ルイズはあくまでも他人顔だった。
 「というか、あなたは何をしにここへいらしたの?」
 「姫殿下に君たちに同行するように命じられてね。君たちだけではやはり心もとないらしい。いや、気を悪くしないでくれ」
 「なあんだ、ちゃんとした人材が、いるんじゃない? ねえ?」
 ワルドを無視し、ルイズは呆れたようにギーシュに言った。
 いきなり話をふられたギーシュは肯定していいのか、否定してのいいのかわからず、目をパチクリさせるだけだった。
 そもそも、いきなり目の前で痴話喧嘩か修羅場かという展開を見せられて困り果てていたのだ。
 「わざわざゼロと、せこいドットメイジなんか使わなくても、ワルド子爵一人で十分だわ」
 おいおい、こいつ何を言い出すんだ!?
 ルイズの発言に、ギーシュは先ほどとは別種の不安に駆られた。
 まさか、このワルド子爵とやらに任務を丸投げするつもりじゃないだろうな?
 ワルドもそれを感じたのか、焦ったように、
 「いや、僕はあくまでも護衛さ。お忍びの任務とはいえ、相手は一国の皇太子だ。やはり相応の使者でなければ無礼にあたるよ」
 「そう言われれば、そうね」
 ルイズはやれやれとばかりに、肩をすくめた。
 「まあ戦力が増えるっていうのは、心強いわね。じゃ、出発しましょ」
 そう言うと、ルイズはいきなりギーシュを首ねっこを捕まえた。
 「わああ!! な、何を!?」
 ギーシュは決闘での恐怖を改めて思い出したのか、顔を青くした。
 「お、おい、どうしたんだいルイズ?」
 ワルドも声をかけるが、ルイズは答えずにギーシュの服をひんむき始めた。
 「な、何をするんだ!?」
 ギーシュは当然のように抗議するが、ルイズは取り合わない。
 どこからか取り出した服を無理やりギーシュに着せていった。
 そして、最後にウェーブのカツラをかぶせた。
 「即興だけど、けっこういけるじゃない」
 『完成』したギーシュを見て、ルイズはニヤッと笑った。
 そこにいたのはキザな貴族の少年ではなく、背の高い細身の少女メイジ。
 声を出せばすぐにバレるだろうが、もともとヒョロヒョロで、かつ美形であったギーシュは見事な美少女へと変身していた。
 「な、何の真似だい、これは……?」
 「あなたはあっち」
 ルイズは泣きそうな顔のギーシュをワルドのほうへ突き飛ばしながら、
 「お嬢様は、護衛と一緒にいるものよ」
 「お、お嬢様?」
 反射的にギーシュを抱きとめたワルドは困惑の声をあげる。
 「そ。ワルド子爵、そちらは今からシエスタ・ド・グラモン」
 「え? なに? どういうこと?」
 ギーシュはあたふたしているだけだが、ワルドはルイズの意図を察したのか、
 「用心深いんだな」
 と、溜め息を吐いた。
 「で、私は……いえ、ボクは従者のマルトー」
 ルイズは自分を指さしてみせた。
 ギーシュを使者に仕立て上げ、自分は従者に扮する――これは、デルフリンガーから、
 「いざとなりゃ、あの色ボケを囮にでもすりゃいい」
 という言葉から着想を得たものだった。
 以前ならば策とはいえ、ギーシュなどの従者に身をやつすのはかなり抵抗があっただろうが、今のルイズはまったく平気だった。
 「さあ、参りましょう? お嬢様、そして子爵さま」
 ルイズは言いながらさっと馬にまたがる。
 ワルドはかすかに苦笑して、口笛を吹いた。
 それに応えて、朝もやの中から鷲と獅子の特性を併せ持つ幻獣・グリフォンが現れた。


 ワルドが女装したギーシュを乗せてグリフォンを走らせる後、ルイズは巧みに馬を駆ってそれに続く。
 本来ならグリフォンの速度とタフさは、馬など比較にはならないのだが……。
 ワルドはできるだけ速度を調節し、ルイズの馬がついてこれるようにしていた。
 それでもやはり相当の速度で走るため、ルイズは途中の駅で三度ほど馬を替えたが。
 ギーシュはちらちらと後ろを見たが、馬はともかくルイズはまるでへばった様子を見せていなかった。
 容姿とは裏腹に、ワルドに負けず劣らぬタフさだった。
 下手をすると、ワルドよりも上かもしれない。
 「君は、ルイズとは友達かい?」
 ワルドは気さくな調子で後ろのギーシュに話しかけてきた。
 「ええ。まあ……」
 はっきり言って、友人と言えるような関係ではない。
 少し前までは『ゼロのルイズ』と馬鹿にしていたし、決闘ではもう少しで殺されるところだった。
 幸いなのは、ルイズの攻撃力があまりにも強すぎたせいか、その恐怖をよく理解する前に、何が何だかわからなくなってしまったことか。
 実際、ギーシュはあの決闘でのことを半分も覚えていない。
 鮮明に覚えているのは、ルイズへの恐怖だけだ。
 が、ワルドとルイズの関係を考慮、それに自身の見栄を含めてギーシュは無難な返事をした。
 「そうかい、僕はもしかして君がルイズの恋人かと思ったよ」
 「ははは……。まさか……」
 ギーシュは冷や汗を流す。
 確かにルイズは、見栄えはよい。ものすごい美少女といってもよろしい。
 だが、あの性格や行動を見て、恋仲になりたいと思う男などいるだろうか?
 前からきつい性格だったが、今はもうそんなレベルではない……。
 今のルイズは、以前には傲慢さと冷酷さを醸し出している。
 何かあれば踏みつけにされて豚扱いされそうだった。
 ……特殊な性癖を持つ人間ならば大好物かもしれないが、生憎ギーシュにはそういった嗜好はない。
 「ルイズは、学院ではどんな様子だったかな?」
 そう聞かれて、またもギーシュは困った。
 素直に応えるなら、魔法が使えないのでゼロのルイズと呼ばれ、馬鹿にされて友達もいませんでした、となるのだろうが……。
 さすがに率直に言うのは気が咎めた。
 ルイズ自身は、だからなに? で、すませそうだが、ワルドはかなり気を悪くするだろう。
 そうかといって、デタラメを並べ立てるのもどうかと思う。
 「ええと、あのですね……」
 「相変わらずか」
 ギーシュが返事に困っていると、ワルドは何かを察したように、そして懐かしむように言った。
 「彼女は魔法が使えないせいで、小さい頃からできのいい姉たちと比べられていてね、よく一人で泣いていたものさ」
 そう言われても、ギーシュには想像がつかなかった。
 一人で泣いている?
 あの、世界が滅亡したって自分一人は生き残ってみせると豪語しそうなルイズが?
 しかし――あるいはそんなものかもしれないと、またギーシュはルイズを見た。
 今の凛とした男装姿からは、やはり想像できない。
 「あの、子爵と彼女はやっぱり……?」
 「許婚同士さ。すっかり嫌われてしまったようだがね」
 ワルドは照れたように苦笑した。
 「――なぁに、旅はいい機会さ。トリステインに戻るまでに、絶対彼女の心をつかんでみせるよ」
 豪快に笑うワルドの声に、ギーシュは素直にかっこいいなと思ってしまう。
 同時に、男として、決して小さくはない敗北も感じたけれど。


 ラ・ロシェールの入り口付近まできた時、ルイズは急に馬を止めた。
 日はとっくに落ち、夜中になっている。
 「どうかしたかい?」
 グリフォンを止め、ワルドが振り返った。
 「いいえ。別に」
 ルイズは首を振り、すぐに馬を進めていった。
 無論、何でもないことはなかった。
 すぐ近くに、いくつもの殺気を感じるのだ。
 その殺気は間違いなくルイズたちに向けられていた。
 誰かが、私たちを狙ってる。でも、何者かしら? わざわざメイジを、それもグリフォンに乗っているメイジを狙う盗賊?
 何と物好きな! それとも――何か別の意図があるのか?
 ルイズはかすかに目を細め、殺気の動きを感じ取る。
 ぴりぴりと危険信号が鳴り響いた。
 いきなり崖の上から明るいもの――松明が投げ込まれてきた。
 しかし、それはルイズにとってはすでに予測ずみのものでしかなかった。
 「敵襲だ!」
 ワルドが叫んだ。
 その同時にルイズは馬を飛びおり、杖を抜いて呪文を詠唱する。
 松明は地面に落ちる前に爆風で吹き飛ばされた。
 火の粉が舞い、ルイズたちを照らしていた明かりは霧散していった。
 そこか。
 ルイズは崖の上の気配に、杖を振るった。
 爆発と共に、悲鳴が木霊する。
 ルイズはくく、と笑みを漏らした。
 意識を集中する。
 まるでレーダーのように、不可視の蜘蛛の糸が周辺に張り巡らされていった。
 敵がどう動いているのか、どう攻撃するのか――それらの情報が振動を介してルイズに伝わってきた。
 ルイズは矢継ぎ早に魔法を放った。
 一見すれば無茶苦茶にやっているだけだ。
 しかし、爆発は例外なく敵に命中していく。
 「――なんだ、何が起こってる!?」
 ギーシュは暗さのせい状況を把握しきれず、キョロキョロしながら喚き散らすばかりだった。
 はっきりいって、ものすごくうざい。
 「黙れ」
 ルイズは舌打ちをして、その腹に拳を叩き込んだ。
 ギーシュは他愛もなく失神し、崩れ落ちた。
 「ルイズ、やめろ! めくら滅法にやったって危険なだけだ!」
 ワルドは強い力でルイズの肩をつかんだ。
 めくら滅法だと? ふざけるな! 私は奴らに、確実に命中させているんだ。
 ルイズは頭に血が昇るのを抑えながら、ワルドの手を強引に跳ねのけた。
 そして、残る敵を仕留めていく。
 全ての気配が動かなくなるのを感じてから、ルイズはようやく杖をおろした。
 「ルイズ、君は」
 ワルドが声をかけようとした途端、ルイズはいきなり上空に向けて杖を振った。
 爆発が起こった。
 きゅいーー!!
 高い悲鳴が轟き、大きな羽根音と共に何が降下してくる。
 「風竜か?」
 ワルドは首をかしげ、言った。
 「……ずいぶんな歓迎ね、ルイズ」
 そう言って、赤い髪をした女が、風竜から飛び降りた。
 同じように、青い髪の少女がふわりとその横に立つ。
 驚いたことに寝間着姿で。
 「何をしにきた、ツェルプストー」
 ルイズは杖を構えたまま、赤毛の女に言った。
 男装していることを意識し、できるだけ男のような口調でしゃべる。
 「驚かないの?」
 「驚いてる」
 「そうは見えないけど」
 キュルケはそう言うが、実際ルイズは驚いていた。
 移動途中ワルドに気を取られていたせいか、風竜に乗ったキュルケたちの接近に気づかなかったのだ。
 おそらく、彼女らに殺気や害意がなかったせいだろう。
 ちっ。この力も、完全じゃあないってことか……。
 ルイズは、『使い魔』の力にもむらがあり、決して万能でも完全でもないことを痛感した。
 「何故ここにいる」
 「朝方、窓からあなたたちが馬に乗って出かけるのを見たのよ。で、急いでタバサを叩き起こしてつけてきたの」
 「そう」
 この暇人どもめ。
 「知られたからには……しょうがないか」
 ルイズが目を細めると、いきなりタバサが杖を構えてキュルケの前に立った。
 ルイズは杖を突き出したまま、一歩一歩キュルケとタバサに近づく。
 その雰囲気を悟ってか、キュルケの顔色も変わる。
 「待つんだ、ルイズ」
 ワルドが制止した。
 ルイズはうるさそうに、
 「これは国に行き先を左右することよ。異国の人間には知られるのはまずいでしょう?」
 「君の友達だろう?」
 「友達?」
 その言葉を聞いて、ルイズはぴたりと止まったが、
 「友達? あっはっはっははっはあっはははっはは!!!」
 腹を抱えて爆笑した。
 「ともだち、ですって? あはははは!」
 笑わせるな。
 ルイズはつぶやいて笑みを止めた。
 「まあ、いいわ。人手があったほうがいいかもしれない」
 キュルケとタバサを見て、
 「ここまでついてきた以上は、協力してもらうわよ?」
 「ええ、いいわよ。面白そうだしね」
 キュルケはふふんと大きな胸を突き出して笑ってみせた。
 タバサは無言でうなずく。
 「なら、いいわ」
 ルイズ杖をしまい、失神しているギーシュのもとへ向かった。
 「さあ、お嬢様、起きてくださいませ? こんなところで眠られてはお風邪をめしますわ」
 乱暴に頬を張って、ギーシュを叩き起こす。
 キュルケは緊張感が解けると、にこっと笑ってワルドに近づいていった。
 「おひげが素敵ね。あなた、情熱はご存知?」
 「協力は感謝して受けるが、君と恋の詩を語り合う気はないな」
 「あらん?」
 「婚約者に、嫌われたくはないのでね」
 「ふうん?」
 キュルケは、ワルドの視線がルイズのほうに向かっているのを見た。
 ルイズのほうは、特にこちらに気づく様子……否、興味を持ってはいないようだった。
 ほら、起きて? と、ギーシュをはたいている。
 「もう嫌われてるようにも見えるけど?」
 「それを言われると辛いな。だが、君に鞍替えする気はさらさらないぜ?」
 「へええ……。さすがは、ヴァリエールの婚約者ね」
 キュルケはまじまじとワルドを見る。
 やはり美形だ。体つきも魔法学院の若造たちと違ってたくましく、全身から男のフェロモンが出ている。
 いつもなら、真っ向からくどきにかかるだろう相手だった。
 それがヴァリエール家の婚約者とくればなおさらだ。
 ヴァリエールから恋人を奪うのは、ツェルプストー家の伝統である。
 しかし、肝心のルイズはワルドに対してひと欠けらの価値も感じていないようだった。
 キュルケはわずかなやり取りから、それを敏感に察知していた。
 ルイズにやる気がないのでは、張り合いがない。
 「あれ? ……あら?」
 キュルケはルイズと、ルイズが引っ張り起こしている『少女』を見て頭上に?マークを浮かべた。
 あの子、どこかで見たような……。
 つかつかと近づいてその顔を確認した途端、キュルケは噴き出した。
 「ちょ、ギーシュ!? いつから、そんな趣味になったの?!」
 「へ…? え? キュルケ? なんで、ここに? いや、これにはわけが……というか、ルイズが……」
 「ノン」
 ギーシュの喉もとに、ルイズの杖が突きつけられた。
 ひっく、としゃっくりのような声をあげて絶句するギーシュ。
 「お嬢様、あなたはギーシュなんて名前じゃない。シエスタ。シエスタ・ド・グラモンですよ?」
 「ルイ……」
 「ノン」
 ギーシュが声を出そうとすると、ルイズは首を振った。
 「ボクはマルトー」
 そして、ルイズはニッと笑いながら、キュルケとタバサを見た。
 「君たちの役名は、どんなのがいいかな?」
 ルイズは、少年そのものの口調でそう言った。
 「……ノリノリね?」
 キュルケは言った。
 「似合ってる」
 タバサがそうつぶやいた。
 「……どっちのこと」
 「両方」
 「そうね……」


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