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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • GIFT07

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

GIFT07

最終更新:2008年07月10日 21:27

匿名ユーザー

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 冗談じゃない。
 ほとんど動かない片足を引きずり、男は逃げていた。
 メイジが相手だと聞いてはいたが、あんなとんでもない魔法を使うとは考えてもいなかった。
 弓で射かけた途端、どっかんどっかんとあちこちで爆発が起こった。
 わけのわからぬうちに吹っ飛ばされ、仲間も何人生き残っているかわからない。
 ひょっとすれば、もう自分以外死んでいるのかもしれなかった。
 どっちにしろ、ここに長居はできない。逃げなければ。
 必死になってもがいているところ、男はいきなり首ねっこをつかまれた。
 そして直後、恐ろしい力で引っ張れ、地面に転がされた。
 男は力に山のような大男、さもなければ、オーク鬼か何か、狂暴な亜人の姿を想像した。
 しかし、その予想とは裏腹に、男の前に立ったのは、十五になるかどうかも怪しい少年だった。
 桃色がかった金髪で、色白でほっそりとした、まるで少女のような顔をした美少年であった。
 野盗なんかの相手をしているより、ベッドで熟した肉体を持てあました貴婦人か、さもなければ殿様の相手でもしているのが似合いそうだ。
 「生き残ってるのは、お前だけだ」
 可愛らしい声で少年は言った。
 声変わりさえすんでいないのか。
 男は内心で嘲笑い、少年を見上げる。
 尋問でもするつもりかもしれないが、こんなガキを相手に遅れをとる気はない。いざとなれば丸め込んで……。
 「何で、ボクらを襲った?」
 「そりゃあ、ボクちゃんが可愛かったからさ。そのお尻に俺も仲間も見惚れちまってねえ、つい」
 わざと下卑た笑みを浮かべて、男は答えた。
 「ふーん。そーなんだ」
 しかし少年は別に気にした様子もなく、不釣り合いな背中の長剣を抜いた。
 脅しのつもりか。
 が、少年のとった行動は、『脅し』などという穏便なものではなかった。
 男の右目に、ごつんという衝撃と、焼けるような熱気が走った。
 衝撃は剣先が突きこまれたためで、感じたのは熱気ではなく激痛であることに気づくに、わずかだが時間を要した。
 悲鳴を上げそうになると、絶妙のタイミングで腹を蹴られた。
 臓物を全て吐き出しそうなショックに、激痛の悲鳴は押し流された。
 「何で、ボクらを襲った?」
 同じ台詞を少年は言った。
 「…………」
 答えなかったのは、痛みのせいか、それとも意地なのか、男にはわからなくなっていた。
 すると今度は顔の両端に鋭い痛みが走った。
 思わず手をやると、ぬるりとした血の感触の中、耳がなくなっていることに気づいた。
 切り落とされたのだ。
 それを自覚した時、また腹を蹴られた。
 男はついに嘔吐した。
 軽口なんか、きかなきゃ良かった……。
 男はひどく後悔したが、もう遅い。
 相手はチョウチョみたいな小僧っ子だと思っていたが、冗談ではない。蝶どころか、猛毒を持つ蠍だったのだ。
 そうでなければ、象もかみ殺す毒蛇だ。
 ひゅるんと、刃のうなる音がした。
 ぼとり、今度は鼻が落ちた。
 男は声にならない声をあげかけたが、鼻のなくなった顔面を容赦なく蹴られた。
 たまりかね、ついに男は両手を上げて許しを乞う。
 「ま、まっへふれ……!!」
 鼻が落とされたので、声がおかしくなってしまっていたが、意思は通じたらしく、少年は長剣を下ろした。
 しかし、鞘にしまったわけではないので、いつまた刃が飛んでくるかわからない。
 「は、はねへ、やろわれたらけなんら(か、金で、雇われただけなんだ)……」
 「誰に?」
 「わ、わからへえ(わ、わからねえ)……」
 「そう」
 間を置かず、右手の指が二本地面に散らばった。
 どの指が切断されたのか、男にはわからなかった。
 さらに指を切られた右手を、少年の靴が踏みにじる。
 ぽきぽきと骨が踏み砕かれる感触が、激痛を伴って押し寄せてきた。
 やめてくれ。本当にわからないんだ。
 そういう意味のことを言いながら、男は泣き顔でうめく。
 「はめんをふへへははら、はふぁらねえんら(仮面をつけてたから、わからねえんだ)……!」
 わかるのは、男で、メイジってことくらいだよ――男の話を意訳すると、こんなところだった。
 「本当らしいね」
 男が必死でうなずくと、少年は少し表情を和らげた。
 「わかったよ」
 これで解放されるのか、あまりにも手痛い犠牲を払ったが、何とか命を取り止めた。
 男はそう思って、安堵の息を吐いた。
 「じゃ、もう用はない。死ね」
 「へ?」
 男が顔を上げると、少年は長剣を一閃させた。
 文字通り、男の体は真っ二つに両断された。
 「容赦ねえな、相棒」
 長剣――デルフリンガーは呆れながら、しかし嬉しそうな声で言った。
 「人を殺しちゃったわ」
 少年、否――男装の少女ルイズは、デルフリンガーにぬぐいをかけながら、ふううと息をついた。
 「でも、思ったよりなんてことはないわね」
 「何を今さら……。さっき失敗魔法でボカンボカンと爆死させまくってたじゃねーかよ」
 「あ、そうか」
 ルイズは頭をかいて、
 「でも、魔法じゃなくこうやって直に手を下すと実感わくわね」
 「後悔でもしてるのか?」
 「いーえ、ぜんぜん?」
 ルイズは淡々と笑う。
 「むしろ、ざまみろニコッと爽やかな笑みが止まらないわ。人の命を取ろうとした奴らだもん。殺されたって文句は言わないでしょ」
 「まーな。しかし、どうせなら最初から俺を使ってくれたら良かったのによお。こんな拷問なんかじゃなくって、戦闘でど派手によお」
 「そのうちにね。多分……近いうちにそうなるわ」
 「頼むぜ、相棒?」
 「それにしても、あんたすっごい切れ味じゃない? 見直したわ」
 「嬉しいこと言ってくれるんじゃないの。戦闘で使ってくれりゃあ、とことん役に立つぜ」
 デルフリンガーを鞘に納めて、ルイズはワルドたちの元へ戻っていった。


 「あいつら、ただの物取りのようです」
 ワルドたちのもとへ戻ったルイズは、何食わぬ顔でそう言った。
 ギーシュは女装が恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしてうつむいたまま。
 キュルケはそんなギーシュを見てしつこく笑っている。
 タバサは相も変らぬ無表情だが、チラリとルイズの顔をうかがっているようだった。
 「ふむ。ならば捨て置こう」
 ひらりとグリフォンに跨るワルド。
 ルイズはすぐにギーシュ……シエスタ・ド・グラモンの手を取り、ワルドのもとへ連れていく。
 「では、子爵様。シエスタお嬢様をお願いいたします」
 「あ、ああ……」
 ワルドは微妙な表情でギーシュを抱きかかえ、後ろに座らせる。
 「では諸君――今日はラ・ロシェールに一泊して、明朝アルビオンに渡ろう」
 そう告げるワルドに、一行はうなずく。
 子爵と<男の令嬢>を乗せたグリフォンが飛び立った後、ルイズは馬も跨ろうとする。
 「なにか?」
 ルイズは手綱を持ったまま、後ろを向いて言った。
 青い髪の眼鏡少女がルイズを見ている。
 「さっきの盗賊たちは?」
 タバサが言った。
 「逃げたわ」
 「地獄へ?」
 「はあ?」
 「あなたから、血の匂いがする」
 タバサは、小さいがはっきりとした声でそう言った。
 「それで?」
 ルイズはかすかに笑う。
 少し遠いところでは風竜が待機しており、風竜のそばでキュルケがこちらを見ている。
 まず声は聞こえてはいないはずだ。
 「何故殺したの」
 また、タバサが言ってきた。
 罪人を問い詰める裁判官でも気取っているのか――
 「――ボクを殺そうとしたから。いけませんか? タバサお嬢様」
 男口調でルイズは笑ってから、気取った仕草でふわりと馬に跨る。
 「気に入らないなら、さっさと学院に帰れば? そのほうが安全よ」
 ルイズはキュルケにも聞こえるよう、大きな声で言った。
 「はっ! 馬鹿言わないで、こんな面白そうな状況で帰れるもんですか」
 いかにも勝気な声で言い返すキュルケ。
 「言うじゃない。今なら、あんたの無駄にでかい胸も好きになれたりするかもね」
 ルイズはニッと笑い、グリフォンの後を追って馬を走らせた。
 「何を話してたの?」
 キュルケはタバサの小さな体に胸を擦りつけるように近づき、尋ねた。
 「……彼女は、とても危険だと思う。……けれど」
 タバサは静かに言って、杖を握り締めた。


 「明日にならないと船は出ない……か。これは困りましたね?」
 キュルケたちを待たせてある『女神の杵』亭に向かう道、ルイズはさてどうしましょうか、とワルドを仰ぎ見た。
 ワルドはキザっぽく羽根帽子の端を持ち上げ、
 「まあ、こうなってしまっては仕方もない。明日一日ここで休日を過ごすとしよう」
 「結構なことで……」
 ルイズは唇に笑みを浮かべたけれども、その瞳は少しも笑って……いないわけではない。
 笑ってはいるが、決して気持ちのいい笑みではなかった。
 まったく、マヌケなことになった。
 国難を前にした任務だっていうのに。
 こんな馬鹿やってていいのかしらねえ?
 だが、ワルドのほうも、面の皮は分厚いようで、
 「そうだな。お互いのことを分かり合う、いい機会だと思うよ?」
 そっと、嫌味のない、さりげない動作でルイズの肩に手を置いた。
 しかしキザな紳士のアプローチを、桃髪をした男装の令嬢はお気には召さなかったようだ。
 するりと柔軟な動きでそれを振り払い、おおげさなほど眼を見開いてワルドを見つめる。
 「ボクは男です!!」
 と、大きな声で言い放った。
 これに驚いた周辺の群衆は一様にルイズ、そしてワルドを見る。
 その直後に、くすくすという笑い声や、いやあねえと眉をひそめた視線がワルドに向けられた。
 図としては、美少年に色眼を使う色男というものになるのか。
 詩や恋物語にはまりこんでいる、夢見がちな令嬢たちが好きそうな構図だ。
 最近上流階級の少女たちの間では、美少年同士の恋物語がはやっているらしい。
 さらにルイズにも、
 「坊や! ケツに貞操帯つけといたほうがいいぜ!」
 そんな下卑た声が飛ばされた。
 アルコールが相当入っているのは明白――な声だった。
 「もうしわけありませんが……ボク、男性にそういう興味はありませんので!」
 ルイズは少年口調で言い、そのまま駆け出してしまった。
 ワルドに向けられる笑いはさらに強くなる。
 おい、見てみろよ、あそこにオカマ野郎がいるぞ、と――
 「やれやれ、ずいぶんと嫌われてしまったな」
 ワルドは羽根帽子を目深にかぶり直す。
 もうすでにルイズの姿は見えなくなっている。
 恐ろしくすばしこい。
 この分では、あの虚無の系統である少女を手に入れるのは、骨が折れるだろう。
 そして、今回の任務を成功させることも。
 今晩ゆっくりと話したかったが、どうやら諦めたほうが良さそうだ。


 ワルドを置いて『女神の杵』亭に戻ったルイズは、一階の酒場でくつろいでいるキュルケたちの元へ向かった。
 その前に、いくつかの部屋を取って――
 キュルケはワイングラスを手にへばっており、ちらちらと酒場の男たちを観察しているようだった。
 女装のギーシュは顔をうつむかせて、できるだけ他人と顔を合わせないようにしていた。
 それはそうだろう、万が一男だとバレたら大恥なのだから。
 タバサは、もしゃもしゃと料理を口に運んでいた。
 どこかで買ったのか、従者みたいな、およそ貴族らしからぬ服を着ていた。
 しかも、男もの。
 小柄ですとんとした体型と短い髪という要素も加わり、杖を持っていなければ、宿屋の手伝いをしている男の子でも通るかもしれない。
 「船は明後日じゃないと出ないそうです」
 慇懃な態度で、そう報告した。
 ギーシュ……いや、ミス・グラモンはげんなりとした顔で、桃色髪の小姓を睨む。
 小姓はそれを気にした風もなく、さらに慇懃な態度で鍵の束をテーブルに置く。
 「先ほど、部屋を取ってまいりました」
 「ああ、だったら私とタバサ……」
 言いかけるキュルケを、
 「いけません」
 いきなり、タバサがさえぎった。
 口調はいつも以上にかたい。
 「年頃のご令嬢が男と同室などとんでもありません」
 「はああ?」
 いきなり妙なことを言い出す親友の顔を見て、キュルケは眼を丸くした。
 男? 男ですって?
 この子はいきなり何を言い出すのだろう?
 ルイズはなんとなく、タバサの意図が読めた。
 なるほど、なるほど。
 よくわからないが、こいつも男になっておきたいわけだ。
 いいさ。
 「では、ミス・ツェルプストー……。シエスタお嬢様と相部屋ということで、よろしいでしょうか?」
 ルイズは薄く笑いながら、キュルケに言った。
 「シエスタって……」
 今、この場でそう呼ばれているのは……。
 シエスタ・ド・グラモンこと、青銅のギーシュは状況を理解しきれていないのか、あたふたとした顔でみんなの顔を見回していた。
 「よろしいですよね? 女性同士、なのですから」
 ルイズがジロリとギーシュを睨み、女性を強調して言った。
 「ああ……それとも、ワルド子爵との相部屋をお望みで? それなら、仕方ありませんが」
 キュルケはふっと笑い、赤い髪の毛をかきあげて、
 「わかったわ。私とシエスタが相部屋ね」
 「ありがとうございます」
 ルイズはぺこりと頭を下げた。
 「なら、マルトーはオレと相部屋だ」
 タバサは静かにそう言った。
 男言葉で。
 ふうん、なるほど。
 ルイズはタバサの顔を見る。
 どうもそれが狙いだったらしい。
 しかし、自分と相部屋とは、どういうことだろう?
 まさかそっちの気があるんじゃあないでしょうね――?
 ルイズは訝しく思いはしたけれど……
 特に危険を感じないし、殺意や敵意があるわけじゃなそうだ。
 そう判断した。
 「で、ワルド子爵は?」
 「腕のあるかたですし、別に一人でも大丈夫でしょう」
 キュルケの言葉に、ルイズはあっさりと言い捨てる。
 そんなルイズの態度に、キュルケはあのおひげの似合う美男子に軽く同情した。
 本気で興味ないのね、何だか子爵が可哀想になってきたわ。
 そうかといって、自分が慰めるつもりにもなれなかったが。
 「き、キュルケと相部屋? 今晩? まずい、これはまずい……ああ、まずいよ、モンモランシー……」
 横で、ギーシュは薬物中毒者(ジャンキー)みたいに、一人でブツブツとつぶやいていた。

 ワルド子爵が宿に戻った時には、ルイズたちはすでに部屋に引き上げた後だった。


 薄いカーテンの隙間から、月光が差し込んでいた。
 ルイズとタバサ。
 二人の少女はそれぞれ横になっているベッドの上で身じろぎもしない。
 「君は何を話したいんだい?」
 かすかに酒場からの声が響いてくる中、ルイズは目を閉じたまま言った。
 「ボクと話したいことがあるんだろう?」
 ルイズはわざとらしい少年声でタバサに言った。
 かすかな笑い声を含ませて。
 本人は意識していないが、そこには不思議な色香があった。
 「……あなたは一体誰?」
 タバサは、不実な恋人でも責めるような口調でルイズに言った。
 そんなタバサに、ルイズは唇の端を歪めた。
 「マルトー。シエスタ・ド・グラモンの従者」
 「ふざけないで」
 「お前こそ誰だ」
 ルイズは嘲りを隠しもしない声でタバサに言う。
 タバサの内部で、血液の流れる音が変わったのが、微細な振動を介してルイズに伝わってくる。
 どれほど鉄の仮面をかぶろうと、血液の流れ、脳の奥で絶えず弾ける小さな火花は制御できない。
 「貴族なのに家名もわからない。偽名臭い名前。ボクなんかより、あなたのほうがよほど胡散臭いと思いますけれども?」
 「……」
 それに対して、青い髪の才女はしばらく沈黙したままだったが、おもむろに――
 「あなたの秘密が知りたい。強さの秘密が」
 「強い? このボクが? またまたご冗談を……」
 謙虚な言葉とは裏腹に、ルイズの笑い声にはどうにもならない驕慢さがあった。
 ルイズはタバサが何を言いたいのかはよくわからない。
 というよりも、わかるつもりはなかった。
 自分の力、自分の使い魔――この生ける服の希少性はよくわかっている。
 どこの誰とも知れない相手、ましてあのツェルプストーの親友なんぞに誰が話すものか。
 仮に知ったとすれば、それはこいつがこの世に別れを告げる日だろう。
 「誰かの手助けが欲しければ……お友達のミス・ツェルプストーにでもご相談されたほうがよろしいかと思いますが?」
 「それは、できない」
 なんだ?
 タバサの口調が若干変わった。
 どうも、重たい何かを感じさせる。
 そうかといって、ルイズの心境に変化があったわけではないけれど。
 もしも、このチビ助が何かトラブルを抱えていて、ルイズの――いや、【ルイズたち】の力がそれを助けるのに有効であったとして……。
 それがなんだというのだ。
 こいつのために何かしてやる義理も人情も、爪の垢ほどもありはしない。 
 ルイズは過去のことを思い出す。
 こいつが一体何してくれた?
 自分が学院の中で辱めを受け続けていた時、このチビは何かしてくれたか?
 何もありはしないのだ。
 我関せずと本を読んでいただけじゃないか。
 笑うことはなかったが、助けてくれたわけでもない。
 今さらそれを責めるつもりはないが、かといって慈悲をかけるほどの恩情は受けてない。
 「でも、私には力が要る」
 タバサは無感情につぶやいた。
 「それが私に何の関係がある?」
 ルイズはかすかな苛立ちを覚えて、冷然と、素の口調で言った。
 「……………………」
 「まさか、あんた――どっかの王族の娘、お姫様か何かだと言うんじゃないでしょうね?」
 ルイズは意地悪く言った。
 「で、国にいる悪者をやっつけるのに、私の力が欲しいって?」
 無論、冗談に決まっている。
 悪に国を追われた姫君が、氏素性を隠し、名を変えて異国へ逃れる。
 もちろん逃げたままではなく、国を取り戻すことを胸に誓って。
 そのために、多くの協力者、仲間を必要としている――と。
 お芝居や子供の絵本でもあるまいし、そんなことが現実にそうそうあるものか。
 仮にあったとしても、ルイズの知ったことではない。
 「ま、たとえあんたがお姫様だろうが、王様だろうが、協力する気はないけどね」
 言い捨てて、ルイズは軽く寝返りを打った。
 飽きたのである。
 そのまま、小さな寝息をたててルイズは眠りについた。
 表情だけなら、どこかの美姫そのものだった。
 タバサは無言のまま、宿の天井を見つめていたが、やがてあきらめたように目を閉じた。


 朝日が部屋に差し込む頃、ルイズはすでに起き出し、宿の中庭を散歩していた。
 背中にはちゃんとデルフリンガーを背負っている。
 「昔は練兵場って聞いたけど、今は見る影もないね」
 ルイズは少年の口調で、デルフリンガーを少しだけ抜く。
 慣れてくると、少年になりきって行動するのはなかなかに楽しい、面白い。
 女のそれとは違った世界が見えてくるようだった。
 普段の自分と切り離した、別の人生を歩んでいるようだ。
 「今じゃただの物置場か。へ、時間の流れってのは残酷だねえ」
 ルイズがあちこちに積まれている樽の一つに腰掛けると、感慨深げにデルフリンガーは言った。
 「まるでお爺さんみたいだな?」
 「そう言われてもいい気分はしねえが……ま、人間の感覚で言えばそう見えるかもな。何しろ俺様は何千年も前に造られたからよ」
 「お前、そんな骨董品だったんだ?」
 「もっと嫌な言い方だぜ、それ?! 俺様はバリバリの現役だ。骨董なんかじゃねえ」
 「単純に古いって意味なんだけどな……」
 「もっと悪い!」
 「うるさいなー」
 ルイズはつぶやき、デルフリンガーを鞘に納めた。
 「何かご用ですか、子爵様」
 そう言って、樽から降りた。
 かすかに細めた目で。
 「やあ、気づかれてしまったか」
 少しばつの悪そうな顔で、物陰からひょっこりとワルドが顔を見せた。
 「その剣が君の使い魔なのかい?」
 ワルドはアンリエッタ姫殿下と同じようなことを言った。
 「まあ、そんなようなものです」
 ルイズも、あの時と同じようなことを言う。
 ただ、あの時とは違って少年の声だけれど。
 「しかしまさか、インテリジェンスソードとはな――」
 「何か問題でも?」
 「いや、そんなことはないさ」
 ワルドは笑って、ルイズに近づいていく。
 何か、嫌なものを感じる動作だった。
 「すまないが、その剣、抜いて見せてくれないか?」
 「なぜです?」
 「興味があるからさ」
 「そうですか……」
 ルイズはすっとデルフリンガーを抜いて見せた。
 ワルドはジッとデルフリンガーの刀身を見ていたが、ふと怪訝そうに顔を上げて、
 「ルイズ、見たところ使い魔のルーンがないようだが……」
 「は? 何をおっしゃってるんですか?」
 ルイズは変な顔で、ワルドを見返す。
 このおっさん、何を言ってるんだ?
 そんなニュアンスをたっぷりとこめて。
 「ルイズって、誰ですか?」
 「ええ?」
 「それって、女性の名前ですよね?」
 「いや……」
 「昨夜も言いましたが、ボク、男ですよ」
 何とも言いがたい、嫌そうな顔でルイズ……マルトーは言った。
 「あ、ああ! そうだったな! いや、すまない。少し、知り合いの女性と似ていたものでね、つい」
 ワルドはあわえたように苦笑して、羽根帽子をかぶり直す。
 「それって、ボクが女っぽいってことですか?」
 美貌の少年は口を尖らせる。
 「まあ、それはそれとしてだ。マルトーくん、このインテリジェンスソード、ルーンが見えないが?」
 「あ、そりゃそうでしょうねえ」
 「そうでしょうねえって……」
 「別に、正式な使い魔じゃないですから」
 ルイズはあっけらかんと言った。
 「しかし、君、さっき……」
 ワルドは少し声を強くしたが、
 「ボクは――そんなようなもの、としか言ってませんが?」
 いかにもその通りだった。
 ルイズは、別に――
 さて、ワルド子爵様。これなるインテリジェンスソードがわたくしめの使い魔でございます、と宣言したわけでもない。
 そんなようなもの、という曖昧なことしか言っていないのだ。
 「なら、君の使い魔は……」
 「【自分の部屋】に置いてきてます」
 「そ、そうだったのかい?」
 「何か問題でもあります?」
 「いや、問題はないが……残念だな、君の使い魔を見てみたかったのだが……」
 「見たってしょうがないと思いますけどね」
 ルイズは言いながら、デルフリンガーを鞘にしまって宿のほうへ戻っていく。
 「少し予定と違うな……。しかし、情報では彼女に間違いはずなんだが――」
 一人残ったワルドは、ブツブツと独り言をつぶやいていた。


 気に入らないやつだ、しつっこく人につきまといやがって。
 ルイズは苛々しながら宿屋の廊下を歩く。
 その異様な迫力にすれ違う人間は皆脅えて距離を取っていた。
 しかし……。
 置いてきた、か。
 ルイズは少し歩調を緩め、にやりと笑った。
 置いてきた。
 大嘘もいいところだ。
 使い魔は常に、自分と一緒にいるというのに。
 ルイズは服ごしに黒いコスチューム、自分の使い魔を撫でて、笑った。
 「さて、シエスタお嬢様のところへまいりますか」
 つぶやき、男装の少女は【主】となっている女装少年の部屋へと向かった。


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