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  • ベルセルク・ゼロ-18-2

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ベルセルク・ゼロ-18-2

最終更新:2008年07月19日 01:56

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 少女は裸足だった。その剥き出しになった足が、金属の光沢を帯びている。
 そしてその範囲は、徐々にふくらはぎへと上ってきていた。
 ギーシュは絶句した。
 生きた人間をそのまま鉄に錬成するなどありえない。
 この男の魔法はどれほどのレベルだというのか。
「くふふ、ふは、はぁーっはっはっ!!!!」
 グリズネフの耳障りな笑いが響く。
「理解したか!? 俺から杖を奪えば錬成は止まる!! 『女が彫像になっちまうまえに俺から杖を奪えるか』、それがルールだ!! 単純明快だろう!?」
 頭の裏で血管が千切れる音が聞こえた。
 怒りで頭がどうにかなりそうだった。
「やめろぉおおおおおお!!!!」
 残ったワルキューレを総動員してギーシュはグリズネフに迫る。しかし、グリズネフは先程錬成した鉄の弾丸を再び放った。
 ワルキューレはその全てが『散弾』の直撃を受け、バラバラになって吹き飛ぶ。
「ただしゴーレムは無しだ。お前自身で来い、ギーシュ!」
「く、うおおおおおおお!!!!」
 それでもギーシュは果敢に駆け出した。グリズネフは左手に持つ杖をひらひらと振ってみせる。
 その左手に向かって伸ばしたギーシュの右手はあっさりと空を切り、グリズネフの右膝がギーシュの腹部を蹴り上げた。
「ぐぅ……!」
 こみ上げる吐き気を抑え、顔を上げる。眼前には既にグリズネフの拳が迫っていた。
 鈍い音を立てて、鼻っ柱を叩かれる。先程ワルキューレを吹き飛ばして見せたグリズネフの拳だ。ギーシュはもんどりうって昏倒した。
「が…ぐぅ……!」
 鼻にやった手が血に濡れる。殴られた箇所が痛いというよりも、熱い。鼻骨を砕かれたかもしれない。
「ひぃ…いや……!」
 少女のか細い悲鳴が聞こえた。見ると、彼女の両足はすでに鉄と化し、錬成の範囲は腰にまで及ぼうとしていた。
「ぐ、がああああ!!」
 言う事を聞かない足を叱咤し、ふらふらになりながらも立ち上がる。
 すると目の前に杖が差し出されていた。思わず手を伸ばす。伸ばした手はあっさりと空を切り、足を掛けられ、ギーシュは再び転がった。
 げらげらと周囲の盗賊から笑い声があがり、口汚い野次が飛ぶ。
「ほらほらギーシュ。まず立ち上がらんことには俺から杖は奪えんぞ?」
 地面に転がったギーシュを踏みつけながらグリズネフは笑う。
 だめだ、このままではグリズネフから杖を奪うことなど到底叶わない。
 ならばどうする。
 奇襲だ。それしかない。
 精神力を限界まで振り絞れば、もう一体くらいの錬成は出来るはずだ。
 最悪、ワルキューレの形を保っていなくてもいい。この男自身が言っていたことだ。とりあえず手があれば武器を持つことは出来る。杖を奪うことは出来る。
 ギーシュは薔薇の造花を手に取った。
 その手をグリズネフに思い切り踏みつけられる。
「ぐぁあ!!」
「だから、ゴーレムはだめだって」
 ギーシュの手から零れ落ちた薔薇の造花をグリズネフは蹴り飛ばす。

「罰だ」
 グリズネフはギーシュの襟首を掴んで無理やり立たせると、今度は鉄を纏った拳をギーシュの腹に叩き込んだ。
「ぐ……!! おぇ……」
 崩れ落ちたギーシュはこみ上げる吐き気に抗えず、胃の中の物を盛大に吐き出した。
 痛みと屈辱で、涙がにじむ。
「見ろギーシュ」
 髪の毛を掴まれ、無理やり顔を上げさせられる。ギーシュの目に、もう首元まで鉄に覆われた少女の姿が目に入った。
 少女の顔は恐怖に歪み、瞳からはぼろぼろと涙が零れている。
 助けて、助けてと少女は声にならない叫びを繰り返していた。
「やめろぉ!!!!」
 ギーシュは悲痛な叫びを上げる。
「いいぜ、やめてやっても」
「えっ……?」
 思わぬ言葉にギーシュは目を丸くする。
 グリズネフはギーシュの髪から手を離して立ち上がった。
「土下座しろ、ギーシュ」
「なっ……!」
「土下座して、こう言うんだ。『身の程をわきまえず逆らってしまって申し訳ありませんでした。これからはグリズネフ様の手足となって従順に働きます』ってな」
「ふ、ふざけるな!! 誰がそんなことを……」
「なら杖を奪うか? まあ好きにしな。決めるのはてめえだ」
 グリズネフはあくまで余裕に、悠然とギーシュを見下ろしている。
 ギーシュは再び少女の方に目を向けた。既に顎の先まで鉄と化した少女は、もはや満足に動かなくなった口で助けてと繰り返す。
 胸が締め付けられる思いだった。自分の無力さにどうしようもなく腹が立った。
 少女の涙に濡れた瞳と目が合う。ギーシュの目からもたまらず涙が零れ落ちた。
 ギーシュはグリズネフの前で膝を着く。そして――――

「み、身の程をわきまえずに逆らって申し訳ありませんでした。これからは……これからは、グリズネフ…様……の手足となって、じゅ、従順に、働きます」

 そう言って、頭を下げた。
 血が出るほどに歯を食いしばって。

「くっはははははは!!!!!! そうかそうか! いい心がけじゃねえかギーシュ!! そうさ、世の中身の程はわきまえていこうぜ!! ふふ、くはは!!」
 グリズネフは腹を抱えて笑い始めた。
「さぁ、彼女を元に戻せ!!」
「おう、わかってる、わかってるって」
 笑いすぎてにじみ出た涙を指で拭いながら、グリズネフは杖を振った。


 ―――瞬間、錬成は少女を完全に侵食した。


 ギーシュの思考が止まる。
 完全な彫像と化した少女の瞳から、最後に流した涙が零れ落ちた。
「くははッ!!!! 思ったとおりだ!! いい顔するじゃねえかギーシュ!! やっぱり最高だぜお前は!!」
 狂ったように笑い転げるグリズネフ。
「があああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
 ギーシュは獣のように叫び、グリズネフに飛び掛ろうとして、右足が動かないことに気づいた。
 見ると、最初に見た土の腕が、再びギーシュの足を掴んでいた。
「ふぅ~……いやあ、ありがとよギーシュ。おかげで死ぬほど楽しめた。満足だよ。だからお前もういいや」
 グリズネフの手には再びナイフが握られている。
 ギーシュの喉にナイフが当てられる。先程の状況の再現だ。
 ただ、ギーシュにはもう錬成を行う精神力は無い。何よりグリズネフに蹴り飛ばされてしまって杖がない。
 ギーシュはぼろぼろと涙をこぼし、喉の奥から憎悪を込めて、搾り出すように目の前の男の名を呼んだ。
「グリズネフゥゥゥゥゥゥウウウ!!!!!!!」
「今度こそ、あばよ」
 そんなギーシュを嘲笑いながらグリズネフはナイフを持った腕に力を込める。

 ―――しかし、訪れた結末は先程と同様だった。
 ギーシュの喉は切り裂かれることはなく、グリズネフの体は吹き飛ばされる。

 『風』が吹き荒れていた。

 ばさ、ばさと、一頭のグリフォンがその翼を力強くはためかせ、悠然と降りてくる。
 その背から、一人の男がグリフォンの着地を待たず飛び降りた。
 『レビテーション』の魔力で男は音も無く着地する。長く美しい金髪がふわりと舞った。
 グリズネフは男を睨みつけながら立ち上がる。ワルキューレの突進を受けてもものともしなかったグリズネフが、口元に流れる血を拭った。
 男は彫像と化した少女のもとへと歩み寄る。杖を振り、ルーンを唱えた。
 パキン、と音を立て、少女の彫像に亀裂が走る。
「まさか……」
 グリズネフは驚愕する。
 次の瞬間、少女の体を覆っていた鉄の殻が弾け飛んだ。
 少女の胸は規則正しく上下していた。気を失っているらしいが、生きている。
 全裸になってしまった少女に、男は羽織っていたコートを優しくかける。
「俺の錬金をキャンセルするとは……てめえ、『スクウェア』だな」
「名乗ろうか」
 男は被っていた羽帽子を外すと優雅に一礼した。
「ワルド。ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。二つ名は『閃光』。お察しのとおり、『風』のスクウェアメイジだ」

 ワルドは少女を抱えると、倒れているギーシュに歩み寄った。
 ワルドが杖を振るとギーシュを拘束していた土の腕が崩れ落ちる。
「この子を連れて下がっていたまえ。置いていってすまなかった」
 そう言ってワルドはギーシュに少女を託した。ギーシュは頷くと、痛む体を引きずってグリズネフ達から距離をとる。
 そこに、グリフォンが降りてきた。グリフォンの上からルイズが顔を出す。
「ちょっと! 私もやるわよワルド!!」
 ルイズはボロボロにされたギーシュと少女の姿を見て怒りに燃えている。
 ワルドは困った顔をした。
「ルイズ、危険だから下がっていたまえ。ここは僕がやろう」
「嫌よ! 私を無能扱いしないで!! 私は『土くれ』のフーケだって捕まえた! 私だって、力になれるわ!!」
 しかしルイズは聞き入れない。
 ルイズの言葉を聞いて、数人の盗賊達がざわめき始めた。
「フーケ? 捕まったのかあいつ? でも俺昨日『ラ・ロシェール』の酒場であいつ見たぞ?」
「なんですって!?」
 ルイズは驚きの声を上げる。そんなはずはない。フーケは確かに自分たちの手で捕まえたのだ。
 では脱走したとでもいうのだろうか。トリステインでも最も警護が厳しいあのチェルノボーグの監獄を。
「何者かが手引きした、と考えるのが妥当だな」
 ワルドも苦虫を噛み潰したような顔で呟く。
「おいおい、俺を無視してくれるなよ」
 言われてワルドはグリズネフの方に目を向ける。既にグリズネフは『弾丸』の補給を済ませていた。
「ぬう!」
 咄嗟にワルドは杖を振るう。グリズネフによって『散弾』が放たれるのとワルド達の前に大気の壁が出来るのは同時だった。
 飛来した鉄のつぶてはワルドによって圧縮された大気の壁を前に、その進撃を阻まれる。
「俺も自己紹介しておこうか、ワルド。俺の名はグリズネフ。二つ名は『鉄屑』、『土』のスクウェアだ。よろしくな。そんで、あばよ!」
 ワルドは目を見開いた。
 グリズネフの放った弾丸は、ワルドの作り出した大気の壁にぶつかりながらもなお進撃し、遂には壁をぶち抜いた。
「くっ!!」
 ワルドが高速で杖を振るう。一瞬で詠唱を済ませ、大気の壁をぶち抜いた弾丸を、エア・ハンマーで叩き落す。
「何ぃ……?」
 今度はグリズネフが目を丸くした。これほど一瞬で魔法を発動させる男に出会ったのは、グリズネフも初めてだった。
「ルイズ」
 ワルドはグリフォンに歩み寄り、ルイズに優しく声をかける。
「彼は手ごわい。君はこのままグリフォンの上にいてくれ。ギーシュ君、君もグリフォンの上に」
 ギーシュは頷いて少女を抱えたままグリフォンに跨る。気を失った少女が落ちないようしっかりと抱きしめた。
「でも…!」
「大丈夫だルイズ。安心していい。君は僕が必ず守る」
 なおも食い下がるルイズにワルドは軽くウインクして見せた。
 ルイズが軽く口ごもった瞬間に合図を出し、グリフォンを飛び上がらせる。
「さて……」
 およそ10メイル程の距離をとって、ワルドとグリズネフが相対する。
「私も急いでいる身だ。悪いがすぐに終わらせてもらうよ、盗賊くん」
 ワルドはすらりと抜いた魔法の杖を剣のように構える。事実、ワルドの杖は切っ先がレイピアのように鋭くなっていて、剣としても十分に扱えるものだ。
「おもしれえよ、やってみろ優男」
 グリズネフは両手を鉄の拳に変えて打ち付ける。それから左手を前に出して「かかってきな」のジェスチャーをした。
 他の盗賊たちは遠巻きにそれを見守っている。当然だ。スクウェアメイジ同士の戦いに杖持たぬ凡人が入り込む余地は無い。
 ワルドが地を蹴り、まるで風のような速さでグリズネフに迫る。
 脳天めがけて振り下ろされた魔法の杖を、グリズネフは鉄と化した右手で思い切り払いのける。
 予想外の膂力にワルドの体勢が大きく崩れた。がら空きのボディめがけてグリズネフは左手を突き出した。
 ギーシュに放ったものとは違う、ワルキューレをひしゃげさせた本気の一撃だ。人間の体に当たれば簡単に骨ごと粉砕する威力。
 しかしワルドも迫る拳を蹴り上げることでそらす。足を振り上げた勢いのまま一度後転し、体勢を立て直した。
 体勢を立て直したワルドは、今度は高速で突きを繰り出す。まるで疾風の如く繰り出されるそれを、グリズネフは両手でさばく。
 だが、さばくのが精一杯で、攻撃に転じることが出来ない。それほどに、ワルドの剣さばきは速かった。
 そしてワルドの剣は速いだけではない。その動き全てが呪文の詠唱につながっているのだ。
「エア・ハンマー!!」
 突きを繰り出しながら、同時に魔法を発動させる。グリズネフの体が風の槌に叩かれ、吹き飛んだ。
「けっ!」
 吹き飛びながら、グリズネフは腰に差した杖を抜く。詠唱は一瞬だ。
 ワルドの足元の土が盛り上がり、拳の形をとってワルドの体を殴りつけた。
「ぐっ……!」
 即座に杖を振って破壊する。グリズネフはたっぷり15メイルは吹き飛ぶと、口を拭いながら立ち上がった。
「くはは、久しぶりにおもしれえなぁ。やるじゃねえかアンタ。まったく今日は最高だ。楽しすぎるぜ」
 普通なら意識を失ってもおかしくないくらいの衝撃を与えるエア・ハンマーの直撃を受けて、グリズネフはなお飄々と笑う。
 そんなグリズネフを、ワルドは冷たい瞳で見つめた。
「もう少し付き合ってやってもいいが……終わりにしよう。『鉄屑』のグリズネフ」
「そんなつれねえこと言うなよ『閃光』のワルド。って、あん? なんだ?」
 ワルドの足元を中心に、風が巻き起こる。
 円を描くように上へと昇る風は、細かな砂を巻き上げ、煙幕を作り出していく。
 巻き起こった土煙は、やがてワルドとグリズネフだけではなく、周囲で見守っていた盗賊たちをも包み込む。
「な、何が起こってるの?」
 グリフォンに乗って、上空から見守っていたルイズたちからも、二人の姿は見えなくなった。さながら、ワルドたちが立つ部分を茶色い雲が覆ってしまったかのようだ。
 グリズネフは辺りを覆う茶色い土煙を睨みつける。どれだけの土を巻き上げたのかはしらないが、しばらくは消えそうも無い厚さだ。
「…?」
 何か、悲鳴のようなものが聞こえたような気がして、グリズネフは耳を澄ます。
 それからいくつかの声が上がったかと思うと、すぐに静かになった。
(野郎……まさか………)
 やがて、前方の土煙からワルドが姿を現した。その手に持つ杖は赤く濡れている。
「やっぱりか……」
 グリズネフは忌々しげに呟いた。おそらく、部下は全滅してしまったに違いない。
「目くらましとは随分と狡い真似してくれんじゃねえか『閃光』さんよ」
 ワルドは笑った。
「これはね、君たちの目をごまかすためのものじゃないんだ」
「何……?」
 グリズネフの胸に激痛が走る。
 グリズネフは最初、何が起きたのかわからなかった。
 自分の胸から、鋭い剣が生えている。いや、血に濡れたソレは剣ではない。
 目の前にいるワルドが持つはずの魔法の杖だ。
「……?」
 グリズネフはゆっくりと後ろを振り向く。
 そこには、グリズネフの背中に杖を突き立てるワルドの姿があった。
 視線を前に戻す。そこにも確かにワルドはいる。
「風の……ユビキタス……!!」
 どこから現れたのか、いや、明らかに何もいなかったはずの空間から突如出現した二人のワルドが、さらにグリズネフの両脇腹に杖を突き立てる。
 グリズネフの口から大量の血がこぼれた。
「ば…かな……同時に…三体…だと……?」
 呆然と呟きながらグリズネフは震える手で杖を取る。
 すでに致命傷を負いながらも、グリズネフは最後に死力を振り絞る。
 吐き出した血を錬成し、紅く輝く刃を作り出す。その刃を伝う血を切っ先でさらに錬成する。それを高速で繰り返し、一瞬で三メイルにも及ぶ長剣を錬成した。
 それだけあれば目の前で悠然と佇むワルド本体に刃が届く。
「死ねコラアァァァアアアアア!!!!!!!!」
 突き出した刃は寸分の狂いなく目の前にいるワルドの心臓を貫いた。
「くっはははは!! ざまぁみやがれ!!」
 グリズネフの歓喜の声は、しかしつかの間のものだった。
「なん…だと……?」
 グリズネフの目が大きく見開かれた。
 胸を貫かれたワルドの姿が土煙に溶けて消える。土煙が晴れていくのと同時にグリズネフを貫いていたワルド達の姿も虚空に消えていく。
 『蓋』を失くしたグリズネフの傷口から盛大に血が噴き出した。
 グリズネフの体が崩れ落ち、土煙が風に流れて晴れる。

 ―――ワルドは最初の位置から一歩も動いてはいなかった。

「化け物め……」
 最後にぼそりと呟いて、『鉄屑』のグリズネフは静かに目を閉じた。

 上空からことの成り行きを見守っていたルイズ達には何がなにやらわからない。
 突然土煙が現れて、それが晴れたと思ったら、そこに立っていたのはワルド一人だった。

 ワルドが持ち合わせていた秘薬でギーシュの応急処置をしてから、一行は再び出発した。
 グリフォンの上には変わらずワルドとルイズが乗っていて、ギーシュは助け出した少女を後ろに乗せて馬を駆っていた。今度は置いていくようなことがないよう、こまめにワルド達もこちらの位置を確認してくれている。
 少女はもう意識を取り戻していて、ルイズが持ってきていた着替えを身に着けていた。
 少女の身長はルイズより頭一つ高かったのでもちろん丈は足りず、おへそが覗いてしまっている上にどうしても胸の辺りがぱつんぱつんになってしまっている。
「あの……ありがとうございました」
 少女がか細い声を振り絞る。
「僕は何もしていないよ」
 しかしギーシュの声は重く沈んでいた。
 結局、自分は少女を救うことが出来なかった。
 もし、ワルドの到着があとちょっとでも遅れていたら少女の命はなかっただろう。
 ワルドがグリズネフと対峙していた時も、自分は呆然とそれを見ていることしか出来なかった。
 グリフォンを駆り、天高く空を舞うワルドの姿を見上げる。
 それに比べると、馬を駆り、地を這う自分がどうしようもなく惨めに思えた。
 鞭を抜き、感情に任せて振るう。
 迷惑そうに馬が鳴いた。

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