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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 使い魔は高笑う

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

使い魔は高笑う

最終更新:2008年09月25日 00:39

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だれでも歓迎! 編集
 春恒例の使い魔召喚の儀式。
 進級試験を兼ねて、サモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァントを行う。メイジにとっては生涯苦楽を共にする友を喚ぶ、神聖な儀式である。
 そんな風に改めて書くと大仰なものに感じるが、実際はそれほど大掛かりなものではない。
 召喚される使い魔となる動物達はそれぞれが個性的で、メイジの性格や性質、実力が反映されたものがやってくる。
召喚される生物は魔法学院の生徒達にとっては興味の対象であり、見ていて飽きのこない……そう。どちらかというと楽しみにしている者の多いイベントなのである。
 ただ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールにとっては少し事情が違った。
 魔法の成功率ほとんどゼロ、という不名誉な事実が二つ名の由来となっている彼女にとっては、崖っぷちに立たされた気分だ。何せ、失敗すれば後がない。
「さて。これで全員終わったのかな?」
 トリステイン魔法学院で教鞭を執るコルベールが、周囲を見渡しながら言う。
「いえ。ミス・ヴァリエールがまだです」
 誰かが言うと、ルイズに視線が集まった。
 ついにこの時が来た……と、ルイズの顔から血の気が失せていく。
 何せ、この召喚の儀式。順番は特に決まっておらず、勢い任せの者は真っ先に召喚に望むし、実力に自信のあるものは頃合いを見て大物狙いで場を盛り上げたりする。
 決まっているのは一人一人順番に、ということだけ。召喚されるものが当たりでも外れでも話のタネになるし、色んな生物を見れるとあって皆、級友の召喚する使い魔にも興味津々なのであった。
 それはゼロであるルイズも例外ではない。
火のメイジであるキュルケはサラマンダーを召喚したし、水メイジのモンモランシーはカエルだった。風メイジのタバサは風竜という今日一番の大物を召喚している。
 系統すら分からないルイズが、どんな使い魔を召喚するのか。或いは召喚できずに留年するのか。
好奇心旺盛な貴族の子弟達の、ある意味では今日一番の注目の的になっているのであった。
「では、ミス・ヴァリエール」
「は、はいっ!」
 名を呼ばれたルイズが、青褪めた顔色で一歩前に出た。
 地面がぐらぐらと揺れているような錯覚を覚える。
 深呼吸をして気を落ち着かせると杖を高く掲げ、再び大きく息をつく。それから彼女は朗々とした、良く通る声で呪文を唱えた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール! 五つの力を司るペンタゴン! 我の運命に従いし“使い魔”を召喚せよ!」
 勢い良く杖を振り下ろせば、そこには光り輝くゲートが―――現れなかった。
 派手な爆発音が草原に響き渡る。一瞬遅れて、爆笑の渦が巻き起こった。
 ルイズの小さな肩が怒りと恥辱によってぶるぶると小さく震える。
 叫び出したい気分だったが、そこは皆の手前堪える。どうせムキになっても他の生徒に笑われるだけなのだから。
「ミス・ヴァリエール。まだまだ時間はある。落ち着いてサモン・サーヴァントを続けたまえ」
 コルベールが言う。ぴたり、とルイズの震えが止まった。
 ありがたいことに一回で留年決定というわけではないらしい。こうなればもうヤケだ。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールッ!」
 怒りを叩きつけるように呪文を唱える。杖を振り下ろせばまた爆発。爆笑の声が一際大きくなる。それをそっくり焼き直すかのように、幾度かルイズは失敗を繰り返した。
(どうしてよーっ!? みんな同じ呪文で成功してるのにどうしてわたしだけーっ! どこかにはいるでしょ!? わたしの使い魔になるっていう生き物ぐらい!
 その辺を飛んでる鳥も、あの辺歩いてる虫も、わたしの使い魔なんかになりたくないってわけ!? じょじょじょ上等だわっ!! 意地でも喚んでやる! わたしにはどうしても使い魔が必要なのよ!!)
 再度呪文を唱えて杖を振り下ろした。と―――。
「―-―やったっ!」
 今までの爆発とは違う。白く輝くゲートが、確かに生まれるのをルイズは見た。
 次の瞬間。
 暗く冷たい“何か”が、ゲートから噴き出した。目の前にいたルイズは、悲鳴をあげる暇も無くそれに飲み込まれた。
 意識が、暗転する。


 ―――泣き声が聞こえる。
 これは、赤子の声、だろうか。それに混ざる、女のすすり泣くような声。
 何を、そんなに泣いているのだろう。
 不意に、視界が開けた。
 潮の臭いがする。白く煙る海。ルイズが立っていたのは、どこかの海岸だった。
(ここは、どこ?)
 自分はトリステイン魔法学院の近くの草原で、サモン・サーヴァントを行っていたはずだ。
 コルベールは? 野次を飛ばしていたキュルケは? 笑い転げていた生徒達はどこにいったのだろう?
 ルイズは周囲を見渡して、少し離れた波打ち際に人影を見つけた。
 そこに立つのは、酷く粗末な、布切れのような衣服を纏った痩せた男女だ。
 男は痛ましそうな面持ちで、女の肩を抱いている。女は嗚咽を漏らし、女の手に抱えられた赤子もまた、火が点いたように泣き続けていた。
 多分夫婦だ、とルイズは直感的に思った。でも何だって、こんなにも悲しんでいるのだろう。
「あの」
 ルイズが声をかけるが、二人はこちらに向き直ろうともしない。
「仕方が無いんだ」
「許しておくれ」
 女は別れを惜しむかのように一際強く我が子を抱き締めると、揺り篭のような小船に、ちっぽけなその身体を横たえさせる。
「なっ、何をしているの!?」
 女のしようとしていることを察して、血相を変えたルイズが走り寄る。それでも二人はこちらに顔を向けない。
「ちょっと! 貴女!」
 女の肩を掴もうと、ルイズは手を伸ばした。
「えっ!?」
 その手応えに、ルイズは愕然とする。いや。正確には、全く手応えがなかったのだ。
 ルイズの手が、身体が、女の身体をすり抜けてしまう。こんなに近くにいるのに、男も女も自分が見えていないし、言葉も届いていないようだ。
「どうなってるの……」
 自分の掌を見ながら、ルイズが呆然と呟く。
「許しておくれ―――」
「あ……!」
 引いて行く波に向かって、女が小船を押し出す。赤子を乗せた小船は、まるで木切れのように海面に浮かんだ。
「何てことするのよ! あんた達!」
 ルイズは小船を捕まえようと、海へ走る。引き寄せようと手を伸ばすが、やはり彼女の手は船体に触れることすら出来なかった。
「こ、これ―――」
 ふと、気付く。足が少しも濡れていない。自分は海面の上に立っている。
 そうこうしている内にも、赤子は泣き声を上げながら沖へと流されていく。
 見送る男女と、小船を見比べて……ルイズは唇を噛むと、小船の方へと走った。やがて、潮煙に紛れて、二人の姿も陸地も、霞んで見えなくなった。


 じりじりと時間だけが無為に過ぎていく。
 ―――見ていることしかできない自分が歯痒い。
「領主は……何をしているのよ……!」
 そうだ。領主だ。領主さえしっかりしていれば、こんなことは起きずにすんだかも知れないのに。
 民を飢えさせたのがそもそもいけないのだ。貴族がしっかりしていればこんな事にはならない!
 ルイズは気炎を吐くが、憤ってみても事態は好転しない。
 辺りはどんどん暗くなってくるし、それに寒い。
 もし少しでも海が荒れて小船が波を被れば、赤子は溺れてしまうだろう。
このままでいても赤子はいずれ飢えと渇きで衰弱死してしまう。……いや。凍えて死ぬのが先か。
 そうなる前に、誰かが見つけてくれるか、どこかの陸地に無事流れ着いてくれればいいのだが。いずれにせよ、赤子が助かる確率は限りなく低いだろう。
 赤子の傍らにしゃがみ込むしか、することがなかった。陸地が見えないし、何せ歩いてもいないのに、自分も小船と一緒に流されているのだ。
海の上に立っているからだろうか、とルイズは何とはなしに思う。
 やがて完全に陽が沈む。四方は見渡す限りの黒が広がっていた。
 足元に広がるのはどこまでも深く、真っ暗な海。空は星も見えない。蝕まれるような夜の闇。どうしようもない暗黒。
「怖い……」
 自分がどうしてこんな所にいるのか、ルイズには分からない。不安と恐怖に押し潰されそうだった。
 それは傍らの赤子とて同じだろう。
 いや。赤子は、きっと、自分よりも怖いに違いあるまい。ルイズは赤子が近くにいる事を感じられるが、赤子はルイズがいることを知らないのだから。
「ずっと、側にいてあげるからね」
 傍らの赤子に向かって笑いかける。見えてはいないだろうし、言葉も届かないと分かっていても、ルイズ自身も不安と恐怖を抱えて、そうせざるを得なかったのだ。
触れられないと分かっていても、頭を撫でてやる。頬を撫でてやる。寒くないように身体に手をおいてやる。
 泣き疲れて寝入ってしまったのだろうか。赤子の泣き声は暫く前に止んでいる。呼吸はしているからまだ生きているのは確かだ。
「この子……弱ってきてる……」
 涙が零れそうだった。あの夫婦も許せなかった。
 どんな事情があったのかは、ルイズには分からない。多分、口減らしというものだろう。
 海に流したのは、自分の手で殺すことができず、せめてどこかの誰かに拾われて欲しいという最後の親心だったのだろうか。
 でもそんなのはあまりにも勝手だ。
 こんな風に一人きりで誰にも見られず、誰にも知られずに消えていくような捨てられ方は、残酷すぎる。
 自分がこの赤子だったら、きっと許せない。必要としてくれないなら、何故生んだのだろう。
 考えてみれば、自分は幸せだと思う。着る物にも食う物にも困ったことは無い。父も、母も、二人の姉も、自分を思ってくれている。
メイジとしての将来を考えて、魔法学院に通わせてくれて。
 魔法が使えずに失望させっぱなしだけれど、見守っていてくれる。
 カリーヌとエレオノールは確かに自分に厳しいけれど、それは将来を心配してくれているからだ。どうでもいいと思っているなら無関心だろうから。
 だから少しでも期待に答えたい。それで、学院でゼロだと馬鹿にされることぐらいが何だというのだ。そう思えば、耐えることができる。
 でも、この子は……親にまで見捨てられたら、どうしたらいいのだろう。
 自分が、この子に触れられれば。ヴァリエールに連れて帰って、父を説得して。それから可愛がってあげる。絶対そうする。絶対。絶対だ。
「うっ……くっ」
 悲しくなってしまって、ルイズの口から嗚咽が漏れた。暫くの間、膝を抱えてルイズは泣いた。


「……何?」
 ルイズはふと、顔を上げる。異様な気配を感じた。
 そして見た。
 闇夜に浮かぶ、巨大な一つ目。
 そうとしか形容する方法が無い。
「あ……」
 言葉も出ない。逃げることもできない。
 肌が粟立つ。吐き気がこみ上げる。刺さるような寒気を覚える。
 間近にいるだけで押し潰されそうな存在の大きさを感じる。
 それは掛け値なしの邪悪だ。
 夜の闇より黒く、海よりも暗い深淵を湛え、死よりももっと恐ろしいものだった。
 しかし、“それ”ですら自分を見ることができないのか。ルイズは歯牙にもかけず。赤子をじっと凝視している。
「だ、だめ!」
 不吉な予感を感じて、覆い隠すように赤子を庇う。
 “それ”が問う。
 生きたいか、と。
 まだ生きていたいか。死が恐ろしいか。自分を必要としなかった世界が許せぬか。
 ならば憎め。呪え。殺せ。奪え。
 誓い、捧げよ。思うだけでいい。
 我と共に在る限り、汝に永久を約束しよう。
 ……それは、コントラクト・サーヴァントにも似ていた。
 つまり……これは、契約の儀式だ。
 ―――悪魔だ、とルイズは思った。誰だって、こんな死に方はしたくないに決まっている。
 善も悪も赤子にはない。ただ愛されたいだけ。生きていたいだけだ。
 そんなちっぽけでささやかなものが、泣いているのに。苦しんでいるのに。それにこんな取り引きを持ちかけるのか。こいつは。
「やめて!」
 杖を抜き放ち、呪文を唱える。その後どうなるかなんて頭には既に無かった。
 杖を振るう。何度も、何度も、何度も何度も何度も。
「この子はわたしが連れて行く! わたしが必要としてる! だからやめて! やめて!」
 虚空に爆発が起こるが、効いていないのか。それともやはり、ルイズがそこに存在していることすら気付かれないのか。
 ぞくり、と悪寒が走る。泣き出しそうな表情で、ルイズは振り返った。
 どうしようもない憎悪を赤子から感じた。
 ああ―――赤子は捧げてしまった。自分に唯一つだけ残された自らの肉体を捧げることで誓いを立ててしまった。
 あの悪魔は、こんな赤子と契約して、何をさせるつもりなのだろう。
「そ、んな……そんなのって、ないよ……」
 ルイズは力なく項垂れる。いつしか闇は晴れて、月明かりが覗いていた。空に浮かぶ月は、一つしかない。
 それから数日後。ルイズはこの夜がスヴェルの夜ではなかったことを知ることとなる。


 赤子は……自らの肉体をアレの物だと誓い、捧げることで生き延びた。
 そして、生きたまま貧しい村に漂着する。
 名前を与えられたが、誰からも忌み嫌われ、誰にも愛されない子だった。
 だから静かに燃えるような、深い深い憎悪を抱える。それは世界への憎悪。
 誰かが誰かが一人でもこの子を必要としてあげれば、この子も救われたかもしれないのにと、ルイズは思う。
 漂着した地は……そう。この月が一つしかない世界における、聖地のようなものだ。魔力に溢れた特別な土地。
 その、土地から染み出す魔力を無尽蔵に吸い上げて、あの子は育つ。世界に憎しみをばら撒く為に。自分を必要としてくれた悪魔との誓いを護る為に。
 拾われて、十三年後。村の人間は一夜にして死に絶えた。あの悪魔が魂を捧げろというからそうした。
 少しも悲しくはなかった。彼らに拾われずとも、自分には死が訪れないことを知っていたから。だから義理はない。
彼らが憎んだから愛さない。石を投げられ、侮蔑の言葉を投げられた。だから許さない。
 ルイズは必死に止めようとする。その言葉も、ずっと届くことはなかった。
 大人となってもすることは変わらない。あらゆる土地の、あらゆる人々に、あらゆる災厄を撒き散らすのが生きる目的。
 世界を憎悪するから、世界もまたそれを憎悪した。沢山の者達が殺しに来た。だからまた殺す。
 そうやって数百年を生きて、殺戮に飽きれば眠り、また起きて同じことを繰り返す。やがて時と共に肉体は朽ちたが、契約に縛られた精神は滅びなかった。
他の者の肉体を奪い取り、また多くの人々を呪い殺す。
 けれど、どんなお伽話の最後だって、悪竜は人間に退治されるのが決まりだ。
 あの悪魔をこの世に顕現させて、世界を終わらせようとした。二つの宝玉と、四つの魂の力を借りて。
 やがて……最後の最後。長い長い戦いの果てに、一人の若い剣士……侍に悪魔との因果ごと断ち切られた。
 魔界に落ちる。暗黒に閉ざされる。
 未来永劫、ただ一人で。それが宿命だ。
 それは彼女の最初の原風景と同じ光景。天も地もなく、ただ一人で暗黒に閉ざされた世界に漂うだけ。その真の闇こそが、最も彼女の恐れることだとルイズは知っていた。
 一人で死んでいくのが嫌だから、ただ生きたいと赤子は願ったのだ。
 世界で唯一、悪魔が必要としてくれるから、彼女は悪魔の為に生きた。悪魔は父であり、母であり、友であり、恋人であり、師であり、従僕であり、神ですらあった。
 悪魔が世界を憎むから、彼女だってそうせざるを得なかった。
 それ以外の生き方を知らなかった。見放されたら一人で死んでいくしかないのだから。
 人として許されない。どうにもならない罪業を山のように積もらせて、誰からも憎まれ、誰をも憎み。彼女は他にどうすれば良かったのだろう。
 終わりが近付いているのが分かる。やがて、ルイズの意識もこの暗黒の世界を離れるだろう。
 どれくらいの間、彼女を見て続けてきたのか分からない。時間の感覚はいつからか曖昧だった。数百年がほんの数秒のようにも感じられ、刹那が百年にも感じられた。
 けれど、最初から今まで、ルイズは彼女と、ずっと一緒にいたのだ。
 最後に、何度発しても届かなかった言葉を、ルイズは彼女に投げかける。
 わたし……わたしは、あなたが嫌いじゃなかった。あなたと話をできたら、こんな生き方をさせなかった。見ているだけで、何もできなかったけれど。
もし許されるなら、今からでもわたしと生きてはくれないだろうか。
 ねえ。


「……エール? ミス・ヴァリエール? 聞こえていますか?」
「え……?」
 名前を呼ばれて振り返る。閉ざされた暗黒の世界はどこにも無かった。周りにいるのはルイズの見知った顔。コルベール。それからキュルケを始めとする、魔法学院の生徒達。
 実に……ルイズにとっては、数百年ぶりに見た顔だった。
 ルイズがきょとんとしていると、コルベールが笑みを浮かべて言う。
「やりましたね! 平民を召喚したというのは古今聞いたことがありませんが、それでも成功は成功です。さあ、彼女にコントラクト・サーヴァントを」
 コルベールに言われて、視線を戻す。
 そして、そこに見た、
 長い、艶やかな黒髪を知っている。
 冷たい切れ長の目を知っている。
 背筋が凍るほど美しい、その顔を知っている。
 異界の巫女が纏う、白と赤の衣服を知っている。
 ルイズの手から杖が落ちた。
 知らず、彼女の胸に飛び込んで、ルイズはわんわんと大声で泣いていた。
 今なら触れることができる。声が届く。
「……お前は……?」
 自分にしがみ付いて泣く少女。
 何だというのだろう。煩わしい。
 下衆に触れられるなど彼女のプライドが許さない。引き裂くのは容易いことだ。
 だが、爪を伸ばした所で、手が止まった。
 それが、どうしてもできない。
 私はこの娘を知っている? どこで見た? どこにいた?
 私、私は……。
 彼女は無言で、優しくルイズの桃色の髪をかき抱いていた。
 その行動に彼女自身が当惑する。引き裂くつもりでいたのに。
 この娘を見た記憶はない。だというのに、何故? この娘を腕に抱くだけで安堵を覚えるというのは、どういうわけだろう?
 あの方との因果は、あの時より断ち切られたままだ。今もその力を感じられない。
 自分があの方と繋がる因果があったように、この娘とも何かの因果で繋がれているということか。
 最後の戦いに敗れ、自分は魔界の深奥に叩き落されたはずだ。
 二度と這い上がることの叶わぬ闇の底の底。
 幾百、幾千年そこにいたのか。或いは文字通り、瞬く間の一瞬のことだったのか。
 ともあれ、磨耗していく自分の精神が壊れて終わるより先に、闇の世界に終わりが来た。
 自分を求める声が聞こえた。そして、目の前に光り輝く扉があった。
「娘」
 白い陶磁のような指先が、ルイズの顎に触れて、その顔を自分へと向けさせる。
 そこに涙でぐしゃぐしゃになった可愛らしい顔があった。
 堪らなく愛おしい娘。どうしようもなく愚かしい娘。全てを賭けて護ってやりたいと思う。粉々に壊してやりたくもある。
 歪んだ感情に、口元が歪む。久しく感じなかった胸の高鳴りを覚える。
「私を呼んだのはお前よな?」
 鳶色の瞳の少女が頷く。
「ミス・ヴァリエール」
 振り返ると、普段の柔和な顔からは想像もできないほど険しい表情を浮かべたコルベールが、杖を握り締めていた。
「その女性からすぐ離れなさい」
「コ、コルベール先生……?」
 コルベールは女に向かって『ディティクト・マジック』を使ったのだ。
 そして、後悔した。
 覗き込んでいいような深淵ではなかった。心底から恐ろしい、とコルベールは思った。
 目の前の女。アレは見た目通りのモノではない。
 数え切れないほどの人間を殺してきた、正真正銘の化物だ。亡者の群れを従えて、人を食らう悪鬼だ。
 世界を憎み、災厄をばら撒く。いいや。彼女自身が災厄なのだ。
 とてもではないが、使い魔などに甘んじてくれるような相手ではない。
 使い魔になってくれと伝えただけで、ルイズを殺すだろう。それからここに集まった生徒達もその手に掛ける。
 それから世界を壊す為にありとあらゆることをする。
 だが、これに勝てるのか?
 自問するも、コルベールの答えは出ている。勝てなくても戦うしかない。
 そうすれば、幾人かはここから逃げ出せる。オールド・オスマンを筆頭に、このことが誰かには伝わる。
「……ほう。私と戦うつもりかえ? ンキキッ」
 にまあっと女が笑う。
 例えようもなく美しいが、どうしようもなく邪悪だった。毒蛇に微笑みかけられたような気分だ。
 声も鈴を転がすように涼やかで、人の心を溶かすような魔性を秘めている。それがまた、恐ろしい。


 生徒達はまだ誰一人女の正体に気付いていない。
 そうと知らずに猛獣と枕を共にしているようなものだ。
「下がっておれ」
 女は言うと、ルイズを自分の後ろに置いて、コルベールと相対した。
 それ自体、コルベールにとっては意外な行動だった。だが、これは僥倖だ。ルイズを巻き込まずに戦いやすくはなった。
 コルベールが呪文を唱えようとしたその時だ。
「ダメ!」
「な……!」
 コルベールが目を丸くする。ルイズが女の腕に縋りついたからだ。
「離さぬか! 邪魔をするでない!」
 女が声を荒げるが、ルイズは離れようとしなかった。
 コルベールは困惑した。
 女は不快をその顔に露わにしながら、ルイズに何もしようとしない。
 これは、どういうことだ。
 召喚したルイズだけは特別だということだろうか?
「やめて! お願い! ここで戦ったら、また同じになる……!」
「同じだと? 何をわけのわからぬことを言っておるッ」
「お願い、ミヅキ!」
 ルイズが悲痛な叫びを上げると、女……ミヅキはゆっくりと手を下ろした。
 暫く不思議そうな目でルイズを見詰めていたが、ため息をついた。
「私はおまえを知らぬ。だが、おまえは私を知っておるな?」
 ルイズが頷く。
「何者か知っていて、それで尚、私を必要だと言ったのだな?」
 ルイズが再度首を縦に振る。
 ミヅキは少しの間考え込んでいたようだが、やがて不機嫌そうな顔を浮かべると、言った。
「申せ」
「え?」
「何か私に用向きがあって呼んだのであろう? 申せ。聞いてやる」
 この申し出は、ルイズにとっても意外だった。
 前は……調伏しようやってきた美州姫の精神を、力づくで屈服させて、肉体を乗っ取り、その従者達は血祭りに上げてしまったはずだ。
「あ……そ、その。ここはトリステイン魔法学院。私達は使い魔召喚の儀式をしていたの」
「使い魔……とりすていん……? 術師どもの集まりか。ここは。すると、私を使い魔とする為にここに呼び出した、ということか」
 ルイズは素直に頷いた。一方で見ているコルベールは気が気では無い。
「でも、そのつもりはもうないの。わたしは、あなたと一緒にいられるだけでいいと思った」
「なにゆえじゃ?」
「だって……」
 ルイズは言い淀む。赤子の時のあなたにそう誓ったからだと言って、信じてくれるとも思えない。信じてもらえてもプライドの高いミヅキは気分を害するだろう。
 ルイズが口篭っていると、ミヅキは小さく首を横に振った。
「……まあ、よい。人の子が魔道に魅せられることもあろう。その話、承諾してやってもよい」
「ええっ!?」
「何じゃ? 嬉しくはないのか?」
「う、嬉しくないわけじゃないけど……使い魔なのよ? 使い魔なんかでいいの?」
 メイジとして、美州姫にすら遠く及ばない。こんなゼロのわたしが? 彼女を使い魔に?
「長く生きれば飽いて戯れの一つや二つもするわ。その類の術は、大方はどちらかの命が尽きるまでなどという契りであろう」
「そ、そうよ」
「よかろう。では、私の気が変わる前に、すませてしまうがいい」
 ルイズは慌てて自分の杖を拾いに行く。それから小走りで戻ってきて、呪文を唱えた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
 呪文を完成させ、杖を振るう。ミヅキは拍子抜けしたと言わんばかりの退屈そうな表情だった。
「終わりか?」
「いえ……その、少ししゃがんでもらえるかしら」
 ミヅキが少し腰を落とすと、ルイズはミヅキに唇を重ねた。
 血の味がする。分かっていたことだ。羅将神ミヅキを使い魔とするということは、彼女の罪業も背負うということ。
 それでも良かった。やっと、彼女に会えたのだから。





-「真サムライスピリット」より羅将神ミヅキを召喚

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