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  • IDOLA have the immortal servant-08

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

IDOLA have the immortal servant-08

最終更新:2008年10月05日 14:37

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  • IDOLA have the immortal servant



 日増しに凶暴化していく原住生物。暴走する坑道の作業用機械。それを責任者であるオスト博士に向かって詰め寄れば、彼はにこやかに笑う。
「計画は順調だ」
 そんなわけがない。この移住計画はおかしい。いや、この頃になるとルイズも分かっていた。この星「が」おかしいのだと。
 夢の中で自分は陸軍副司令官という立場にあった。上層部に不信を募らせる部下を宥める日々。話に取り合おうとしない上役と本星の連中。
 無力な自分を蔑みながらも、日々は過ぎていく。
 そして、あの忌まわしい日がやってきた。忘れない。それを忘れられるはずがない。
 蠢くようにそれは姿形を変えていた。見慣れた生き物のように見える時もあれば、想像の中ですらも思いつくことがないような、不可思議な姿にもなる。
 瞬間瞬間ごとに死と生誕を繰り返しているような、その、姿。
 それを、ひどく禍々しい、とルイズは感じた。
 しかもそいつは、自分達を確かに値踏みするように見ている。……いや、見られているのは自分だ。
 もっと―――優秀な命を。
 それが、天空に向かって光の柱を打ち上げた。
 光の柱は破壊を伴った豪雨となって辺り一面へ降り注ぐ。ルイズが指揮を執ってここまで生きのこって来た残存兵力は、今の一瞬で半壊した。
苦悶の呻き。断末魔。それをあげる事すら叶わず、身動きしなくなった者。
 ルイズは運良くそれを避ける事ができた。当たればただでは済まなかっただろう。
 恐慌状態で必死にリューカーを使うものもいるが、この場と拠点をつなぐそのテクニックは発動しない。
 ……『アレ』がそれを妨げているから。誰一人生かして帰さない。そう言っている。
 ルイズは白く透き通る大剣を構えて走る。
 受け身でいてはやられる。一刻一秒でも早く、奴を殺す。殺さなければ死よりも恐ろしい、おぞましい結果が待ち受けている気がした。『アレ』は、この世にいてはならないものだ。
 笑っていた。喜んでいた。ルイズがそれでも向かってくる事が自分の愉悦だと言わんばかりに。
 ―――だから―――素体とするには少々老いているが、お前は特別だ。
 虹色に輝く刃がその化物の胸の辺りから生まれる。とんでもない間合いから、常軌を逸した速度で振るわれたそれが、ルイズの体を薙いでいった。
「~~~っ!!」


「――ズ……ルイズ!」
「っ!?」
 ルイズはベッドの上で目を開いた。傍らにはフロウウェンの心配そうな表情があった。
 寝汗をかいていた。ひどく呼吸が乱れている。
「あ……え……?」
「うなされていたな。大丈夫か?」
「わ、わたし……?」
 上体を起こしてみれば、『アレ』はどこにもいなかった。あの不気味な、生き物なのか何なのか、よく分からない奴らもいない。勿論、斬られた傷などどこにもない。
 夢を、見ていたらしい。
「夢で……よかったぁ……」
 と、ルイズは胸を撫で下ろす。
 主の様子に、フロウウェンは小さく笑った。
「まだ少し早い。もう暫くは寝ていても大丈夫だろう。オレはこれから少し鍛錬をしてくる」
 言われてルイズは窓の外を見た。鳥の鳴き声が聞こえてくる。まだ空が白み始めたばかり、という所だろう。
「こんなに早くから?」
 とルイズは言うが、大体毎朝フロウウェンはこのくらいの時間には起きているのである。
「その後は洗濯があるしな」
 昼間はルイズに付き添って授業に出ているし、放課後はルイズへの座学がある。自分の為の鍛錬に使える時間は限られているのであった。
「では行ってくる」
 言うと、フロウウェンは部屋を出て行った。
 ルイズは再び横になるが、しばらく逡巡した後、ベッドから這い出した。


「おはようございます」
 水場に現れたシエスタは、にこやかな笑顔を浮かべて、いつもそうするように挨拶をしてくる。
「ああ。おはよう。シエスタ」
 シエスタはフロウウェンから少し離れた所に、ちょこんと腰掛けたルイズの姿を認めた。
「おはようございます。ミス・ヴァリエール」
「おはよう」
 少しばつが悪そうにルイズは答えた。
 ルイズは、こんなに朝早くから平民の持ち場に貴族がいるのは変じゃないだろうかと、気を揉んでいた。
 結局寝床を抜け出してフロウウェンに付いて回って、彼の朝の鍛錬を見物し、手持ち無沙汰だったのでその後の掃除洗濯まで、何をするでもなく見続けているのである。
 理由は明確だ。二度寝すると悪夢の続きを見てしまいそうで嫌だったからである。最も、ルイズ本人は絶対に怖いからなんて認めないだろうが。
「おう。おはよう。嬢ちゃん」
 デルフリンガーの挨拶に、シエスタが目をぱちくりと瞬かせた。
 普段ならばフロウウェンは洗濯をしている時間帯なのだが、この日は少し鍛錬を前倒しして既に洗濯を終えている。
 デルフリンガーも普段なら鞘に入れて持ち歩くところなのだが、今日は抜き身だった。
「け、剣が喋った?」
「インテリジェンスソードよ」
 シエスタの興味がデルフリンガーに移ったことをこれ幸いと、ルイズが答えた。
「インテリジェンス……ああ。喋る剣ですね。わたし、見るの初めてです」

「ああ。デルフリンガーってんだ。よろしくな」
「シエスタです。よろしくお願いしますね。デルフリンガーさん」
 特異な相手だったが、意外に親しみやすいと思ったのかシエスタは屈託のない笑みを向けた。
「剣など持ち込んですまんな。水場でないと手入れができん」
 苦笑を浮かべると、フロウウェンはアイテムパックからいくつかの品物を取り出す。
 白い砂の盛られた包み、ワインのコルク、砥石。それから油の入った小瓶とボロ布だ。
「何? その粉?」
 ルイズが怪訝そうな顔を浮かべる。その疑問にはデルフリンガーが答えた。
「磨き砂だろ。こいつを、そこにあるコルクみたいな弾力のある物につけて擦ると金属の錆が落とせるんだが……」
「へえ」
 ルイズの知識は多岐に渡るが、平民の知恵は流石に知らなかったらしい。
 何時の間にこんなもの集めたのだろう、とルイズは首を傾げた。
 ギーシュとフーケの件以来、学院関係者に顔が知れたのだが、特にマルトー、シュヴルーズ、コルベールは、フロウウェンに対して好意的であった。だから少し訊ねればどれも入手が容易であった。
 磨き砂はハルキゲニアにあるのかどうか不安だったが、杞憂であった。土のエキスパートであるシュヴルーズは簡単に『錬金』で作り出してみせた。
 聞けば、ハルキゲニアでも磨き砂は平民の道具として一般的に流布しているものらしい。フロウウェンの文明でも歴史的には、化学合成した薬剤などが作られる以前には洗剤や研磨剤として広く使われていたのだから、そう特別なものでもないのだろう。
「錬金で錆落としを頼むと言うのも味気ない。手に負える範囲なら自分の物は自分で手入れしたい性質でな」
「ヒースクリフさんって、剣が使えるんですか」
「まあな」
 マルトーは最初の印象から徒手空拳が得意と思っているようだが、フロウウェンの専門はあくまで大剣である。
 あれで妙な持ち上げ方をしなければマルトーとも膝を交えて付き合えるのだが、とフロウウェンは苦笑した。
 磨き砂をデルフリンガーに塗し、コルクを水で濡らして刀身を丁寧に擦っていく。それを見届けたシエスタは自分の仕事に戻っていった。
刀身を磨く小気味の良い音に、衣類を洗う水の音とシエスタの鼻歌とが重なる。
 空は雲ひとつない快晴。今朝方見た悪い夢など忘れてしまうほど平和で長閑な時間だった。ルイズは口元に手をやって、小さく欠伸をした。
「んー……その、なんだ」
 ややあって、デルフリンガーは何故か申し訳なさそうな声で小さく唸った。
「どうした?」
「悪い。相棒。多分、それじゃ俺の錆は落ちない……と思うんだよな」
「そうなのか?」
 前もってデルフリンガーに言わなかったのは、事前に知らせずに砥いでやった方が喜ぶと思ったからだ。
「メンテナンスにはメイジの力を借りないと駄目だということだろうか」
 考えてみればフロウウェンの常識にはない剣ではある。フロウウェンの文明にも千年前に鍛えられて尚実用に耐える、
『四刀』と呼ばれる名刀の実在があるが、六千年というのは流石に聞いたことが無い。
 デルフリンガーの自己申告を真実とするならばの話だが、そんな歴史を持つ剣が、この程度の劣化で済んでいるというのがそもそも異常なのだ。
手入れの仕方も特別でなければいけないのかもしれない。
「メイジでも多分無理だよ。大体俺、自分で自分を錆びさせたんだった。元に戻す方法忘れてるけどな」
「自分で? 何故わざわざ?」
「あー。錆びてりゃほっとかれるしよ。いちいちつまらん連中に使われるのも飽き飽きしてたからな」
 そう言ってから、慌てたような声で続ける。
「あ、いや。相棒はそうでもないけどさ。それに、砥ごうとしてくれたことには感謝もしてるぜ。悪いな」
 デルフリンガーの言葉にフロウウェンは小さく笑った。
 楽観的なデルフリンガーらしくない物言いではあった。どうも相手の善意を徒労に終わらせてしまったという後ろめたさが弱気にさせているようだ。
 武器であるデルフリンガーが、そんなことに罪悪感を感じるというのも妙な話ではあるが、そんな性格をしているからこそ、フロウウェンはデルフリンガーを買ってきて正解だった、と思う。
 布でデルフリンガーの刀身についた水分を拭う。それから油の入った瓶を取り出した。刃物に塗って錆を防止する為の物だ。
「まあ、過程は省略してこれぐらいはしておくか」
「むう」
 本当は油を塗布する必要もないのだが、されるがままにデルフリンガーは任せた。
 傍らではルイズがうつらうつらと船を漕ぎ始めている。
 それを眺めてシエスタはまた小さく笑うのだった。


「おはようヴァリエール、タバサ」
「おはようツェルプストー」
「おはよう」
 食堂に入ったところで、ルイズ、キュルケ、タバサの三人が顔を合わせた。自然、この三人が揃うと行き着く話題は……
「あれはどこまで育った?」
 というものになる。
 あれとはフーケ捜索の恩賞として手に入れた『浮遊の虫』こと、マグの事である。
 共通の話題があることも手伝ってか、ルイズはキュルケとタバサの両名と、以前より言葉を交わすことが多くなった。
「私は一回目の変身はしたけどね。しばらくエサ上げてるけどそれっきりよ」
 と、キュルケ。
 薬品を食べて成長する。また成長に応じて形を変える。その食生活の傾向に応じて主の能力を補強する。
 それがマグの能力だった。マグの持つフォトンを主とシンクロさせて主の能力強化を行う、との事だ。
 精神力の補強というのがメイジにとっては垂涎ものだ。はっきり言えばハルケギニアの常識を超えていた。
 極端な話をすると、充分にマグを育てれば、メイジとしてのランクを超えた魔法を行使することができるかも知れない、ということだ。
 マグの成長には限界があるらしいが、どこまで補強されるのか想像はつかない。ともかく、未知数だけに夢は広がる。
 ルイズはランク以前の問題だが、グランツの威力が向上するのは間違いないらしい。と言っても現状、戦闘はルイズにとって重要視される項目ではないのだが。
 他にも、ある程度の自律的な行動を行うらしい。怪我をした時や意識を失った時、強敵と相対した時などに主をサポートすることがある……という。
「わたしも一回目よ」
「ふうん。あなたのマグはピンクなのに、私のは赤じゃなくて黄色で、タバサのマグは緑なのよね。何故かしら」
 ルイズ達がマグを肩に留めた途端、その体色が変化したのである。
 キュルケとしては自分の赤毛は気に入っているので、マグも赤色に変化して欲しかったのだ。
「持ち主の名前が関係してるらしいわ」
 フロウウェンの言う所によると、本来はマグが自動的にセクションIDというものを割り出して体色を変化させるらしい。セクションIDが無い者でも、マグが所有者の名前を理解すれば色が変わる、とのことだ。
 セクションIDというのは自分の所属がどこであるか示す身分証明書のようなものだと説明してくれた。
 ともかく、所有者の名前のスペルや文字数などが関係するとだけルイズは理解した。
「へえ。タバサのマグはどうなったの?」
「二回目」
「本当? 後でどんなのか見せてね」
 頷くタバサ。マグは何も食べさせなくても飢えることは無いが、満腹になることもない。少し時間を置けばいくらでも食事させることができた。
 読書の傍らでマグに給餌をしていたので、成長が早かったのである。また、精神力補強最優先で育てていないことも成長速度が二人と違う要因の一つだろう。
 タバサは自分の戦闘の補助用としてはっきりと将来像を定めているのだ。回避用の体術を補佐させるために筋力の補強もある程度行うべきだし、魔法の狙いを正確にする為に手先の器用さも必要としている。
「でもねえ。どうも水の秘薬が高くていけないわね」
 キュルケはうんざりしたような顔になって愚痴を零す。水の秘薬は元々高価なものなのだが、品薄で冗談のような金額になっていた。
 色々な薬品を食べさせてみたのだが、どうも水の秘薬そのものか、或いは水の秘薬を元に調合した薬を与えて育てるのが、マグに精神力補強をさせる為には一番いいらしい。
 ―――というのはデルフリンガー談だ。
 デルフリンガーとマグは、ある程度の意思疎通が可能ということが判明したのである。持った者の技量を察知したりと、中々隠し技の多い剣だ。
「ああ……水の秘薬ね……今ある在庫で完売だって」
「え? 水の秘薬が何ですって?」
 その言葉に反応したのは艶やかな金髪をくるくると巻き毛にした、青い瞳の美少女だった。
 モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。『香水』の二つ名を持つ、トリステイン魔法学院の生徒で『水』のメイジである。
「ラグドリアン湖の水の精霊と連絡がつかなくなって、水の秘薬が品薄っていう話よ。水位も上がってて近くの村に水害が出て大変だとか」
 モンモランシーにルイズが答えると、彼女は表情を曇らせた。
「それ、本当? 誰かが水の精霊を怒らせたんじゃないの?」
「ああ、確かモンモランシーの家は水の精霊との交渉役なんだっけ?」
 ルイズは博識である。学術的知識から歴史、地理などその知識は多岐に渡る。親戚筋であるトリステイン王家に関わることでもあるので、モンモランシ家の盟約を知っていたらしい。
「い、今は他の貴族がやっているけどね。そ、そうなのよ。だから、その、少し気になる……かな?」
 慌てて答えるモンモランシー。ラグドリアン湖の水の精霊が気になる、というのは半分は建前だった。
 水の精霊のことが気に掛からないわけではないのだが、今のモンモランシーにとっては、その水の精霊によって齎される秘薬が手に入らないというのが、非常に困る事態なのである。それも、ごく個人的な事情から。
「水害……」
 タバサは、じっとルイズの横顔を見詰めていた。
 ラグドリアン湖の近くに、タバサの実家はある。もしかすると被害にあっているのは自分の実家かもしれないではないか。
 タバサの心にじわりと不安が広がっていた。


 フロウウェンはいつもの放課後の座学を終えると、イメージトレーニングをしているルイズの邪魔にならないよう部屋を出て、図書室へと向かっていた。
 今ルイズが行っているのはフォトン操作能力向上の為のトレーニングだ。
 これが順調に進んでフォトンを緩急自在に扱えるようになるなら、新しいテクニックを習得するだけでなく、四大系統の魔法も暴走させなくて済むかもしれない。そういう目算だった。
 とはいえルイズのフォトンへの巨大な干渉能力はフロウウェンの目から見ても常識外れで、一朝一夕というわけにも行かなさそうだ。結果として徒労に終わる可能性もある。
 それを聞かせても尚、ひたむきに努力するルイズは、実に模範的な学徒の姿と言えよう。
 タバサに体術を教える約束もしていたが、今日になって数日延期してもらうと言ってきた。急に実家に戻る用事が出来たのだとか。キュルケもその付き添いという事で馬車に乗って学院を出て行った。
 そう言った訳でフロウウェンは手が空いていた。
 フロウウェンは、暇になった時は図書室へ向かうことにしていた。
 例によって貴族しか使えないというので、オールド・オスマンに言って、使用許可を貰っている。
 フロウウェンはルイズの使い魔であるから、主人の必要な本を探してくるにはそちらの方が便利だろうという名目で許可が下りた。逐一理由が必要な辺り、貴族とは面倒なものだ。
「あ」
 フロウウェンが調べ物をしていると、入ってきたフーケ―――今は秘書に戻ったのでミス・ロングビルだが―――が、その姿を認めて小さく声を上げた。
「奇遇だな」
「ええ、そうね」
 フーケは挨拶もそこそこに、目当ての書籍を探しに行く。オスマンに調べ物を頼まれているのだ。
 フロウウェンも読んでいた本を棚に戻すと、新しい本を物色していた。
 何とはなしにフーケはフロウウェンの姿を追っていた。自分を出し抜いてくれた男が、メイジ用に作られた図書館で右往左往する様子が見たかっただけなのだが、残念な事に、書棚の下の方に彼の目当ての物はあったらしい。
 その手に持っている書物は、童話だった。さっきまで座っていた椅子には分厚い字引が置かれている。どうにも取り合わせとしてはアンバランスだった。
「イーヴァルディーの勇者? 何よそれ。あの子に読んで聞かせたりでもするの?」
 イーヴァルディーの勇者は平民に人気の作品だ。別に童話というわけでもないのだが、幾つもモチーフにした作品があり、子供向けという形で編纂されているものもある。
かくいうフーケも、子供に読んで聞かせた経験があったりする。フロウウェンの手にしているのは、自分が読んで聞かせたものと同一だった。
「いや、これはオレが読む。入門用としては分かりやすかろう」
「字が読めないの?」
 フロウウェンが異界から来た事を知らないフーケには意外だった。
「オレは外国人でな」
 フロウウェンは簡素に答えた。
 フーケは得心がいった。道理で見慣れない格好をしているわけだ。『浮遊の蟲』の知識もその辺に由来するものなのだろう。
「授業の際に黒板に書かれた文字を解析してはいるのだがな。如何せんあれは専門用語が多くて閉口している」
「そんな面倒な事をしなくても、あんたのご主人様に聞けばいいじゃないか」
「そうも行かない理由があってな」
 彼は曖昧に笑った。
「私が教えてやろうか?」
 フーケは言う。フロウウェンに恩を売っておいて損はないという打算の上での申し出だった。
「止めておいた方がいい。後で人の恨みを買うことになるかも知れんぞ」
「は?」
 その言葉の意味がフーケにはさっぱり解らなかった。どうして文字を教える事が他人の恨みを買うことになるのか。
「ごく個人的な理由で学んでいるのでな。その責任の所在を誰かに押し付けるわけにもいくまい」
 そう言って笑う。その目は静かに、深い青色を湛えていた。


 さて、その頃―――図書室の本棚の上層部では。
「えっと。これはあっちで、この本はあそこ」
 一人の女生徒が図書室から借りた本を返却する為に本棚を回っていた。モンモランシーである。
 モンモランシーの趣味はポーション作りである。
 魔法屋から買い付けたレシピだけでは、ポーションを調合に行き詰った過程があったので、図書室から文献を借りていた。
 街へ向かい、品薄になっていた水の秘薬を有り金の殆どを払って買い付け、図書室を駆け回り、先程までポーションを調合していたのだ。駆けずり回った甲斐あって、無事に完成した。
 昼間、ルイズ達から聞いた、水の秘薬の話が、モンモランシーに行動を起こさせた決定打となった。
 レシピは手に入れていたが秘薬は非常に高価だし、何より非合法な品なので実際に調合するには踏ん切りがつかずにいたのだ。
 勿論最初は使う気など無かった。コレクションのようなものとしか思っていなかった……はずなのだが、完成に至り、少々気が変わってきている。
 ギーシュの二股が発覚してから、彼とは恋人としての付き合いを止めたつもりでいたのだが、毎日のように自分の部屋に謝りに来る。
 二股をかけていた一年生のケティとかいう子とは別れたとのことだ。許してやってもいいかな、などと、モンモランシーは漠然と思い始めていた。
 ただ……また同じ事が起きないとは限らない。
 ギーシュはその場の勢いで後先考えずに突っ走る部分がある。そして自惚れやすい。約束がどうこうというより「女の子の前で格好つけるためには」何もかも奇麗さっぱり忘れて、雰囲気に流されていくのである。
 これではいくら口約束を取り付けたところで意味が無い。
 惚れ薬をワインに混ぜてギーシュに飲ませればいいのでは? そうすれば彼の浮気癖など関係ない。そんな考えがふと頭をよぎったのは、惚れ薬のレシピを眺めていた時だった。
 そして、その完成品は手元にある。小瓶に詰めた液体を掌の中で弄ぶ。
 普通なら持ち歩くようなものでもないが、ご禁制の品であるという後ろ暗さと、自分に一途なギーシュという青写真で舞い上がった乙女心が、モンモランシーの判断力を平常時とは異なるものにさせていたのである。
 実物が手元にあると、空想や妄想も具体性が増してくる。使ってみたいと思うのが人情なのだ。これをこっそりとワインに注ぎ込む。それをギーシュが飲み干す。そんな場面を何度もシミュレートする。
 あの浮気者のギーシュが、自分にかしずく様を想像するのは如何にも小気味よいものがあった。
 それで完成と同時に、自分の使い魔のロビンをギーシュの所へ使いに出した。
 後で自分の部屋に、ワインを持参して来るように、と。
 しかし、モンモランシーの楽しい空想の時間はそこで終わりを告げた。
「あ!」
 ぽろり、と小瓶が手から滑り落ちて落下した。咄嗟のことに『レビテーション』をかける暇すらない。
 ところで、メイジ用のこの図書館は高さ三十メイルほどの巨大な書棚が立ち並んでいる。
『レビテーション』が使えるメイジにはこの方が便利なのであったが、この場合はそれが災いした。小壜は当然、階下まで落下していく。


 頭上から
「あ!」
 という女生徒の声。
「ん?」
 フロウウェンは上を見上げた。何かが落ちてくる。フーケの頭上に。
「え?」
 フロウウェンにつられて、フーケもまた上を見上げた。
 フロウウェンの動体視力と反射神経ならば、落ちてくる小壜を空中で掴み取るぐらい容易いことであった。
 不幸なのは、その時偶々小壜が逆さを向いていたということだ。偶々フーケが口を開けて上を向いていたということだ。
 掴んだ拍子に、小壜の蓋が緩む。中から零れた液体が、フーケの口元に注ぐ。
「っ!? けほっ、けほっ!」
 突然降って来た謎の液体を思わず飲んでしまい、フーケが咽る。
「な……大丈夫か?」
「んんっ。へ、平気だけど、何が落ちてき……」
 そして顔を上げて……フロウウェンを見た。
 その瞬間、フーケの頬が朱に染まった。
 自分を出し抜いた男だ。一目置いてはいた。だけどこんな……こんな、目が離せなくなるほどに魅力を感じるなんて。
 その気持ちにフーケは困惑した。次いで襲ってきたのは深い後悔だった。
 自分は彼に何をした? ゴーレムで潰そうとしたんじゃないか。
「わ、わたし……」
 フーケの瞳が潤む。つうっと涙が零れていった。目の前のあまりの展開に、フロウウェンはついていけない。
「私、悪い女だったわ!」
 フーケはそのままフロウウェンの胸元に飛び込んで、さめざめと涙を流した。
 頭上から階下を覗き込んでいたモンモランシーは、蒼白な顔で頭を抱えていた。


「ルイズ!」
 珍しく慌てた声のフロウウェンが部屋に飛び込んでくる。何事かと扉に目を向けて、ルイズはあんぐりと口を開けた。
 フーケをその腕に抱きかかえていた。抱えられたフーケはフロウウェンの首に右腕を回し、左手で彼の頬をさすっている。
 キュルケも真っ青の色気の振り撒き様だ。何だかフロウウェンを見詰める目が怪しい。
「な、なななななっなっな」
 抱きついてくるフーケを図書館からここまで迅速に運んでくるにはこの形が一番早かったのだ。それでも数人の生徒には見られたかもしれない。
 何しろフーケと来たら、もう二度と盗みなんてしない。ゴーレムをけしかけて悪かった。などなど、とてもではないが他人に聞かせるわけにはいかない言葉まで口走りそうになるのだ。その都度口を手で押さえて事無きを得たが。
 原因を特定するしない以前の問題として、すぐに人目につかない所へ移動させなければまずい。人目につかない所と言って、二人きりになるのも更にまずい気がしたので、ルイズの部屋へ駆け込んだのである。
「なななな、何してるのよーっ!?」
 案の定ルイズは激昂した。
「違う! それは違う!」
「何が違うの!?」
 さすがに狼狽した様子でフロウウェンは図書館であった顛末を話し始めた。
 ルイズに事情を説明している事にすら嫉妬するのか、フーケがフロウウェンに纏わりつく。
「あら……ヒースは私よりこんな胸の無い小娘の方がいいっていうの?」
「胸の無い……」
 ルイズは分厚い本を手に取ると、それでフーケの頭を強打した。それで彼女は静かになった。
 それからフロウウェンを睨んで言う。
「そんな話! ししし、信じろっていうの!?」
 下手な言い訳をすれば、自分までその本で殴ってきそうな剣幕であった。
「理由もなく、こんな状態になる方がそもそもおかしい!」
 フロウウェンはフーケの身体をベッドに横たえると、咳払いしてから言った。
「証拠もある。この小壜だ」
 机に置かれたのはどこか見覚えのある小壜だった。まだ何か得体の知れない液体が、小壜の中に残っている。
「これって……モンモランシーが使っている香水の壜じゃない」
「確かに、これは食堂で拾ったものと同じ壜だな」
「そう……諸悪の根源はあの渦巻きね……」
 ゆらり、とオーラを放ちながらルイズは立ち上がった。


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