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  • 空と君のあいだに

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

空と君のあいだに

最終更新:2008年10月05日 11:35

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 その年は、ガリアという国にとって激動と混乱の年であった。
 長らく病に臥せっていた王がついに崩御し、長兄のジョゼフが玉座を継いだ。
 新たなる王が誕生したわけである。
 しかしながら、それは平穏無事に運んだものではなかった。
 何故ならば、戴冠のその前後には多くの血が流されたからだ。
 その最大のものは、次男のシャルルの死。
 まず間違いなく次の王となるだろうと考えられていた英才である。
 王族の仲でも誉れ高い魔法の才能と、多くの人望を持つその英才は、毒矢によって命を奪われた。
 暗殺であった。
 誰がやったかは定かではない。
 わかるのは、確実にジョゼフがそれに関わっているということだ。
 証拠はないが、状況証拠というものはいくかあった。
 何よりも、ジョゼフは母である王妃さえに暗愚と呼ばれる男だったこと。
 長兄でありながら、玉座はもっとも遠い男だと嘯かれるほどの無能者だったからだ。
 始祖ブリミルの流れを継ぐ王族に生まれながら、彼は魔法の才能がゼロだったからである。
 ジョゼフの戴冠に際して、シャルル派への粛清が、血の雨となってガリア中に降り注いだ。
 多くの者が排斥され、屍が重なっていく中で、暗愚の王子ジョゼフはガリアの王となった。
 無能王の誕生である。
 戴冠式が終わって間もなくことだった。
 ジョゼフの娘、今や王女となったイザベラ・ド・ガリアは部屋の中でじっとしていた。
 脱ぎ散らかした衣服がそこら中に散乱し、イザベラ自身も長く美しいはずの髪の毛がボサボサになり、まるで病人のようだった。
 青い髪のプリンセスは、ベッドの上で膝を抱え、しきりに親指の爪を噛んでいる。
 そして時折怪鳥のような悲鳴を上げるのだ。
 死人のように血の気の失せた顔だった。
 ガチガチと歯の鳴る音が部屋の中に響いていた。
 抑え難い恐怖が、イザベラの心を蝕んでいた。
 怖い。
 どうしようもない恐怖だった。
 何故、どうしてこんなことになっている。
 王女という輝かしい立場にいるはずの自分が。
 思えば、あの時に父に会ったせいだ。
 イザベラは数日前の、戴冠式の日を思い出していた。
 あの日、あの選択をしなければこんな恐怖を味あわなくて、すんだ。
 少なくとも、知らずにすんだのだ。
 何も知れずにいれば、そうすれば、これほど脅えることもなく、平穏に暮らせていたのだ。
 でも、イザベラは知ってしまった。
 戴冠式が始まる前、青いドレスに身を包んだイザベラはすっかりと準備を整えていた。
 後は従者がお時間でございます、と知らせに来るのを待つばかりだった。
 この時、イザベラは父の顔を思い出した。
 ほとんど顔を合わすことのない親子だった。
 こういった公式の場でしか、まず会うことがない。
 もとから家族のコミュニケーションは希薄だったが、イザベラにとってそれはもう慣れっこになっていた。
 母が死んでから、その傾向はさらに強くなっていた。
 だが、それでもこの時のイザベラは王女といっても、十五にもならない少女にすぎなかった。
 父の顔を見たいと思うのは、当然であった。
 いくらかの逡巡をした後で、父に会っておこうと考えたのも、別に不思議ではない。
 父も戴冠を前にして、色々思うこともあるのだろう。
 二人だけで会って話すのも、たまには悪くはない。
 もしかすれば、機嫌よく優しい言葉のひとつもかけてくれるかもしれないと思ったのだ。
 だから、父のもとへと向かった。
 しかし、すぐにイザベラはそれを後悔した。
 とても痛烈に。
 その時、彼女は触れてしまったのだ。
 父の、ジョゼフという男に巣食った狂気を。
 そして、理解してしまった。
 父にとって、自分の存在は欠片ほどの価値もないのだということに。
 あの淀んだ、闇の塊みたいな眼。
 あれが本当に自分の父なのか? あの得体の知れないバケモノが!?
 この日から、イザベラの心から安寧というものは消え去ってしまった。
 部屋に閉じこもり、ほとんど人を寄せ付けなくなった。
 夜も満足に眠れなかった。
 眠れば確実に恐ろしい夢を見た。
 父の狂気を知ったあの時からだ。
 イザベラの中で何かが砕けてしまったかのように。
 解けることのないおぞましい呪いをうけたかのように。
 見るのは父が死ぬ夢だ。
 ジョゼフが死に、ガリアは再び鳴動する。
 そして、あの呪わしい、イザベラの持とうとしても持てない、あらゆる善いものを生まれながらにして与えられた従妹が、女王となる。 
 イザベラはどうなったのか。
 ある時は、断頭台で首を落とされた。
 首が切断され、血が噴き出す感触で眼を覚ました。
 ある時は魔法で八つ裂きにされた。
 ある時は野に放り出され、野犬に食い殺された。
 悪夢は、夢の中だけではなかった。
 イザベラは起きている時も悪夢は襲ってきた。
 窓の外を、いくつもの人間が泳いでいくのを見た。
 血まみれになって、その瞳に憎悪をみなぎらせた人間が。
 ある時は臓腑をしたたらせ、ある時は窓に張り付き、イザベラを威嚇した。
 戴冠式の前までは、こんなものは一度だって見ることはなかったのに――!!
 地獄だった。
 生き地獄だった。
 頼れるものは何ひとつなかった。
 父は化け物だ。
 母はとうの昔に死んでいる。
 家臣にしても、いざとなればイザベラを裏切るに決まっている。
 誰に助けを求めればいい?
 懊悩でやつれ果てたイザベラは、その時天啓ともいうべき考えに至った。
 「そうだ…。使い魔だ、使い魔を召喚すればいい……」
 ふらふらと、イザベラはベッドから立ち上がった。
 イザベラの思い立ったもの。
 それは、自らの使い魔を召喚するということだった。
 溺れる者は藁をもすがる、という。
 この時のイザベラは、自分の魔法の才能というものを、ほとんど忘却していた。
 いや、無理やりに忘れ去っていた。
 そんなことを考えれば、瞬間に絶望のために杖を振るうことさえできなくなるかもしれない。
 イザベラはすぐに杖をとり、呪文を詠唱した。
 「五つの力を司るペンタゴン、我の運命に従いし〝使い魔〟を召喚せよ――」
 必死の思いをこめて、呪文を唱え、杖を振り下ろす。
 杖から放たれた魔力を迸りによって空間が歪み、何かがイザベラの前に出現した。
 「やったの、か?」
 イザベラは必死で眼を凝らす。
 何か、黒い塊のようなものがイザベラの前にある。
 それはぶるりと身震いをして、膨れ上がった。
 不気味なスライム状の生き物が形を変えるみたいだった。
 「ひぃ」
 イザベラは声にもならない声をあげる。
 それは、人間の男だった。
 膨れ上がって見えたのは、うずくまっていたのを立ち上がっただけにすぎない。
 見たこともない装束を身につけているが、マントをつけているところを見ると、メイジなのだろうか?
 両手にはめた白手袋、その甲に刻まれた紋章がその推測を確信に近づける。
 手袋には、五芒の星が不気味に黒く光って見えたからだ。
 ペンタゴン。
 それは魔法の象徴。
 地火水風、そして失われた虚無を加えた五つの属性を表すものだ。
 異形の男が、イザベラを見た。
 不気味な男だった。
 つんをとがった、長い顎をしている。
 長身痩躯で、頬はこけ、落ち窪んだ眼窩の下には、灰色の眼が殺気を放っていた。
 ぞっとするような、死の匂いを漂わせる男だった。
 「――娘」
 男が唇を開いた。
 不思議な磁力を発する眼が、イザベラを見据える。
 「俺をここへ呼び寄せたのは、貴様だな?」
 圧倒されたイザベラは声を発することができない。
 何度か小さくうなずくだけで精一杯だった。
 「そうか」
 男は薄い唇を吊り上げた。
 それは笑みという言葉がまったく噛み合わぬ冷たいものだった。
 人ではない。
 地獄の魔物の表情だった。
 「ここは、どこか?」
 「あ、ああ……」
 イザベラは必死でしゃべろうとするが、言葉が出ない。
 「答えよ!」
 男が低い声で返答を求める。
 「が、ガリア…。リュティス……」
 イザベラは辛うじてその二つの単語を口にする。
 ただそれだけのことで、疲労がどっと噴き出した。
 そのままへたりこんでしまいたくなるような、まったく未経験の疲労だった。
 男は鋭い眼で部屋の中や窓の外を睨んだ。
 やがて、微かに表情を変えて、
 「ほう。面白い、俺が、異界に召喚をされるとはなぁ……。まるで地下世界にくだった甲賀三郎のようではないか」
 言いながら、男はくっくっくと喉の奥を鳴らした。
 獣がうなっているような笑い声だった。
 「では、娘よ。何故俺を呼んだ? ただの遊びというわけではあるまい。何しろ、お前は――」
 〝鬼〟を呼んだのだからな、と男は冷笑した。
 オニ。
 オーク鬼やトロル鬼の鬼と、同じような言葉だったが、そこに込められた意味はまるで違っているのがわかった。
 吐き気を催すほどの、底暗い響きのある言葉だった。
 「うああ…………」
 イザベラは震えたが、この時男の背後――すなわち窓の外を見てさらに青くなった。
 また、幻が見えた。
 獅子頭のような人間の首が窓に張り付いている。
 首は黄色い歯をむき出し、舌を突き出して部屋を覗き込んでいた。
 「こんなものまでいるとはな……。ところは変わっても、人は同じか。異界でも同じとはまったくもって面白い」
 男は口角を吊り上げて、窓に向かってゆっくりと手の甲をかざした。
 五芒星をかざされ、幻の首は転がるように消え去った。
 「娘――貴様、死人が見えるらしいな?」
 男はすぐにイザベラを振り返った。
 「し、にん? あれは、まぼろし……」
 糸の切れた人形のように、イザベラは男を見た。
 「そうではない。常人の眼には見えぬが厳然たる真実だ。貴様が見たのは死人よ」
 「じゃ、じゃあ、幽霊!?」
 「そうとも言えるか。なるほど、死人を見る女だから、俺を呼んだということか」
 男は納得したように腕を組み、イザベラを睨みつけた。
 「不幸だな、死人が見えるのは不幸なことだ」
 なぶるような視線だった。
 イザベラは邪眼ともいうべき瞳に睨みつけられながら、奇妙な安心感を抱いていた。
 あの、父に感じた恐怖がどんどんと薄らいでいく。
 目の前に、本当の化け物がいるからだ。
 この男の底知れぬ妖気に比べれば、父ジョゼフの狂気など……!!
 男の凄まじい妖気が、父からの呪いを打ち砕き、かき消していくような気分だった。
 「あ、あなたは、メイジ?」
 平常時の高慢な表情を全て捨て去り、イザベラはすがるように男に問うた。
 「メイジ? 魔法……妖術を使うという意味では、そうだ」
 男は微かにうなずいた。
 「そうだな、陰陽師といってもおそらく貴様らにわかるまい。ここでは、その言葉が適当なのかもしれぬ」
 「やっぱり。ペンタゴンをつけてるし……マントだって」
 「ペンタゴン? 違うな。これは俺の国で生まれたものだ。俺たちはドーマンセーマンと呼ぶ」
 男は首を振った。
 「どーま、せいまん?」
 不思議な響きの言葉だった。
 「古代の、二人の偉大な陰陽師の名前を組み合わせたものだ。芦屋道満と安倍晴明のな」
 男は唇を歪める。
 (おんみょうじ……)
 この男の住んでいた土地では、メイジをそのように呼ぶのだろうか。
 「話を戻そうか。ここはどこで、貴様は何者だ? 何故俺を呼んだのだ」
 男に促され、イザベラはたどたどしくも事情を説明した。
 自分の置かれている状況。
 父のこと、この国のこと。
 「ずいぶんと手前勝手な話だな?」
 男は冷笑を強める。
 「貴様、〝鬼〟を呼び寄せておいて、無事に事が運ぶと思っているのか?」
 「ひ……」
 男に威圧され、イザベラは身を硬直させる。
 まるで邪視を受けた哀れな生贄のように。
 「だが、それもいい。俺はいずれ俺の国に帰るが……貴様の言うとおりならばすぐというわけにいかぬようだ」
 イザベラはうなだれる。
 「貴様ら、呪われた王族と、この国にも多少の興味がわいた。おい、小娘、イザベラとか言ったな?」
 男の灰色の眼がイザベラをのぞきこんだ。
 「一つ教えてやろう。貴様の見る夢は予知夢だ。遠い未来を、夢を通して見聞きしているのだ」
 「え!?」
 「父親が死ぬのも、貴様が処刑されるのもな……」
 「嘘だ……」
 「嘘ではない。貴様の持つ霊感がそれを見させているのだ。言っただろう、不幸なことだとな」
 男の呪いのような言葉に、イザベラは声を失った。
 絶望だった。
 「――貴様、生きていく覚悟はあるか?」
 イザベラを見据え、男は言った。
 「そんなものないよ……!」
 イザベラは小さく、悲鳴のような声をあげた。
 「母上は死んだ。父上は狂っている。私は、私には誰もいない。一人ぼっちだ……!!」
 「それでいい。死人が見えるのもいい。これは――運命だと思え」
 「うん…めい」
 イザベラの声に、そうだ、と男はうなずいた。
 イザベラの瞳には、手袋の五芒星が映っていた。


       ☆


 気配を感じて、イザベラはゆっくりと眼を開いた。
 とても、懐かしい夢を見た。
 あの男と出会った時の夢を。
 自分にとっては、師であり――
 あるいは父とも呼べる男の夢を。
 船は、どうやら到着したらしい。
 部屋を出て甲板まで上がると、リュティスが見えた。
 喧騒が街を包んでいる。
 「ふん」
 イザベラは唇を歪めて、街を見下ろした。
 その表情は、彼女が昔から異界から召喚した男と同じものだった。
 下船したイザベラは、崩壊したグラン・トロワを横目に風のような速さで歩いていく。
 王宮の主が、現在の仮宿舎としている迎賓館を目指して。
 「父上!」
 部屋に入ると、王は古ぼけたチェストを、寝ぼけたような目で見つめていた。
 「この騒ぎは一体何事ですか? ロマリアといきなり開戦したかと思えば、リュティスはまるでゴミダメ。おまけに国の半分が寝返ったという話ではありませんか」
 「それがどうした?」
 ジョゼフはうるさそうに娘を見やった。
 そこには愛情など欠片も見えない。
 道端に転がる石ころでも見るような視線だった。
 しかし、娘はそれに罵声で返した。
 「それがどうした? のんきですこと。エルフと手を組むわ、ハルケギニア中を敵に回すわ、一体何をお考えかしら!」
 「誰と手を組もうが俺の勝手だろうが」
 「へええ! ええ、そうですわね。この国は父上のものですからッ」
 「気に入らぬというなら、どこへでも出て行け」
 「父上」
 イザベラがさらに言葉を口にしようとしたが、
 「さっさと失せろ。お前を見ていると自分を見ているようで嫌になる」
 イザベラは何も言わなかった。
 言われるままに、黙って父王のもとを辞した。
 父に背中を見せた後ろで、イザベラの口元にゾッとするような嘲笑が浮かんでいたことに、ジョゼフは気づきもしなかったが。
 「自分を見ているようで、だと?」
 扉を閉めた後、イザベラはカラカラと軽蔑を込めて笑った。
 「笑わせるなよ」
 吐き捨てた後、裾の長いドレスを着ているとは思えない速度で、イザベラは歩き出した。
 混乱する王宮内を駆けて、プチ・トロワの自分の部屋と向かう。
 そこでドレスを脱ぎ捨てると、軽装に着替えて上からマントを羽織った。
 最後に両手に手袋をはめる。
 甲に五芒星を刻み込んだ白い手袋だった。
 「ドーマンセーマン」
 あの男は、この紋章をそう呼んでいた。
 おそらく、イザベラもそう呼び続けるだろう。
 イザベラは蹴破るようにしてドアを開き、廊下を歩き出した。
 プチ・トロワを出てすぐに、イザベラは足を止めた。
 ふところに右手を差し入れ、
 「誰か」
 冷たい声で言った。
 物陰から、複数の男たちが現れた。
 いずれも手に杖を持っており、目つきが尋常ではなかった。
 「イザベラ様、お部屋にお戻り願いますよう」
 慇懃な口調とは裏腹に、まるで命令でもするように男たちは言った。
 「何故だ?」
 イザベラは唇の端を吊り上げて男たちを見返した。
 「今は非常時にございます。お部屋でおとなしくしていただきたい」
 「ほおお。で、それはいつまでだ?」
 イザベラは道化のように眼を見開き、男たちを嘗め回すように見た。
 男たちの顔に、不快の念が浮かぶ。
 それにイザベラは嘲笑をぶつけた。
 「私の首を手土産にシャルロットに願えるつもりか? 今さらあまり意味はないと思うけれどね」
 「おとなしく部屋に戻れ」
 男たちはせっぱつまった表情で杖を突き出し、イザベラを威嚇する。
 「嫌だね」
 イザベラは舌を出し、にたりと笑った。
 瞬転、男たちの杖から風と炎が飛んだ。
 イザベラはふところから出したものを投げつける。
 それらが宙でぶつかり合った時、炎と風は一瞬で消えうせた。
 イザベラの放ったものは、数枚の白い紙だった。
 真ん中に、黒字で五芒星が描かれている。
 「犬どもが!!」
 イザベラは歯をむき出して笑った。
 「よりにもよって、私のところにくるとはな。ならば望みどおり地獄へ送ってやる!」
 嘲笑と共に、五芒星の描かれた紙が宙に舞い上がった。
 それは歪みながら膨張し、不気味な獣へと姿を変えた。
 獣はあっという間に男たちに襲いかかり、その急所に喰らいついていった。
 「ぎゃああ!」
 「なんだ、これは!?」
 絶叫が響き渡り、赤黒い血が周辺を染めていく。
 「騒ぐな。私の式神がお前たちを喰い殺すだけのことだ」
 男たちが絶命するまで、イザベラは冷たい眼でその光景を見ていた。
 地獄で亡者が炎に焼かれるのを見る、鬼の目だった。
 男たちが死ぬのを見届けると、イザベラはマントを翻して、風のように王宮から去っていった。
 異形の獣たちも従順に主の後を追う。
 王宮を後にしながら、イザベラは思い出していた。
 自分にことの術を教え込んだあの〝鬼〟のことを。
 陰陽道。
 真言。
 卜占。 
 風水。
 式神。
 護法童子。
 不老長生の秘術。
 召喚されてから数年間の間、男は密かにイザベラをプチ・トロワから連れ出し、数々の異界の魔法を教え込んだ。
 男のことも、イザベラの密かな修行も、誰にも知られることはなかった。
 何故なら、イザベラはあらゆる意味で何者の眼中にもなかったからだ。
 父ジョゼフは気づかなかったのは、ある意味で当然だった。
 彼は【自分に似ていると思い込んでいる娘】をあえて、見ようとはしなかったから。
 「どうして私にこれを教えてくれるの?」
 度々イザベラはそうたずねた。
 「貴様が鬼だからだ。つまり、俺の同類だからだ」
 そう答える男の言葉を、イザベラはすぐには理解できなかった。
 その男は、〝カトー〟という不思議な響きの名を持った男は、もうこの世界にいない。
 自力で異界の扉を開く術を見つけ、去っていった。
 だが今ならば理解できる。
 ヤマトという国を永遠に呪い続けるあの男と同じく、イザベラはハルケギニアを――
 ブリミルを始祖とするメイジたちの支配するこの大地を永久に呪うものとなった。

 なぜならば――

 ……………。


       ☆


 多くの祝いの言葉が飛び交う中、ガリアは歓喜に溢れていた。
 無能王ジョゼフが滅び、亡きシャルル・オルレアンの遺児、シャルロットが冠をかぶる日がやってきたのだ。
 新たなる決意と怒りを胸にシャルロットは式にのぞむ。
 けれど。
 どれだけの人が知っているのだろう。
 狂王と呼ばれた男は、結局のところ臆病で傷つきやすい、大人になることのできない哀れな少年でしかなかった。
 あるいは、シャルルも同じであったかもしれない。
 ましてや、
 何とも厄介な、本物の〝鬼〟が一匹、ハルケギニアの大地を闊歩し出したことを、誰も知らなかった……。

 「みんな、壊してやる」

 〝鬼〟のつぶやきに、ハルケギニアの精霊たちはぞっと身を震わせていた。

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