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  • ゼロと在らざるべき者-06

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロと在らざるべき者-06

最終更新:2009年01月08日 04:08

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  • ゼロと在らざるべき者


 フーケの小屋の中で見つけた「破壊の剣」、それに手を触れた瞬間、ルイズの周囲が――世界が弾けた。


 気付けばルイズは漆黒の世界の中に浮かんでいた。
 ただただ広い、ただただ深い闇。
 その闇の中に浮かぶ無数の星々。
 そんな距離も自分の位置も向きすら分からない漆黒の世界。
「これは……ここは……?」
 ここがどこで、ここが何で、なぜここにいるのか、何も分からない。何も考えることが出来ない。ただただ際限なく広がっている世界を前にルイズは圧倒されていた。
 呆然とするルイズ。どれほどそうしていただろうか、気づくとルイズの目の前に星の一つが漂っていた。何気なく手を伸ばしたルイズの意思に応じるように、その小さな星がルイズの手に収まるようにふわりと飛び込んでくる。
「うわぁ……これが、星……? こんな風に見るなんて……すごい」
 ルイズの手の中で光る星、その中には一つの世界があった。広大な大洋に浮かぶ島々、水を切って行き交う巨大な帆船、その船を飲み込もうとする白い四本腕の怪物。怯える船員を押しのけ、慌てて甲板に飛び出す一人の男。
「ああっ、危ない! 逃げないと……」
 驚き心配するルイズをよそに、男は怪物を見据えると一つ深呼吸をして心を落ち着かせ、きっと睨み返しながら腰の皮袋から一枚の石版を引き抜いた。それは先ほどルイズが目にしていた「破壊の剣」
とは少々形状と大きさが違うものの――
「カード!? それじゃあこの男は?」
 ルイズが覗き込む星の中で、男はカードを手に一声叫ぶ。ルイズの知らない言語での呼びかけ、それに応えてカードが展開する。板状だったカードが中央とその周囲のパーツに別れて広がってゆく。
その広がってゆくカードの中央から、四本腕の怪物の半分に満たない程度だが同じく怪物が生まれる。現れた怪物は全身が水で形作られた水人間というべき存在。それが船に近づく四本腕の前に立ちはだかり拳を振るう。負けじと四本腕も水人間に襲い掛かるが、水人間の体は飛沫を上げるだけですぐに飛び散った水が集まり人型を取り戻す。。
 そんな異形の戦いを思わず拳を握りながら見守っていたルイズだが、いつの間にかその周囲にまたいくつもの星が集まっていた。ある星の中には不毛の荒野で粗末な鎧の盗賊がカードを手に亜人を率いて村を襲い、ある世界ではドラゴンが奇妙な剣を手にしたメイジ
――いやセプターによって打ち倒され、ある世界では大量の矢が飛び交う戦場で平然とジャグリングを演じるピエロが笑っていた。角ばった塔が林立する中を走る道を大量の人が埋め尽くす街があった。
火の雨が降り注ぎ人々が逃げ惑う光景があった。薄暗い樹海を生き抜く小さな獣の一生があった。
 いくつもの星々、その中にある全く知らない異郷の風景、次々に集まっては散ってゆく星の見せる世界にルイズは見入っていた。だがある一つの星に手を伸ばした時、突然周囲を強い光が満たし始める。驚きの声すら塗りつぶす強い光、両手をかざしながら光源へと向き直ったルイズの前に、光を背負った巨大な人影が立っていた。
「始祖……」
 思わず呟くルイズ。ルイズたちハルケギニアの人々にとっての絶対の存在である始祖ブリミル、それを思わせるほどの強大な存在感を持ったものが彼女の前に居た。


 ――――力を使え

 厳かな「声」がルイズの心に刻まれる。突然心の中に侵入してきた「声」に戸惑うルイズだが、そんなことは意に介さず「声」は続く。

 ――――その手に集めよ

 「声」と共に、本のイメージが心に浮かぶ。その本がパラパラとめくれて行き、やがて最後のページに到達するとばらばらになって散り散りになる。

 ――――時を越え

 ばらばらになったページが平原に、海に、森に、雪原に、砂漠にとさまざまな場所に降り注ぐ。

 ――――目指せ

 それらのページ、カードに何者かが手を伸ばし……


 覚醒。
 突然の轟音。
 小屋が震え、窓の板戸が、続いて屋根が根こそぎ吹き飛んでゆく。
「な、何が……!」
 突然開けた周囲の風景。今までのことは、今の轟音は何なのか、この光景は何なのか、驚愕の連続にルイズは混乱のまま轟音のする方へ目を向ける。そこにあったのはさらなる驚愕だった。
 屋根がなくなった小屋から見える周囲の木々とそこにそびえる巨大なゴーレム――土くれのフーケ。だがそれ以上にルイズたちを驚かせている物、それはルイズの手の中にあった「破壊の剣」、このただの石版だったものが姿を変えつつあったのだ。
「これは……カードが……」
「ル、ルイズ!? もしかしてこれが破壊の剣の本当の姿なわけ?!」
 現れたフーケのゴーレムを前にして浮き足立っていたキュルケとタバサが今の状況も忘れて変容する破壊の剣を見つめていた。その変化しつつあるカードを呆然と見つめていたルイズの唇が、無意識に脳裏に浮かんだ言葉を呟いた。
「ストーム、コーザー」
 胎動。
 その言葉が紡がれた瞬間、「破壊の剣」はルイズが先ほどまで見ていた星の中の世界のよう、その中に秘められた力を顕現させた。

「なんてこったい、大当たりだよ。まったく生徒なんかがやって来ちゃ誰も使い方が解らないと思ったら……何とか生け捕りにして使い方を吐かせてやらないとね」
 小屋の方へと足を進めるゴーレムの上で、土くれのフーケは姿を変えつつある「破壊の剣」を見下ろし不敵な笑みを浮かべながら呟いた。学院から破壊の剣を盗み出したフーケだったが、箱の中に収められていたのは小さな石版一枚だけだった。なにのマジックアイテムだろうとは思うのだが、破壊の剣の名を呼ぼうと、思いつく限りの呪文で呼びかけても何をしても反応しない。このままでは魔法学院の宝物庫から危険を冒して使えないゴミを持ち出したことになってしまう。それ故フーケはさらなる危険を犯すことになるものの学院へと取って返して教師達を破壊の剣の元へとおびき出して使い方を知ろうとしたのだ。
 結果としてこの芝居は成功したものの、教師達は身の危険と任務に失敗した時の責任に二の足を踏んでなぜか生徒がやって来てしまった。しかし、その生徒の中に「破壊の剣」の使い方を知る者が居たというのはとてつもない幸運である。
「さぁて、森の中じゃこのゴーレムから逃げるなんて無理だろうねぇ。
再生する私のゴーレム相手にどこまでやれるかい?」

「おお、ルイズ様はやはりセプターの才が……」
 展開してゆくカードの姿を前に感激の声を漏らすミゴール。見守るキュルケとタバサ。その前でようやく、カードの中に秘められていた物が姿を現した。
 最初に飛び出したものは、禍々しい鉤爪。それを先端に付けた昆虫のような、百足の胴体のような足が続けて何本も飛び出して展開したカードの淵を捕らえ、びきびきと力が込められて行く。
 みちりみちり、そんな音を漏らしながら、カードから飛び出した足が中からその「破壊の剣」そのものと言うべき物を引きずり出す。
最初に引き出されたのは眼、緑に光る眼球。それが瞬きをするたびに単眼と複眼に入れ替わる。その眼の先に存在する刀身には人の顔が刻み込まれていた。それも慟哭に震えるかのような、恐怖と絶望に染められたデスマスクである。
 現れたのは禍々しくおぞましい魔剣。赤黒く塗れた刀身に緑の光を灯す眼、ギチギチと蠢く柄から伸びた鉤爪のある触手――まさに
「破壊の剣」と言う名に違わぬ恐怖を与える姿だった。
「これが……破壊の剣だって言うの……こんな物が、学院の宝?」
 迫るフーケのゴーレムよりも、この剣に恐怖を感じて一歩後ずさるキュルケ。ルイズはそれに構わず視線を傍らのミゴールに移す。
顔を上げるミゴールと眼が合う。無言で力強く頷く己の使い魔の姿に、ルイズも頷き返す。今、ルイズの心の中には先ほどの混乱と驚愕は既に無く例えようも無く落ち着いていた。自分の心が、精神が、ルイズという存在が「広がった」、そんな感覚がルイズにあった。
「ミゴール、この剣で勝てるわね?」
「お任せ下さい」
 短い言葉。ルイズとミゴールの意思を受けて、破壊の剣が担い手としてその鉤爪の生えた足をミゴールに伸ばして右腕に食らい付き同化してゆく。黒い血が飛び散り腐臭と煙を上げ、ボコボコと皮膚の下に剣の足が潜り込む。そのおぞましい姿に青ざめるキュルケとタバサだったが、ルイズは顔色を変えずにその様子を見届けると、一言命令を下した。
「やりなさい」

 フーケはゴーレムの上から小屋の中での「破壊の剣」の変化を見届け、ルイズを人質にしようとゴーレムに腕を伸ばさせながら一歩踏み出そうとした。だが、その視線の先でルイズがその使い魔――
昨夜にただの鉄の棒を投げつけてゴーレムの体を抉った亜人に破壊の剣を持たせるのを見て一瞬体が凍った。頭の片隅で、盗賊としての勘が猛烈に警鐘を鳴らし始める。これは危険だと、ゴーレムの力を過信するなと、今すぐ逃げろと本能が叫ぶ。トライアングルメイジとしてのプライドが、土くれのフーケという自負がそれを押し止めようとするが――
「ちっ、こういう勘は当たっちまうもんだよっ」
 吐き捨てるとゴーレムの肩を蹴り後ろへ跳躍しながらレビテーションを唱える。結果として盗賊としての勘に従った行動が、プライドによる躊躇いが、その双方がフーケの命を救った。
「コオォォォォォォォ!」
「ッガアアアアアアア!」
 二つの咆哮。一つは洞窟を吹き抜ける風のような空虚で寒々しい心を乱し引き裂く声。もう一つは昨夜も聞いた、敵に死の先触れの恐怖を刻む荒々しい闘争の雄叫び。
 爆音に近いほどの猛烈な突風が吹き荒れ、残った小屋の壁が舞い上がり風に砕け、直後に風が収束して収まる。その風が収束した中心、そこにあの亜人が破壊の剣を腰だめに構えてゴーレムを見据えている。その右腕は破壊の剣と一体化し、亜人と破壊の剣、双方の禍々しい外観が相まって、おぞましい異形の怪物となっていた。
「グゥゥ、ゴアアアアァァ!」
 振り抜かれる破壊の剣。
 その刀身から迸った物は、風。ミゴールの雄叫びすら飲み込み吹き荒れる嵐を刃として押し固めた破壊の刃。それは大地を抉り木々を切り裂く。ぶ厚いゴーレムの胴をあっさりと両断してフーケの足元数メイルの空間を突き抜け、それでも止まらずその背後の森を斬り進む。
「くっ、さすが学院の秘宝だね……だけど両断されたくらいならまだ再生は」
 空中で幸運にも嵐の刃を身に受けずに済んだフーケが、さらなる破壊に巻き込まれる。押し固められた嵐が解き放たれ爆裂する。風が爆発する、新たに小さな刃がでたらめに飛び散る、また爆裂する。
嵐の刃を追いかけるように走る風の爆発が両断されたゴーレムを粉々に砕き、フーケを深い森の中に吹き飛ばし、そして森を1リーグに届く程も切り開いた。破壊の剣の一振り、たったそれだけのことがこれ程の破壊を巻き起こしたのだった。


「あぁ、そっちはどう?」
「……(ふるふる)」
「そう……やっぱり、あれに巻き込まれて……」
 使い魔の風竜から降りたタバサからの返答に沈むルイズ。フーケをただの一撃で撃退した「破壊の剣」の破壊力はすさまじいものだったのだが、如何せん破壊力が大きすぎたのだった。森を切り開くほどの破壊力はルイズたちが乗ってきた馬車にも及んでいた。嵐の刃の痕跡が残る末端付近なのだが、それでも馬車は目茶目茶に砕け散っており、馬車を牽いていた馬も無残に「散らばって」いる。
 あの破壊の剣の一振りでフーケのゴーレムが破壊されたのは一目瞭然、だというのにミス・ロングビルは一向に現れる気配が無かった。フーケのゴーレムが破壊されたというのに、周囲の警戒に残ったミス・ロングビルが現れない理由……考えられるのは、フーケに捕らえられたか破壊の剣に巻き込まれて気絶している、あるいは……
 と、その時森の木々の間を縫って空に火球が一つ昇り爆発した。
はっとしたタバサがレビテーションを使い木々の上に浮かび上がる。
その視線の先で、髪に木の枝をつけたキュルケが気絶したロングビルを抱えて飛んできていた。

「全く、感謝して欲しいわねルイズ。私が見つけなかったら気絶したミス・ロングビルを死んだことにして帰っちゃう所だったのよ?」
「むぐ……でもあんたがやったことってそれだけじゃない」
「何よ、そもそもミス・ロングビルが気絶したのはあんたのとこのせいじゃない」
 気絶したミス・ロングビルの手当てをするタバサ――水の系統魔法に加えて応急手当の心得もあるそうだ――の横で言い争うルイズとキュルケ、その騒がしさによってか手当てのかいあってか、そのまぶたがゆっくりと開かれる。
「眼が覚めた」
 タバサの声に、ルイズとキュルケは慌てて言い争いをやめてロングビルの様子を窺う。三人が見守る前でロングビルは上体を起こしながら何度か瞬きをする。そして、
「なっ、あ、あんたらっ!?」
 慌てて跳び退ろうとするが、先ほどまで気絶していた程の打撲と感覚の狂いに疲労で地面に倒れこむ。キュルケが慌ててその体を抱き起こし、ルイズと共に声を掛ける。
「大丈夫?! ミス・ロングビル、しっかりして」
「ミス・ロングビル、もう大丈夫です。フーケは倒しました、もう安全ですから」
 体を支えられた上体で前後から声を掛けられることで、だんだんとロングビルも落ち着きを取り戻して目覚めた直後の怯え慌てた様子も収まった。目覚めたロングビルにタバサがいくつか質問しつつ体の調子を確かめて骨折などの様子が無いことを確認する。
「ああすみません、ご心配をおかけして……すっかり足を引っ張ってしまいましたわ」
「お気になさらないでミス・ロングビル。それもこれも加減を知らないヴァリエールがいけないのですわ」
 口元を隠しながら笑うようなしぐさをするキュルケ。それに反論しようとするルイズだったが、その前にロングビルが慌ててルイズの肩を掴んで問いかける。
「そうですわ、破壊の剣ですわ! ミス・ヴァリエール、破壊の剣の使い方は、今どこに!?」
「ちょ、ミス・ロングビル落ち着いて……」
「ですから、破壊の剣はっ」
 と、そこでロングビルの言葉が途切れる。ずい、と半身を黒く汚したミゴールが無言で歩み寄るとロングビルの体に手をかけて持ち上げる。というか体が宙に舞った。自由落下を経てどさりと地面に激突する。
「ご無事ですかルイズ様?」
「ミ、ミゴールあんた怪我人に何してんの!」
 ルイズの傍に控えていたミゴールが強引にロングビルの体を放り投げたのだ。先ほどの破壊の剣を振るった際の傷が開いて黒い血が滴っている怪我人の一人なのだが、多少動きが鈍い程度でどうもあまり気にした様子が無い。とりあえずミゴールは大丈夫そうだと判断したルイズは再び慌ててロングビルの元へと駆け寄る。
「落ち着いて下さい、ミス・ロングビル。破壊の剣は無事取り戻しましたわ。ほら、ここに」
 そう言って胸元にしまって置いたカードを取り出すルイズ。だがロングビルは苦しそうに身を起こしながら首を振る。
「いえ、ミス・ヴァリエール……その破壊の剣は学院の秘宝でありながら誰も使い方が解らなかったそうです。もし使い方が解るのであればやって見せて頂けませんか? そこまで確認しなければ……」
 苦しそうに言葉を紡ぐロングビルの様子に、ルイズは頷いてカードを手にその名を唱える。
「ストームコーザー」
 再び展開するカード、そこから現れる禍々しい魔剣を見てロングビルはにやりと微笑んだ。現れた破壊の剣――ストームコーザーに手を伸ばすルイズに、ロングビルは渾身の力を振り絞って飛び起きて思い切り突き飛ばす。
「な、ミス・ロングビル!?」
 驚愕するルイズたち、その前でロングビルがストームコーザーを手に取って倒れたルイズに突きつける。その表情は苦痛と疲労、そしてそれ以上の悪意で歪んでいた。
「やれやれ、こんなことになっちまうなんて予想外だよ。でもまあ予定通り人質も取れたし……げほっ、結果オーライってとこかね」
「ミス・ロングビル……いえ、もしかして……」
 突き付けられた刃の下でルイズが睨む。その視線を受けてロングビル、いやフーケが悪意に満ちた笑顔を返す。
「そうさ、わたしが土くれのフーケさ。盗んだのはいいんだけど、使い方が解らなくてね。ふん、要するに全然関係ない名前が付いてただけかい」
 フーケはキュルケ、タバサ、ミゴールの様子を見守り牽制しつつどうやって逃げようかを考え始める。だが、いかにも悔しそうにしているキュルケに対して(タバサはいまいち解らないが)ルイズとミゴールの様子が妙に落ち着いている。特に、あの忌々しい亜人のミゴールはやたらと主人に忠誠心が強く、先ほど怪我人のフーケが主人の肩に手をかけただけで宙に放り投げるほどだ。それがこうして剣を突き付けられた主人を遠巻きに見ているだけというのはおかしい、何かを企んでいると見るのが正解だろう。
 ならば、とフーケは考えを変えた。もうみんな殺してしまおう、全員この場で殺して、しばらく休んで体力が回復したら死体5人分になるほどばらばらに刻んで逃げればいい、それが一番確実だ、そう考えた。
 常識的に考えればそれが確実な手段だったろう。だが、今この場この状況においてはその判断は致命的な失敗だった。いや、これを
「フーケが判断を誤った」と言い切るのは酷なことだろう。フーケは知らなかったのだ。ストームコーザーがどういう剣なのか、ミゴールがどのようにしてこの剣を右腕にとったのか、そして、ミゴールの血が「黒い」ということを知らなかった。故に気づけなかったのだ、魔剣が放つ破壊力の代償が何なのか。
 このフーケの攻撃の意志を、殺意を、右手の魔剣は鋭敏に感じ取り、彼女を次の自身の担い手と認めて――その触手を伸ばし、体に突き立てた。

 鮮血が舞った。
 邪悪な笑顔を浮かべたままのフーケの首がぼとりと転がる。
 バケツをひっくり返した、と形容されるようにルイズの上に血が溢れる。ストームコーザーがフーケの右腕を咥えたまま地面に突き刺さる。
 血を溢しながら立つフーケの体は右腕から右胸までが、一瞬にしてストームコーザーの触手によって綺麗に食い千切られていた。

 起き上がるルイズに押されてどさりと倒れるフーケの体。
 思わず嘔吐するキュルケ。破壊の剣に杖を向けるタバサ。
 それをよそにルイズはマントで顔を乱暴に拭い、軽く精神を集中する。するとそれに応えて破壊の剣は再びカードに戻った。そう、カードはルイズが己の意志でその内に秘められた力を解放していただけであるため、ルイズがカードに戻そうと思えばフーケの命を奪う前にカードに戻すことも出来たのだ。だがそうしなかった。始めて得た「己の」力に酔っていたのだろうか、それともこんなことに慣れなければいけないという無意識の決意なのだろうか。フーケの死の証である鮮血に濡れながら、ルイズは先ほどの行動を思い返し、なんとなく口に出して思い返してみる。
「私も随分変わってしまっていたのね。ミゴールを召喚して、カルドセプトなんて神話を知って、ミゴール族を救うと誓って……私がカードが使えると知って……ふふ、そしてフーケを見殺しに、いいえ、フーケを殺して……なのにこんな風に落ちついてられるなんて」
 口にした瞬間、ルイズの体に一瞬震えが走った。口にしたことではっきりと自覚した。落ち着いてなどいない、ただ理解できなかっただけだ、理解を拒否していたんだと気づいてしまった。
 私は、人を殺した。
 震えが手にも伝播する。いけない、そう直感する。このままでは自分が壊れる、そんな思いが脳裏に浮かぶ。耐えなければいけない。
フーケは罪人だ、自分達を襲った、それに貴族ではない、むしろ賞賛される行為だ、そんな自分を弁護する言葉が次々と思い浮かぶが、そんな考えを勢い良く頭を振って追い出す。飛び跳ねた血の飛沫に遠巻きに様子を窺っていたキュルケが小さな悲鳴を上げたが、ルイズは構わず己の使い魔を呼ぶ。
「ミゴール。こいつの、首を、持って帰るわ。こんな表情なんだもの、証拠としては十分でしょ」
「はっ」
 足元の生首を示しながら必死になんでもない様子を装う。私はこんなことに動じたりはしない、父様と母様も戦争を経験しているのに、その娘の私が盗賊退治で「人を殺してしまった」なんて言えるものか、父様と母様に「人を殺しす感じにどうやって慣れたか」と教えてもらうつもりか。自分に言い聞かせ、心に湧き上がる恐怖と後悔に必死で耐えた。そうして傍らにやってきたミゴールと共に、フーケの首をその手に取って、フーケのローブで包む。震えそうになる両腕と足を叱咤しながら、行動によってルイズは死を乗り越えようしていた。
 そうして昨日までならば想像すら出来なかった行為を終えたルイズは血にまみれた袋を手に提げながらキュルケたちの方へ振り返る。
ルイズはなんでもない風を装いながら、しかし強張った表情と声でキュルケとタバサに告げた。
「ねえキュルケ、タバサ、帰る前に頼みがあるんだけど。私が「破壊の剣」の使い方を知っているってこと、秘密ね。……絶対に言わないでよ?」


 ストームコーザー。嵐を刃とする「最強」の魔剣。
 「最強」の代償は、命。命を用いて嵐の刃を得る。
 そして「最強」を振るう代償を払い切れない者がその力を求めた時、その者は刃を振るう間も無くただ命の全てを食い尽くされ無為の死を遂げる。
 その犠牲者が、また一人。

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