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  • 異世界に灯る聖なる焔の光-03a

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界に灯る聖なる焔の光-03a

最終更新:2009年01月26日 00:59

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  • 異世界に灯る聖なる焔の光


時空が違えど、変わらないものがある。太陽はその一つだ。山間から昇る柔らかな陽光が、今日も天地の命に活力を与えている。
日輪の輝きを受けて、トリステイン魔法学院の外壁が鈍く光る。今日も、いつもと変わらない平穏な日々を告げる淡い光線が学院内注がれる。
異世界より降りし、赤い髪の男児とその主人を除けば。
陽光と薄暗さが溶け合う部屋の中で、貴族の使い魔が目を覚ました。

「ん、く……、朝か」
スッキリとした目覚めじゃない。意識の半分が朦朧としている。俺は目を擦って、どうにか起きた気になる。
昨夜の大騒ぎのせいだ。頭がボーとするのが抜けない。視界も狭い。度の合わない眼鏡でも掛けたように目の焦点が合わない。
こめかみを指で押えようと腕を動かそうとしたら、体のほうもかなり重い。重体だった身が一晩で回復するわけがないってわけか。
ヴァンに鍛えられてなきゃ、ろくに体を動かすこともできなかった。表面では憎もうとも、常に俺を助けたのは師匠の教えだ。
俺はさほど苦労もせずに上体を起こせた。見慣れない調度品に囲まれている。何処だここは。
その答えは瞬きより早く導き出せた。
眠気で相当なボケをやった。慣れるほど滞在していないとはいえ、昨夜の記憶が曖昧になってるとは。
リミットが近い兆候だろう。この部屋には馴染めそうもない。

「おはようございます。ミスタ・ファブレ」
快活で小気味いい声が響く。勝手に傾げようとする首を曲げると、メイドが立っていた。昨日付けで俺の御主人様とやらの使用人となったシエスタだ。
「おはよう。早いな」
屋敷でもそうだった。メイドの朝は早い。俺は、誰かさんと違って、朝は早いほうだ。それでも、着替えにメイドが間に合わなかった記憶はない。
俺の目覚ましが扉をノックする音だったことは両手で数えるのが馬鹿馬鹿しいほどだ。
「は、はい。やることは朝からありますから。それに……」
「それに、何だ」
何となく、相槌を打ってみた。
「き、貴族のベッドで眠るなんて初めてで……、緊張してあまり眠れませんでしたから」
貴族とメイドには厳然たる格差がある。同じなのは屋敷に住んでるだけだ。寝床がいきなり貴族のものとなって、熟睡できるほど豪胆なメイドはそうそういない。
「あ、も、申し訳ありません。メ、メイド風情がえ、偉そうですよね」
そう言って、シエスタは椅子の上に置いてある服を手に取った。上着と思しき物の色は白。下穿きは黒い。あれは昨日ルイズが着ていたものか。
シエスタはそいつを持って、俺の前へと近づく。

「ミスタ・ファブレ、これはあなたのお召し物です。ミスタ・コルベールからこれを着るように、との指示を仰せつかっております」
ベッドで寝息を立ててる女とは関係がなかった。よく見ると、下穿きが男用だ。
わざわざ、こんなものまで用意するとは。学院側としては、俺が包帯を曝け出して学院内を練り歩かせるわけにも行かないだろう。こればかりは極々自然な事だ。
解せないことは、さっきからムニャムニャうるさい主人の服の男用ってことだ。
「そこでお寝んねしてるのと似たような服だな。どういうことだ」
「ミスタ・コルベールは、ミスタ・ファブレはメイジであられるので、学院の制服でも問題ないだろうと仰っていましたが……」
こいつはこの学院の制服らしい。いくら貴族であっちの論理の魔法が使えるとはいえ、俺は学院に籍を置いてない。どういう措置だ、これは。

「あ、お、お気に召さなかったでしょうか」
シエスタが心配そうに覗き込んでくる。機嫌を損ねた風に見えたんだろう。
「いや、これでいい。断ったところで、他に着る服を調達できない」
「そ、そうですか。良かった……」
シエスタは体が一回り小さくなったと錯覚するほどに全身から力と空気を抜いている。
コルベールはこの女にどんな忠告をしたんだ。少なくとも、親しく接しろだの、敬うようにだの、お近づきになるような指示は間違いなく出ていない。
俺としては好都合だ。こうもおっかなびっくりしてれば深入りしてくることもない。
「そ、それではお洗濯に行ってきます。もうすぐ朝食の時間なのでお早めに食堂へ向かってください」
そう言って、シエスタは服が入った桶を持って小走りで部屋から出て行った。メイドの朝が忙しいことも、屋敷にいた頃と変わらないな。
「朝食か……」
俺の体を考えるなら、あまり人前に出るべきじゃない。一人でこの部屋に寝そべって療養してもいいはずだ。
しかし、食事に出てこない、容態が重いのか、と俺を監視してる連中に思われるのは都合が悪い。
あっちにとって、俺の存在自体が懸念材料になっている。俺の体調が悪いと、そいつがそのまま抗議文となって飛んで来るとかで、戦々恐々となってることもありえる。
異世界に文を届ける方法があるなら、是非とも利用したいもんだ。遺書を残してもいい女性が地平線の彼方どころではないほど遠い国にいるからな。
俺は健康的に、貴族と変わらぬ生活をしたほうがいいだろう。それが、一番の誰の関心も引かない方法だ。

背中に太陽の温かみを感じる。ちんたらと腰を下ろすのは終わりだ。
後ろに振り返ると、昇る日などどこ吹く風、のんきに寝相を打ってるご主人様がいる。窓から注がれるほのかな光の束を浴びても睡魔の湖に引っ込んだままだ。
今この部屋に残ってるのは俺とルイズだけだ。必然的に俺が叩き起こすことになる。
俺は立ち上がって、ルイズのベッドのシーツを掴んだ。そして、思いっきりひっぺ返した。
「な、なぁ、なにごと!」
シーツを剥いだらルイズが飛び跳ねた。横たわった状態から空中に浮くとは器用で豪快な女だ。
「朝だ。ご主人様」
「ふぁ、へ……朝。そ、そう。……ってあんた誰よ」
人が壮快な目覚めを提供してやったのにまだ夢に中にいやがった。呆れた暢気さだ。
「てめえの使い魔だ。人の顔を憶えないと将来苦労するぞ、貴族のお嬢様」
「あ、ああ。確かルークって言ったわよね。昨日召喚した……」

ルイズは左手を支えに、右手で目を擦っている。一定間隔で頭がカクカク上下するのは眠気を完全に払えてない証拠だ。
「飯の時間が近いそうだ。このままだと遅刻するな、ご主人様」
「も、もぉそんな時間なの。ふぁ、早く着替えなきゃ……」

ルイズは大きく背を伸ばして全身に覚醒を促していた。ようやく、お目覚めになりなさった。
「あれ、メイドのあの娘がいないみたいだけど」
ルイズは部屋を見回しながら、自分の専属メイドを探している。
「洗濯だとよ。しばらく戻ってこない」
「ご主人様と使い魔の寝巻きをほっぽっといて洗濯?おかしいんじゃない、あのメイド」
そう言われると確かに妙だ。寝巻きが入らないほど洗い物の量が多いとは考えにくい。さっき見た桶の中にたいした嵩はなかった。
それに、やたら急いでいる印象を受けた。他にも仕事を抱えているんだろうか。
「主人を着替えさせるのは下僕の仕事だってのに。あのメイド、貴族の仕え方を知らないのかしら」
「さあな、忙しいんだろ」
「仕方ないわね。ルーク、私に服を着せなさい」
「お断りだ。服くらい自分で着やがれ。外で待ってるから、終わったら呼ぶんだな」
ルイズの眉間に皺がよったので、さっさと扉に向かって歩き出す。朝っぱらから耳を不快にさせたくはない。

しばらくは扉の向こうから叫び声が聞こえていた。騒いでも無駄だと知っただろう今になっては壁越しに響く音はない。
壁にもたれ掛かって目の前のランプを眺めてみる。俺の知識からすれば、かなりの年代物。貴族を集めた学校でこれなら、この時代の科学水準はさほど高くない。
俺の背もたれの壁側には木の扉が並んでいた。ルイズと同様、ここで魔法の学を修めてる貴族の部屋だろう。この区画は貴族の寮と聞いている。
あれこれ推察を始めると、扉が開いた。桃色がかったブロンドの髪、アリエッタと同じ色のそれがなびいて俺の前に流れる。
「終わったわよ。次はあんた」
俺は部屋に戻って、上着に手をかけた。

学院の制服の着心地は悪くない。さすがは貴族御用達といったところだ。マントも大して気にならない。
神経を使うのは眼前で仁王立ちしている女だ。俺の格好を見るなり、急激に機嫌を悪くして動かない。
「何であんたが制服着てるの」
「知らん。コルベールの指示だそうだ」
「あんた使い魔。それは貴族しか纏えないの」
「俺も貴族だ。ヴァリエール殿」
顔を真っ赤にしたルイズは踵を返して足早に廊下に出た。俺も遅れずに付いて行く。

後ろ手に扉を閉めると、隣の扉が開いた。香水の甘い匂いが漂う。
部屋の主は女だった。背は俺と変わらない。柄じゃないが、グラマラスでスタイルがいい。そして、俺と同じ焔の象徴をなびかせている。
赤い髪の女はルイズを見て、意地悪そうに笑っている。
「おはよう。ルイズ」
ルイズは女と視線を合わそうとしなかった。あまり良い仲ではなさそうだ。
「おはよう、キュルケ」
女は俺へと視線を移す。俺の全身を嘗め回すその瞳は蛇のそれを連想させた。明らかに俺を値踏みしてやがる。
「あんたの使い魔……、本当に貴族とは思わなかったわ」
「そうね。口が悪すぎて貴族と思えないけど」
ルイズがそう言った瞬間、キュルケって女が吹き出した。自分の事を棚に上げている、俺と同じ感想だろう。
ルイズはキュルケを睨んで地団駄を踏んでいる。かなりご立腹であるご様子だ。言葉が出ないのは自滅したとわかってるからか。

その様子をニヤニヤしながら眺めているキュルケは艶かしさを加えた瞳で俺を捕らえる。
「あなたのお名前をお聞きしてよろしいかしら」
「ルーク・フォン・ファブレだ」
名前を言ったら、キュルケが細い指を顎に触れさせ記憶を探る姿勢になった。
「ファブレ……、聞いたことないわね」
「ハルケギニアの貴族じゃないからな」
俺の言葉を聴くなり、キュルケ女は驚いた顔になった。コルベールも同じ話で似たような反応をしていた。どうやら、ここでは異国の人間が珍しいらしい。
「あんた、もしかして砂漠の向こうから来たわけ」
「ここらの地理には疎い。遠い国としか言えない」
「そう、まあいいわ」
そう言うと、キュルケは腰を折り、俺を上目遣いで見つめ始める。瞳が水に浸っているほど潤んでいる。
「ミスタ・ファブレ。あなたの私の運命の人だと思うの。炎の髪が映える夕日の中で、お互いの思いを燃え上がらせません」
何をするかと思ったら、とんだお誘いだ。俺にはナタリアがいる。こいつ程度に焦がれる心などない。
「断る。篭絡するなら別の男でやれ」
「あなたほどの殿方、このハルケギニア広といえども滅多にお目にかかれませんわ。もっと自分の魅力に自信を持たれては」
ブラウスの裾を指で引っ張っている。おまけに腰をゆらゆら振っている。娼婦か、この女は。
「ちょ、キュルケ!こいつは私の使い魔なのよ。手を出さないで!」
「あら、いいじゃない。こんな素敵な男、あなたの使い魔にしておくには勿体ないわよ」
どっちの意見にも半分だけ同意したい。俺は素敵とは程遠い男だ。それに、使い魔といっても形式だけの期限付きだ。
「はしたない女だ。下らない。俺は食堂に行くぞ」
「あ、ちょっと、ルーク。ご主人様を置いていかないでよ」
小刻みな一人分の足音が耳に届く。これはルイズだ。キュルケは扉の前から動いていないらしい。
くだらないことで足止めを食らった。俺はここの貴族とも馴染めそうにはない。もっとも、そんな気は皆無だ。

食堂へと向かう途中、左手の角から昨日見た黒いローブが歩いてきた。コルベールも朝食の徒についているようだ。
「おや、君はミスタ・ファブレではありませんか。おはよう。昨日はよく眠れたかな」
「おはよう。再会は教師と使い魔の関係になってからじゃなかったのか」
コルベールが傍目では知覚できないほどわずかに視線を落とした。何かあるのだろうか。
「私はこの学院の教師ですぞ、ミスタ・ファブレ。そして君は使い魔となった。私の言葉通りだろ」
解せない気分になるのはコルベールの言うとおりだからか。この俺が使い魔とは、世も末ってことだ。
コルベールは先ほどと同様に視線をわずかに落とす。俺も目線を負ってみると、それは俺の左手に到達した。俺の手に何か付いているのか。
「おい、どうした」
「ミスタ・ファブレ。君の左手の使い魔のルーンを見せてくれないかな」
「使い魔のルーン?何だ、それは」

「使い魔になりましたって証よ。あんたの左手に刻まれたのね」
振り返ると、ルイズが真後ろに立っていた。息が荒いのは俺の歩く速度に追いつこうとしたためだろう。
左手を見てみると、甲に妙な文字が刻まれていた。どうやら、こいつが使い魔のルーンらしい。
コルベールが顔を近づけて覗き込んできたので、俺は少しだけ手首をひねって見えやすいようにした。
「珍しいルーンだな……。後で調べてみるか」
そう言って、コルベールは身を引いた。踵を返そうとして、忘れ物でもしたのか、一歩も進まず立ち止まった。
「そうだ。ミスタ・ファブレ。君が着ていた騎士の正装なのかな、あれは私の口利きで同じものを作ることになった。数週間もすれば完成するそうだ」
なんとも至れり尽くせりなことだ。俺を買いかぶりすぎだな、この学院は。
俺の死に装束になるはずが、レプリカの被験者になろうとは。あれは特別な素材を使って、物理攻撃と譜術攻撃のどちらにも耐性がある。再現は難しいはずだ。
「いらんお世話だ」
「人の好意は素直に受け取るものですぞ」
コルベールは俺から目線を切って、食堂に向かって歩き出した。
俺の一挙手一投足であたふたしてる奴らの、形だけの好意など受け取れるわけないだろう。

トリステイン魔法学院は大人数が闊歩するだけあって、食堂もかなり広い。記憶の残滓に残っている、バチカルの城の晩餐会を執り行う大広間もここまで広くはないだろう。
食堂の奥まで伸びるテーブルには学院の生徒と思しき俺と同じ格好の貴族が席についている。
各テーブルに座る貴族の羽織るマントの色が違う。これは学年別に分けているのか。となると、俺とルイズは中央のテーブルで食事を取ることになる。
俺の席はルイズの隣だ。主人は使い魔を離ればなれになることを望まなかった。
俺が椅子に腰を掛けようとすると、何人かがざわめく。
「ルイズ、こいつは君が昨日召喚した使い魔じゃないか。なぜ、我々と同じ格好でこの『アルヴィーズの食堂』の席に座ることができるんだ」
隣に座る、小太りの男がいちゃもんを付けてきた。申し訳ない、使い魔風情が偉そうで。
「こいつが貴族だからよ。気に入らないことにね」
ルイズの発言にそこらの貴族がどよめいた。「本当だったのか」という声もあることから、昨日から俺の正体を勘ぐってたらしい。
「だが、使い魔風情が我々と食卓を共にするなど……」
「文句ならコルベールに言え。ここに座れと言ったのはあいつだ」
刺す様に睨んでやったら、小太りの男は竦んで凍ったように動かなくなった。
ここでは俺が蛇だな。竦んだ蛙を早々に眼中から外し、俺は椅子に腰掛けた。

ひそひそ話はまだ続いている。俺が気にすることでもないので、目の前の豪勢な食卓に目を落とす。
何時、料理に手をつけられるかをぼんやり待っていると、誰かが俺の背後に止まった気配がした。
「あら、ルーク。もういたのね」
この声は先ほど聞いたものだ。俺と同じ焔の髪を持つ女、キュルケだ。
正直、合うなり俺を誘惑してきた女の口は聞きたくない。俺は無礼承知で無視を決め込んだ。
「あら、つれないわね。もしかして、私の気を引きたいの」
知らん顔をしたらこれか。アニスを思い出す、ムカつく女だ。
「キュルケ。こいつは私の使い魔よ。手を出さないで」
ルイズが割って入ってきた。単に意地になってるだけだろうが、俺としてはありがたい増援になる。
「あわ、いいじゃないルイズ。彼はメイジの象徴たるマントの着用を許されたのよ。つまり、私達と同じ貴族。あなたの所有物じゃなくってよ」
「う、うるさいわねぇ。こいつの主は私なのよ。それをツェルプストー家の女に渡すわけにはいかないわ」
「あら、恋と炎のツェルプストー家に男を奪われ続けたヴァリエール家のご息女が言うじゃない」
「だ、黙りなさい!私の家を辱めるなんて、許せない!」
援軍は俺をそっちのけで取っ組み合いに夢中となった。矛先を逸らしてくれるとは優秀な盾だ。

ほっとけば何時までも争いそうな勢いだったが、キュルケのほうから身を引いた。
キュルケが席に座ると同時に、誰もが両手を合わせて、目をつぶった。食事の前の祈りの時間だろう。
俺もそれに習って、同じく手を合わせて目を閉じた。
――偉大なるブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧をわれに与えたもうたことを感謝いたします――
貴族の食卓に並ぶのは誘拐直前以来だ。相も変わらず、胃にとってはささやかな糧ですまない。神託の盾で健康的なメニューが続いていた俺の胃が辛いことになりそうだ。
正直、こうした貴族たる者がすべき生活ってのは好きじゃない。
権力者の腹が膨れようと、それで民がうまい飯を食えるようになるわけじゃない。むしろ、俺たち貴族が民に与えられる施しを吸い上げているようにも思えた。
民のテーブルに皿を増やせるのは貴族たる資質だけ。ファブレ家の屋敷から町に繰り出し、神託の盾の任務で世界を巡った俺が辿り着いた一つの結論だ。
この食堂の中に、自分のできることをやり切れる貴族がどれほどいるだろうか。少なくとも、俺の両隣は権力に胡坐を掻いているだろう。
誰にも気づかれぬようにため息を吐く。この世との関わりが不可能となる俺がこんなことを憂いてもどうにもならない。
それより、山のような料理を平らげよう。飯をゴミにするなど、民に対しては最大の侮辱だからな。

「……ふう」
やっと完食した。見た目よりもずっと腹が膨れちまった。今日一日、腹に重りを吊り下げて歩くことになりそうだ。
少しでも胃袋を軽くするために、一息ついてリラックスする。
溜まったものを腸に沈めようと力を抜いたら、陶器が木を叩く音が響いた。
首を捻って音のする方を見てみると、メイド達が各人の前に皿を置いていた。食後に追加される料理など考えなくてもわかる。デザートがまだあった。
これ以上何か詰めたら胃が抗議してきそうだ。民の愚痴を聞くことより耐え難いものではないので我慢はできる。
配る量が多いので、結構な数のメイドが動員されている。テキパキとそつなく作業しているため、次々とデザートが並んでゆく。
腹の膨れを縮める努力をする間もなく、足早に俺の前にデザートを置いたのは見慣れたメイドだった。

「シエスタ」
名前を呼ばれたシエスタは空になったトレーを下から支えながら体に引き寄せ、顔をイチゴのように真っ赤にして俯いている。
俺が名前を言ったのが聞こえたらしい、ルイズもシエスタの方を振り返る。
「あんた、私のメイドじゃない。何でここにいるの」
「は、はい。えー、春の初めは仕事が山積していまして、人手不足が深刻なんです。だから、私が数日お手伝いに……」
口をすぼめて話しているせいで聞き取りにくかったものの、伝いたいことは理解した。
「じゃあ、あんた。私の世話とメイドの仕事の両方やってるわけ」
「は、はい……」
ということは、朝方に慌しかった原因はそれだ。俺たちがとろとろ着替えるのを待ってたら、朝食の準備に間に合わなかったのか。
こんな急場しのぎの配置転換をせざるをえないとは、改めて、俺の存在がイレギュラーだってことがわかる。
いるだけで荷物になるとは最悪の棺桶だな。
「シエスタ。数日手伝うと言ったな。具体的な日時はわかるか」
「は、はい。え~、三日後に補充の人員が来るよう、手配したとのことです」
三日後か。そのくらいだったら、心配することのほどじゃないな。だからといって、俺の責任を放棄する理由にはならない。
後で機会があったら、仕事を手伝えるか申し出てみるか。
「そうか。手を止めさせて悪かった。仕事に戻れ」
「は、はい」
シエスタは、カチューシャが外れそうなほど、大げさに頭を下げて配膳の仕事に戻った。
俺は机に向き直って、苺のケーキを眺める。赤を映えさせる光沢がやけに冷たく感じるのは、胃の愚痴が喧しいからだろう。

「ルイズ、あのメイドと知り合いなのか?」
ルイズのこう聴いてきたのは、言葉遣いがぬるぬるしている金髪の男だ。口がイニスタ湿原と繋がってるかもしれない。
薔薇を片手に食事を奇妙なしきたりある家出身らしい。こんな奴が実在するとは。
「私の専属メイドよ。使い魔が貴族だから、別に世話する人が必要なんだって」
また騒ぎ出した他の連中をよそに、俺はクリームの中にフォークを沈めた。

「掛け持ちしてるなら、してるって言いなさいよ、あのメイド」
食堂から出て、ルイズは開口一番にこれだ。こいつには相手の立場を思い図る頭がないのか。
「それを告げようにも、夢の中に他人は入れん」
ルイズのマントが翻され、空気がはためく。また、この女の短気が顔を出したか。
「う、うっさいわね。昨日の夜なら時間はあったわよ。そういう大事なことは、速やかにご主人様へ報告するべきでしょ」
「しゃべりにエネルギーを回し過ぎたお前が言える台詞か?まあ、それに付き合った俺にも責任があるがな」
「何よ、私が悪いってわけ。それにお前って何よ。使い魔の癖に生意気ね」
「わかってるなら、黙ることだな。それと、あんまり喧しいとお前の使い魔は増長するぞ」
腹に据えかねただろうルイズは野良犬のように唸っている。口を開ければ、倍返しができるボキャブラのなさは呆れを通り越して、哀れみを覚えそうだ。
「一つ聞くが、この後どこに行くんだ」
「教室よ……。授業があるの」
いきり立つ野犬の牙の隙間から漏れる吐息が鼓膜へと流れる。

牙を立てていた犬は少し落ち着いていた。それでも解消されないストレスは、足を速めて振り落とされている。
さっきから、俺とルイズの間で会話はない。頭上から差し込む太陽の輝きが廊下を白と灰の縞模様に彩っている。
影の向こうでお喋りを弾ませている連中と乖離されたような静寂の空間。
といっても、所々に穴が空いている。正しくは、針を通している連中がいる。
ルイズは気付いてないだろう。日の元から外れ、俺達を隠れて覗き込んでる誰かには。
俺は幼い頃から修行に明け暮れ、数多くの戦場で武勲を挙げた。気配を察知する術など朝飯前だ。
敵意は感じるが、今すぐ攻撃が飛ぶほどの切迫した様子はない。
俺かルイズ、どっちが気に入らない分子か知る良しはない。今わかることは、こいつらが尾行の素人以下ってだけだ。
多く見積もって三人。おそらく、振り返ればはっきりと姿を確認できる距離にいるだろう。俺への用なら、相手をしてやらないこともない。
俺にぶら下がる重りを外せればって条件付だが。どうせ、構っても時間の無駄だ。
背中を見てるだけで息を潜めた気になっている間抜けなど、気にする材料にはならん。

廊下の角を曲がって、太陽を背に受ける格好なった。俺の影が伸びで、ルイズの足元に潜り込む。
黒く伸びる俺の頭にマントを捕まれたルイズが歩みを止める。太陽を浴び、より濃さを増した黒いマントに俺の影が飲み込まれる。
俺の髪が桃色がかったブロンドのルイズの髪に重ね合わない位置で、俺も足を止めた。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
俺が数歩引いた場所にいるせいか、はたまた、光がルイズの体のラインをくっきり浮かび上がらせているせいなのか、ルイズがやけに小さく見えた。
「文句は受け付けないぞ」
ルイズの両肩がわずかに揺れる。ルイズの表情が伺えなくとも、体のどこかが今の気分を教えてくれる。
まだ、腹の虫が治まっていないようだ。誰とも馴れ合う気など一切ない俺にとってはそいつに留まり続けて欲しいもんだ。
ただ、常に愚痴を放り投げられたら、俺の我慢の檻に収容しきれないだろう。そいつを回避する予防線は、今後も張らせてもらう。
死に損ないを人目に触れさせただけでも気分は最悪なんだ。更なるストレスは遠慮願いたい。
若干俯いたルイズは廊下に漂う薄暗さを頭で押し退けている。むしろ、呑まれているという表現が正しいか。
そのまま、全てを薄闇の中に投げ出すかと思ったが、ルイズは勢い良く頭を振り上げて光の中に舞い戻った。
桃色の若木が枝を広げ、光の粒子を散らしながら水流が下へと降りていった。
「お願いがあるんだけど、あんたの持っているアクセサリーみたいなもの見せてくれない」
意外な願いだった。用があるのは俺ではなくポケットの中身か。
「そいつは譜石のことか」
「ええと、あんたが身に付けてた綺麗な石をはめ込んだ装飾品……でいいのよね」
あの譜石をどうしたいのか。目的が推測できない。光を浴びていない
「見たいのなら、見せてやるよ」
とりあえず、ルイズに言われるがまま行動することを選んだ。あれこれ類推して進むのは時間だけだ。
俺はルイズと影が並ぶまで歩いた。俺が隣に立つと、ルイズは俺に押されるように顔を背ける。
俺はズボンのポケットの中の詠師加護譜石を掴んでルイズに差し出す。石のきらめきがルイズの目を引く。
「これって、魔法の使用を助ける効果があるのよね」
「ああ、正確には詠唱時間の短縮や譜術、お前らの世界では魔法だな、の負担を抑える効果がある」
ルイズが何を思ってこんな要求をしたのかは不明だ。髪の毛は人の心理を教えない。
「ひ、一つ頼みがあるんだけど……。これ、私に貸してくれない」
まさか、譜石を宝石の類と勘違いした、なんてことはないだろう。何を企んでいるんだ、この主人は。
もっとも、今の俺に譜石は無用の長物。悪用しないなら、誰が使おうと知ったことではない。
「別にかまわないが、こいつをどうしたいんだ」
「授業で使うだけよ。魔法を使うかもしれないからね」
そう言えば、ここは魔法使い養成学校だと聞いていた。この分だと本当らしい。
「それなら問題ないな。何なら、ずっと貰っといてもいいぞ。俺がこいつの世話になることはないからな」
その言葉を発した途端、ルイズは、譜石を俺の手からむしり取り、その勢いのまま石畳を踏みつけながら歩き始めた。
俺は言葉の選び方を間違えたのだろうか。もしかしたら、使い魔風情に物を贈られたことが高すぎるプライドを傷付けたのか。
内面に靄が掛かった女が陰に引かれて遠ざかってゆく。

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