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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロの花嫁-14 B

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの花嫁-14 B

最終更新:2009年02月04日 01:50

匿名ユーザー

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  • ゼロの花嫁


一週間も経つと、キュルケもまともに授業に出られるようになった。
痩せこけた頬、青ざめた表情からは妖艶さが漂う程の美しき面影など微塵も見られない。
しかしそれをツッコメる猛者は生徒にも教師にもおらず、授業は淡々と進む。
一週間も授業をサボっていたのに誰一人文句をつけようとはしなかったのだ。当然といえば当然の反応であろう。
コルベールを除く教師陣は既に問題児四人に関わる事を放棄していた。
生徒でも彼女達に話しかけられるのはギーシュとモンモランシーぐらいで、後はメイドのシエスタのみ。
触れたら炸裂する弾頭のような扱いである。
ちなみにゴーレムの一件以来、ギーシュからルイズへの挑戦は滞っていた。
恐れをなしたのもあるが、それ以上に切実な理由がギーシュにはある。
前回負けたので決闘含めちょうど99回目。
記念すべき100回目の戦いは何としてでも勝利で終わらせたいと、秘策を練っている最中でもあるのだ。
モンモランシー曰く、平民が槍一本持って王城に攻め込むようなもの、だそうであるが。

ルイズ、キュルケ、タバサの三人は学園始って以来の問題児ではあるが、授業は真剣に聞いている。
他の生徒にはない集中力を発揮する彼女達は、そういった面ではとても模範的な生徒である。
キュルケも遅れた分の内容はきちっと復習してきているようで、スムーズに授業を聞く事が出来ている。
時折行われるテストも、それが筆記であるのなら三人共学年で常に上位を保ち続けている。
実践では常にルイズが失敗しているのだが、その際に馬鹿にする者もキュルケぐらいで、他の皆はじーっと下を向いて気まずい雰囲気をやり過ごしにかかっている。
当のルイズはあっけらかんとしたもので、
「すみません、又出来ませんでした。これ以上は授業の妨げになるので、やり直しは後日という事でよろしいでしょうか」
と言いくるめさっさと席に戻ってしまう。
悔しさは当然あるだろうが、心の余裕の様な物が大きく、以前とは又違った対応も出来るようになっていた。

ルイズは燦に命じ、それとなくキュルケにトレーニングのアドバイスをさせる。
体を壊しては元も子もない。
魔法で治すにしても、より効率的なやり方をルイズと燦の二人は確立していたのだ。
何となくだが、直接ルイズが言ってはキュルケは聞いてくれなそうな気がした。
こうしてキュルケも授業に出てくるようになったが、やはり食事は別、一緒に居る時間も授業中のみ。
時折敵意に似た視線をルイズに投げかけ、何かを問いたそうにするも言葉には出さず、去って行ってしまう。
何か誤解があるのだろうかとルイズは思い悩む。
様々な事を共有してきた悪友、他の誰に解らない事でもお互いの間でなら通じる、そんな間柄だと思っていた。
だからこそ、ルイズは何も言わずに待つ。
友が自ら悩みを口にしてくれる時を。
本当に必要な時は、きっと頼ってくれると信じて。



夢中だった。
どうしようもない程に、他の何も目に入らないぐらい。
追いかければ、同じ道を走り抜ければ、きっと辿り着けると信じて。
それでも、やっぱり恐いのは無くなってくれなくて。
ただ毎日疲れ果て泥の様に眠るだけで。
そうしないと眠れない。体の中を暴れまわる言葉に出来ぬ感情が大人しくしてくれない。
だからやっぱり次の日も、目が覚めたら同じ一日を繰り返す。
半月程そうしていて、不意に気付いた。
必要なのはがむしゃらに走る事ではなく、単純に、時間が必要だっただけなんだと。
あの頃どうしようもないぐらい猛威を振るっていた激情は、最近では鳴りを潜めており、あるのはあの時の恐怖のみ。
結局それも恐くなくなったりする事はなくて、恐いままで、何とかやってくしかないんだって。
生まれながらに勇敢で、死を恐れぬ人間も居るかもしれないが、そんな人間に決して自分はなれないんだと思い知らされた。
「ごめんタバサ。私は誤魔化し誤魔化しやってく事にするわ」
ここには居ない友人に向かってそう呟き、キュルケは無茶を止めた。
衰弱死寸前で、ベッドに横になりながらそんな事を考えると、不思議と晴れやかな気分だった。

「こんのバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ大バカーーーーーーーーーーッ!!」
ベッドの脇でルイズが絶叫する。
「こんなバカ見た事無いわ! 死ぬ気で頑張るんじゃなくて、死ぬつもりで特訓するバカが何処に居るのよ! アンタ本気で死ぬ所だったのよ! 魔法も効かないとかどんな状態よ一体!?」
一人でトレーニングをしていて倒れ、発見されたのは数刻後の事だ。
基本的に魔法は怪我や病気を治す手段であり、失われた体力を蘇らせる効果は薄い。
である以上、衰弱が原因で死に掛けたキュルケに魔法はほとんど通用しなかったのだ。
そんな事魔法を学んでいる者なら誰でもすぐに解ろうものだ、だからこそルイズは激怒しているのである。
突然病室のドアが音高く開かれる。
汗だくになって血相変えて現れたのはタバサだ。
横たわるキュルケ以外何も見えないといった様で、ベッド脇に駆け寄りキュルケの手を取る。
乾きひび割れた皮膚、かさかさの肌はいつでも肉感的なキュルケのソレとは到底思えない。
「あはは、ごめん。ちょっと無理しちゃった」
覇気もなく、弱々し気にそう語るキュルケ。
二人がこうしてすぐ近くで触れ合ったのは、あの晩、キュルケがタバサを突き飛ばして以来だ。
「……タバサの言う通りだったわ。どうやら私には無理みたい。ごめんねタバサ」
生気に満ち溢れ、煌々と輝いていた瞳は色褪せ、薄く濁った灰色の目をか細く見開いている。

全部私のせいだ。
キュルケはここまでやれないと思ってた。
こんなになる前に、きっと諦めると思っていた。
ルイズを止めてまで好きにやらせたのは、私が目を光らせているから大丈夫、そんな意味でもあった。
だが実際はどうだ。
自分の事で手一杯で、他に目をやる余裕も無くて、大切な友人を見殺しにしてしまった。
あそこまで追い詰められていたキュルケならこんな事になってもおかしくないと、そう考えられたはずなのに。
自分の都合を優先して、キュルケを蔑ろにした結果がコレだ。

余りに申し訳無さ過ぎて、自分が情けなくて、まともに顔が見られない。

キュルケの手を握ったまま、俯いて静かに嗚咽を漏らすタバサ。
ルイズはタバサの様子を見て、キュルケの有様を見て、何かがズレて来ていると感じた。
それは小さいズレだとも思う。
だが無視していいものじゃない、このまま行ったら四人にとって致命的な何かが起こってしまう。
まだ言葉に出来ぬ言い知れぬ不安といった段階だが、解決せねばならない何かであると、二人を見てルイズは思ったのだ。



絶対安静を言い渡されたキュルケに、燦とシエスタの二人は交代で付きっ切りの看病を行う。
キュルケの事だ、余りに退屈すぎると病室から抜け出しかねないとの判断からだが、その判断を下したのが学院における病室からの逃亡回数歴代一位のルイズなのでどうにも説得力に欠ける。
いや、凄く納得は出来るのだが、つまりお前が言うなという事である。
しかし予想外にキュルケは大人しくしており、また燦やシエスタの看護が良かったのか、キュルケは見る見る体調を取り戻して行く。
ある時、見舞いに来たルイズにキュルケが訊ねた。
「ねえ、ルイズは戦いが恐くないの?」
ルイズは即答する。
「何で私がそんなもの恐がらなきゃならないのよ」
馬鹿馬鹿しいとばかりに言い捨てるルイズに、キュルケは尚も問う。
「相手は本気で殺しに来てるのよ? 何処かで自分がミスしたら本当に死んじゃうのよ?」
キュルケの問いたい事が何なのかわかったルイズは、窓の外を見ながら気まずそうに頭を掻く。
「あー、そういう事ね……そりゃ、まあ、恐いといえば恐い、かも…………でもねっ、そんな事よりもよ!」
キュルケに向き直って強く主張する。
「もっと恐い事色々あるじゃない! そう思えば別に大した事なんて無いのよ! ええ、私は全然恐くなんてないわ!」
「もっと恐い事って、例えば?」
「そりゃ……」
即答しかけて言いよどむ。
そして本気で悩み出す。
「……何だろ?」
「いや聞いてるの私だし」
あーでもないこーでもないと頭を捻ってみたが、やはりうまい言葉は見つからなかった模様。
「と、ともかくそういう時があるのよ! あるったらあるの!」
「はいはい」
面倒になったのか、キュルケは追及の手を止める。
『もういいわ。この不可思議生物はもう、そういう生き物だと割り切るしかないわねぇ』

翌日、キュルケは同じく見舞いに来たタバサに同じ質問をぶつけてみた。
「……恐いし嫌い。でも他に選べないからそうしてるだけ」
ルイズと違い、重苦しい雰囲気を漂わせるタバサから、それ以上の事を聞く事は出来なかった。
仕方が無いのでルイズが戦える理由を聞いてみると、タバサなりの考えがあったようだ。
「元々大貴族の娘。そうやって育てられて来たはずなのに、学院では魔法が使えず劣等生扱い。
 普通なら一週間と保たない。でもルイズは逃げなかった。その理由はわからないけど……
 プライドと体面と自身の能力のバランスが著しく欠けた状態で、一年間踏ん張った。
 あれは、とてもじゃないけど真似出来ない。私はその一年こそが今のルイズを形作る大きな要因だと思う」
キュルケは、まださほどルイズとも付き合いが深く無かった去年一年間を振り返る。
今でこそわかるが、確かにあの状況でヤケにもならず、歪みもせずにルイズがルイズのまま頑張り続けられたのは奇跡に近い。
「……何かといえば馬鹿にしてきたけど、良く考えると私もタチ悪い事してたわねえ」
「キュルケが本気で馬鹿にしてたのは最初だけ」
フォローが入るとは思って無かったキュルケは、きょとんとした顔をした。
「キュルケは意識してなかったと思うけど、ルイズを認めてたから事ある毎に構ってた。
 ルイズにとっては他の馬鹿にしてくる人達と同じに感じられただろうけど、
 キュルケ自身は本気で馬鹿にしてたとは思えない。むしろ色々気にかけてたと思う」
半分呆れ、半分照れたような顔になるキュルケ。
「別にフォローはいらないわよ」
「私はそう思ってただけ。実際どうかはキュルケとルイズにしか解らない」
突き放すような口調は、真面目すぎる話にタバサも照れているからであろうか。
キュルケはぐでーっとベッドに横になる。
「あー、もうわかんない事ばっかりね。自分の馬鹿さ加減が嫌になるわ」
「うん」
ここでトドメを刺すか、と思いタバサの瞳を見つめると、どうやらその「うん」は自身に向けての言葉だったらしい。
少ししんみりとしてしまった空気を変えるべく、キュルケは話題を逸らす。
「でも、今回の件でわかった事もたくさんあるわよ。ありがとねタバサ、何時も私の事見ててくれて」
「私は……」
それが出来なかったからキュルケがこんな目に遭っていると思っているタバサは、その言葉を素直に受け取れない。
しかしキュルケはそんなタバサの事情などお構い無しだ。
「私に出来る事と出来ない事、タバサはわかってたのよね。私あんなヒドイ事言ったのに、それでも心配して病室に飛び込んで来てくれたの嬉しかったわ。本当にありがと」
少し俯き加減のタバサは、ぼそっと呟く。
「……私も一つ解った事がある」
「ん?」
キュルケにしかわからぬ表情の変化、それは、やっぱり照れくさそうだった。
「ゴメン、より、ありがとう、と言われる方が嬉しい」
暖かい何かが胸の中に流れ込んで来て、顔が自然と笑みを形作る。
「それ、私の知る中でも一番の大発見よ」



くすぐったいような感覚は、けど不快では全然無くて。
部屋を出て一人になってもその感じは続いてくれて。
シルフィードに乗ってトリスタニアに辿り着いて。
人混みに紛れて下町を歩く足は自然と軽やかで。

でも、やっぱり私はどうしようもない存在だと、鍛冶屋に着くなり思い出した。

彼に悪意がある訳では無論無い。
これでいいか、そう訊ねながら私が依頼した贋作の杖を突き出して来てるのも、一生懸命さの現われだ。
だから彼は悪く無い。
悪いのは、みんなの信頼を裏切ろうとしている私。
例え誰にも見つからず完遂し得たとしても、多分私はもう、彼女達の仲間にはなれない。

あんなに綺麗な人達の側に、私みたいな薄汚いモノが居るなんて、私が許せない。

でも、例え裏切り者と謗られようとも、彼女達がかけてくれた言葉は決して忘れない。
これが終わったら、私はみんなの為に影に潜もう。
きっと色んな困難を迎えるだろう彼女達の力になれるように。
もう私に笑ってくれなくていい。今までにもらった分できっと一生生きていけるから。

でも、彼女達はそんな私の思惑何てお見通しだったみたい。

盗み出した杖を手にシルフィードの待つ森へと駆ける私の前に、私の大切な友達が立っていたのだから。



どうして、とは口に出来なかった。
始祖ブリミルが私のような卑怯者に相応の罰を下しただけだろう。
正直、この二人に責められるのが、一番堪える。
キュルケはまだ回復しきってない体を引きずるようにして、悲しそうに私を見ている。
ルイズは噴火寸前の活火山のようだ。しかし爆発を堪え、涙目になりながら睨みつけて来る。
サンは口をへの字に結んでじっと見ているだけ。
みんな私が何かを言うのを待っている。
だから私は、極力想いが口調に出ぬよう自制しながら話した。
「……コレ、必要だから持っていく。邪魔……する?」
すぐにルイズが激発した。
近くの壁に力任せの拳槌を叩き込む。
「何でよ!? 何で私がタバサの邪魔するのよ! ねえ教えてよ! 私が! タバサの邪魔をするの!?」
鬱屈していた物全てを吐き出すようにルイズは叫ぶ。
「ねえ! 何でよ!? サンも! キュルケも! そして貴女まで! 何で何も言ってくれないのよ!
 困ってるなら声かけてよ! 辛いなら手を貸すよう言ってよ! 私は……私は……」
怒鳴りながら、歩み寄ってくる。
「貴女達の為ならどんな死線だって潜り抜けて見せるわ! 危ない橋だろうと怪我だろうと恐くなんて無い!
 もしも、どうしても貴女達が死ななきゃならないような事態になったら! 私も一緒に死んであげるわよ!」
目の前まで来たルイズが崩れ落ちる。
「……だからお願い、教えてよ。辛いって、困ってるって……
 ……口に出してくれれば、私何だってやってみせるから……
 私馬鹿だから、言ってくれなきゃわかんないの……ごめんタバサ、私気付いてあげれないの……」
私にすがり付きながら泣き崩れ、それ以上言葉に出来ずにいる。
キュルケは、すたすたと歩み寄ってきて、私の両頬をその両手で包み込む。
ルイズもぐずりながらキュルケを見上げている。キュルケは、笑っていた。
うん、顔は笑ってるけど、全然笑ってない。

ごんっっっっ!!

……頭突きは予想外だった。
痛い、凄く痛い。
「ほら、ここで騒いでちゃ見つかっちゃうでしょ。こっちよ」
私もルイズも、キュルケに引きずられるように一室に隠れた。
片手で頭を押さえてる私を見て、キュルケは見た目は怒った顔をしてたけど、実は笑ってたと思う。
何でこの人は、こんなに私の事をわかってくれるのだろう。
私自身にもわかっていなかった私がして欲しい事を、事も無げにやってくれるのだろう。

ごめんなさい、私もう無理。他の誰は騙せても、この人達を裏切る何て事、出来ない。したく、ない。



つい先日一人で暴走してぶっ倒れたキュルケは、バツが悪そうに頭を掻いている。
「……とりあえず、この場で話進める資格あるのってルイズだけっぽいわね」
同じく単身敵地に乗り込んだサンも小さくなってしまっている。
当然タバサも、観念したのか大人しく言いなりである。
涙目のまま、ルイズは三人を睨みつける。
「アンタ達がいっつも勝手な事ばっかするからねえっ!」
すぐさま降参とばかりに両手を上げるキュルケ。
「ああもう、わかってるってば。私達が悪かったからとりあえずそれは置いておいて、タバサの話」
まだまだまだまだまだまだまだまだ全然言い足り無そうにしつつも、今は時間が無いのはルイズも理解している。
「で、どういう話なのよ? 偽物作ってそれ盗み出したのはいいけど、どっかで使いたいからそうしたんでしょ?」
タバサは静かに語り始める。
自分がガリア王家に連なる出自である事、毒により気を狂わされ人質にされている母の事、
王に疎まれ危険な任務をこなしている事、飲まされた特殊な毒を治す方法を探している事……
全てを語り終えると、ルイズが得心したように頷く。
「……つまり、私達の敵はガリア王って訳ね」
キュルケが即座にツッコむ。
「飛躍しすぎよ! 普通にタバサのお母さん助けて解決にしときなさいって!」
燦は、何故か涙を溢していた。
「……私な、こんな事言うたらイカン思うけど……タバサちゃんがやっぱりええ子じゃったってわかって、ホント嬉しいんよ……タバサちゃんは絶対悪い事嫌いだって……本当良かった……」
それは皆の意見を代弁してもいたのだろう。
ルイズ、キュルケと順に燦の肩を叩いて落ち着かせる。
そしてルイズは肩を鳴らして腹を据える。
「んじゃ、行くとしましょうか。キュルケは留守番、コルベール先生見張って盗んだ事バレるようなら何とか誤魔化しておいて」
不満そうではあったが、まだ完調からは程遠いキュルケは仕方なくその役割を受け入れる。
抜き足差し足忍び足で外に出ると、確認までにとタバサは燦に槍の使い方を問う。
燦は少し自信無さ気であった。
「うーん、確か思いっきり投げればええと思うけど……何か込めるとか言うてた気もするんよ……」
槍の強度は持っただけでわかるので、投げても大丈夫だろうと思い、試しにタバサは槍を両手で掴んで肩に背負う。
タバサが片手で持てるような重さではなかったのでこうしたのだが、少し持ちずらい。
これで母が本当に治るのか。
半信半疑であったのだが、タバサの、母に元気になって欲しいという願いは、数年かけて積み上げた想いは、槍に力を与えた。
「こう?」
そう言いながら走って勢いを付け、槍を放り投げる。
非力なタバサには一瞬槍が宙に浮かぶ程度しか出来なかった。
すぐに重力に引かれ落下する。ほんの1メイルも飛んでいなさそうだ。

その槍が突如閃光を放ち、轟音と共に空へとかっ飛んで行く。

ルイズもキュルケも、そうしろと言った燦までもが、余りの光景に言葉を失う。
ぺたんと座り込んでしまっているタバサは、燦に向き直る。
「……これで、いいの?」
燦は既に光の点と化した槍を見つめながら、それでもタバサを元気付けるよう明るく言い放つ。
「多分大丈夫じゃきに!」
「多分抜いて、お願い」
やはり安堵からは程遠いタバサは、すぐにシルフィードに乗って成果を確認に向かおうとする。
ルイズも燦も余り自信の無い後ろめたさから、焦るタバサを止めようともせずシルフィードの背に飛び乗り、早速ガリアへと向かうのであった。



ガリア国、オルレアン領。
その一角に不名誉な印を押された屋敷があった。
立派な造りであり、広大な屋敷であったが、住人はたったの二人。
ベルスランと言う名の忠実な執事と、その主、オルレアン大公夫人。
毒により狂った主人を、それでもと甲斐甲斐しく面倒を見てきたベルスランは、その日、雷が落ちたような大きな音を聞く。
それが臣下の責務であると信じる彼は、全てをさておき夫人の下へと駆けつける。
結果的にそれは最も効率的な行動となった。
ノックの音にも返事が無い事を訝しみながら扉を開けたベルスランの眼前に、信じられぬ光景が広がっていた。
天井からぱらぱらと土砂が落ちてきており、欠けたレンガは窓際にしつらえてあるベッドの上に降り注ぐ。
そう、部屋に入った人間が、十人中十人注視するだろう、今の常と違うベッドだ。
痩せ細り骨ばった夫人の口が限界を超えて大きく開かれ、瞳は中空にある何かに抗議するかのようにぎょろっと見開かれている。
ベッドに寝ている全身が腹部を中心にくの字に折れ曲がり、その中心には、どうやら天井をぶちぬいてきたと思しき一本の槍が突き刺さっていた。

「奥様ああああああああああああ!!」

ここ数十年出した事もないような大声で絶叫を上げるベルスラン。
まさかこの槍を投げたのが遠くトリステインの地にいるもう一人の主人、シャルロットであるなどと想像だにしないだろう。

血相変えて近くの医師を呼びに向かい治療を行うと、見た目より遙かに怪我が小さかった事がわかり心底安堵する。
そして一つの事に気付いた。
『……ぬいぐるみを手に持っておられぬのに……何故奥様はあのように落ち着いていらっしゃるのか……』



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