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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロの魔王伝-16b

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの魔王伝-16b

最終更新:2009年02月07日 00:15

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ゼロの魔王伝――16b

 コルベールが苦笑するように呟くが、オスマンは手のかかる子供の悪戯を見抜いている好々爺のように、どこか笑いを含んでいた。
 そして、そのタイミングを見計らっていたかのように、ロングビルが宝物庫に姿を見せた。
 若草色の髪をストレートに伸ばし、涼やかな目元に金色の瞳の輝きが美しい、妙齢の美女である。オスマンの秘書として実に有能な働きぶりを見せているあたり、美貌と才能を兼ね備えた人物と言える。
 廊下で待っている筈のDとは鉢合わせしなかったらしい。頬が真っ赤に染まっているとか、目の焦点が合っておらずどこか虚ろに視線を彷徨わせていないのが証拠だ。
 どこにいっていたのか、ロングビルにコルベールが興奮した様子で話しかけた。

「ミス・ロングビル、どこに行っていたんですか! 大変ですぞ! 事件ですぞ!」

 口から唾を飛ばしかねぬ勢いのコルベールに反して、ロングビルはあくまで冷静な調子でオスマンに告げる。

「申し訳ありません。朝から、急いで調査をしておりましたの」
「調査?」
「そうですわ。今朝方、起きたら大騒ぎじゃありませんか。そして、宝物庫はこの通り。すぐに壁のフーケのサインを見つけたので、これが国中の貴族を震え上がらせている大怪盗の仕業と知り、すぐに調査をいたしました」

 尾行とまではいかぬが、教師陣が愚にも着かぬ責任追及で時間を無駄にしている間に、調査を進めていたロングビルの行動は賞賛に値するだろう。オスマンの言葉がなかば的中していたわけだが、そんな事を表には出さず、オスマンが先を促した。

「仕事が早いの、ミス・ロングビル。君を秘書として雇って正解だったよ、常日頃思うておるよ」
「ありがとうございます、学院長。調査の結果なのですが、フーケの隠れ家が判明しました」
「誰かに聞いたのかね? それとも直接フーケの姿を確認したのかね?」
「はい、近在の農民に聞き込んだ所、近くの森の廃屋に入っていった黒尽くめのローブの男を見たそうです。おそらく、彼は怪盗フーケで、廃屋はフーケの隠れ家ではないかと」
「ふむ、黒尽くめのローブとな。ミス・ヴァリエール達が目撃した通りじゃな」

 ちら、と目配せするオスマンに、ルイズがこくりと頷いた。

「はい。姿は同じです、ただ、私達はフーケが男かどうかまでは分かりません」
「ま、夜じゃったしの。その農民は夜明けにでも目撃したか、前々から怪しい風体の男が廃屋に出入りしていたのを気にしておったのかもしれんし。さて、ミス・ロングビル、フーケの隠れ家とやらはここから近いのかの?
「はい。徒歩で半日。馬で四時間と言ったところでしょうか」

 ざっと四、五十リーグほどであろう。コルベールがロングビルの報告に声を上げた。

「すぐに王室に報告しましょう! 王室衛士隊に頼んで、兵隊を差し向けてもらわなくては!」

 コルベールの意見を、オスマンは首を横に振って否定し、ついで目を剥いて怒鳴った。多くの貴族の子弟たちを輩出してきた由緒ある魔法学院の長に相応しい、威厳と迫力に満ちた声であった。普段の色香に目のくらんだろくでなしの老人とはまるで別人だ。

「ばかもの! 王室なんぞに知らせている間にフーケは逃げてしまうわ! その上……、身に掛かる火の粉を己で払えぬようで、何が貴族じゃ! 魔法学院の宝が盗まれた! これは魔法学院の問題じゃ! 当然我らで解決する!」

 オスマンの言葉を聞いたロングビルは、こうなる事を待ち望んでいたような、意味深げな笑みを浮かべていた。美女の浮かべるそれは魅力的であったが、その様子を横目で観察していたオスマンの口元にも、似た様な笑みが浮かんでいたのを、彼女は知らぬ。
 オスマンは咳払いを一つして、盗まれた『破壊の槍』奪還の為の有志を募った。

「では、捜索隊を編成する。我と思う者は、杖を掲げよ」

 オスマンの言葉が、荒らされた宝物庫に重々しく、しかし虚しく響いた。


「で、名乗りを上げたのがお嬢ちゃん達三人か。ざまあないというか、あそこの大人どもは腑抜けの上に腰抜けか。どっちも似たような意味だが」

 呆れ果てた様子の嗄れ声に、ルイズはむう、と反論の言葉を飲み込んだ。今、ルイズとDは馬車に乗っている。Dが御者台で手綱を握り、荷台にはご主人様(おそらく)のルイズと、タバサ、キュルケ、それに案内役を任されたロングビルが居る。
 あろうことか、オスマンの言葉に答えて杖を掲げる者は教師達の間には一人もおらず、その不甲斐なさに業を煮やしたルイズが自ら名乗り出たのだ。それに負けじとキュルケが、さらに友人を心配したタバサが志願したのである。
 教師達は志願しなかった自分達の面目と、生徒である彼女らを危険な目に逢わせるわけにはいかないという二つの理由から反論はした。
 だが、誰も捜索隊には志願しなかった事と、タバサ、キュルケの優れた能力に加えて先日ギーシュとの決闘でその力の片鱗をみせたDの存在を評価したオスマンの推薦もあってこうして、馬車の荷台で揺られる次第と相成ったのである。
 元々母国で軍人としての教育も受けていたキュルケや、キュルケも知らなかったがシュヴァリエの称号を持つタバサの存在は、ルイズにとっては心強いものであった。
 シュヴァリエというのは、王室から与えられる爵位の内、最下級のものだ。ただ、男爵や子爵といった爵位が、領地を買う事で手に入れる事が可能なのに対して、シュヴァリエだけは違う。
 純粋にその個人の功績に対して授与されるものであり、それは実力の証明でもあった。昨日からタバサには迷惑のかけっぱなしであったルイズは、申し訳ない気持ちでいっぱいだったから、学院に戻ったら大好物のクックベリーパイでも奢ろうと思っていた。
 それとはまた別に、フーケの捜索を行うと告げたルイズに不平の一つも言わずに、今は御者台で馬の手綱をDが握っていてくれる事に安堵もしていた。
 Dという存在自体に寄せるルイズの絶対的な信頼もあるが、やはり昨夜フーケのゴーレムを相手に見せた実力も明るい材料となっていた。Dがいれば、むざむざ返り討ちに遭う様な事もないだろう。
 Dの顔を目にしてしまい、意識を別次元の彼方に放逐してしまったロングビルも、馬車に揺られて小一時間ほどもするとようやく現実世界に帰還を果たし、恥ずかしげに頬を染めて細くしなやかな指をせわしなく組み合わせていた。
 妙齢の美女ながら、どこか幼い少女の様に初々しい所作であった。
 不意に、Dが口を開いた。普段の無口ぶりを知っていると、一生言葉を離さずに過ごすのではないかと思えてくるのだが、この面子が居るところでは比較的話をするし、自分から口を開く傾向も見えつつあった。
 以前なら皆既日食とか、めったに起きない自然現象に遭遇してしまったような反応を、おっかなびっくり示していたルイズも、今ではさも当たり前のようにDと受け答えをしている。慣れた、という事以上に相性の様なものも良かったのであろう。

「盗まれた『破壊の槍』とはどんなものだ?」
「えっとね、前に宝物庫の中を見学した時に見たけど、二メイル位はありそうな槍よ。そのまんま槍ね。学院長が何十年か前にどこかから見つけてきて、そのまま宝物庫にしまったの。由来もどんな力を持っているかも誰も知らないわ」
「それで、価値があるのか?」
「さあ? 学院長の私物みたいなものだし。ただ、フーケは魔法の品物が大好きみたいだから、どこかから聞きつけて来たのかもしれないわね」
「他の宝には目もくれずか」
「そうみたい。まあ、あそこにはガラクタとかもあるし、あんな派手な盗み方をした所為で、他の秘法を盗む余裕もなかったんじゃないかしら?」
「計画性の無い怪盗じゃなあ。盗み方も豪快と言えば豪快じゃが、後先考えておらんのが見え見えじゃぞ」
「先生達が言っていたけれど、フーケは必ずしもゴーレムを使うわけじゃないみたいよ。夜陰に紛れてこっそり宅内に侵入して宝物を盗んだりとか、『錬金』の魔法で『固定化』の掛けられた壁や錠前を土に変えてまんまと盗んだりとか、パターンが複雑みたいね」
「そうか」

 と、つれない一言で会話を切り上げ、Dが深い森の中へと馬車を進めた。そのままロングビルのどこか熱に浮かされた様な声に従って馬車を降り、木立に手綱をゆるく巻いてから、徒歩で、森を通る見から続く小道に入る。
 ほどなくして森の中の開けた場所に出た。
 確かにロングビルが農民から聞いたという通りに、廃屋がぽつんと一軒だけ建っている。元は樵か誰かが使っていたものだろうか。朽ち果てた炭焼き用らしき窯と、壁板が外れた物置が並んでいる。
 小屋からは見えない位置の木の陰に隠れ、五人は相談を始めた。といっても、Dは会話には参加せずに小屋の方を見ている。

「わたくしの聞いた情報だと、あの中に居るという話です」

 ミス・ロングビルが小屋を指さして言った。とりあえず『破壊の槍』を取り戻す為に一戦交えぬとならないのなら、奇襲に越したことはない。昨夜の働きで、さしものフーケも疲れを感じて眠っているかもしれない、もしそうなら御の字だ。

「もし、あのゴーレムがまた出てきたら厄介ね。あんな大きいのに利く魔法なんて、私達では使えないわ」

 ルイズの意見に、タバサが地面に杖で絵を描きながら作戦を明示した。まず偵察兼囮が小屋の中の様子を伺う。中にフーケがいれば挑発して外へとおびき出す。
 小屋の中にはゴーレムを造るような土はないから、フーケはそのまま小屋の外に出てくるだろう。そこを、残りの面子の魔法で一気に叩くのである。
 あの土ゴーレムに対する対処法が無いのなら、それを使わせる暇を与えなければいい、というわけだ。
 ひょっとしてDなら単独でもあの土ゴーレムに勝てるかも、と頭の隅で考えていたルイズも、D一人に全てを任せる事への申し訳なさと不甲斐なさ、それにタバサの明示した以上の作戦が思いつかなかったので、賛成する。
 ふんふん、と作戦を聞いていたキュルケがこう言った。

「じゃあ、偵察兼囮を決めないとね。といってもミスタ・Dが一番の適任でしょうけれど。ていうか、ミスタの顔を見せれば、フーケもあっさり捕まえられるのではなくて?」
「それもそうよね。つくづく反則だわ、あの顔。……ねえ、D? 小屋の偵察お願いできる、てもう行っているし!?」

 相談には一言も意見を発しなかったDが、すでに小屋に向かって歩き出している事に気づいたルイズが素っ頓狂な声を上げた。滾る陽光の中を、影の国から現われた魔王子の如く、Dは躊躇する様子も警戒する素振りも見せずに歩いていた。
 すでに小屋の中の気配を探り、反応が無い事を確かめていた。Dの知覚をやり過ごせる陰形の技を身に着けているのかもしれぬが、そうなら直接対峙するまでの話だ。
 ここらへん、自分の命を軽んじているのか、不動の自信を持っているのか、Dは大胆極まりない。

「さて、小屋の中には誰もおらぬだろうが、どうする? お前の腰のパウチの中に確か焼夷弾やら破砕用の手榴弾が残っておったろう。あれを使えば小屋ごと吹き飛ばせるぞ。万が一隠れておったとしても跡形もなく吹き飛ばせば無用なリスクは避けられる」
「『破壊の槍』とやらが壊れぬ保証はあるまい」
「そういえば奪還が任務じゃったの。誰かを滅ぼせという以外の仕事は久しぶりか。死の暗雲が立ち込めぬような仕事はあんまりお前向きではないな」
「かもしれんな」

 無造作に廃屋の扉を開き、Dが足を進めた。
 上下左右、どころか自分の影の中からの奇襲もこれまでの戦いで経験してきただけに、一件無警戒に見える姿でも、瞬時に右手が閃光と化して背のデルフリンガーを振り抜き、三百六十度あらゆる方向からの攻撃に対応できるDならではだろう。
 使われなくなって久しいのか、一部屋きりの小屋の中には埃が降り積もり、人の足が絶えた年月を忍ばせている。転がった酒瓶や椅子、テーブルを見回し、崩れた暖炉や積み上げられた薪を見回す。

「ふむ、新しい足跡があるの。分かっておるだろうが、彼女のものと同じじゃ。どうも突発的な犯行だったらしい」
「ここを見つけたのは僥倖か」
「悪運はあるらしい。いや、あったと言うべきか。お前がお嬢ちゃん達についてきたのは、彼女にとっては最悪と言うほかあるまい。八つ裂き、四肢切断、生首を刎ねる、頭から真っ二つ、心臓を突く、さて、お前の好みはどれ―――ぎええ」

 厭味ったらしい左手を握りしめて黙らせ、Dは薪の隣にあるチェストへと足を向けた。ダンピールの特性か、それともDの歩方によるものか、埃に残ったDの足跡はフーケの足跡の半分ほどしか沈んではいなかった。
 チェストの傍らに、布でくるまれた二メイルほどの細長い竿の様なものがあった。おざなりといえばこれ以上ないくらい粗雑な扱いの『破壊の槍』であった。
 あまりの呆気の無さに、つまらんと左手が思わず零したのも無理からん事だろう。『破壊の槍』やそれを包む布に不穏な気配の無い事を察知したDが、左手を『破壊の槍』へと伸ばした。
 その時である。小屋の外で大きな物音とルイズの悲鳴が聞こえたのは。左手に『破壊の槍』を握ったDが、ロングコートの裾を翻して、黒い疾風となって小屋の外へと出た。
 昨夜、Dが指やら腕を斬り落とした、あの巨大な土ゴーレムが居た。その足もとでルイズやキュルケが大慌てで走って逃げだしながら、杖の先をゴーレムに向ける。
 迸る紅蓮の大火球や、鋭い風の刃がゴーレムに当たるが、それだけでさしたる効果は見込めない。キュルケの炎は土の塊であるゴーレムにはさして効果もなかったし、風の刃は確かに鋭かったが、やはりキュルケの炎と同様の理由で功を無さなかった。

「これは、ちょっと無理があったかしらね!」

 そう言いつつも、炎の塊をゴーレムの指先などの細かな部分にぶつけ効果が無いか試みるキュルケに、タバサが至極冷静に呟いた。戦闘での見切りの付け方は、感情に左右されぬ分、タバサの方が的確だ。

「退却」

 Dはタバサと一緒になってゴーレムから逃げだしたキュルケを一瞥し、最大の問題である己がご主人様の姿を探した。ルイズは、全高三十メイルはあるゴーレムの背後に居た。
 珊瑚細工の様な唇の動きからなにがしかのルーンを呟き、魔法を行使しようとしているのが見て取れた。Dが小屋から出た勢いをそのままにルイズめがけて疾駆する。
 ゴーレムの背が揺れて、巨体を構成する土がぼろぼろと毀れ落ちた。ルイズの失敗魔法が引き起こす爆発の成果だ。
 ルイズは続けて魔法を唱えた。詠唱の短さから言って、ライトやレビテーションといったコモン・マジックだろう。何を唱えても爆発するのなら、発動までの時間が短く連射の利くものを、と選択したのであろう。
 土ゴーレムは逃げるキュルケ達を追おうか、背後のルイズを踏み潰すかまよう素振りを見せていたが、しつこく爆発を繰り返すルイズを目障りに感じたらしく、くるりと振り返った。
 それまで敢然と魔法を唱えていたルイズが、自分を見下ろすようにしているゴーレムの威容に、思わず体を竦ませた。明確な敵意をゴーレムから向けられた所為だ。ルイズの人生で、殺す事も厭わないという敵意を向けられたのはこれが初めての事であった。
 それでも、目は瞑らず、ルイズは再び呪文を唱えてゴーレムの額のあたりに爆発を起こした。同時にゴーレムが右腕を振り上げて、ルイズめがけて凄まじい勢いで落とす。
 爆発が命中した事に気を取られたルイズは、自分めがけて落ちてくる直径一メイルほどの拳に気づき、慌ててその場を離れようとしたが、それはとても間に合うとは思えなかった。
 上空に待機させていたシルフィードに乗ったタバサとキュルケも、おもわず殴り潰されるルイズの姿を想像して息を飲む。振り下ろされる土の拳から、逃げられないと悟ったルイズは咄嗟に自分の足元めがけて魔法を発動させた。
 その爆発の勢いを利用して自分自身を吹き飛ばし、三メイルほど滑空してから以前にも感じた事のある逞しい感触に抱きとめられた。
ルイズの方へと走っていたDの方へ、運良く吹き飛ばされたらしい。けほ、とせき込み、土で白皙の頬を汚したままのルイズが、自分を片手で抱きとめるDの姿に気づき、はっと顔を挙げた。

「小屋の中にフーケはいなかったぞ」
「ええ、分かっているわ。まずはあのゴーレムを何とかしなきゃ」
「逃げないのか? 誰も君を責めはすまい」
「心配してそう言ってくれるならうれしいけど、でもダメよ」
「命あっての物種と言う言葉はこちらにはないのか?」
「あるけど、ねえ、D。人間にはね、これが無くちゃ生きているとはいえない、生きている意味が無い、っていうものが少なからずあると思うの。私もそれを持っている」
「貴族か?」
「そうよ。魔法も使えない貴族、貴族じゃない貴族の私が、せめて魔法以外では貴族であるにはここで逃げてはいけないの。無様に敵に後ろを見せるのも、全力を尽くす前に逃げ出す事も、私が、私を貴族として誇る為には許されない事よ」
「命を捨ててまで、か」
「ううん。違うわ。命を捨てるんじゃない。命を賭けて、よ。私が掛けられるたった一つのモノを賭けて、私は自分の事を誇れる私でありたいのよ。私は、ラ・ヴァリエールの娘だって。ゼロのルイズと馬鹿にされるのが私だけなら仕方のない事だわ。
 でも、それは私だけじゃない、父様や母様、姉様、ちいねえ様皆への侮辱も混じっているの。娘がこんな有様じゃあ、あのヴァリエールも名ばかりで実の伴わない貴族なんだろうって。私は家族の名誉の為にも、貴族でありたいの、本当の貴族に」

 振り下ろした拳を引き抜いた土ゴーレムが、Dとルイズめがけてずしんずしんと、数十トンを超す体ならではの重々しい音を立てて追いかけてくる。Dはルイズを右腕で小脇に抱えて駆けだした。

「D?」

 ゴーレムから二十メイルほど離れた所で足を止めたDが、抱えていたルイズを下ろした。ルイズは意図が分からずこの青年の顔を見上げたが、Dは不思議と穏やかな顔で自分の主人を見下ろしていた。
 ルイズは、Dが左手に握っている『破壊の槍』から白煙が噴き出しているのに気付いて目を剥いた。

「D!? 手が」
「おれではだめらしい。君が使え」
「え?」
「手を添えろ」

 有無を言わさぬDの声に従い、ルイズは差し出された『破壊の槍』を握った。不思議と重さは感じられず、まるで手足の延長の様にルイズの手に馴染む。槍と触れた掌から、なにか暖かい力が体の中に流れ込み、全細胞が徐々に熱を帯びてくる。

「すごい、これが『破壊の槍』?」
「やはり、お嬢ちゃんなら扱えたか。どうにもこやつでは拒絶されての。まあ、こやつの体に流れる血の半分が原因じゃろうが。しかしとんでもない力を秘めた槍じゃ。わしでも底が読み切れん」 

 感嘆の声を挙げるルイズは、槍によって焼け爛れた左手がそう呟くのを聞いてはいなかった。ルイズが拙く槍の穂先をこちらへ向かってくるゴーレムへと向ける。Dが、それを補助する様にルイズの手に自分の手を重ねて、ぴたりと穂先を固定する。
 背後から抱き締める様にして、自分の手に重ねられたDの両手の逞しさと、冷たさに、ルイズの頬がうっすらと朱に染まった。

「意識を槍に集中しろ。あとは槍が導いてくれる」
「はい」

 素直な気持ちでルイズはDに返事をした。とくん、とくん、という心臓の鼓動が鮮明に聞こえる。ルイズは耳から周囲の音が消えてゆくのを感じた。
 木々の匂いも立ち込める土煙もDの掌の感触も、すべてが失われてゆくのと引き換えに『破壊の槍』の中で眠る白い光の様なものと意識が溶けあってゆく。
 それは常人の近くでは到底理解出来ぬなにか途方もない、しかし人のぬくもりに似たものを持った力であった。
 さしずめ、神の手によって鍛造されたかのような、人知を超えた力。だが、この槍を鍛造した神は善き神であったろう。力と共に体の中に溢れる暖かさに、ルイズはゴーレムへの恐怖を忘れた。
 ずしん、と近くで音がした。槍を構えるルイズとDの目の前で、足を振り上げたゴーレムの姿があった。『破壊の槍』と同調し、その力を引き出すルイズは眼を瞑っている。Dはルイズを支える様に槍を持ちながら、ゴーレムを見上げた。
 途方もない質量を持ったゴーレムの足がわずかな躊躇もなく振り下ろされるのと、『破壊の槍』の穂先が、槍自身の意思で動くのは同時だった。
 周囲を全て白く染めるほどの清らかな光が『破壊の槍』の穂先から放たれ、そこから地上から天へと逆しまに迸った光は、大神が魔の眷属を滅ぼす為に落とした轟雷の様であった。
 その威力がどれほどのものであったか、右足の裏からゴーレムの頭のてっぺんまでを一気に穿ち、それでもおさまらずゴーレムの巨体全てを塵芥へと粉砕せしめたではないか。
 耳を劈く轟音と、眼を焼く白光の中、Dは『破壊の槍』を見つめていた。それまではどこにでもあるような平凡な槍だったが、今は、鬼神のごとき文様が銀の刃に浮かび上がり、左右にも刃が伸びて形状が変化している。
 ルイズの力によってその姿を変えた『破壊の槍』は、かつて国造りを行い現行の世界を破壊せんとした創造神イザナギ・イザナミを封じた『神の槍』と呼ばれたものであった。

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