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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • サイヤの使い魔-21

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

サイヤの使い魔-21

最終更新:2010年01月04日 19:56

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  • サイヤの使い魔


翌朝になっても、ルイズはふさぎ込んだままだった。
アルビオン行きの船に乗り込む段階になって、流石に心配になったのか悟空が声をかけたものの、

「大丈夫よ。でも今は一人になりたいの。お願い、ほっといて」

と取り付く島も無く、そのままルイズは一人、客室に消えていった。
無理も無い、とワルドは思った。
彼女が今一番会いたく無い相手は、自分の使い魔なのだから。



客室で独りぼっちになったルイズは、ベッドの上で両膝を抱えた体制で座り、頭を膝に押し付けるようにしていた。
――メイジの実力を見るには使い魔を見ろ。
その言葉が、今のルイズに重くのしかかっていた。
いや、召喚したその日からうすうす感じてはいたのだ。
半狂乱になったタバサの、手加減無しの魔法を何度その身に受けても怪我一つ負わず、ギーシュのワルキューレが繰り出す攻撃にも耐える頑強な身体。
メイジではないが、そこらのメイジにも引けを取らない数々の特殊能力。
天然なんだか器が大きいのか、どんな境遇でも「ま、いいか」の一言で済ます素直で純粋な性格。
決定的だったのは、一昨日のワルドとの試合だ。
あの魔法衛士隊の隊長であるワルドをも(片手間で!)あしらった上、たったの一撃で気絶させてしまったのだ。
そんな凄い使い魔を召喚した自分はといえばどうだろう。
ゴクウが来てからというもの、目に見えて成長したとは思えない。相変わらずコモン・マジックすらも満足に唱えられてはいない。
学園生活が多少楽しくはなったが、それは考えを改めただけの単なる逃げだ。
自分も成長した。それをこの手で実感したい。そのために、アンリエッタの頼みも殆ど二つ返事で引き受けたのだ。
困難極まりない危険な任務だが、だからこそ、この任務を達成すれば、使い魔の実力に見合ったメイジだと言えるのではないか。
使い魔に対しての負い目が、じわじわと彼女の精神を侵食し始めていた。



そんなルイズの心境を知ってか知らずか、悟空は出港してからというもの船内には入ろうとせず、甲板の上で眼下に流れる風景をもの珍しそうに眺めたり、甲板の一角に係留されているワルドのグリフォンやシルフィードと仲良くじゃれあったりしている。
自分で飛ぶ時は基本的に目的地の方角しか見ないので、こうやってのんびり景色を楽しむのは意外と面白かった。
食堂で昼食を食べ終え、船長からラウンジに招待されたワルドたちが見た時は、器用にも船と相対速度を保ちつつ、甲板から数メイル離れた上空に佇んでいた。
昼食の後は皆と行動を共にしていたルイズもそれを見たが、すぐに浮かない顔で視線を逸らしてしまった。

「……では、戦況は芳しくないと?」
「はい。伝聞では、現在王軍はニューカッスル付近に陣を配置し、もはや篭城戦寸前です。
 補給路を断たれてしまえば、陥落も時間の問題だとか」

船長から最新のアルビオン情勢を聞いたワルドは、船長の意見に意を唱えそうになった。
篭城は恐らく、囮だ。
あの王子のことだ。地上の補給路を断てば陥落する、そう思わせておいて、何らかの対抗策を講じてくるだろう。
追い詰められた鼠は手強い。必ずや一矢酬いてくるはずだ。
その時、自分はどっちの立場にいるのだろう。
レコン・キスタは、ワルドにとって聖地へ行くための足がかりでしかない。
アルビオンを討ち滅ぼし、ハルケギニアを統一し、最終的には聖地をも手に入れんとする。
その時になって初めて、ワルドの計画はやっと実行の第一プロセスを踏み出すのだ。
それに比べ、現状はどうだろう。
このままレコン・キスタに留まれば、遅かれ早かれ、いずれワルドはルイズ達と表立って敵対することになる。
彼女の傍らにはあの使い魔がいることは明白だ。彼らがアルビオン側に組すれば、戦力が飛躍的に上がる。
そして今のワルドに彼を倒すことは、まず不可能だ。
ルイズとあの使い魔だけでも何とかしてレコン・キスタに引き入れてしまうか。
それとも、いっそルイズ達に同行して、王軍の手助けをするべきか。聖地へ行くのはその後でもいい。
ガリアの後ろ盾があるとはいえ、組織単体で見ればあくまでも利害の一致で集まった烏合の衆でしかない前者に比べ、後者はうまくすればアルビオンとトリステインという二大国家を背後に持つ事になる。
この先起こるであろう戦争を上手く切り抜ければ、聖地へ行ける可能性としては後者の方が高いかもしれない。
ワルドの考えは、ラウンジの上に設けられた鐘楼に上っていた見張りの船員があげた大声に中断された。

「右舷上方の雲中より、船が接近してきます!」

船外にいた悟空も、船員の言った方角は理解できなかったが、確かに近づいてくる複数の気を感じていた。
ワルドが観察窓から外の様子を伺うと、タールで黒く船体を塗装し、舷側から砲門を剥き出しにした、どうみても客船とは思えない船が接近してきていた。
アルビオンの貴族派だろうと判断した船長が、見張り員に手旗信号で敵ではない旨を伝えさせたが、応答が無い。
副長の「あの船は旗を掲げておりません!」という報告を聞いて初めて、二人は相手が空賊だとわかった。
それまで余裕のあった船長の顔がみるみる青ざめた。

「逃げろ! 取り舵いっぱい!」

船長は船を遠ざける指示を出した。
戦うなどと言う選択肢は初めから用意していなかった。
相手は片舷側に二十数門も大砲を並べた戦闘用の船、対してこちらは船体の大きさこそ同等だが、武装など皆無に近い客船。
いや、実際には客船ではない。
アルビオン近辺に出没する空賊の狙いは貴金属の類ではなく、燃料や積荷、食料といった、戦闘継続に不可欠なものばかりだと言う噂だ。
昨今、空賊の襲撃を避けるために、老朽化した客船や医療船に若干の改造を加え、輸送船や商船としてアルビオン-ラ・ロシェール間を行き来するのが、船乗り達の間で慣習になっていた。
ダウンしていたワルドの代わりにキュルケたちが調達してきたこの船も、その類のものだ。
場合によっては、より客船らしく装うためにこうして少数の客人を乗せたりはするものの、客室の殆どは倉庫に改造されている。
武装が全くと言っていいほど無くなるというデメリットはあるが、改造してしまえば積載量に大した違いは無く、襲撃される危険性も以前よりは減っていた。
外にいた悟空は、眼下の船が急に進路を変えたのを見て、遅れまいと甲板へ降下しはじめた。その時、黒船から一発の砲弾が船の針路めがけて発射され、同時に黒船の中で何者かの気が上がるのを感じた。
悟空が振り返ると同時に、たちまち彼の視界が白一色に染まる。
誰かが系統魔法を唱えたのだ、と気付いた時には、既に悟空は意識を失っていた。 大砲の轟音と、次いで甲板から聞こえたドサッと言う音に再び外の様子を伺ったルイズは、自身の使い魔が甲板に倒れているのをみて悲鳴を上げた。

「ゴクウ!!」

それまでのふさぎ込んだ様子からは一転、取り乱し半狂乱になって甲板に出ようとするルイズをワルドは必死に抑えた。

「いやあぁぁぁぁ!!! ゴクウ!! ゴクウ――!!!!」
「ルイズ! 落ち着くんだ! ルイズ!!」
「ゴクウがあ! ゴクウが撃たれたぁ――!!」
「撃たれてない! 眠ってるだけだ!! 僕を信じろ!!」
「ほ…ほんと?」

ルイズは暴れるのをやめた。
ワルドは自身のグリフォンを指差して見せた。ルイズがその方向を見ると、確かにグリフォンは甲板に寝そべり、穏やかな寝息を立てている。シルフィードも同様だった。

「空に浮いていたので、メイジと間違えられたんだろう。落ちる寸前、彼の顔に青白い雲がまとわりつくのを見た。僕のグリフォンもそうだ。あれは眠りの雲だ」

眠りの雲。
水系統のラインスペルである。

「それじゃあ……」
「相手にメイジがいるようだな」

どすんと音を立て、甲板に空賊たちが降り立った。数は8人。その中に、派手な格好の一人の空賊がいた。
赤銅色に日焼けした逞しい胸板を薄汚れたシャツで覆い、縮れた黒髪と伸びた無精ひげがいかにも荒くれ者という雰囲気をかもし出している。
唯一、その左目に掛けられた緑色のレンズをした奇妙な形の片眼鏡が異彩を放っていた。
恐らくあれが頭だろう。

「な、何とかできないものでしょうか」船長がワルドにすがる。
「乗り込まれる前なら落とすことも出来ただろうが、今となってはどうにもできんな。下手に戦えば、他の乗客の命をも危険にさらしかねない。
 それに、そもそもこの船が戦闘に耐えられないだろう」

船長がこの船の秘密をワルドに打ち明けようとした瞬間、甲板のど真ん中に立った頭が大声を張り上げた。

「船長はどこでえ。出てきやがれ」
「ご指名だぞ」

ワルドに促され、震えながらも椅子から立ち上がった船長は、服の裾を両手で引っ張って形を整えるとラウンジのドアを開け、甲板に歩いていった。
頭は大またで船長に近づき、顔をぴたぴたと抜いた曲刀で叩いた。

「船の名前と艦隊登録番号、それと積荷は?」
「トリステインの<ドレーク>。艦隊登録番号も積荷も無い。見ての通り、この船は客船だ」
「ん~? 間違ったかな?」

頭は曲刀を持ってない方の拳を顎に当てて捻ると(ぼきっという音がした)、傍らに立っていた目出し帽を被った部下を呼んだ。

「ジョニー!」
「へい!」
「この船の名前と、積荷は?」

ジョニーと呼ばれた男は手に持った台帳を一瞥し、答えた。

「トリステインの<ドレーク>、艦隊登録番号NCC-70956。アンドロメダ級の輸送船で、積荷は硫黄とありますぜ」
「だ、そうだ。生憎だが、おめえらの偽装なんざハナッからお見通しなんだよ」

船長は驚きと屈辱に歯を噛み締めた。
軍艦には運行スケジュールや空中接舷の都合上、当然偽装した輸送船の情報も載せられている。
それがこうして襲撃され、あまつさえ艦隊登録番号まで知られているということは、この空賊、商船のみならず何処かでトリステインの軍艦を拿捕したに違いない。
船長の反応に満足した頭はにやっと笑うと、船長の帽子を取り上げ、自分が被った。

「船ごと全部買った。料金はてめえらの命だ。スコッティ!」
「へい!」白髪交じりの、恰幅のいい空賊が一歩進み出た。
「こいつら徴集して――」頭は船長を顎でしゃくった。「――この船を引っ張ってく準備をさせろ」
「わかりやした。でも、引っ張って行くとなると、その分余計に風石を消費することになるんで、曳航の準備と航路の計算のために2時間ばかし貰えますかね」
「30分でやれ」

今や単なる労働力扱いになってしまった船長が屈辱で震える。
それから頭は、数人の手下を従えて船長が出てきたラウンジの中へと入っていくと、中にワルドやルイズたちがいるのに気付いた。

「おや、貴族の客まで乗せてるのか」

それから、キュルケやフーケ――やけに静かだと思ったら、食堂から持ってきたエールの大瓶を抱いて眠りこけていた――を見ると口笛を吹いた。

「別嬪ぞろいだな。おめえら、俺の船に来いや。暫くの間いい暮らしをさせてやるぜ」

手下たちが下品な笑い声をあげた。その目に映る好色そうな雰囲気から、「いい」というのが彼女達に対して向けられたものではないとわかる。
頭が「どうだ? 悪い取引じゃねえだろ」と言いながらルイズの顎に手を伸ばしてきた。
ルイズはその手をピシャリとはねつけると、燃えるような怒りを込めて、男を睨みつける。悟空を甲板に落とされたこともあって、ルイズの怒りは頂点に達していた。

「下がりなさい……下郎」

押し殺した声で、淡々とした調子で言葉をつむぐ。
その様子から、ルイズの怒りが本気であることが長年の付き合いであるキュルケにはわかっていた。

「こいつぁ驚いた! 下郎ときたもんだ!!」

頭がよく響く大声で爆笑した。
それまで我関せずといった姿勢で、部屋の隅で静かに本を読んでいたタバサが、いい加減煩くなってきたのか杖を構えようとしたが、ワルドに止められた。

「ルイズの使い魔がまだ外だ。どうにかして彼を起こしてから、体制を整えて一気に反撃に出よう」

タバサはうなずくと、再び本に目を落とした。

「ジョニー!」
「へい!」
「こいつらをどこか一部屋にまとめとけ。後で身代金をたっぷり頂くんだ」
「わかりやした!」ジョニーが頭に代わってワルドたちの前に立った。「よし、てめえら男女男女で交互に並べ!」

ワルドたちは言われた通り、ワルド、ルイズ、ギーシュ、キュルケ、タバサ、フーケの順に並んだ。
ひとりずつ数えていたジョニーがあることに気付く。

「頭!」
「何だ!」
「女が若干男より多いです!」
「そうか、だったら女男女女男女だ!」
「女男女女女男ですね!」
「違うわ!」頭が吼えた。「よく聞けぃ!こーやって並べ!!」

男女男女と言い合いを始めた空賊たちに、半ばあきれ返ったワルドが提案する。

「あー、君たち、外に倒れている僕たちの仲間を加えればちょうど女男女男女男女になるんじゃないのかね?」
「おお! おめえ頭いいな!!」
「採用!!」

ワルドはため息をついた。いろんな意味で。



ワルドたちは、空賊船の船倉に揃って閉じ込められた。<ドレーク>のクルーたちは、自分たちのものだった船の曳航を手伝わされているらしい。
周りには、酒樽やら穀物の詰まった袋やら、火薬樽が雑然と置かれ、部屋の隅には砲弾がうず高く積み上げられている。
杖もデルフリンガーも賊に取り上げられてしまった。その上、扉1枚隔てた向こうには先ほどのジョニーとか言う空賊が見張りについている。
したがって、ここを力づくで出ることは不可能だ。
寝ている悟空が起きない限りは。
眠りの雲は一般的な系統魔法同様、基本的に術者が解除するか、さもなくば意識を失うようなことがなければ解除されない。
せめて賊のうち誰がこの魔法を唱えたメイジなのかがわかれば、何とか説得して術を解除させることくらいはできるかもしれないのだが、とにかく今はやれるだけのことをやるしかない。
ルイズは眠っていると言うよりも死んでいると言った方がよさそうなくらい、静かに寝息を立てている悟空を起こそうとあれこれ試行錯誤していた。

肩を揺らす(ルイズの提案)――反応なし。ならばと髪を引っ張って頭を少し浮かせ、手を離して床に落とすも結果は変わらず。
耳に水を入れる(タバサの提案)――反応なし。「寝耳に水はガセビア…」とタバサが残念そうに呟いた。
くすぐる(ギーシュの提案)――反応なし。傍で見ていたタバサのほうがむず痒そうに身体をくねらせ始めたので、いたたまれなくなって中断。
お姫様のキス(キュルケの提案)――ルイズ(と何故かタバサ)が全力で却下。
鼻をつまむ(フーケの提案)――1分以上経過したところで「殺す気かこの酔っ払い!」とルイズの蹴りが入り、中断。
どてっ腹に一発(ワルドの提案)――ワルドの手首が捻挫した。
それならバックから一発(ルイズの提案2)――ルイズと悟空以外の全員から「自重しろ」と却下。「軽い冗談なのに……」とルイズがブンむくれた。

タバサがワルドの手首を治療していると、扉が開き、頭からジョニーと呼ばれていた男がスープの入った皿を持ってやってきた。
扉の近くにいたルイズが受け取ろうとしたとき、ジョニーはその皿をひょいと持ち上げた。

「質問に答えてからだ」
「言ってみなさい」
「お前たち、アルビオンに何の用だ?」
「旅行よ」ルイズは腰に手を当て、毅然とした声で言った。
「トリステイン貴族が? 雁首そろえて? 今時のアルビオンへ?
 いったい、何を見物するつもりだい?」
「そんなこと、あなたに言う必要はないわ」
「強がるじゃねえか。だけど嫌いじゃねえな、そういうの」

ジョニーは笑うと、皿と水の入ったコップを寄越した。
タバサがひょいと顔を持ち上げ、ジョニーに訊いた。

「いま何時?」
「あ? ちょっと待て」ジョニーは船倉から顔だけ外に出し、廊下の突き当たりに掛けられた時計を見た。「2時49分だ」
「ありがとう」

ジョニーが船倉から出ると、キュルケが訊いた。

「タバサ、時間が気になるの?」
「もうすぐ3時」
「3時に何かあるの?」
「シルフィードのご飯の時間」

その途端、床の上で死んだように眠り続けていた悟空が跳ね起きた。

「メシ!?」

全員が唖然とした様子で悟空を見た。ルイズに至っては、危うく皿を落としそうになった。
食い物への執着、おそるべしである。

「メシは? メシは何処だ?」
「あ……はいこれ」

とりあえずルイズがスープの入った皿を寄越すと、悟空はそれを2口で飲み干した。
いつもと変わらぬその様子を見て安心したのか、ルイズは気が抜けたようにへなへなとその場にへたり込み、「ほぁ」と息をついた。

「ぷはーっ、うめえ! おかわり!」
「もう無いわよ~」キュルケが言った。
「えーっ、オラ、あんなんじゃ全然足んねえぞ」
「あんらねぇ、自分が今何処にいるかわあってるう?」

どれほど飲んだのか、呂律の回っていないフーケに言われ、悟空は改めて周囲をキョロキョロと見回した。

「あれ、そういやオラさっきまで船の上にいたはずなんだけどな……。ここ何処だ?」
「それはもう2時間も前の話よ。私達は空賊に捕まったの」
「空賊? …もしかしてさっきの黒い船か?」
「ええそうよ」
「ふーん……。何で逃げなかったんだ?」
「君が! 寝ちゃってたから! みんなで起こそうとずっと頑張ってたんじゃないか!!」
「そ、そうなんか……。わりい」

珍しくルイズの代わりにギーシュが怒鳴り始め、よりによってギーシュに怒られたことで、流石に悟空も事態がただ事ではないと感じ始めていた。
場の空気を和ませようと、キュルケが髪をかき上げて言った。

「まあ、ともかくこれでゴクウも起きてくれたことだし、早くここを脱出しようじゃない」
「そうだな。というわけでゴクウ、宜しく」
「ん? 何を?」
「あの扉をブチ破って、見張りを片付けてくれ。自慢じゃないが、僕達メイジは杖を取り上げられると何もできないんでね」
「あ、そういやデルフは…」

悟空は右肩の後ろ、剣があるべき場所を手探りしたが、そこには何も無かった。

「…デルフも取られちまったんか。よし、じゃ、やっか。でもその前に…」
「?」

悟空は扉の前に立つと、扉をガンガンとノックした。
すぐさま、ジョニーの怒鳴り声が聞こえてきた。

『うるさいぞ! 何をしている!』
「すんませーん、おかわりくださーい」

ギーシュがずっこけた。

「何をやってるんだ君は!? 賊を相手におかわり要求してどーする!」
「いや、メシ食ってからでもいいかなと思って」

扉の向こうにいるジョニーが答えた。

『おかわりだぁ? ……しょうがない奴だな、ちょっと待ってろ』

悟空を除く全員がずっこけた。

「そ…揃いも揃ってバカばっかだわ……」
『へいっきしゅ!!』

倒れたままのキュルケがうんざりした口調で呟くと、絶妙のタイミングで扉の向こうからジョニーのくしゃみが聞こえてきた。
直後ジョニーが悲鳴を上げ、悟空たちは何事かと扉に耳を押し当てた。

『は…腹がぁ……』
「腹?」
『もぉ……漏れるぅ~!!』

ジョニーが情けない悲鳴を漏らしたかと思うと、どたどたと廊下を走り抜ける音が聞こえ、何処かの扉が開閉される音を最後に、物音がしなくなった。

「……………何かしらね…?」

キュルケの問いにワルドが答えた。

「トイレに…駆け込んだようだな」
「もしかして…脱出のチャンスってことかしら」
「そうみてえだな。近くには誰の気も感じねえ」
「ダーリン、やっちゃって。ご飯はその後よ」
「わかった」

再度キュルケに促され、悟空は無造作にドアノブを引っ張った。木製の扉は脆く、鍵もろとも取っ手が外れ、乾いた金属音を立てて船倉内に転がった。
悟空が静かに扉を開けると、通路の奥、曲がり角の向こうから、ジョニーの『出る☆』という声が聞こえてきた。
本当にトイレに駆け込んだらしい。

「それで、どうすんだ?」
「賊の頭をひっ捕らえよう。まずは僕達の杖を取り戻す」
『出るぅ!』
「頭が都合よく持ってるかしらね?」
「持ってないにせよ、人質にすれば手下どもを脅して交換材料にできる」
「何処にいるのかしら? ダーリン、頭が何処にいるか、キってやつでわかる?」
『まだ出る~!!』
「何人かの気は感じるけどよ、そのカシラって奴がどいつなのかわかんねえ。オラ、顔は見てねえしよ」
「ああ、そうなの……」
「見つからないように、手当たり次第当たってみるしかなさそうだね。幸い、ゴクウがいるおかげで相手の位置は把握できるわけだし」
『フオッ!?』
「だが、この人数は目立つぞ」ワルドが言った。「ここは少数精鋭で行こう」
「だったら、ダーリンと子爵さまでいいんじゃない?」
「キュルケたちはいいのか?」
『こ…こんなものが……』
「あたしはそういうの面倒だし苦手だし、タバサは本読んでるし、ギーシュは薔薇の匂いで嫌でも気付かれるし、酔っ払いのおばさんは酒臭いし」
「だぁ~れがおばひゃんよ! あらひはまら23よ!」
「あ……わ、わたしも…」

さっきまで元気だったのに、悟空が起きてからというもの、ずっと黙りこくったままだったルイズが、悟空の目をおどおどと見つめながら言った。

『新記録だ……』
「いや、多分オラとワルドだけで大丈夫だ。危ないからおめえはみんなと一緒に待っててくれ」
「え……そ、そう…………」
『流せるのか……これ……?』

てっきり駄々をこねるものだと思っていたキュルケは、ルイズがあっさり引き下がったのを見て目を丸くした。
通路の向こうから、便器に水を流す音と、ジョニーが嘆息を漏らす『クソぉ~……』という声が聞こえてきた。

「やっこさんも戻ってくるようだな。では行くとしよう」
「ああ」

再び水を流す音に紛れるように、ルイズたちは再び船倉に戻って扉を――取っ手と鍵はギーシュが注意深く嵌め直した――そっと閉め、それを確認したワルドと悟空は駆け出した。


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