マキマ(チェンソーマン)

登録日:2021/01/22 Fri 14:56:00
更新日:2025/03/15 Sat 20:07:28
所要時間:約 17 分で読めます






貴方の言う必要悪というものは

悪事を正当化する言い訳です その言い訳は社会に必要ない

必要な悪とは常に国家が首輪をつけて支配しているものです


マキマとは『チェンソーマン』のヒロインである。

CV:楠木ともり
舞台版:平野綾


概要

デビルハンターや魔人、人型悪魔で構成された公安部署「公安対魔特異4課」を取り仕切るリーダーであり、内閣官房長官直属のデビルハンター。
赤みがかった長髪と波紋状の金色の瞳が特徴の知的な雰囲気の美女。
その美貌から主人公デンジ早川アキからは好意を抱かれている。
当初は「ゾンビの悪魔」の排除の為に出向いたところ先に倒していたデンジと出逢い、デンジを公安にスカウトした。

部下や同僚に対しては基本的に優しく振舞う一方で、パワーら公安の悪魔からは非常に恐れられ、あるいは敬われ、または快く思われていない。
度々「特異4課の実力をもっと認めてもらいたい」と語っているが、それ以上に何かしらの思惑を抱いている。
目的の過程で多くの犠牲者が出る事を厭わず、時に残虐な脅しを行使する事もある。
その立場上特異課の隊長クラスであっても契約悪魔を知る事は許されておらず、何の悪魔の能力か判別しがたい超常的な力を振るって戦う。
岸辺はそんなマキマの目的・正体についての情報を持っており、強く警戒している模様。

ちなみに犬好きらしく、自宅には大型犬を数頭飼っている。










以下、単行本10巻以降の重大なネタバレ注意









時が来てしまったようだ
今…マキマを殺さなければ 人類に最悪の平和が訪れてしまう


国民よ 愚かな決断をどうか許してくれ


銃の悪魔よ アメリカ国民の寿命を一年与える

代わりにどうかマキマを…いや……


支配の悪魔を殺してほしい









私たちの邪魔をするなら 死んで






初期から謎多き人物であったが、正体は日本の内閣総理大臣と契約した支配の概念を司る悪魔『支配の悪魔』
チェンソーマン第一部のラスボスであり、デンジの人生を弄び続けた全ての元凶。
「人類の長い歴史と共に恐れられ強大化した悪魔」とされ作中では各国から敵対視され刺客まで送り込まれていたが、終盤には各国がマキマへの抵抗を諦め、最終的にマキマに明確に敵対する国家はアメリカだけになってしまった。


ジャンプの巨悪の先輩たちは
の様な「どこか人間臭い悪意」や、
の様な「悪のカリスマ」があるが、彼女の持つ『それ』は彼らとは正反対の『他人への極端な関心のなさ』
強大な力を得ていながらその力を積極的には振るうことなく、表向きはただの公務員を装う異質さは多くの読者に毛色の違う悪意を実感させた。
コアなファンからは長年彼女が持っていた『ジャンプ史上最凶最悪のヒロイン』の称号を継ぐに相応しいヒロインとも言われていたが、実際には受け継ぐどころかそっちが可愛く見えるレベルでぶっちぎりで更新してのけた。


●目次


人物

本作において『人間の姿をした悪魔』は人類に友好的という性質を持つが、マキマも例に漏れず人間には友好的。
…が、これは人間がペットの犬を可愛がるのと同じ理屈であり、「忠実で扱いやすく賢く愚かで見ているだけで面白く、そして何より私の事が大好き」という独善的な理由によるもの。
そして興味のある者、というか実質チェンソーマン以外のあらゆる存在に対して徹底的なまでに無関心であり、寛容に接する裏で道具のように使い捨てる。
上述の「人間が好き」も、好いてくれるから悪い気持ちはしない以上の意味はないものと思われる。

当然のことながら敵には一切容赦せず、目的の為には手段を選ばない
有力な悪魔やデビルハンターを手に入れるためならばターゲットを洗脳し親しかった周囲の人間を殺させることにも何ら躊躇いが無い。
敵対者に対しては容赦のなさがより顕著に出ており、最初は穏便でも自分に従わないと見るやあらかじめ敵対していたヤクザの家族、親族、恋人の目玉を抉って袋詰めにしたものを取り出してから交渉という名の脅迫で服従させる悍ましい手段も平然と取る。*1


そんな彼女が並々ならぬ執着心を燃やす唯一の存在こそ、チェンソーマンであった。
「チェンソーマンのファン」を自称し、自分が勝って支配できるならそれで良し、自分が負けても「チェンソーマンに食われるなら本望」と断言している。
その一方でチェンソーマン本人からは何の興味も持たれておらず、自分の作戦が成功し弱体化したチェンソーマンを追い詰めた際は落胆した表情を見せていた。
故に最近一部の読者からは、推しに一方的に自分の理想を押し付ける厄介オタクと言われている


その一方でノリは良く感性自体は時折人並み程度だが見せてくる。
飲み会では積極的に酒を飲んで楽しんだり、デンジとのデートで映画を見るといったラフな姿も多く見せていた。
好みの映画であれば目から感動の涙を零し、タバコを吸おうとした際は簡単に咽せて早急に興味を失っているなど感性は比較的人に近いと思われる。
…が、他者への関心の無さから人間を匂いでしか識別できず、また興味ある人間の匂い以外は記憶に残らないという欠落を抱えている。
作中では同僚や部下にフレンドリーに接していたが、その実彼らのことなど気にも止めていなかったのだろう。
一方で、銃の悪魔を利用した計略も、当初は最小限の人的被害で収まるよう配慮する算段であったりと人への友好感情自体は嘘偽り無いものだったことが窺える。
他にも愛犬家としての顔も持ち、自宅には無数の大型犬をペットにして飼育中。


スペック

強大な悪魔なだけあり肉弾戦にも通じ、能力を使わずとも素手でチェンソーマンを叩きのめし肉体を引き裂けるだけの怪力を持つ。
が、それ以上に脅威となるのが「支配の悪魔」の名に恥じない権謀術数。能力を使わずとも他者の心を掴み、思い通りにコントロールする手腕には目を見張るものがある。
事実、終盤までデンジ含む多くの部下は彼女を完全に信じ切っており、死の瞬間まで疑われることはなかった。

普段はネズミや鳥などの小動物を能力で支配下に置き自身の目や耳の代わりとして扱っており、そこから極めて広範囲に渡り情報を収集する。
千里眼や地獄耳のように遠方の情報を見聞きできたのは小動物の存在あっての事。


悪魔としての能力


私に全て捧げるといいなさい


悪魔としての能力は「自分より程度が低いと思う者」を支配する洗脳能力
人間、魔人、悪魔問わず、見下した相手へ『命令』をすることで命令通りに操れる、ダイレクトに「権力」と形容できる力を行使する。
この時、マキマの下腹部からは鎖が伸び鎖が操作する対象の胸部に突き刺さる形で自身の能力を行使。
そして頭頂部にはが細い紐のようになって頭上にエンジェル・ハイロウの如き肉の輪を構築する。

こうしてマキマに洗脳された存在は彼女へ慕情や忠誠心を抱く様になったり、記憶そのものが書き換えられ自分がなぜ彼女に従っているのか疑問に思わなくなってしまう。
部下だった天使の悪魔の忠誠心や早川アキの恋心も全て、後付けで植え付けられたものに過ぎないと思われる。
特に「命令」を利用して人間と悪魔の契約を無理矢理成立させられる特性が凶悪さを際立たせている。
自分自身と人間との間の契約で不平等な取引を交わせるのは勿論、操った他人を悪魔と契約させることで、間接的に、自身に代償なくその悪魔の力すら利用できる。
極め付けに彼らが死んでも悪魔と契約した人間の死体を操り、生前契約していた悪魔の力を死体の肉体を介して支配下に置いて自在に行使できる。
この代償は恐らく適当な日本国民の誰か、あるいは支配下に置いた人間にそのまま押し付けていると思われ、自身には何のリスクもなしに悪魔の力を発動させている。
総じてあらゆる生者、そして欠損の少ない死体があればあるほどマキマの戦力と手札が増えていく。
何より恐ろしいのは、弱者は彼女に目を付けられたが最後、一生支配され続けた上に死後も好き勝手に利用されるか、あるいは死体も残らない死を迎えるかの二択しか無いことだろう。

能力の副産物なのか、マキマの支配下にある悪魔の能力を彼女自身が使っているような描写もある。

マキマはこの能力を利用したのか、内閣総理大臣との自身への攻撃を適当な日本国民の病気や事故に変換するという契約によって擬似的な不死身の肉体を獲得。
死んでもその都度蘇生することで相手の手札を知った上で対処・反撃できる点も非常に厄介。
何気にこの描写、内閣総理大臣と契約できた=「総理大臣自身がマキマに"程度が低い"と思われた」という特大のブラックユーモアでもある

とはいえ、操れるのはあくまで「程度が低いと思える者」限定なので、それなり以上のスペックの持ち主相手には能力が通じない。
強大な悪魔兼ラスボスではあるもののマキマ自身はずば抜けた戦闘力を持つ絶対的強者というわけでは無く、何なら正攻法では勝てない格上の存在は普通にいる*2

またマキマ本人には格上に通用する攻撃手段がほとんど無く、劇中のマキマの超常的な力はどれも入念な下準備と根回しありきで成り立つものでチェンソーマンのような素のスペックが高い相手には実は苦戦していた。
ただしマキマ自身、その辺は認知していたようで、それを補うため劇中では配下である『蜘蛛の悪魔』に公安デビルハンターの死体を回収させて戦闘時の手札を整えていた。

そして洗脳自体も完璧ではなく、マキマの支配力を上回る程の強い感情を抱けば洗脳の影響を脱し、元の感情や記憶を取り戻すことが出来る様子。
もっとも、そうならないための根回しを欠かさないのがマキマなので、そこに行き着くまでが困難なのだが……。



技・能力

  • 呪殺(仮称)
初登場時に披露した技。
生贄に捧げる人間に標的のフルネームを喋らせ、生贄の命と引き換えに標的をすり潰すように殺害する。
標的にされた相手はまるで見えない手で押し潰されるように潰され原形が全く残らない死体に変えられてしまう。
この際刑務所の死刑囚を生贄に捧げており、効率的に呪殺を実行している。

  • 下等動物の支配
上述の通り、下等動物を支配する事でその聴覚を借りる。
これによってマキマはレゼとデンジの会話で出た話題*3を認知していたり、フタクチの発言をクァンシに返したりする*4など、他人の行動を手に取るように把握している。
岸辺は「会話はマキマに聞かれている」とメモ帳に書いてクァンシに伝えている事などから、誰かの視界を奪ったり千里眼のようにどこでも見る事ができる能力ではない模様。
ここで言う下等動物にはネズミが挙げられており、それらが周囲にいなければ口頭で会話しても問題ないらしい。
もっとも、上述の詳細はあくまで岸辺が把握していた範囲でしかないが。
また、マキマが大量のネズミの山の中から出現するといった瞬間移動じみた技も披露している。

  • 指鉄砲(仮称)
戦闘で多用していた技。
指差し或いは指鉄砲の構えを作り、「ばん」という掛け声を発することで指先から衝撃波を放ち射線上にある物体を丸く抉り取る。
大きさもコントロール可能で、掌に風穴を開ける程度の大きさから人間の胴体を丸ごと消し飛ばすまで自由自在。
新幹線内で襲撃したヤクザの返り討ちに使用したのも恐らくこの技。
チェンソーマンに対して使った場合は抉り取るまではいかなかったが、連射することで宇宙空間まで弾き飛ばす荒業も見せた。
ただしマキマにとっては支配能力を除けば唯一のまともな攻撃手段であり、この攻撃が通じない相手には一気に不利になってしまう。

  • ダメージの変換
内閣総理大臣との契約により、銃撃されても「私は撃たれなかった」で済ませる…つまり支配下に置いた人間や無関係な日本国民に自身の死やダメージを押し付けて回避できる。例え銃撃で全身を蜂の巣にされようが、首が切断されようが、四肢をねじ切られようが即座に傷口が塞がる。
そのため日本国民の数だけ残機があるといっても過言では無く、観測上は30回以上の死を経験している文字通りの不死身。
作中では武器人間やサンタクロースも不死身の肉体を実現しており、「他人がその分のダメージを負う」という点で血や暗闇だけで回復できる彼らよりもコストは大きいが、彼らと違い完全に自動回復するため戦闘続行能力は高い。
また、治癒を阻害されてもダメージの押し付け自体は止まらないため、そうなると毎秒どこかの日本国民が代わりに不幸に見舞われたり死んでいく羽目になる。

  • 悪魔の能力の使用
複数の悪魔の力を組み合わせる事で戦術の幅を広げる。
自己蘇生で敵の攻撃を無力化しつつ、手駒にした悪魔やデビルハンター達の能力を複数組み合わせた凶悪なコンボ攻撃により本人の火力不足をカバー。格上の敵であろうと仕留める戦術こそがマキマの真骨頂である。
作中では『天使の悪魔』、『蜘蛛の悪魔』、沢渡の『ヘビの悪魔』、アキの『未来の悪魔』、黒瀬・天童の『罰の悪魔』を同時使用して銃の悪魔を迎撃した。

  • 寿命武器
支配した『天使の悪魔』の能力で生み出した武具。
頭頂部の脳で出来た天使の輪から具現化する。
マキマの能力の関係上他人から寿命を引き出し放題なため、自分の寿命を削る事なく100年分の寿命や1000年分の寿命を気軽に消費して武器に変え攻撃に利用していた。

  • 物事を掌握する力
支配する能力の派生として、この世から消されてしまった存在をしばらくの間覚えていることができる力を持つ。
いわゆる歴史修正に対する耐性のようなものだが、特に戦闘の役には立たない。
マキマがチェンソーマンオタクになった遠因……かもしれない。


公安対魔特異5課

自身の支配の能力により支配下に置いた7人の武器人間達で構成されたマキマ直属の私兵集団。
デンジ同様不死の肉体を持ち、身体の一部を操作することで悪魔の姿へとその身を変える。
尚全員精神操作によって好感度や記憶を弄られており、マキマに対する高い忠誠心と敬愛、愛情を植え付けられている。
その為支配下に置かれる前とは性格があまりに違っている。端的に言えば再生怪人



終盤での活躍




余談

モチーフは『有頂天家族』の弁天。
また作者のタツキ氏が中学生の頃考えた漫画『星の息吹』のキャラクターを流用したのがマキマだとのこと。
ただし一部読者からは小説『比嘉姉妹シリーズ』具体的には実写化された『来る』(原作者は「澤村 電磁 」名義を使っていたことがある)の「比嘉琴子」との関係を指摘される。

名前の由来は「チェンソーで木(キ)を切ると『ママ』になる」という意味合いがあるらしく、デンジが求めていた母性の象徴でもあったという。

外部出典ではソーシャルゲーム「勝利の女神NIKKE」とのコラボレーションで限定キャラとして実装された。
チェンソーマンとのコラボ!?」とシューティングゲームという全く方向性の異なる作品とのコラボ自体への驚きの声や
「マキマさんのケツを見られるのか」「マキマさんのケツも揺れるのか?」「むしろデンジくんのケツを揺らせ(?)」などの声が続出した。
実装されたのはロングコートを羽織っているためケツが見えないという残念な結果…と思いきや、イベント報酬でコートを脱いだ差分が用意されており、そちらではしっかり揺れる。




これは命令です

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最終更新:2025年03月15日 20:07

*1 ただし、公安にはすぐに元通りに治せるデビルハンターがいるらしく、その後に関係者を治すことも想定してのことだと思われる。

*2 代表格は万全な状態のチェンソーマン、闇の悪魔、銃の悪魔

*3 田舎のネズミと都会のネズミ

*4 フタクチ「尸体在说话」→マキマ「死体が喋っている」

*5 デンジがマキマに対抗する策を考えるシーンで彼の顔を思い浮かべていた。

*6 本来のデンジはつまらない映画をみればつまらなそうにして名作を見れば涙を流す、マキマ自身によく似た感性である。

*7 玉ねぎと肉の生姜焼き、ハンバーグ、カツ、ナゲット、モツ味噌煮込み、肉だけカレー、肉団子、寿司、ステーキ、刺身、鍋、肉マン、マジ闇鍋、ヤバジュース、髪の束っぽいもの

*8 死後あっという間に戻ってきた=地獄に転生してから間髪入れずに死んでいる為、本来の『支配の悪魔』は弱い部類の悪魔ではと考えられる